2010年02月14日

[すし鉄](東京駅大丸)

寿司は?


東京駅に着くのは5時前。会食にはゆっくり間に合うはずだった。ところが浜松駅を過ぎた辺りで携帯電話が鳴った。「お客様が早く来られたんですけど…」と部下が言う。有名店でご馳走しようという計画は消えた。この時間にやっている店は駅ビルぐらいだと意見は一致した。

1時間以上もカウンターにいるわけがない。銀髪の予想通り、お客様と部下が窓際のテーブル席で赤ら顔をしていた。夜景の見える一等席は、猫に小判のようなものだ。銀髪が席につくと、若い女性が注文を取りに来た。「あれっ?こんな美人いたかなー」と酔っ払い二人が目を丸くする。「5時からは美人に替わるんだね」と銀髪が言うと、彼女は悠然と笑みを返した。

大皿に残ったくたびれた刺身を見れば「僕らはお腹いっぱいですから」と言われなくても状況は把握できた。1時間の遅れを無理して取り返すことはない。メニューを見ると思ったより安くて良心的な店のようだ。こんな店は高級魚よりも、ヒカリモノの方が美味しいはずだ。

「穴子が美味しかったですよ」とお客様が気遣ってくれる。皿に一切れだけ残った白焼きを見て、煮穴子を頼んだ。味が変わればみんなも手を出してくれるだろう。

ついでに白焼きを頼んだ。お奨めを無視するわけにはいかない。一合徳利はすぐになくなるので何度も美人を見ることが出来た。すぐ出て来る熱燗は酔いが遅い。常に温められているからアルコールが飛んでいるという銀髪の説に部下は納得しない。

すし鉄は慶応2年(1866年)の創業だという。日本橋本店の前は何度も通ったことがあるが入ったことはない。きっちりとした江戸前寿司をリーズナブルに食べさせてくれるそうだ。「最後に寿司でも食べましょうか?」と聞いたら、「ラーメンを食べに行こう!」と言うので絶句した。

すし鉄さん、寿司を食べないですいませんでした。

日本橋 すし鉄
東京都千代田区丸の内1-9-1 グラントウキョウノースタワー 大丸東京店 12F
03-3217-8888

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2010年02月10日

[夢とり](八重洲)

素人っぽいのがいいね


「店主は元プロゴルファーだったらしいですよ」部下の言が本当かどうか分からないが、入り口ではゴルフバックが大きな顔をしている。ツアープロではないにしろ、生粋の料理人というわけでもなさそうだ。

お通しでビールを飲んで日本酒を頼むと、小皿を置いて行った。枡からグラスを取り出して乗せるための皿だ。グラスを枡につけたままにするか、取り出すか、時々議論になるが、これなら分かりやすい。グラスの酒より枡に溢れ出した方が量が多いとは嬉しい限り。

横浜関内の鳥元で見たのと同じような焼き鳥用フォークがあった。10人で分け合って食べるのに、このフォークが貢献した。恐らく店主は客としての経験の方が長いのだろう。日本酒といい、焼き鳥用フォークといい、客の気持ちが良く分かっている。

今まで気付かなかっただけかもしれないが、最近食べた鍋は殆ど水を入れない。夢とりのキムチ鍋も具材しか入ってないように見える。焦げそうでも心配無用なのはすぐに分かった。

水分は足りないどころか溢れそうになった。写真は3人前だが、10人に2つの鍋でちょうど良かった。しかし、10人の分け方には問題があったかもしれない。鍋の減り方は明らかに違った。

鍋の前に焼き鳥を食べ終わる予定だったが、出て来るのに時間を要した。ガラスで仕切られて幸せな我々と対称的に、主人は煙に包まれて四苦八苦している。

つくば茜鶏を使った自慢の焼き鳥は悪くなかった。やっと出て来たピーマンとしいたけの肉詰めは、みんなで譲り合った。間が開くと戦闘意欲が減退する。中年軍団の我々は鍋でほぼ満腹になってしまった。

それでも、欠食児童のように食べる我々のスピードに合わせて料理を作るのは大変だったろう。勘定をして店を去るとき、主人が安堵したように見えた。


八重洲 夢とり
東京都中央区八重洲1-5-10 八重洲井坂ビルB1
03-3245-1678

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2010年02月02日

[八重洲 とり安](京橋)

人気の焼き鳥居酒屋


「あー、とり安だな。知ってるよ」と言ったけれど、連れて行かれた店は違っていた。銀髪が思っていた店はとり安ではなかったのだろうか。
入り口は狭いが中はそこそこの広さ。一番乗りした我々6人は、座敷に上がった。掘り炬燵式になっているので座りやすい。

先ずビール。いつものように銀髪が勝手にオーダーする。「トラフグね」と言ったら、丸っこいおばさんが「とりふぐ」と訂正する。トラフグの刺身に似せてささ身で作ったとりふぐ造り。とり安の名物料理である。トラフグと同様にポン酢ともみじおろしで食べさせる。
もう一品はたたき。こちらはしょうが醤油で食べる。どちらもささ身だけど料理法を変えれば味も変わる。

佐賀県の地鶏みつせ鶏のネギマと、串焼き5本(ひな、皮、ささみみそ、みさき、レバー)を各人に頼む。ひなは新潟産の鳥越の鳥とのこと。まだ客が少ないのでどんどん来る。「早過ぎるよ」と言うとちゃんとスローダウンしてくれた。ベテランで固めた店員たちは客の気持ちをしっかり受け止める。

串焼き5本は前半が塩焼き、後半がタレ焼き。どれも美味しい。いつものように年長軍団はよく食べ、よく飲む。熱燗の2合徳利がすぐなくなり、何度も何度も追加注文。丸っこいおばちゃん、スリムなおばちゃんとおじさん、店員3人が我々の席につきっきりのようだ。3人とも齢は重ねてもフットワークがいい。

「唐揚げちょうだい」とり安のもう一つの名物料理もみつせ鶏で、柔らかくて香ばしい。一人一切れずつ食べるとお腹が膨らんだ。さらに焼き鳥を追加しようとしたらみんなからストップがかかった。それなら勘定をと思うとさにあらず。雑炊やおにぎりはちゃんと食べると言うのだから恐れ入る。齢を取っても健啖家ばかりだ。銀髪はおにぎりを1個だけ食べた。他の人たちがオーダーしたささみが乗った雑炊は魅力的だった。

座敷を降りて店内を見まわすと満席の賑わい。人気の焼き鳥屋は不況知らずのようだ。翌日調べてみると、とり安は銀座寄りに京橋店があることが分かった。銀髪の勘違いではなかった。ランチ時に行って見ると、そちらが本店で40年の歴史があるそうだ。本店を姉が、八重洲店を弟が経営している。「弟の店もよろしく」とお姉さんは優しかった。


八重洲 とり安
東京都中央区京橋1-6-8 コルマ京橋ビル1F
03-3567-9454
http://www.yaesu-toriyasu.jp/

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2010年01月18日

[酔心](東京駅八重洲地下街)

酔心を飲んで美しく


「鍋を食べよう」心に決めて地下街を歩き始めた。酒の肴では間が持てない下戸の部下とは鍋料理が適当に思えた。銀髪には美味い日本酒があればいい。お互いのニーズが合いそうなのが酔心だった。店に入るとそれほど混んでいない。女性客は一人も居ない。

中国人女性が注文を取りにやってきた。3,990円の寄せ鍋セットを頼んだ。あれこれ肴を選ぶ必要はない。ビールを飲み干し年配の男性店員を呼ぶ。店長の小藤田さんだ。「酔心以外の酒はないの?」と意地悪を言うと「それはないでしょう」という顔をする。酔心は広島の銘酒・酔心の直営店である。

「120店ほどあった酔心も今は60店ぐらいに減ってしまいました」別系列の店も含めてあちこちに酔心の店を見かけたものだが、かなり少なくなった。若い女性が集まる居酒屋が増えても、酔心は今もおじさんたちに支えられている。しかし、酔心でも焼酎を飲む客の方が多いそうだ。

銀髪の相手を店長に任せて部下は黙々と食べ続ける。刺身も焼き魚も各人に配されるので部下は遠慮の必要がない。「日本人はもっと日本酒を飲まなきゃね」と意気投合すると店長が吟醸酒を持って来た。銀髪にお猪口を渡して注いでくれた。部下にもお猪口を差し出すと手を振って断る。店長が居なくなって「馬鹿だな、お前も注いでもらえば俺がもう一杯飲めたのに」と部下をなじった。酒呑みは意地汚いのだ。

ボリュームたっぷりの鍋だ。3分の2は部下に任せて飲み続けた。吟醸酒のお礼にもう1本頼む。店長が壁の絵を指し示した。横山大観の絵で「寿」を図柄にしている。「大観にとって醉心は主食であり、米の飯は一日を通じてわずかに朝お茶碗軽く一杯程度のもので、後は全部醉心でカロリーを取っていたといわれています。」とのこと。凄いね。

焼酎が好まれる理由は悪酔いしないからという。カクテルにしたら飲み口も軽い。しかし「美味しいから」と言う人はあまりいない。純米大吟醸や純米吟醸などは横山大観が愛した酒より遥かに美味しいはずだ。もちろん料理の供は純米酒で充分だ。

日本酒復活のキーワードは美肌かもしれない。日本酒に美肌効果があるのは昔から良く知られている。居酒屋に進出してきた若い女性たちに日本酒の未来はかかっている。「日本酒の方が美味しいわよ」と言われれば、おじさんたちもグラッとくるに違いない。

季彩膳 酔心
東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街南1
03-3275-3909
http://www.e-suishin.com/

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2010年01月13日

[伴]③(八重洲)

親子で繁盛


新年会で伴に行くことになった。以前は頻繁に来ていたのに、新規開拓にかまけているうちに足が遠のいてしまった。それでも「大将、久し振り!」と声をかけると、「いつもブログでお世話になっています」と笑顔を向けてくれた。実に気持ちがいい。

岩のりと塩辛のお通し、厚めに切った刺身は以前と変わらない。鯖のたたきが来てオヤッと思った。初めて食べる料理だ。壁の貼り紙に自然と目が行く。純米酒は置いてなかったはずだ。もちろんハイボールなんか見たことない。

しばらく来ない間に鯖しゃぶが冬の看板料理になったそうだ。鮟鱇も今が美味しいと言う。会社の連中は忘年会で食べたらしいが、銀髪は参加しなかった。「よし!今度俺がご馳走してやる」とMさんが胸を張る。新年会の翌週、伴に再訪することになった。

「長崎産ですか?」と聞くと「さすが銀髪さん、良く知ってるね」と大将が答える。「ときさばを確保するのは大変なんですよ」と続ける。対馬海峡で獲れる寒さばのうち400gを超えるものが旬(とき)鯖と呼ばれる。青魚は中途半端に温めると臭いが気になるものだがその心配は無用だった。

「北海道産?」アンコウを茨城産と言うのは面白くないのでちょっとひねった。「茨城産です。北海道産は高くてね」と意外な答え。肉厚で身がしまった北海道産の方が値が張るらしい。昔は関東でしか食べなかったアンコウだが、今は全国区。漁獲高も他県の方が多い。それでもやはり茨城産アンコウはトップブランド。「今日のは最高ですよ。触ってみればすぐわかります」と大将の息子・二代目がアンコウを手づかみで鍋に放り込んだ。

本場の茨城県では水を加えず、アンコウの肝はすり潰し、味噌で味を整える「どぶ汁」が主流。伴のアンコウ鍋は初めての人でも食べやすい寄せ鍋風。火が通ったら食べ頃で、シンプルな味付けだけに鮮度が勝負となるそうだ。鯖、アンコウ、野菜の味が溶け込んだスープは最後に雑炊となって腹に収まった。

「息子が本腰を入れ始めてから店が変わってきたんだよ」とMさんが解説する。酒の品揃えや料理の変化は若者の意見が影響しているのだろう。不況にもかかわらず、店は一杯だった。繁忙だから息子が真剣になったのか、息子が真剣になったから繁盛しているのか。大将に聞いたら「そんなことはないよ」と照れ笑いを見せるに違いない。


すし処「伴」
東京都中央区八重洲1-5-21
03-3278-1644

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2009年12月22日

[とことん倶楽部](東京駅)

リーズナブルに楽しく


「東京駅までたった30分じゃないか。出ておいでよ」自宅近くで仕事をしているからと渋る次兄を説得した。しつこく誘う理由を明かすわけにはいかない。とにかく次兄が来なければ話にならないのである。努力の甲斐あって、東京駅八重洲中央口で兄弟3人が揃った。

ときどき神の存在を信じる気になる。ほぼ満員に見えた店内左奥に3人用のテーブルが空いていた。座るなり長兄と相談して買ったプレゼントを取り出した。1週間後に還暦を迎える次兄に手渡す。生ビールがやってきた。おめでとうの言葉と共にジョッキをぶつけ合う。

テーブルに置いてあったピーナツを食べながらメニューを見る。「兄貴、適当に頼んでよ」促された長兄がオーダーを始めると、残りの二人が口を挟む。「モツ鍋のお味は何にしますか?」と聞かれて意見がまとまらなければ「両方頼んじゃえ!」となる。

「オウ!レバカツ美味いな!」長兄が感嘆の声を上げる。「レバーが美味しければ合格だよ!」と店を選んだ銀髪が自慢する。「美味い、美味い」髭をひきつかせながら次兄が同意する。焼き物だって悪くない。

女性店員を呼んで「椎茸!」と長兄が注文する。「しろ!」と銀髪が続く。「兄貴の奢りだからバンバン頼もうぜ」と次兄を煽るが遠慮している。「じゃあ、酢モツ」と銀髪が結着する。

再び女性店員を呼んで頼もうとしたら「俺はもう肉はいいよ」と長兄が情けないことを言う。1本減らしてみんなで分けることにした。野菜は大丈夫のようなのでしし唐は一人一本。「いやー、本当に食べられなくなったよ」と嘆く62歳の長兄に比べれば、次兄はまだ若々しい。それでも「俺の還暦は祝ってもらえるんだろうね」と54歳の銀髪が口を尖らせる。

焼酎のボトルが空っぽになり、口直しに頼んだ2本の瓶ビールも飲み干した。「次、行こうぜ!」銀髪の掛け声でみんな席を立った。

口々に「3兄弟なんだよ!」とママに言うと、疑わしそうな目つき。みんな名刺を見せる。「たまたま同じ苗字なんじゃないの?」と言われて懸命に分からせようとする。どこに行ってもいつも店の人たちはこんなやりとりにつき合わされる。

「誰が一番もてるの?」と聞かれて真っ先に手を上げるのは長兄だ。「オヤジが生きてたらなあ」と誰ともなくつぶやくと一瞬、間が空く。オヤジが生きていたら、そう、きっと長兄より先に手を上げて自慢していたことだろう。そう、そう、オヤジが生きていたら、3人の肩を抱き、大きく笑ったことだろう。そう、そう、そうだよな…


とことん倶楽部
東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅八重洲北口1階 キッチンストリート内
03-6267-2904

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2009年11月26日

[豊月]②(八重洲)

期待以上、夜の豊月


昼に温かいそばを食べた後、そば湯を飲むための器を出されて感動してから数週間。やっと行く機会が訪れた。評価が固まっている高級店ならともかく、初めて行く居酒屋に誘う人選は難しかった。

アサリの串揚げ、漬物の盛合せ

一緒に行った2人は気の置けない仲間。高級店よりかえってリラックス出来ると言ってくれるので気が楽になる。お通しとしては意外性のあるアサリの串揚げに驚いている暇はない。他のテーブルに運ばれるものと思っていた漬物の盛合せが我々の前に置かれてびっくり。これもお通しだと言う。

もつ煮込み、小鯛

鍋敷きが先に来たので予想をしていたものの、もつ煮込みの大きさにまたびっくり。驚かすのが好きなのだろうか。テキパキと動くおばさま達が高笑いをする。

煮ころがし、いか煮物

2人前からとのことだったが、1人前にしてくれても良さそうな量の里芋の煮ころがし。店やおばさんたちの年齢から判断して間違いないと思った煮物は予想通りの当たりだった。仲間二人も「いいねぇー」を連発してくれるので、嬉しくなる。

カキフライ、枝豆

「カキフライは何個?」「3個です」「いいねぇー」てなもんだ。次は何を頼もうかと思っていたら各テーブルに枝豆が配られた。「いいねぇー」

酒が進んでいけない。ビールの後は一人が焼酎、一人が冷酒、銀髪が熱燗と酒量を確認しながら飲んでいたのが、いつの間にか熱燗に統一されて盃を交わしている。味が変わって飲みすぎる悪いパターンだ。

出し巻き玉子、もりそば

最後は定番の玉子焼きをホクホクして、もりそばへ。昼間のように別の器は持って来てくれなかったけれど、そば湯もたっぷり堪能してお開きになった。高級日本酒がないお陰で高い酒ではなかったけれど1升以上は飲んだ。一人6,000円のお代に納得。

「また、今度もここにしよう!」と別れた。相手に恵まれて、美味い肴があれば、楽しくないはずがない。

豊月
東京都中央区八重洲1-3-19 辰沼建物ビル地下
03-3275-2779

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2009年11月03日

[豊月](八重洲)

お気に入りになりそう


日本橋、八重洲周辺には蕎麦屋がたくさんある。立ち食いの店も含めてその殆どは路面店。わざわざ地下の知らない店に飛び込もうとは思わない。おまけにみすぼらしいビルで入り口も小さい。階段を降りるにはそれなりの勇気がいる。

インターネットは世界を変えた。口コミサイトの食べログを見なければ近くに居ながら永遠に行かなかったかもしれない。人は見かけによらない。店だって外見だけで判断しては可哀相だ。階段を降りて店に入った。壁に酒の肴の短冊がたくさんかかっている。店内を見ただけでそばの味が分かるわけではない。

連れはもりそばを頼んだ。銀髪はお目当ての鴨せいろではなく、鴨南蛮を頼んだことを料理が来てから気がついた。「新そば」の文字に期待したのはそば湯だった。しかし鴨南蛮では丼にそば湯を加えて飲むのはしんどい。鴨南蛮は美味しかった、でもそば湯が飲めない。嬉しさと悲しさが交錯しているときに運ばれてきたのがそば湯。なんとそば湯用の器まで持って来てくれた。

これには感激した。頼みもしないのにこんなサービスをしてくれたのは半蔵門の「蕎麦小路 さわらび」以来である。さわらびはいかにもこだわりのそば屋さん。店の造りから、器、メニューに至るまで神経が行き届いているさわらびに比べると、豊月は居酒屋が昼にそばを出しているような店。感激より驚きの方が大きかった。

客のことを考えた細やかな心遣いは接客だけでなく料理など全てに影響する。これなら夜の料理も期待できるはず。今度は絶対夜に来よう。心に決めた。

豊月
東京都中央区八重洲1-3-19 辰沼建物ビル地下
03-3275-2779

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2009年07月04日

[ドンピエールエクスプレスカレー](東京駅)

さすがに美味しい特製カレー


東京駅八重洲南口地下1階の東京ラーメンストリートに向かった。オープンから1週間後の様子は先週書いた。2週間後の様子を見に行くと、前週より15分も遅いのに行列の長さは半減していた。行列を整理する若者はいなくなり、むつみ屋にいたっては呼び込みに必死だった。長時間待つ覚悟がいるのは六厘舎ぐらいだ。

予想通りの光景を後にしてラーメンストリートを離れた。向かったのは北口1階のキッチンストリートにあるドンピエールだった。先日、京橋ドンピエールに行ってカレーが自慢の店だと知った。そのカレー専門店がドンピエールエクスプレスカレーである。

OLに人気だというホワイトカレーを頼もうかと一瞬思ったが、特製ビーフカレーにした。
「特製ですか?」と確認されたので普通のビーフカレーもあるのだろう。1,600円なら立派な特製カレーに違いない。

一番の目的が東京ラーメンストリートの様子を見ることで、ついでにドンピエールのカレーを食べるというシチュエーションは正解だった。お腹を空かせること、あまり期待しないことの美味しいものを食べる2大要素が整ったからだ。

店名のとおりオーダーしてから約2分で目の前にカレーが置かれた。一口食べて美味しいと思った。牛肉が多いのが特製なのだろうが、肉なしでも充分美味しいと思う。2大要素がなくても美味しいはずだ。
カレーで1,600円は高いと思わないでもないけれど、それだけの価値がある。

2分で出て来るのはいいけれど、あまり早いとスタンドカレー屋さんと似たり寄ったりで安っぽく感じてしまう。せめて5分ぐらい時間をかけ、もったいぶって出した方が有り難味がわくのではないだろうか。

早すぎても遅すぎても客は不満を持つ。神経質に時計を何度も見る客と、注文をしてから本を開く客では時間の感覚が違う。マニュアルではカバーできない微妙なところは店員の感性に頼らざるを得ない。料理屋は本当に難しい。

ドンピエールエクスプレスカレー
東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅八重洲北口1F キッチンストリート内
03-5288-7551

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2009年06月27日

[東京ラーメンストリート](東京駅)

東京駅の新名所


東京駅八重洲南口地下1階、東京駅一番街に6月17日東京ラーメンストリートがオープンした。日経朝刊でそのことを知り、見学に出かけた。11時半頃だったのでよもや食べることができるとは思わなかったが、想像を絶する人の群れに圧倒された。「こいつら仕事をしているのか?」と行列を見て毒づいた若者が列に加わるのを横目に、銀髪は足早に通り過ぎた。

1週間後、11時に到着すると人混みは半分以下に緩和されていた。食券を買って「二代目けいすけ」の列に並んだのが11時2分で、7分後には席に案内された。テーブルの相席は強要せず、余裕があってなかなかいい。10分後にラーメンがやってきた。器の形が面白い。

海老の香りが強い面白いラーメンだ。伊勢海老のビスクのようであるが、食べ進むうちにやっぱりラーメンだと納得する。レンゲが巨大なので左手に持ったままでは食べにくい。どうやったら上手く食べられるだろう。試行錯誤しているうちに、ほぼ食べ終えた。

「六厘舎」の行列がもっとも長く、「ひるがお」「むつみ屋」もそこそこ並んでいる。37席のけいすけと同様に、34席のむつみ屋は比較的待ち時間が少なそうだ。ひるがおは24席と少ない。列の長さは同じぐらいでも、回転は悪そうだ。

六厘舎は初めて作った支店で28席。12席しかない大崎本店よりも並ぶ時間は短いかもしれない。むつみ屋は北海道が本店で、70店舗以上も全国展開しているので「東京で、真っ先に食べたい4店舗」というキャッチコピーに相応しいのかどうか分からない。

「ラーメンを並んでまで食べる気がしない」と言ってはみたものの、10分足らずとはいえけいすけに並んだのは事実。わざわざ東京駅まで来たことを、「いつまで行列が続くかチェックするためだ」とうそぶいても言い訳にしか聞こえないだろう。銀髪も偉大なる大衆の一人である。

いずれの店もJR東海が選んだ精鋭ばかり。長時間並んで食べた方が、ありがたみが増して美味しく感じるかもしれない。

東京駅一番街 東京ラーメンストリート
東京八重洲南口地下1階
http://www.tokyoeki-1bangai.co.jp

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2009年03月06日

[だるま](八重洲地下街)

酒を飲まなきゃ安く済むけれど…


だるまは八重洲地下街を歩く度にいつか来たいと思っていた店である。最大の魅力は酒の品揃えで、ガラス越しに見える冷蔵庫の中からたくさんの日本酒がのん兵衛を誘っている。東京駅周辺では最大級の品揃えかもしれない。

総勢5人での宴会なので、前もって鍋のついた4,000円のコース料理を頼んでおいた。すだれで仕切られた簡易個室に案内されたが、両隣も含めて見える範囲の客たちの年齢は高く、声も大きい。いつも思うが団塊の世代以上の人たちは本当に元気だ。

子持ち昆布とこはだ、オードブル盛合せ、スモークサーモン

居酒屋らしい付け出しの後は、大皿料理が出てきた。一瞬洋風居酒屋に居るような錯覚を覚える。和洋折衷は日本のいいところだ。何が出て来るか知らない人にとってはグッと親近感が湧くかもしれない。

大皿が片付く前に大きな舟盛りがやってきた。慌てて大皿に残った料理を小皿に移して、スペースを作る。さざえ、ぶり、まぐろ、しめさば、さけ、たこなどが並ぶ。人数が多ければもっと豪華に見えるだろう。質は値段相当である。

鳥唐揚げが出てきたところでビールから日本酒にした。グラスの違いは値段の違いで分かりやすい。日本酒だけでなく焼酎の種類も多い。飲むほどに勘定が上がっていく。

名物の雪見鍋。我が家では大根おろしが鍋を覆うが、この店ではまばらに積もった雪景色だ。

最後は雑炊。作るのはいつものように銀髪の役目。にぎやかで楽しい宴会だった。店を出るとすぐに電車に乗れるのがだるまのいいところ。東京駅が始発の電車なら座って帰れる。大酒を飲んで乱れる人はいないから安心だけど、眠ってしまって乗り過ごすことだけは気をつけた方がいい。


だるま
東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街北1号
03-3272-7707


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2009年03月01日

[中国大飯店](東京駅八重洲地下)

中華料理屋で食べるちゃんぽん、皿うどん、博多ラーメン


「八重洲地下街の中華料理屋のちゃんぽんが最高ですよ!」神田の西海の話をしたら部下が異を唱える。八重洲地下街にある中華料理屋・鳳鳴春なら何度も行ったのですぐ分かるが、他に中華料理屋はあっただろうか。もしかしたらあれかな?

記憶の場所に中華料理屋はなく、やっと見つけたら鳳鳴春の向かいだった。中国大飯店とは大きく出たものだ。入り口に置いてある商品見本の中にちゃんぽんを確認して入店。席について、隣の寿司屋と中でつながっていることを知った。不思議な店だ。

奥に宴会が出来るスペースもあり、北関東の方言を話す10人ぐらいが酒を飲んでいる。手前の席にはエビチリ定食を食べる人やラーメンセットを食べる人など様々。町の中華定食屋さんに居る気分でリラックスしている人が多い。

ちゃんぽん

長崎から材料を取り寄せているとメニューに書くだけあって、ちゃんぽんが店の看板料理らしい。絶賛するほどではないが、部下が褒める理由が分かるような気もする。きくらげが立派で美味しかった。

皿うどん

見た感じ普通のかた焼きそば。よく見ると皿うどんらしい具材が入っている。失望半分で麺をさぐると皿うどんらしい細麺が密集している。口に含んで揚げたての温かさを感じた。意外とちゃんとした仕事をしている。

博多らーめん

九州ラーメンのルーツが長崎ちゃんぽんと言われる。博多ラーメンがあっても不思議ではない。寿司も併設している中華料理屋だから何があっても驚きはしない。あっさり味の博多ラーメンだった。これはラーメン屋の方がいいかな。

「腹が減って近場で空いている店に飛び込んだ。昼飯だからラーメンでもいいやと思ってメニューを開いたら中華料理屋には珍しくちゃんぽんや皿うどんがある。まるで博多駅の地下街のようだ。試しに食べてみたら、意外と美味しかった。」という感じの店かな。


中国大飯店
東京都千代田区丸の内1-9-1
03-3212-3738

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2008年11月20日

[ガンボ&オイスターバー](八重洲)

野郎二人でオイスターバー


夜間に移動して朝から仕事をさせる。そんな計画を平気で持ってくるのが我が社の部下である。管理職は人気商売と悟っている銀髪は断れない。発車時刻までの短い時間、夕食をする場所に選んだのはオイスターバーである。

ガンボ&オイスターバーの八重洲地下街店は初めてだが、新宿ルミネエスト店には行ったことがあるので部下の前でも戸惑うことはない。嬉しいことに生牡蠣セットが半額。6個セットを2つ頼もうとしたら、多すぎると部下からストップがかかった。渋々8個セットを1つ頼んだ。

レモンの右から北海道厚岸、北海道仙鳳址、米国ワシントン州パシフィックオイスター、アイルランド産パシフィックオイスターの4種類8個。8種類かと思っていたのでちょっと意外だった。6個セット二つなら同じ種類を2個ずつ食べなければならなかった。二人で一個ずつの8個セットは結果オーライだった。牡蠣に合うという店オリジナルの黒ビールを飲んだ。

カキフライ、バター焼き

数年前に閉店した神保町のバラライカのランチで出るカキフライは的矢の牡蠣だった。生で食べられるものの、鮮度が少し落ちたものを使っていたと思う。もしかしたらここのカキフライもバラライカと同様に殻から剥いたばかりの高級牡蠣をフライにしているのかもしれないと期待した。

「アッチチッ!」と大袈裟に口を歪める部下を見て笑った。「アッチチッ!」と今度は銀髪が慌てる番だ。熱い汁があふれ出して来たが、何とか我慢して口の中に止めた。期待に反して生食用のメニューには載っていない広島産の牡蠣だったが、フライには肉厚の広島産や岡山産の方が向くようだ。とても美味しかった。

メニューの中で食べ残した生牡蠣を頼むことにした。岩手県大槌産と南オーストラリア産ストリーキーベイ。最初は6個も食べられないと言った部下に、お義理で「食べるか?」と聞いたら予想外に首は縦に動く。再び仲良く2個ずつ食べた。「オイスターバーは初めてです」と喜ばれたら悪い気はしない。

慌しい食事だったが、男二人のオイスターバーも悪くない。ニューヨークやパリではごく普通の光景だろう。普通でないのは銀髪の目の前の男が飲んでいたのがウーロン茶だったことだ。出発時間が近づく。スパゲッティにくらいつく部下を、ワインを飲みながらじっと待った。

ガンボ&オイスターバー 東京駅八重洲地下街店
03-5201-7888
http://www.oysterbar.co.jp

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2008年11月01日

[鐵平](八重洲)

富士宮やきそばと静岡おでん


八重洲地下街を歩いていたら富士宮やきそばの店を見つけた。入ろうとしたが意外と混んでいるので日を替えて行くことにした。ショットバーで食べたこともあるし、スーパーで買って家で作ったこともあるが、専門店で食べるのは初めて。ちょっと期待した。

静岡おでんとのセットで900円。期待が大きかっただけに首を傾げた。麺がぼそぼそした感じで、一見ソース焼きそばのようだが味が薄い。
静岡おでんは最初から期待していなかったので納得の味だが、焼きそばは自分が作った方が美味しいと思った。

店の外には「富士宮やきそば学会公認」の張り紙がある。こんなんで公認するなんて、随分いい加減な審査だと思った。オフィスに戻りインターネットで調べたらホームページがあった。→「富士宮やきそば学会」
富士宮やきそばの特徴が記してある。富士宮流やきそば蒸し麺を使用。炒める油はラード。ラードを絞った後の肉かす、肉、天かすを入れる。イワシやカツオの削り節(だし粉)をかける。他にもいくつか製法に注文をつけている。

出来損ないかと思った鐵平の焼きそばは、富士宮やきそば学会の基準を満たしているようだ。知識をえたところでもう一度行くことにした。

今度は角煮がついたB定食を頼んだ。焼きそばだけでよかったのだが、昼には定食以外はオーダーできない。出来具合は前とまったく同じだが、今度はそれなりに美味しく感じるから不思議だ。ところが後半になって麺が冷めてくると食べるのが辛くなってきた。だし粉と唐辛子をかけて味を変えながら完食した。

焼きそばはごはんや他の料理と一緒に食べていたら冷め易い。焼きそばは単独で温かいうちに食べた方が良さそうだ。焼きそばにビールが正解のような気がした。


立ち飲み酒場 鐵平
東京駅八重洲地下街ローズロード
03-3231-2627

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2008年10月23日

[あきば]⑤(八重洲)

長い日本列島の周りには豊かな海の幸がある


店に入ると「今日は遅いですね」と女将さんがにこやかに迎えてくれた。カウンターの中の大将が仕事をしながら笑いかける。遠方より来る友を待っている間に7時を回ってしまった。いつも座る奥の席は占拠されていたので、大将のまん前ど真ん中の席に座った。

お通し

しめさば、ひらめ、かつお、関アジ、つぶ貝

千葉県富津のさば、青森のひらめ、気仙沼のかつお、関アジは言うまでもない。お任せの後は釧路のつぶ貝、愛知のみる貝。大将の口から淀みなく産地が出て来る。「愛知のどこ?」と突っ込むと手が止まる。大将の律儀な性格が滲み出てくる。ど忘れする齢頃なのはお互い様だ。

カウンターの上にあるあきば名物の貝類。今日は大きなさざえ、つぶ貝、みる貝がデンと鎮座している。「実は貝が大好きなんですよ」と言われて、どれか一つだけのつもりがつぶ貝とミル貝の二つを頼んだ。ミル貝の写真は撮り忘れてしまった。

かんぱち

カウンターの中央に座ったときから気になっていたのが何かのカマ。「これ何ですか?」と聞いたら、大将が待ってましたと言わんばかりの表情。尾鷲(おわせ)産の6.5キロの天然釣りかんぱちだとのこと。「触ってみてください」と言われて従った。弾力があるというより固い。刺身と塩焼きで食べた。あー、シ・ア・ワ・セ!

今日のお客様O氏は酒を飲めないので早めに寿司に移った。すみいか、まぐろづけ、サーモン、いくら、えんがわ、うに、きんき、煮あなご。炙って旨みを増した網走産きんきが特に美味い。やはり魚も肉も少し火を通した方がいい。O氏は平目のえんがわに感激していた。いつも食べているのはカレイのえんがわかも。

O氏は仕事が終ると毎日家に直行するそうで、奥さんに同情してしまう。オーストラリアに住んでいた頃、毎夜家で夕食をとる銀髪に妻は「お金出すから週1~2日は飲んできてくれ」と懇願したものだった。「夫婦円満の秘訣はできるだけ顔を合わさないこと」と友人は言う。けだし名言である。

しじみと玉子焼きを食べてお開きに。2次会に誘ったがあっさり断られた。家で待っている奥様が気になるのかもしれない。我が家だったら「何でこんなに早いの?」と怒られてしまう。なんて幸せな夫婦だろう。 どっちが?


あきば
東京都中央区八重洲1-4-10

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2008年10月18日

ビックエコー

歌に専念するビッグエコー

「カラオケ屋に行こうか」と誰からともなく声が出た。いや、ウソをつくのはよそう。言いだしっぺは銀髪である。約15年前も銀髪がKに声をかけた。以前勤めていた会社で、女性たちを慰労するために企画した。忘年会などで無理やり2次会に連れて行かれ、カラオケ屋でホステスの役回りを強制される女性たちが可愛そうだったからだ。1次会からカラオケ屋に直行し、2~3時間歌い続けて憂さを晴らしてもらった。

男は銀髪とKの二人で、女性は2~3人。3ヶ月に1回程度開催して、新曲を2曲覚えてくるノルマを課した。スピッツ、ディーン、ワンズなどの新曲を覚えて得意気だった銀髪はまだ30代後半。あの頃ぼくは若かった。

八重洲、日本橋周辺にカラオケ屋は多い。選んだのは仲通りに面したビッグエコーである。選んだビッグエコーの裏手に和食居酒屋の系列の楽蔵があり、そこから料理が運ばれると思ったためだ。ビッグエコーは昨日紹介したTOMPOOYAの他にも色んな飲食店を経営している。

メニューを見て楽蔵とは連携していないことがすぐに分かった。それでも料理が運ばれてくるまでは、他のカラオケ店よりは美味いのではないかと期待したが、有難いことにカラオケに集中することを促すかのような料理ばかりだった。


Kさん、Kちゃん、K。銀髪以外はイニシャルにKがつく。KさんとKと銀髪の50前後の重鎮たちに混じってKちゃんが花を添えてくれた。
カラオケ屋を利用するのは若者ばかりかと思っていたが、Kさんがビッグエコーのメンバーズカードを持っていたのには驚いた。もっとも大先輩のM氏は、70歳代の仲間たちとカラオケ屋で会合するという。完全個室で料金も安いからで、歌いたいわけではないそうだ。

カラオケを楽しむなら4人ぐらいがちょうどいい。歌を探している間に順番が回ってくる。食事をしたいならビッグエコーは避けた方がいい。料理が美味しいカラオケ屋もあるはずだ。1次会、2次会を同時にやってさっと帰る。

憂さ晴らしには大声で歌うのが一番いいが、食事のお陰でフラストレーションが溜まっては意味がない。


http://www.clubdam.com/be/

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2008年07月26日

[あきば]④(八重洲)

あきばで今日も魚のお勉強


昔の記事にコメントを入れてくれたとどまささんに敬意を表してあきばに行くことにした。コメントの中の「シンコ」に引き付けられたのは言うまでもない。

他の社員の夏休みで留守番役になった数人を引き連れてあきばの暖簾をくぐった。主人と奥さんがにこやかに迎えてくれる。カウンターには「予約」の札がいくつも置いてあり、繁昌しているようで嬉しくなる。

最初にあきばに来たのは約2年前。そのときから比べると銀髪の知識も豊富になった。産地を言われたら漢字や地図が頭に浮かぶ。鹿児島県出水のアジ、明石の焼きアナゴ、小柴のシャコなどなど。大サザエの西伊豆安良里(あらり)は本日得た新しい知識。


寿司屋には大きく分けて2種類ある。伝統的な江戸前の仕事からあまりはみださず、ネタの仕込みに時間をかけ、酒の肴もあくまで素材重視の店。伝統にこだわらず、創作料理を得意にする店。あきばは前者に属するようだ。

最高の素材を探すことのこだわるあきばのような店の場合は夏場の仕入れには苦労しているようだ。うには当然北海道と思ったら徳島産。徳島出張でうにを食べていなければ怪訝に思ったところだ。若布が美味しい徳島はうにも美味しい。


大トロはインドまぐろ。国産物しか使わないと思っていたが、さすがに今の時期は冷凍物の方が美味しいらしい。大間の本鮪の信者には気の毒だが、回遊魚のまぐろは今は他の海を泳いでいる。太って脂が乗るのは秋以降だ。

関西は比較的小さめの穴子の焼きを好む。煮穴子は大きめの江戸前がいい。あさりは東京湾の三番瀬が最高と言われるが、今日のあきばは三重県産を使っていた。身が太って美味い。

そして本日の目玉はシンコ。コハダの今年生まれたもので、キロ当たり数万円もする高級品。通は一貫に3匹以上使うような小さなシンコを好む。もうだいぶん大きくなってきた。やがてシンコと呼べなくなる。今一番美味しい愛知県三谷のものと胸を張る。確かに小さいのに脂が乗って美味だった。

日本は縦長の地形のお陰で、旬の地域が北上したり南下したりして、長時間旬を味わうことができる。それでもあきばの主人の苦労は大変のようだ。猛暑を超えるのが待ち遠しい。

あきば
東京都中央区八重洲1-4-10
(店の希望で電話番号は載せていません)

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2008年06月19日

[麹蔵](八重洲)

サービスを勉強しなきゃ


昨年11月にオープンした比較的新しい店に行った。先客の6人のグループが入り口でたむろしている。邪魔だと思ったら席に案内されるのを待っているようだ。客は殆ど入っていないのに待たされる不思議な光景だ。このとき踵を返すべきだった。

生ビール、ワイン

650円位する地ビールを頼んだ。口広のグラスを考慮すると半分近くが泡に思える。意地汚い酒呑みの機嫌は一気に悪化する。
8,000円ほどのシャブリを頼んだ。なんと既に栓を開けた瓶を持って来て、無造作にテーブルの上に置く。「冷やすのはないの?」と聞くと、ワインクーラーの用意はなく、代用品に氷水を入れて持って来た。
栓は乾いており、シャブリ特有の切れの良さが感じられない。目の前で開けていないので、何か違うワインを詰めてきたのではないかと疑われかねない。

平政の刺身2種、きびなご

ビールとワインで気分が落ち込んだ。何でもケチをつけたくなる。九州出身の銀髪はともかく、他の人は濃い甘口醤油が気に入らない。醤油は普通のものと2種類用意した方がいい。きびなごの酢味噌も評判が悪い。

辛子蓮根、フランス産ウズラの岩塩焼

自家製の辛子蓮根はフライにする変り種。店名の前にCHACOAL GRILLと書くだけあって、炭火焼には自信を持っているようだ。

さつまいもスティック、海老春巻

さつまいもをシナモンにつけて食べるのは思ったほど甘くなくて悪くない。海老春巻もまあまあ。居酒屋としては料理は許せるレベルにある。少し機嫌が直ってきて調子に乗った。フランス・シャラン産鴨焼と奄美焼きそば、更に鶏飯を一緒に頼んでしまった。

焼きそば、鶏飯

2品を置く場所を我々客がせっせと作った。鴨焼きの前にご飯が来るとは油断していた。冷めるといけないのでご飯に具を乗せ、鶏のスープをかけて食べ始めた頃に鴨がやってきた。鴨は酒の肴ではなくご飯のおかずと思われたようだ。

鴨焼き

再び血が頭に昇り始めた銀髪を横目に、連れのK氏はゆうゆうと先に鴨を食べ終える。急須に残ったスープを全部銀髪のお椀にぶちまけ、おかわりを店の女の子に持って来てもらう。新しく熱々のスープをご飯にかけてしてやったりの表情だ。まいりました。

地ビールに目がくらんだのが不味かった。泡が不快なら瓶ビールを頼めばいい。
気取って白ワインなんか頼む奴が悪い。焼酎を飲んでいれば嫌な思いをしなくても済む。
ご飯が先に来たと怒るのが間違っている。料理を出すタイミングなんか構ってくれるはずがないのだから、オーダーするタイミングをこちらが考えなければならない。

反省しながら、8時を過ぎてもガラガラの店を後にした。

奄美・鹿児島・沖縄料理 CHACOAL GRILL 麹蔵 八重洲一丁目店
東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビルB1F
03-3510-3366
http://www.ramla.net/casual_restaurant/koujigura

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2008年05月23日

[楽蔵うたげ](八重洲)

ビッグエコー、カラオケ屋さんの居酒屋


いつものように次々と注文するのをじっと見ていた。アルバイトと思われる女性店員が手元の機械に必死に注文を打ち込むが間に合わない。途中で「これ灰皿?」と場を読めない奴が横槍を入れる。構わず注文は続く。再び「これ灰皿?」の声。店員のイライラは頂点に達したようで、「灰皿です!」と甲高い声が飛んだ。さらに注文が続くが、一瞬の間を店員は逃さなかった。ピシャッと音を立てて彼女はドアの向こうに消えた。

ポテトサラダ、鶏の唐揚げ、焼き鳥、茸のホイル焼き、ウインナー、鮭ハラス、本ししゃも、ジャガイモホイル焼き、野菜串焼き、牛カルビ、ハラミ焼き。




どんどんテーブルの隙間がなくなっていく。普通なら「もっとゆっくり持って来て」と言うところだが、この会では早く出て来ないと怒る人がいるので問題ない。大量に注文したと思った料理を30分程度で殆ど食べ終わった。
遅れて一人やって来た。残り物は僅かしかない。追加注文をしてあげるのかと思ったけれど、焼きおにぎりも食べ終わった人は食事への興味が失せていた。心は既に2次会である。銀髪も腹五分目程度で腰を上げた。酒を飲む間もなかったので健康的な食事だった。

楽蔵うたげは第一興商ビッグエコーが展開する居酒屋である。カラオケ屋さんのノウハウが活かされているのか個室中心なので居心地は悪くない。個室の壁にかかった内線電話がカラオケ屋のようで面白い。

好き嫌いがある人も、食べるものがなくて困ることはない。ジャガイモにはバターだけでなく塩辛を合わせたり、牛肉には焼き石をセットするなどアイデアも豊富でいい。
もちろん安心価格なので若い人にも受けるだろう。

高級店に行き慣れた人には味やアルバイト店員の応対が気に入らないかもしれない。常連客として厚く遇してくれる店に行きたがるのを制して、新規開拓を強いる銀髪に問題があるのだろう。みなさん迷惑をかけてごめんなさい。


楽蔵うたげ 八重洲店
東京都中央区日本橋3-2-16 マスヤビル1~4F
03-5204-2221
http://www.clubdam.com/dkdining/shop/rakuzo/

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2008年02月26日

五韓満足 八重洲店(八重洲)

田町で女性に人気の店が中央進出


世界的な景気後退の予兆は、アメリカのサブプライムローン問題以外でも感じることが出来た。他国の聞き慣れない横文字の意味を勉強しなくても、東京駅八重洲界隈のビル建築ラッシュを見ればいつか来た道を思い出さずにはいられない。

東京駅ステーションシティ、大丸の陰に隠れて話題にもならなかったが、昨年同時期に八重洲ファーストフィナンシャルビルがオープンした。日本橋駅から地下道が伸びる便利な立地にもかかわらず、いまだにひっそりとしている。その地階に並ぶ飲食店の1つが五韓満足である。信州牛などを使った焼肉と韓国料理を出す店だ。

我々は五韓満足が開店して以来、最高の客だったに違いない。僅か1時間足らずで写真の料理を食べきった。




8人が二つのテーブルに分かれた。最近は醤油ダレだけでなく塩ダレ、味噌ダレなどを選ぶ店が多くなった。向こうのテーブルは保守的に醤油ダレ中心。こちらのテーブルは最近流行りの塩ダレ中心。焼肉だけでなく、キムチチゲ、チヂミ、野菜なども大量に頼んだ。

5時半にもなっていず、他の客が殆どいないので料理がどんどんやってくる。テーブルに料理を乗せるためには、今ある皿の中身を腹の中に詰め込まなければならない。

最初に頼んだ料理が殆ど消えたところで銀髪の時間がやってきた。メニューに食べたことがないものがあれば頼まずにはいられない。向こうは帰り支度を始めているので、こちらのテーブルだけ料理を追加した。

ぶるだっく、ぶるてじ

韓国で超人気と評判の料理がぶるだっく。激辛タレにつけ込んだ鳥肉を焼く。最近日本でも食べることが出来る店が増えたと聞いていたが、部下たちだけでなく銀髪も初挑戦。これを食べてFが吠えた。

いい肉を安く食べられるところもいいが、肉の品質は高級店にかなわない。この店ではぶるだっくなど新感覚の韓国料理を食べるべきだろう。どこにでもあるものを食べていては、田町で女性に人気だという理由は分からない。若い店長や店員たちの元気なところも人気の一因のようだ。

たくさん食べて、サッと帰る客が店にとっては嬉しいに違いないと思っていたが、勘定をしてちょっと疑問に思った。短時間で食べ終えたので酒の消費量が少ない。席が埋まり始める7時頃までいたら、もっと飲み食いできたはずだ。

最初に豪快に頼んだものの、追加した料理は僅かしかない。銀髪だけでなく店員も勘定書を見て意外だったに違いない。それでも高い肉もたくさん食べたので、店長も店員も「また来てください!」と笑顔で我々を送り出してくれた。

次回はぶるだっくを中心に安い料理だけを食べると銀髪が決めたことを知っていたら、満面に笑顔とはいかなかったかもしれない。

五韓満足 八重洲店
東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビルB1
03-3510-3311
http://www.ramla.net/luxury_restaurant/gokanmanzoku/

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2008年01月19日

[アカシア](東京駅GRANSTA)

東京駅構内地下、TOKYO STATION CITY GRANSTAで買ったお弁当


東京駅が変わった。まだリニューアル途上であるが、徐々に新しい姿を見せ始めている。先陣を切ったのがGRANSTAだった。東京駅構内の地下に45店が出来た。そのうちの約半分が弁当を販売している。浅草今半のすき焼き弁当、まい泉のとんかつ弁当、過門香のあんかけ焼きそばなども捨て難かったが、結局アカシアのロールキャベツシチュー弁当を買うことにした。

12時6分の新幹線に乗る予定だったので、11時50分まで待って注文した。650円と800円の弁当の違いは、ごはんの量とコロッケが帆立てのクリームコロッケかポテトコロッケかだけ。お目当てのロールキャベツに差はないので安い方を選んだ。

階段を上りホームに立つとほぼ同時に新幹線の清掃が終了してドアが開いた。寒風が吹きすさぶホームで、弁当を冷めるままにする愚は冒さずに済んだ。
殆ど誤差なく計画通りにことが進んでいる。指定の席に座ると、弁当を開ける。蓋を固定しているセロテープを剥がすのに手間取って、切れそうになるのを堪えた。

いきなりロールキャベツを食べるのも惜しい気がして、ポテトコロッケを一口食べた。次にご飯をたべて、ようやくロールキャベツに箸をつけた。キャベツは繊維質も壊れ、箸だけではらりと割れた。

口に含むとほんのり温かい。弁当屋でよそってもらったときから熱々でなかったのだから仕方がない。新宿「アカシア」の思い出はかつて書いた。懐かしくて久し振りに食べたロールキャベツだったが、本店の味より薄く感じた。とろみも少ない(ような気がする)。

「オウッ! これこれ!」と笑みを満面に浮かべることはできなかったが、久し振りのアカシアの味は楽しめた。他の弁当より特色があり面白かった。

追伸  初めて食べる人へ。
お弁当が美味しいと思った人には何も言いません。美味しくないと思った人は、これに懲りずに新宿本店に行ってください。それでもダメだったら。潔く諦めましょう。


http://www.gransta.jp
http://www.restaurant-acacia.com

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2007年11月09日

[だぼ鯊]その4(日本橋)

ハゼが旬ですよ!


どの天ぷら屋が一番いいかと聞かれたら答えに窮する。しかし、どの天ぷら屋が一番好きかと問われれば「だぼ鯊」と答える。もっと高級なネタを使う店もある。店構えや店内がもっと立派で美しい店もある。しかし、銀髪にとって気兼ねなく楽しめる天ぷら屋はこの店をおいて他にない。

グルメ紀行を始めてから同じ店に顔を出す機会が減ってしまったが、この時期になるとハゼを食べに行かねばなるまい。店名にするだけあって、ハゼの天ぷらはここが一番美味い。

おひたし、ホタテ貝柱焼き

一応、コース料理の体裁をとって順番に揚がってくるが、海老、みつば、小玉ねぎに続いて今日はお目当てのハゼを挟んでくれた。

江戸前はまだ小さいからと今日は松島産。身はふっくらと、尾ひれはピンとしている。背骨は香ばしく、エラとカマのところは小振りながらも脂の乗りがいい。頭も残らず食べ尽くす。

高級店では絶対ないようなピーマンや茄子も客が好むとなると見栄を張らずに出してくれる。もちろん松茸などの高級ネタもある。もうじき終りの松茸だが、天ぷらにすると香りが閉じ込められて秀逸だ。

ピーマン、松茸

他の人にはサラダが配られ、穴子が出される。銀髪はサラダを断りもう一度ハゼをもらう。活きハゼは3時間前に処理されて、丁度食べごろと言われてもう一度と指を立てた。

他の名店でもハゼを食べたことはあるが、やはりハゼはこの店が一番。もちろん東京湾遊覧の屋形船で食べるものなど論外だ。

名店でコース料理をきっかり食べるのもいいが、我侭を言えるのがカウンターで食べる喜び。
大将も数回通えばこちらの気持ちを分かってくれる。ハゼが食べられるのは9~12月までのわずか4ヶ月。皆さんお見逃しなく。

だぼ鯊
東京都中央区日本橋3-3-14
03-3271-7533

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2007年10月29日

[ぐぅ](八重洲)

ホルモンを食べて元気になろう


狭い店内は照明と店員の若さで極めて明るい。女性も入りやすい雰囲気の店だ。この店が大好きなKさんに連れていってもらった。

野菜

お通し代わりの特製浅漬けキムチは芯がサクサクして、なかなかいい。キャベツとネギは食べ放題。女性が喜ぶサービスだ。

テール

骨から削ぎ落とす手間は相当だろう。そのため他の店では見たことがないテール焼き。塩味が効いて食感もありなかなかの美味。

ミノ、マルチョウ

通常は切り開いてホルモンと称されて出される小腸だが、ぐぅでは開かないものをマルチョウと呼ぶ。焼かれたら皮が縮み脂肪分が中から溢れ出して来る。ホルモン好きには堪らない逸品。

コリコリ

名前のとおりコリコリしているのは大動脈。塩味がいい。

コブクロ

子宮管だけでなく子宮自体の肉も含まれているようだ。これもコリコリしている。どの肉も味付けがいい。備長炭が近火で肉を燻るように焼く。煙は物凄い勢いで排煙管に吸い込まれていく。

一番高いのが極カルビ2,300円とお手ごろ価格の焼肉定番品は避けて、あくまで内臓肉にこだわって食べた。シビレ(胸腺からすい臓の部位)がなかったのが残念だった。

焼肉屋に行くたびに聞くのに、ちっとも覚えられないのが肉の部位の名前。一回整理してみよう。
英語名からきているのがタン(舌tongue)ハツ(心臓heart)レバー(肝臓lover)アキレス(アキレス腱achillis)ガツ(豚の胃guts)テール(尻尾tail)。
漢字を連想すると何となく分かるのがハラミ(腹身、横隔膜)ナンコツ(軟骨)ツラミ(面身、頬肉)コブクロ(子袋、子宮)。
ホルモンは内臓肉の総称として使われることが多いが、個別には腸(大腸、小腸、直腸、盲腸)を指す。テッチャンは大腸のことだ。
胃は4つありミノ、ハチノス、センマイ、赤センマイ(ギアラともいう)。ヤンはセンマイと赤センマイのつなぎ目。
他にサガリ(横隔膜の下部分)ウルテ(気管)マメ(腎臓)ヤオギモ・ブッブギ(肺)フエ・コリコリ(心臓の付け根の動脈)アギ(顎)などがある。

もっとも、せっかく整理してあげてもぐぅに来る女性は絶対覚えようとしないだろう。イケメンの店員を呼び止めて聞くチャンスをむざむざ放棄することはないからだ。ねっKさん?そうでしょう?


炭火焼肉 ぐぅ
東京都中央区八重洲1-7-3
03-5255-3729

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2007年08月29日

[伴]②(八重洲)

久し振りに伴のカウンターでと思ったのだが…


3人なら寿司屋のカウンターがいいと思った。銀髪が最年少で他のお2人は60歳を超えている。食べる量も好みも違う3人なので、自分で調節できるカウンターがベストである。ところが会社を出ようとしたところで事態は急変した。太っ腹氏が落下傘してくることになった。

海苔と塩辛

4人ではカウンターは相応しくない。テーブル席に陣取るといつものように海苔と塩辛が出てきた。

刺身盛合わせ、きびなご

太っ腹氏はまだやってこない。3人分の刺身がでてきたところでビールから焼酎へと移る。

きびなごが美味しい。トロもいいがきびなごが一番美味しかったかもしれない。ようやく太っ腹氏が携帯電話を耳にあてながら入ってきた。

さんま一夜干し

気前のいい太っ腹氏を見て大将が即座に反応する。
刺身を食べない彼のために早速さんまを焼いて、大トロを中心に1人前の寿司を出す。

寿司

我々にもさんまと3人分のお寿司が出てきた。これを食べ始めると太っ腹氏が呼んだ人たちが次々にやってくる。結局4人が新たに参加して、合計8人になった。バラバラにやってくるので、その都度大将が寿司を握る。

伴の寿司は大将の気風に合わせてシャリが大きい。シャリ少な目と言うのだが、あまり小さくなった気はしない。
伴は比較的庶民的な寿司屋だ。居酒屋気分で利用する客が多い。勘定を持ってくれる太っ腹氏も、それほど財布の中身を気にする風ではない。

最後に来た1人が食べ終わるのを待てず、太っ腹氏は席を立つ。さてこれからどこに行くのだろう。予算は伴の数倍に膨らむに違いない。他人の懐ながらちょっと気になる。



東京都中央区八重洲1-5-21
03-3278-1644

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2006年12月13日

[金城楼](東京駅大丸店)

デパートの中にも名店あり。

金沢の金城楼本店でパンフレットをもらって、東京駅の大丸に支店があることを知った。東京駅の飲食店は地下や低層階にあるものしか思いつかず、百貨店の上層階はすっかり忘れていた。味やサービスは本店での経験から問題ないと予想できたので、地方に戻られるお客様が新幹線の発車直前までくつろげる場所としては最適に思えた。

当然のことではあるが、本店の歴史ある建物に比べれば大丸店は質素な佇まいに見える。それでも個室に通されると、落ち着いた雰囲気はある。料理はコースを頼んで、追加も可能なスタイル。アラカルトだけのオーダーはできない。

先付け、前菜

先付けはあんこうの肝の入った豆腐。前菜はなまこ、いくら、ぎんなん・くわい・蓮のチップ。くわいのチップを食べて、金沢を思い出した。

かに豆腐、お造り

金沢らしい材料は甘海老だけで、鯛と鮪ではちょっと寂しい。本店のようにブリの刺身が欲しいところだ。

煮物、焼き物

えび芋、えび、麩などが入った煮物。金沢は加賀野菜が有名。えび芋とは○○
麩も金沢を代表する食材。以前大きな車麩の入ったおでんを金沢駅前のおでん屋で食べたのが懐かしい。
料亭らしい焼き物はかますの塩焼き。

かに

メインはやはり冬期限定の蟹。小振りのメス蟹はコウバコともセイコとも呼ばれるが、大型のオス蟹と異なり身より卵が喜ばれる。築地で数百円で買えるし、小型なので家庭の鍋でも茹でることが出来る。地元の人が食べるのはもっぱらメス蟹の方だ。

鴨治部煮

このコースには肝心の鴨治部煮が入っていないので追加した。一口食べて驚いた。本店と違い、甘さ控えめである。東京人の口に合わせたのだろうか。

食事はジャコメシ、デザートはぶどうと洋ナシ。一口ずつ食べたが、それなりに手を加えてあって面白い。

加賀料理の伝統を忠実に守っている感のある本店に対し、伝統の良さを残しながら東京に適応している大丸店。比較が出来て本当に楽しかった。


金城楼東京八重洲店 (きんじょうろう) 
千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店 8F
03-3214-2288 

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2006年11月05日

[やえす亭](八重洲) 閉店しました

勝負の前はいつもとんかつ。

Mさんに、「書かないのか?」と聞かれた店がやえす亭である。「最近行っていないので、一緒に行きましょうか?」と誘ったら、あまり行きたくないと言われてしまった。理由は落ち着いて食べられないことにあるらしい。

確かに狭い店で、15人程で満席になる。相席は当たり前で、2~3人で行ったら並んで座らなければ奥に座った人は出ることもできない。意外と人気の店なので、すぐに待つ人の列が出来る。狭い厨房で調理している主人と、配膳をしている女性2人は感じよくて、早く食べて早く出て行けというような素振りをしたことは一度もない。そうであっても周りの雰囲気を見ると、出て行かざるを得ないだろう。

また、銀髪と一緒に行く相手が悪い。とにかく食べるのが早い。お店のためにも早く食べて帰らなければならないと気を遣っているらしく、我々が食べていても平気で席を立って勘定を払いに行く。ゆっくり食べてもいいよと言って出て行くのだが、そんなことをしたら勝手な奴に見えそうだ。

銀髪が頼むのはいつもとんかつ定食780円だ。ご飯は少なめ。相手はハンバーグとコロッケのセット。

定食だけでなく、メニューにあるものであれば追加注文ができる。立派なロースカツやヒレカツに普通盛(それでもどんぶり飯)のご飯を食べたい気もしないではないが、相手の食べるスピードに合わせて店を出るためにはとんかつ定食と少なめのご飯以外はあり得ないのだ。

初めて付いてきたYはそのあたりの事情を知らない。立派なものを注文した。銀髪は常に相手の料理の減り具合を見ながら、自分の食事を進めていく。ここのコロッケは中身がトロトロで超熱い。以前口の中を火傷したため、せわしないランチ時に頼むことは止めた。このコロッケを熱さをものともせず食べているのを見ると、感心して手が止まりそうになるが、休むのは危険である。

彼の口はいつも一杯になっているが、それでも喋り続けている。噛むことなどしないで、喉の中に押し込んでいるのではないかと心配になってくる。5分も経たずに食事は終了した。銀髪の皿もほぼきれいになった。今日も大成功である。Yの皿を見ると予想通りまだ半分しか減っていない。相手は入り口の列をチラッとみて立ち上がった。Yは呆然としている。「ゆっくり食べてください、外で待っていますから」と声をかけたが、残りの一部を口に放り込んで出てきたのであろう。Yを待った時間はわずかだった。

これじゃあ、Mさんもついて来たくない訳だ。味は悪くないと思うが、ゆっくり味わった記憶がない。興味のある方は自分で確かめてください。

やえす亭
東京都中央区八重洲1-5-11
03-3271-8815

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2006年11月04日

[福しま](八重洲)

日本橋界隈にはうなぎ屋が多い。何故だろう。

はし本、宮川、喜代川、竹葉亭、大江戸、喜久川、野田岩、そして「ふく島」。銀髪が行ったことのあるうなぎ屋はそんなところだが、日本橋界隈にはもっとたくさんのうなぎ屋がある。江戸前と言えば穴子になるが、東京にうなぎ屋が多いのは、単に人口が多いというだけの理由だろうか。

養鰻の最大の産地は未だに浜名湖を擁する静岡県と思っている人が多いが、実際の順位は鹿児島、愛知、宮崎、静岡の順になる。鹿児島で画期的な養鰻法が開発された。鹿児島が目立たなかったのは静岡など蒲焼の加工地が商品に表示されていたためで、生産地表示が義務化されたことからトップに躍り出たそうだ。

養鰻地のトップ交代が静岡から愛知、鹿児島と移って行ったのも興味深いが、浜名湖に養鰻が移転されたのは東京深川からだったと聞いて俄然面白くなってきた。蒲焼は江戸発祥の料理だったのだ。埼玉県吉川市はなまずの産地として有名だが、川魚専門の料理屋も多く、天然鰻がなまずと並んで有名である。うな丼は茨城県の牛久沼が発祥の地との説もあるなど、鰻は関東で昔からポピュラーだったのがわかる。

福しまのうな重

福しまは日本橋界隈のうなぎ屋の中で外見はかなり劣る。しかし、朝からの仕込み風景を見るまでもなく、確かな蒲焼を出すことで評価が高い。もちろん背開きで焼いて蒸してタレをつけてさらに焼く関東風。いつも煙に誘われ匂いに負けて店に入る。

関東の背開きは武士が切腹を連想させる腹開きを嫌ったというのが定説になっている。そうであれば蒲焼は腹開きをする関西が発祥の地でなければならない。ところが前述のとおり蒲焼は江戸発祥の料理である。背開きが当然の料理を関西でわざわざ背開きに変更する必要はない。関西の関東に対する対抗心から腹開きにしたのだろうか。
銀髪も昔から眉唾物の定説と思っていた。武士は江戸だけでなく、日本中に居たのである。

真実は背開きにしないと蒸してフワフワになる関東風では、鰻の身が割れて串から落ちてしまうからのようだ。確かに身が薄く、脂が多い腹の部分を外にすると串から外れてしまうだろう。身が厚い背側が外になってはじめて、串にしっかり留まることができる。
蒸さない関西風では、均等に火を通すためには身が厚い背側の部分が網の中央に来た方が良かったのだろう。感情的な理由ではなく、極めて合理的な説明に思える。

日本橋界隈にうなぎ屋が多い理由は偶然ではなかった。東西料理法の違いの理由もわかった。次にうな重を食べるときは、歴史を思いながら今までよりもっと楽しく味わえるに違いない。
またウンチクを聞かされる相手はうんざりするかもしれないが‥

福しま
東京都中央区八重洲1-4-3
03-3271-9369

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2006年11月02日

[珉珉](東京駅)

大阪の老舗餃子屋の東京駅八重洲店に行った。

先日、宇都宮餃子「みんみん」の記事を書いたら、大阪の珉珉と間違えた人もいたようだ。大阪の珉珉は全国に100店舗くらいあるらしいが、同名でも系列でない店があちこちにあるのでどれがどれだか区別がつかない。いつか大阪で珉珉に行かなくちゃと思っていたら東京駅地下南口ラーメン激戦区に系列店があることを知った。

珉珉は昭和28年大阪千日前に1号店をオープンしたとのことだから、創業以来50年を超える。店の説明では中国には焼き餃子というものはなく、珉珉が焼き餃子の発明者である。しかし、餃子は中国で紀元前6世紀頃にはすでに食べられていたというから、焼き餃子が発明されて50年やそこらとは考えられない。

昔聞いた話では、北京など中国北方地域では水餃子が一般的で、茹でて余ったものを焼いて食べたというのが定説。もっとも、水餃子の皮は厚いので、焼き餃子に適する皮を珉珉が作ったと言われたら、そうかもしれないとも思う。

ところが宇都宮餃子の歴史を見れば、宇都宮出身の兵士が戦後満州から引き上げて来て餃子を広めたということになっている。珉珉の創業よりも大分前の話だ。特許権争いが起こっている訳ではないので、どちらが先かを論じるより、どちらが美味いかを論じた方がいい。

大阪老舗の味と勢い込んで食べたが、残念ながら感動で涙が出るほどではなかった。焼き上がりはパリッとしていない。たまたま焼く時間が少なかったのかと思ったが、他のブログの意見も同じようなものが多いので、皮が柔らかいのが特徴なのだろう。同行のN君は柔らかい皮が好きだと言うから、かえって良かったかもしれない。

珉珉のホームページで確認しようと思ったが、珉珉の特徴は餃子が柔らかいことではなく、系列各店の味がそれぞれ違うことだと言うから驚いた。珉珉の系列店はフランチャイズでなく全て暖簾分けで、10年以上の経験を持つ料理人が店長兼主人。味はその店長次第とのこと。共通なのは最高級竹本油脂のごま油や野菜など、使う素材で味ではないようだ。まったく不思議なコンセプトだ。

餃子が有名な珉珉だが餃子専門店ではない。まさに町の中華料理屋さんなのだ。八重洲店もじっくり腰を据えて酒を飲むような店ではない。麻婆豆腐、炒飯を頼んだが、これはこれでなかなかいける。

同行のNが酒を飲まない男なので、ビール中瓶2本を飲んで慌しく食べて席を立った。珉珉の八重洲店は東京駅地下で坪当たりの売上げトップの怪物店舗だそうだ。アッと言う間に食べて追い出されるスピードも怪物的だ。

ゆっくり酒が飲めて、最高に美味しい珉珉がどこにあるか誰か教えて欲しい。各店味が違うのなら、一番いい店で評価をしたいものだ。

珉珉 八重洲店
東京駅八重洲南口BF1Fラーメン激戦区内
03-3215-3030
http://www.minminhonten.com/

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2006年09月04日

[あきば](日本橋)

灯台下暗しとはこんなことを言うのだろう。近くに凄くいい店を見つけた。

「寿司屋に行きたい」とTに言われてどこにしようか考えた。錦糸町の「大寿司」、ご近所の「伴」、或いは銀座の「さかい」、高島屋の「数寄屋橋次郎日本橋高島屋店」、人形町の六兵衛、どこもご無沙汰している。どれにしようか迷っていたら、「風長閑」のママが八重洲仲通りの「あきば」を絶賛していたことを思い出した。

ところがネットで住所、電話番号を調べようとしたが、見つからない。仕方なく104に聞いたが、寿司屋でひら仮名の「あきば」は日本橋にも八重洲にもないと言われた。止む無く風長閑のママに連絡して、ようやく電話番号を知ることが出来た。電話帳に電話番号を載せていない飲食店があるとは思わなかった。

電話で風長閑のママの紹介であることを告げて予約をした。場所を聞いたら銀髪の会社から歩いて100歩圏内で、本当に目と鼻の先。
寿司屋らしくない今風のドアを入ると、右手にカウンターの10数席があるだけの小さな寿司屋。大将と女将さんが二人で切り盛りしている。店に入って電話の件を聞いたら、仕事中に勧誘の電話がかかってくるのが嫌なので、電話帳に載せないとのことだったが、他にも理由がありそうだ。

お任せで刺身をつまみで食べることにした。お通しの次に白いか、カレイ、しめさばが出てきた。「高級なイカを使ってますね」と言ったら、「握りは新イカを使ってます」と来た。江戸前の寿司、天ぷらと言えばいかは新イカだ。風長閑のママの絶賛は間違いないようだ。

お通し、白いか、カレイ、しめさばが

マツブ、鮪の赤身のヅケ、ワラサの腹の部分、ヒラマサと続く。

マツブは初めて見るような大きなもので、ケースの中で巨大なサザエと覇を競っている(左下の写真右に見える刺身と比較してください)。これが実に美味い。トロではなくヅケを出すのもこだわりがあるのかも。このあたりで、同行の二人も美味さに感激し始めている。

サザエは刺身か焼きかどちらが美味いのかと尋ねたら、壺焼きがお奨めと言われた。スープが絶品だという。巨大サザエは3人で食べても充分楽しめる量がある。スープはもちろんだが肝がしっかりしていて美味い。このあたりで大将も乗ってきた。勝浦産のサザエは他と違う、絶品だと繰り返す。

アジ、新イカの下足、シンコ、新イカ

ずっと気になっていたケースの中の小さなコロッと丸まっているのが何かと聞いたら、それは新いかの下足とのこと。
美しいアジの刺身と下足を食べて、こはだをつまみでと頼んだが、数が少ないので全てのお客様に行き渡るように寿司にしてくれと言われた。今日のこはだは少し育ったとは言えまだ新子。いつも使う静岡の舞浜産ではなく三河産の最高級品とのこと。キロ6万円もするらしく、大トロより遥かに高い。

新イカは墨イカの子供。一匹が寿司一個分の大きさと超可愛い。新子にしても新イカにしても、仕込が大変だろう。新イカを出すとき「包丁は一切入れてません」と大将が言う。切れ目を入れなくても柔らかく美味しいと強調したいのだろうが、まさにその通り。ますます大将の口も弾んできた。

目の前の赤貝を頼もうとしたら、輸入物で美味しくないからと銀髪には出してくれない。部下がヒモキュウを頼んだので、ちょっと食べることができた。

ヒモキュウ、ウニ、あなご

ウニが出てきたところで、Iが絶叫した。「僕が美味いと言うのだから間違いない!」と吼える。いいウニでなければ食べることが出来ないからだというのが、その根拠。北海道に行ったときの思い出を滔々と語る。

Tが蝦蛄を頼む。江戸前の蝦蛄は禁猟になっている。他の国産蝦蛄もシーズン終了。鯛を頼むが、これも仕入れていない。数寄屋橋次郎でも鯛を使わないが、元から使わないのか、今が美味しくないためか聞きそこなった。種類を揃えればいいとの考えは微塵もないようだ。

最後に穴子。玉子を一切れ。玉子もすり身を混ぜたものと出し汁を加えて焼いたものと2種類ある。
しじみの味噌汁を食べてお開きに。しじみも立派なサイズで身もふっくらしていた。

仕入れるもの、産地へのこだわり。妥協のない仕事。客におもねらない態度。電話番号を載せないのは、こんなところにも理由があるのかもしれない。
しかし、職人気質で無口かと思ったら、そうでもない。料理について饒舌なのは自信のある料理人ならではのもの。

主役のTが大喜びだったのが嬉しかった。素晴らしい寿司屋だったと絶賛していた。またいつか機会があったら行こうね。


あきば
東京都中央区八重洲1-4-10

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2006年08月29日

[泰興楼](八重洲)  ジャンボ餃子

東京駅近辺で中華料理店を探した。

いいものを、リーズナブルな値段で食べたいとの条件でも難しいが、参加者中紅一点が遠慮しないで食べることができるとの条件を加えたら、店探しは殆ど不可能になってしまった。
新橋の「潮夢来」に行こうかと思ったが、大人数なので移動が面倒くさい。インターネットで店を探し、メニューを見ては失望し、また違う店を探すを繰り返した。

ふと八重洲の泰興楼を思い出した。餃子で有名な店だが他の料理もあったはずだ。ホームページを開いて8,400円のコース料理に魅かれた。A、Bの2コースがあり、量が少ないコースを選べばフカヒレの姿煮が一枚一皿(通常プライスは6,000円)出てくる。一人ずつ分けて出てくるので、紅一点も遠慮しないで食べられるだろう。

歩いて店に到着、我々7人は2階に通された。個室を期待したが、大部屋を布で仕切っただけでちょっと失望した。しかし他に客もなくBGMがうるさく感じるほど静かだ。

まず立派な前菜盛り合わせが出てきた。

次は蟹爪の揚げ物、たっぷりの海老のすり身に包まれてなかなか立派。久し振りにしっかりした蟹爪の揚げ物を食べた。

そして、お目当てのフカヒレ姿煮。予定通り一人一皿で見た目も立派。高級店と比べると可愛そうだが、値段からして妥当なレベルに違いない。

中華料理の高級食材と言えば、フカヒレとアワビ。従ってアワビのオイスター煮を選んだ。

そして、看板の餃子2種。にら入りの水餃子と大看板の焼き餃子。

1949年創業以来親しまれてきた約12cmはあるジャンボ餃子は、身がしっかり詰まった立派なものだ。通常のメニューでは4個入り720円となっている。
しかし、既に年配者と紅一点は満腹で、遠慮ではなく箸が出なくなってしまったようだ。

カニとレタスのチャーハン、その後でデザートが出てお開きとなった。

気が付くと満席になっており、人声が騒がしくBGMも聞こえないほどだ。席を立って各テーブルを覗き見ると、ジャンボ餃子がたくさん乗っている。他の料理も1,000円未満の酒の肴に手頃なもの。コースを食べている客はいない。

次回はお腹を空かせて餃子各種を食べに来よう。高級料理よりも、気軽に一杯のほうが合っているかもしれない。

泰興楼
東京都中央区八重洲1-9-7
03-3271-9351
http://www.taikourou.com/

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2006年08月25日

[島 PartⅡ](八重洲)   やっぱり美味しいステーキ

久し振りに有名店、西洋料理の「島」へ行った。

銀髪グルメ紀行を始めてもうじき1年になる。スタートが昨年の9月28日で、第3回目に紹介させてもらった店が「島」だった。店としては名古屋の「西本」に次いで2店目。当時の記事を読み返すと銀髪グルメ紀行が試行錯誤、どっちに向かうか不安定な状況だったのがよくわかる。

銀髪グルメ紀行はボランティアで寄稿してあげるにも拘らず、「こだわり」の運営会社やとりまきから様々な注文がついた。面白く、下品でなく、他にない特徴ある記事、などなど。初期の読者は友人、知人などわずかな人達だったが、今はヤフーやグーグルなどの検索エンジンから見に来る人達が過半数を超える。

アクセス件数の増加とコメント数は比例しない。コメントを入れてくれる人は少数だが、とても励ましになって嬉しくありがたい。週2~3回の更新を想定してスタートしたが、土日も覗いてくれる人ががっかりしないように、毎日更新することになってしまった。いつまで続くことやら。

グルメ紀行を始めて良かったことはたくさんあるが、悪いことは好きな店に何度も行けないことだ。毎日更新のためには出来るだけ違った店に行かないと話題が続かない。もっとも、「島」のような店は料金が高く、そのくせ人気があって予約が取り難いのでそう頻繁に行けるわけではない。

久し振りに行ったが、2度目になると店のコンセプトが分かってくる。前回とメニューはほぼ同じで、素材の特徴を生かした飾り気がない料理が中心だ。特にメニューはなく、その日に仕入れたものを女将さんが教えてくれる。的矢の生牡蠣、牛刺し、毛蟹、あわびなど鮮度勝負の食材が前菜となる。ホワイトアスパラのスープは微妙な味わいで秀逸だった。

アスパラスープ、牡蠣、牛刺し

そしてメインのステーキ。前回フィレを食べたので、今回はサーロインにしてみた。脂っこいのを覚悟したが、まるでフィレを食べているようだ。どうしてこのような味が出せるのか不思議で仕方がない。鉄板ではなく炭火で丁寧に焼かれるからだろうか。

使っている牛は京都の和知牛。松坂牛や神戸牛などの超有名な銘柄牛を使っているわけではない。和知牛がいいのか、料理人の眼力なのか腕なのか。どこにポイントがあるか分からないが、プロとは凄いものだと感心する。「松坂牛を使用」の文句に有難がるのがあほらしくなってくる。

お土産としていただいたステーキサンドを家に帰って頬張った。店に居たときデジカメが不調だったので今日の鮮明な画像はこれだけ。しかし、どんなきれいな写真でも味を伝えることはできない。

去年より景気は確実に良くなってきている。今日も満席だったが、これからますます予約が取り難くなっていくだろう。昼も値が張る店だが、ステーキだけでも食べに行きたい。カウンターで食べるとより楽しい。

前回は大島オーナーシェフがお見送りをしてくれたが、今日は女将さんが外まで送ってくれた。高級店特有の気取ったところは微塵もない。料理も大島シェフ同様に気取らず安定感がある。

どうしてあんなステーキが出来るのだろう。焼くだけのシンプルな料理だけに、謎は深まるばかりだ。

西洋料理
東京都中央区日本橋日本橋MMビル地下1階
03-3271-7889

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2006年08月10日

[土火土火](日本橋)  韓国料理

ちょっと品がいい韓国料理屋に行った。

韓国料理イコール焼肉屋のイメージが強いが、焼肉を売り物にしない店もある。たまには焼肉以外の料理でお腹を満たすのも悪くない。

土火土火は外堀通りと八重洲仲通りの間、狭い路地の中央近辺にある。まさに隠れ家的な店である。ドアを開けると韓国料理屋というより、ちょっと洒落た居酒屋の雰囲気だ。どっかで見たことがある店名と思ったが、土間土間の勘違い。しかし、店の雰囲気は似ていなくもない。

焼肉屋定番の網焼きができるテーブルはない。焼肉を食べようと入ってきた客はがっかりするだろう。焼肉がないわけではないが、キッチンで焼いたものを持ってくるスタイルだ。客自らが炭火で脂を落としながら焼いて食べる手法は、大阪の食道園が開発したもので、この店のスタイルが韓国らしいのかもしれない。

いろいろ変わった料理もあるのだが、できるだけ誰もが手を出せるものを頼んだ。恐る恐る食べるような楽しみを、皆はあまり期待してはくれない。

キムチ盛り合わせ、土火土火サラダ

キムチが美味しいと他の料理も期待できる。オイキムチ、カクテキ、白菜、干し大根とどれも美味しい。干し大根がもっとも辛く、ヒーヒー言っている奴がいる。

スユック、牛刺し

スユックはこの店の看板料理で、牛の頬肉を蒸したもの。牛刺しは見ての通りで、一枚ずつ食べた後に残った肉を、年配者は敬遠し、若手は遠慮する。

海老のココナッツ揚げ、イカとニラのちぢみ

ちぢみは皆の絶賛を浴びた。表面のふっくら感と底のパリパリ感が絶妙でイカも美味しい。

鶏鍋ともつ鍋

お店のお奨めはもつ鍋。ピリ辛でうどんも美味しい。しかし、野郎どもはもつを敬遠する。一般にもつ鍋は女性人気に支えられているというが、男たちは食べ慣れたものしか口にしない傾向が強い。
ジャガイモや人参が入った鶏鍋の方が早々になくなった。

サムゲタン

最後はサムゲタン。食べたことがないと騒ぐTに敬意を表した。味は悪くないがちょっと煮込み不足か。骨もすべて食べられるほど煮込む店が多く、薬膳料理の色彩が濃いサムゲタンだが、この店のものは比較的食べやすい味と言っていいだろう。

どれも美味しいとみんなの評価は高かったが、銀髪は何か食べ損なったような気持ちが強い。ブルナッチチョンゴル、ナッキポックン、グランチム、カムジャチヂミ、チューユッケポックンなどなど。知らないものを食べる方が面白そうじゃありませんか。ねえ、みなさん!


土火土火
東京都中央区八重洲1-4-9
03-3231-1637

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2006年05月29日

[いづみや](八重洲)   ビール大瓶のある居酒屋

良心的な店の判断は、置いてある瓶ビール大・中・小で決まる。

大先輩に連れられていづみやに行った。大瓶の値段は600円。昔、ビールは大瓶しかなかったと思う。バドワイザーやクアーズなどの米国ビールを真似た小瓶は発売されたことはあるが、通常飲むビールは大瓶以外には考えられなかった。

子供の頃、ビールの空瓶は酒屋に持っていくと5円で引き取ってくれた。アサヒの刻印があるビール瓶にサッポロのラベルが貼ってあるのが不思議だった。キリンのラベルにある空想上の動物・麒麟の絵に「キ・リ・ン」の三文字を探して喜んだものだ。

いつから中瓶が主流になったのだろうか。世界中を見て回ったわけではないが、500ml入りの中瓶など見たことはない。居酒屋での中瓶の平均的値段は550円位。ホテルやクラブでの小瓶は1,000円前後。量が少ないほど割高になる不思議なシステム。どこの誰が中瓶を考えたか知らないが、店側にとっては画期的なアイデアと言っても言い過ぎではない。

店側にとってこんなに有利なシステムがあるのに、それを無視して大瓶を600円で提供する店には、大先輩だけでなく誰もが文句なしに平均以上の得点を与えることになる。大瓶を600円で提供しなければ客が来ないようなチンケな店なのかと思ったら、食べ物もしっかりしたものが出て来たので恐れ入った。

いつものようにメニューの中に、この店ならではの料理を探す。本日のお奨め料理の別紙を見たら金目鯛の刺身があった。他の刺身に比べてかなり高めの840円。
金目鯛は大きな目を持っていることで分かるように、水深200m~800mに棲む深海魚だ。鯛は日本人が大好きな魚であるため、商売人が知名度の低い多くの魚に「○○鯛」と名付けた。首を傾げてしまうような○○鯛もあるが、金目鯛は鯛の名前を借りなくても良かったと思うほど味のいい魚だ。

煮付け、鍋物、酒蒸し、粕漬け、干物など、どんな料理でも美味しい。最近では刺身で出す店も増えてきたが、一般的にはなっていない。
600円で大瓶を飲ませる店にしては高いと思ったが、出てきた金目鯛の刺身を見て量の多さに驚いた。そして脂の乗った見事な味に更に驚かされた。一緒に頼んだしめさばも良かった。

焼き鳥は専門店の味と比較するのは可愛そうと思ったが、肝とねぎ間を塩焼きとタレに分けて焼くのを要求した我々に対して、店の女性は笑顔で受けてくれて、板さんもそれに応えてくれた。
いい店である。

いづみやは地下1階、地上2階の大きな店である。帰ってからいづみやのホームページを開いたら、歴史ある店であることが分かった。店子の立場だったら東京駅から3分の好立地で、良心的な経営をすることは不可能だろう。

こんな店を長く続けて欲しければ、せっせと通うのが一番だ。大先輩は同年代の仲間とともに長年贔屓にしているようだ。レジに陣取る店主が子供の頃から知っている人も多いそうだ。

客の世代交代は上手くいっているのだろうか。いやいや、交代しろと言ったら大先輩たちに怒られる。

いづみや
東京都中央区日本橋3-3-3
03-3271-2939
http://www.idumiya.info/

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2006年04月13日

[じじあんどばば](八重洲) 昼だけでなく夜も行こうよ!

ランチ時は女性客で一杯になる店だが、ランチだけにしておくのはもったいない。夜の方が楽しい。


2009年8月、日本橋に移転しました。

夜の方が楽しいと言っておきながらランチに行ったことがないので無責任な話だが、夜も実は今回が2回目。最初に行ったときは頼んだ料理が出てこないで友人が文句を言って帰った思い出がある。銀髪にとって「じじあんどばば」の印象は悪くなかったので、再度行くことにした。

「じじあんどばば」は東京駅八重洲北口から2~3分のところにある。大通り(外堀通り)に面しているが、目立たない古いビルの地下にあるため通り過ぎてしまいそうな店だ。
店内もそれほど広いわけではないが、ファミリーでやるにはちょうどいいサイズだ。

「じじあんどばば」は若い夫婦(創業当時)が共にじじとばばになるまでやろうと作った店だが、カウンターのお二人はまだまだじじ&ばばには見えない。フロアを任されているのが息子さんで、柔和な笑顔が人の良さを表している。

洋風料理の店と思い込んでいたが、メニューを見ると牛刺しや煮込みがある。ワインだけでなく焼酎も置いてある。なんだか統一性のないように感じる。この違和感を解消させるキーワードが「ファミリービジネス」だ。じじは米沢牛が有名な米沢(山形県)の出身。ばばはワインが有名な甲州(山梨県)の出身。共に実家の関係先からの特別なルートで店の料理を安く・美味しく客に提供している。

お勧めに従って、牛すじの煮込み、ポテトサラダ、ソーセージの盛り合わせ、牛肉とにんにくの炒め物、コロッケを頼んだ。

米沢牛の煮込みとパイ皮入りのポテトサラダ

料理が出始めてから「しまった!」と思った。早い時間のため客は2組しか入っていない。このような場合はキッチンが暇なのでオーダーしたものが次々と出てくる店が多い。息子の駒沢君を呼ぼうと思ったが、料理の出し方まで指図することはないと思いとどまった。出てきたらそれで仕方がない。

ソーセージ盛り合わせ、牛肉の炒め物

ところが心配は杞憂に終わった。ちゃんと料理を食べ終わりそうになったところで次が出て来た。前回来たときは食べきれない量を構わず頼んでしまった。テーブルに料理が残ったままだったので、店主は次を作るのを遠慮したのかもしれない。事実、今回ピザも頼もうとしたが、多すぎるので止めたほうがいいと言われた。

コロッケ(左)とその断面(右)

コロッケはこの店の評判の一品だが、中身は牛肉入りのシチューのようなコロッケで美味。ポテトコロッケやクリームコロッケとも違う独特のものだ。

二人で飲んだ酒は生ビール2杯、自家製ワインを一本、海外でも引っ張りだこという貴重な白百合酒造のワインをグラスで2杯、最後に名酒の呼び声高い焼酎「佐藤」を2杯。

焼酎の肴に漬物をサービスしてくれた。なかなか気が利いているじゃないか。

二人分、1万円強を払って店を出た。ランチだけではこの店の本当の良さは分からないだろう。
女性だけに占領させておくにはもったいない店だ。


じじあんどばば
中央区八重洲1-4-21 共同ビルB1
03-3274-1797

移転先
じじあんどばば
東京都中央区日本橋2-2-15 日本橋テイトビル2階
03-3274-1797
http://www.jiji-baba.jp/

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2006年03月16日

[嶋村](八重洲)   老舗の新メニュー

嘉永3年「仕出しの嶋村」として創業、文久元年には料理番付にも載ったそうだ。要は155年もの歴史を持つ老舗割烹。運良く予約を取れた。

景気が回復してきたのは料理屋の予約状況を見ればよくわかる。高級店の個室の予約が取り辛くなってきた。「玉ひで」「日山」「人形町今半」など、予約の電話を入れるがすべて断られる。「嶋村」にダメモトで電話をしたが、案の定個室はない。しかし、広間を衝立で仕切るセッティングなら入れるという。別の店をトライするには疲れてしまっていたので、受け容れた。

老舗ではあるが特に気取ったところはない。料理もチマチマしない豪快さが漂う。値段も目が飛び出るほどではない。ちょっと高い居酒屋と言えばいいのか、気軽な割烹と言えばいいのか迷う。

いつもは1階のテーブル席で食べるが、今日はお客様と一緒なので座敷に上がりコース料理を頼んだ。創業155周年記念の特別献立「早春の宴」(税込み6,090円)の献立を見ると割安に思えた。嶋村の看板料理は鯛かぶと煮だが、このコースにしっかり入っている。

お通しを食べながらビールを飲んでいると次の料理が運ばれてくる。

小鉢(河豚あらの煮凍り)、造り(下関とらふぐ刺身)、煮物(風呂吹大根 柚子味噌 海老柴煮 巻湯葉 銀杏 梅麩)と続く。

真鯛かぶと煮

里芋、竹の子、絹鞘を従えて、お目当てのかぶと煮が出てきた。目玉と口のところのトロトロがたまらない。味付けはかなり甘めである。老舗料理屋の看板料理は総じて濃い味付けに感じる。
若い二人は次々に料理を片付けていくが、50を超えた二人の箸は動かなくなってきた。盃の手だけは止まらない。

鍋(越前カニと八種の野菜)

かぶと煮が出てきて満足していたら、まだ鍋があった。もう食べられないと思っていたけれど、これが大ヒットなのである。千切りの白菜鍋とは意表を衝くアイデア料理。シャキシャキ感が残る程度にサッと茹でて食べるのだが、これがいい。越前カニから主役の座を奪ってしまった。今のオーナーが考えた料理で、仲居さんがつきっきりでサービスしてくれる。白菜がクタクタにならないうちに食べてもらうためのこだわりで、仲居さんもこの料理の時は緊張して鍋を見つめている。
この料理なら自宅でも簡単にできそうだ。白菜が安くなってきたので是非試したい。

最後に雑炊、おしんこ、デザートのシャーベットを食べてお開きになった。

老舗の名前に安住していない姿勢がうれしい。

嶋村
東京都中央区八重洲1-8-6
03-3271-9963

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2006年02月15日

[EKKI](丸の内フォーシーズンズ・ホテル) サービスも味わう

EKKIに行こうと思ったきっかけはこだわりトップページのインタビューで連載中の鳥居晴美さんが主催する子供地球基金のワインパーティーだった。

お代わりするためにワインがあるテーブルに足を向けると、目の前にコリー・ウインター氏が立っていた。柔和な笑顔の彼に手を差し出した。聞けばフォーシーズンズ・ホテルの食事部門の支配人と言う。「あなたのレストラン(EKKI)は美女同伴じゃなければ入れないんでしょう?」と尋ねたら、このジョークが受けた。別れ際に「来週行くよ」と言ったがこれもジョークに思われたようだった。

正直言って、フォーシーズンズ・ホテルは目白のものしか知らなかった。しかし、目白のものは椿山荘との合弁で、丸の内のものがカナダ本社の直系だそうだ。コリーもカナダ人。住所は丸の内だがホテルがあるパシフィック・センチュリー・プレイスは八重洲ブックセンターのはす向かいにある。1階の専用入り口には外国人のドアボーイが二人立っていて、銀髪と目が合うとすかさず両方のドア大きく開ける。外国に来たような錯覚を覚える。

7階でエレベーターを降りてEKKIに向かうと入り口のソファに目を見張るような絶世の美女が銀髪を待っていた(ということにしておこう)。
席に案内されるとさりげなくコリーの名前を出す(さりげなくじゃなく露骨だろう!)。予約はコリーに入れてもらったので、他の客から隔離された窓際の席をゆったり使えるように配慮してくれていた。
レストランのスタッフも客も外国人が多い。またまた外国に居るみたいに思うが、違いがあるとすれば男同士のテーブルが多いことだ。接待が夜行われる日本の特徴だが、男同士でも奇異に見られないのはありがたい。海外なら何かあるように疑われる。
東京駅に近いし、席同士の間隔が広く、16人まで入れる個室もあるので接待に使える店だ。

メニューを見ると、目移りしてしまう。前菜+メインとオーダーすべきところだが、前菜から1品、メインから3品を選んで二人で分けることにした。前菜かメインかメニューのどの欄に書かれていようが気にしない。食べたいものを好きな組み合わせで食べればいい。
海外では一品当りの量が多いので、前菜から2品選んだり、メインを2品選んで量を調整してもらったこともある。

ワインはフルボディが好きだが、昨日飲みすぎたので軽めのものにした(毎日飲みすぎではあるが)。ウエイターがワインを開けるのを横目で見ているとコルクが割れた。「ワインの状態が悪いので取り替えてきます」と言う。さすが一流ホテルだ。
新しいボトルを開けたウエイターが自らのテイスティング・グラスで状態を確かめる。作法どおりだ。次は銀髪の番。グラスを回し香りを嗅ぎ、口に少しだけ含み軽くモグモグ、そしてゴクン。「ウン、いいよ」(なんてちょっと気取りすぎ。判りもしないくせに)。

さてこの日の料理を見てください。

付出し(蒸し鶏)とパン4種の中からアンチョビ入りクロワッサンと紅茶(アールグレイ)のパン

フォアグラのテリーヌとメインからウニのスパゲッティ

ブイヤベース(左)とメキシコ産牛肉とラビオリ。ステーキは二つに切り分けられて皿に盛られてきたので透き通った肉汁が踊って見える。

お茶うけ

途中でコリーが挨拶に来た。彼は高校時代に日本に1年間留学した。大人になって再来日して日本人の妻を迎えた。コミュニケーションをするには彼の日本語の方が銀髪の英語より上に違いないが、久し振りに英語を話すのも楽しい(コラッ!格好つけんなよ!)。
食事の相手はキョトンとしている。

食後にホテル総料理長のエドワード・ヒギンズ氏が挨拶に来てくれた。「次回来るときは連絡してくれ。好みの料理を作っておくよ。」なんて嬉しいことを言ってくれる。32歳と若いが、料理も外交辞令も巧みだ。

アシスタントマネジャーのロシャン・ディラン氏はスリランカ出身。日本に来て3年、日本語も流暢な彼との会話も楽しかった。

「美味しい食事に旨い酒、素晴らしいサービスと雰囲気。そして絶世の美女」 最高のディナーだった(と日記には書いておこう)。


EKKI Bar & Grill
東京都千代田区丸の内1-11-1
パシフィックセンチュリープレイス丸の内7F
03-5222-5810
http://www.fourseasons.com/jp/marunouchi/summary/index.html

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2006年01月20日

[因幡うどん](博多)と[博多うどん](東京)

子供の頃は父があまり遊んでくれないと不満に思っていた。しかし、今自分が親になってみると己の怠慢が恥ずかしくなってしまう。

中学3年生のとき大阪万博があった。兄たちは成人になっていたので、両親と3人で万博に行った。米国館の月の石を見るために熱暑の中を長時間並んだ。ソ連館に並んでいる間に日が暮れて、母は貧血を起こしてしゃがみこんだ。両親は辛抱強く息子につき合ってくれた。

昨年の愛知万博には一度だけ仕事で行った。母子家庭さながら、我が家は銀髪抜きで愛知博に行った。銀髪には声がかかることすらなかった。いつ休暇が取れるか分からない銀髪のスケジュールに合わせていたら、永遠に旅行には行けないと思われている。父の努力・配慮に比べて何たる体たらく。

映画にもよく連れて行ってもらった。ただし、同級生たちが見ていたゴジラやモスラなどの子供向けの映画は稀で、もっぱら勝新太郎と市川雷蔵の二本立てだった。座頭市、兵隊やくざ、悪名、眠狂四郎、若親分、陸軍中野学校などなど。子供のくせにませたガキになったのはこのせいかもしれない。

そして昼ごはんはいつもうどん。中洲川端の玉屋デパートの地下にあった「英ちゃんうどん」に行った。「因幡うどん」の方が人気があったが、なぜか英ちゃんうどんなのだ。ごぼう天うどんと稲荷を食べた。

今、英ちゃんうどんはない。バブルの後遺症で倒産したとか。そこで博多出張の際に因幡うどんを食べに行くことにした。

博多の因幡うどん

「昔は博多と言えば豚骨ラーメンではなくうどんだったのではないですか」とタクシーの運転手さんに聞いたところ、同意を得られた。ラーメンは屋台で出す汚い食べ物(汚い器?)で、子供が食べるものではないといつも母に聞かされた。それが今は全国区。博多うどんは地元以外はマイナーな食べ物だ。

東京に転校したての頃、小田急線下北沢駅の立ち食いそば屋に入って、その真っ黒なおつゆに衝撃を受けた。驚いたが最後まで我慢して食べた。すぐに慣れてしまい、その後頻繁に通った。人間の、特に子供の順応性たるや大したものだ。

東京駅に文字どおり「博多うどん」がある。八重洲で働くようになってよく行った。いつの間にかこれが博多のうどんの代表的なものと思い、英ちゃんうどんもこれと同じだと信じ込むようになった。

東京駅地下の博多うどん

博多で食べてみると、麺とたれはどこも似たり寄ったりだが、ごぼう天は店によってかなり違う。
今回因幡うどんで食べたごぼう天を見て、もしかして英ちゃんうどんもこれと同じだったのではないかと思った。熱いたれをかけると天婦羅の衣は瞬く間に分裂し、たぬきうどん風に変身してしまう。
いやいや、店によって違ったから父は英ちゃんうどんにこだわったのかもしれない。

確かめるにも英ちゃんうどんはつぶれ、父も亡くなってしまった。次兄に聞けば分かるだろうか?次兄は座頭市の真似をよくしていたから、多分映画は3人で見に行ったに違いない。4人だったかな? 5人だったかな?

 40年以上前の記憶はせいぜいこんなもんだ。

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2006年01月12日

[唐人吉華](八重洲)  麻婆豆腐

日本人の好きな中華料理の一つが麻婆豆腐だろう。ルーツはもちろん四川と思われるが日本に広まった麻婆豆腐は別物だった。

中国料理といってもたくさんの種類がある。香港のおかげだろうか、中国料理の代表格は広東料理。他にも北京、上海、湖南、台湾などなど。それぞれ独自の料理文化があるが、人気のある料理は瞬く間に他の地域にも広がるからどれが本来の味か分かりにくくなる。

日本に伝わった麻婆豆腐は広東でアレンジされた料理のような気がする。
広東料理にはあんかけのものが多い。とろみが強く、甘味のある麻婆豆腐は香港を経由して日本に広まったのではないだろうか。香港で食べる麻婆豆腐は日本で食べるそれに近い。福臨門本店のそれは豆板醤さえあまり入ってなく、母が昔作っていた麻婆豆腐にあまりに似ていた。

福臨門本店の麻婆豆腐

ここまでは銀髪の勝手な解釈。はてなダイアリーというサイトに麻婆豆腐についての詳しい説明がある。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E3%C7%CC%C6%A6%C9%E5
陳健一氏のお母さんが日本人向けに山椒を抜いた麻婆豆腐を売り出してから一般に普及したとのこと。
しかし、味の素の麻婆豆腐の素には広東風と四川風があり、銀髪の説を裏付けている気がする。

随分前になるがテレビで四川省成都に本店がある「陳麻婆豆腐店」の紹介をしていた。この時、本場では大量の山椒を入れるのを知った。7年位前に人形町の「四川亭」で山椒たっぷりの麻婆豆腐に出会った。気軽に行ける店なので、昼、夜と通ったものだ。

「山椒小粒でぴりりと辛い」と言われるが、日本人は山椒を辛味のために使ってこなかった。七味唐辛子のひと味にしたり、鰻の蒲焼にかけたりするが、どちらかと言うと香りを楽しむ。
日本人にとっては山椒の辛さに馴染みがない。

数年前、「四川亭」に部下を連れて行った。ただでさえ辛い麻婆豆腐を激辛にしてもらった。激辛とは山椒をたくさんかけるということ。唐辛子の辛さには自信を持っていた連中が、山椒の辛さには耐えられなかったようでヒーヒー言うのを見て大いに笑ったものだ。

東京駅近辺では「唐人吉華」がいい。

唐人吉華の麻婆豆腐は豆板醤の唐辛子に加えて、山椒の辛さが効いている。とろみはない。四川風の麻婆豆腐に違いない。

以前は山椒の効いた麻婆豆腐を出す店は少なかったが、最近ではあちらこちらで食べることができるようになった。そうなると、今度は従来の麻婆豆腐も食べてみたくなる。
人間とはあくまで勝手な生き物だ。

えっ!お前だけ? そんなことはないですよ。みんな一緒ですよね?


唐人吉華
東京都中央区八重洲1-6-16
03-3281-3087

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2005年10月27日

[伴] (八重洲)  「三色丼」 

8時半。仕事が長引き出遅れてしまった。相棒も部下たちもとうに食事を終えてしまっている。家に帰るにはお腹が空きすぎている。一人の夕食は寂しい。
本を片手にラーメン屋に行こうか。それはちょっと侘びしい。
そうだ! 寿司屋へ行こう。カウンター越しに大将が相手をしてくれる。

東京駅八重洲北口から数分、大通り(外堀通り)を渡って神田方面に向かい、路地を右に入ると寿司処「伴」がある。テーブル席もある比較的大きな寿司屋だ。引き戸を開けて中に入ると奥のカウンターの向こうから大将が笑顔でこちらを見ている。
「どうしたの?」と聞かれ「イヤー、あぶれちゃってね」そう言いながら席を探すが、大将の前はふさがっている。隅の方に座ろうとすると、目の前のお客さんに「すいません、詰めてもらえますか?」続いて「銀髪さん、こっちおいでよ!」何とも嬉しい気遣いだ。
座ると直ぐに生ビール、そして本マグロの大トロが目の前に。「銀髪さんは大トロが好きだからね」と好みを熟知してもらっている。でも大トロだけでは寂しすぎる。
「グルメ紀行に載せるから、もうちょっと飾ってよ!」と言うと、1.5人前の刺身盛り合わせが出し直された。大トロ、しめ鯖、ほたて、鯛。すかさず熱燗を頼む。リズムがいいと食も進む。

いつもは相棒が大勢を引き連れてくるので、ワイワイガヤガヤと忙しく、大将とじっくり話す機会がない。今日は大将を独り占めだ。
しめ鯖、こはだ、穴子などなど仕込みの時、自ら築地で仕入れた魚たちが姿や味を整え変貌していくのを見るのが楽しいと言う。
話しは延々と続く。ゴンズイ、ウラゴ、山の神などなど、聞いたこともない魚の名前が出てくる。漁師の息子ならではの知識、こだわり。家では何も作らない料理人が多いが、家族や娘の友達などにも腕を振るう。とにかく魚が好き、料理が好き。みんなの喜ぶ顔が好き。

「写真撮るなら是非これを撮ってよ!」と出てきたのが三色丼。

何度も来ているのに初めて知った大将自慢の一品。
いくらは2枚の薄皮を丁寧に取り除いている。外側の薄皮は歯触りを悪くする。内側の薄皮には臭いがある。これらを取り除くことによってすっきりした味になるそうだ。味付けは薄塩のみ。猟師に習った技。
マグロは先ほどの大トロを叩いたもの。叩くことによって味は切り身より濃厚に感じる。
これにうにを加えて三色丼の出来上がり。
どんぶりと言っても直径5センチ位のミニミニ丼。2カン分程の寿司飯の上に10カンは作れる3種のねたを乗せている。醤油のかけ過ぎ無用と、大将自らが数滴垂らして出してくれる。

相棒はいきなり寿司を食べる。刺身は嫌い。大トロ、イカなど相棒が食べれる生魚の寿司は数えるほど。好きなものはかんぴょう巻き、納豆巻き、焼き魚。食べ終わると直ぐに勘定を払って出ようとする。とにかくせわしない。
今日は相棒がいないため大将とゆっくり話せた。何度も来ているのに大将のことを殆ど何も知らなかったことに気づく。

「うちのアンコウは絶品だよ。」「鯖のしゃぶしゃぶを食べに来てよ!」

食べたことがないものがまだまだありそうだ。近いうちにまた来よう。


すし処「伴」
東京都中央区八重洲1-5-21
03-3278-1644

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2005年09月30日

[島] (八重洲) ヒレステーキの有名店 

最近ステーキをあまり食べたいとも思わなくなってきたが、日本橋八重洲で政財界のお歴々や芸能人などに評判の店、西洋料理「島」に証券会社の社長に連れて行ってもらった。
東京駅八重洲中央口から歩いて5分。タリーズ・コーヒーの上に小さな看板を見つけた。
左側2つの電灯の下に見えるのが入り口の看板。いやいや小さな板っ切れ。これが有名店?
カウンターに座ってしばらくするとみのもんたさん御一行が入ってきた。なるほど!?


いつもはステーキを食べようと思ったらついつい鉄板焼きに行くことになる。一流ホテルなら大抵景色のいい上の階に鉄板焼きコーナーを構えているし、今半など老舗でも鉄板焼きのコーナーは人気がある。牛肉は松坂牛などの銘柄物で、サシがきれいに入った高級品。テレビのグルメ番組であれば女性レポーターが「柔らかーい!」「とろけそー!」と陶酔した表情をする肉だが、お値段も超一流。でも霜降りの肉が一番美味しいのだろうか?
和牛の美味さは脂にある。穀物肥育で丁寧に育てられた和牛は癖もなく、柔らかく仕上がっている。サシがきれいに入っているため肉厚でも中に火がとおりやすい。
しかし、鉄板焼きではちょっと脂がきつすぎと感じることが多い今日この頃。でも脂がおいしい。そこで鉄板焼きでは「最後のガーリックライスが美味いんだよなー!」と言うことになる。
しかし、「島」は違った。ステーキが出るまで魚介類を中心にたくさん食べて、おなか一杯になってやっと登場したのが厚いヒレステーキ。「全部食べれるかなー」と不安に思ってナイフを入れたところで、隣の相棒が一口食べたものをこちらの皿に移した。彼は焼きたてのぶどうパンを食べ過ぎて、ステーキをギブアップ。もう既に突き出た腹を撫でながら顎を出している。こちらも一口食べて2人前を合体したのが下の写真。

写真でご覧のとおり、一見レアなのだが、ちゃんと火がとおっている。ナイフを入れても皿に血が流れない。霜降り肉と違って噛んで味が広がる。塩味も絶妙で、ソースも何もかけず肉のうまみだけを堪能する。 「 あっ!ステーキってこんなに美味いんだ!」 とうれしくなってしまう。
時折アクセントとしてマスタードをつけながら2人前を完食してしまった。
「どうしてこんなにうまく焼けるのですか?」と尋ねたら、秘密はカウンター越しにあるちょっと見たところガスオーブンのような調理器。開けて見せてもらうと中には炭
炭火で丁寧に焼いた職人技のヒレステーキだったのだ。
使っている牛は京都の「和知牛」とのこと。初めて聞いた牛の名前だけど、大島オーナーシェフのこだわりを感じた。
ステーキ以外に食べたのはさっと湯通しした牛肉の刺身、的矢の生牡蠣、茹で立ての毛蟹、魚介盛り合わせ、かにコロッケ(下の写真)、オニオングラタン。

ステーキが秀逸過ぎたので、「他の料理はここ以外でも食べられるものですね。」と帰り際に口走ってしまったら、大島さんはちょっと不機嫌に。それでもすぐに笑顔でお見送り。もちろん他の料理もどこででも食べられるものではない。限られた一流店のみで味わえるだけで、ことば足らずでした。生意気言って申し訳ありません。
相棒が食べたあわびも、隣の人が食べていたフォアグラも美味しそうだった。
そう言えば奥のテーブルに居たみのもんたさん御一行には、次に行った銀座6丁目のクラブでも一緒になった。この日は同じコースだったけど、みのさんもきっと満足したでしょうね。

小さな板っ切れ

東京都中央区日本橋日本橋MMビル地下1階 電話03-3271-7889
西洋料理

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