2008年11月20日

[ガンボ&オイスターバー](八重洲)

野郎二人でオイスターバー


夜間に移動して朝から仕事をさせる。そんな計画を平気で持ってくるのが我が社の部下である。管理職は人気商売と悟っている銀髪は断れない。発車時刻までの短い時間、夕食をする場所に選んだのはオイスターバーである。

ガンボ&オイスターバーの八重洲地下街店は初めてだが、新宿ルミネエスト店には行ったことがあるので部下の前でも戸惑うことはない。嬉しいことに生牡蠣セットが半額。6個セットを2つ頼もうとしたら、多すぎると部下からストップがかかった。渋々8個セットを1つ頼んだ。

レモンの右から北海道厚岸、北海道仙鳳址、米国ワシントン州パシフィックオイスター、アイルランド産パシフィックオイスターの4種類8個。8種類かと思っていたのでちょっと意外だった。6個セット二つなら同じ種類を2個ずつ食べなければならなかった。二人で一個ずつの8個セットは結果オーライだった。牡蠣に合うという店オリジナルの黒ビールを飲んだ。

カキフライ、バター焼き

数年前に閉店した神保町のバラライカのランチで出るカキフライは的矢の牡蠣だった。生で食べられるものの、鮮度が少し落ちたものを使っていたと思う。もしかしたらここのカキフライもバラライカと同様に殻から剥いたばかりの高級牡蠣をフライにしているのかもしれないと期待した。

「アッチチッ!」と大袈裟に口を歪める部下を見て笑った。「アッチチッ!」と今度は銀髪が慌てる番だ。熱い汁があふれ出して来たが、何とか我慢して口の中に止めた。期待に反して生食用のメニューには載っていない広島産の牡蠣だったが、フライには肉厚の広島産や岡山産の方が向くようだ。とても美味しかった。

メニューの中で食べ残した生牡蠣を頼むことにした。岩手県大槌産と南オーストラリア産ストリーキーベイ。最初は6個も食べられないと言った部下に、お義理で「食べるか?」と聞いたら予想外に首は縦に動く。再び仲良く2個ずつ食べた。「オイスターバーは初めてです」と喜ばれたら悪い気はしない。

慌しい食事だったが、男二人のオイスターバーも悪くない。ニューヨークやパリではごく普通の光景だろう。普通でないのは銀髪の目の前の男が飲んでいたのがウーロン茶だったことだ。出発時間が近づく。スパゲッティにくらいつく部下を、ワインを飲みながらじっと待った。

ガンボ&オイスターバー 東京駅八重洲地下街店
03-5201-7888
http://www.oysterbar.co.jp

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2008年11月01日

[鐵平](八重洲)

富士宮やきそばと静岡おでん


八重洲地下街を歩いていたら富士宮やきそばの店を見つけた。入ろうとしたが意外と混んでいるので日を替えて行くことにした。ショットバーで食べたこともあるし、スーパーで買って家で作ったこともあるが、専門店で食べるのは初めて。ちょっと期待した。

静岡おでんとのセットで900円。期待が大きかっただけに首を傾げた。麺がぼそぼそした感じで、一見ソース焼きそばのようだが味が薄い。
静岡おでんは最初から期待していなかったので納得の味だが、焼きそばは自分が作った方が美味しいと思った。

店の外には「富士宮やきそば学会公認」の張り紙がある。こんなんで公認するなんて、随分いい加減な審査だと思った。オフィスに戻りインターネットで調べたらホームページがあった。→「富士宮やきそば学会」
富士宮やきそばの特徴が記してある。富士宮流やきそば蒸し麺を使用。炒める油はラード。ラードを絞った後の肉かす、肉、天かすを入れる。イワシやカツオの削り節(だし粉)をかける。他にもいくつか製法に注文をつけている。

出来損ないかと思った鐵平の焼きそばは、富士宮やきそば学会の基準を満たしているようだ。知識をえたところでもう一度行くことにした。

今度は角煮がついたB定食を頼んだ。焼きそばだけでよかったのだが、昼には定食以外はオーダーできない。出来具合は前とまったく同じだが、今度はそれなりに美味しく感じるから不思議だ。ところが後半になって麺が冷めてくると食べるのが辛くなってきた。だし粉と唐辛子をかけて味を変えながら完食した。

焼きそばはごはんや他の料理と一緒に食べていたら冷め易い。焼きそばは単独で温かいうちに食べた方が良さそうだ。焼きそばにビールが正解のような気がした。


立ち飲み酒場 鐵平
東京駅八重洲地下街ローズロード
03-3231-2627

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2008年10月23日

[あきば]⑤(八重洲)

長い日本列島の周りには豊かな海の幸がある


店に入ると「今日は遅いですね」と女将さんがにこやかに迎えてくれた。カウンターの中の大将が仕事をしながら笑いかける。遠方より来る友を待っている間に7時を回ってしまった。いつも座る奥の席は占拠されていたので、大将のまん前ど真ん中の席に座った。

お通し

しめさば、ひらめ、かつお、関アジ、つぶ貝

千葉県富津のさば、青森のひらめ、気仙沼のかつお、関アジは言うまでもない。お任せの後は釧路のつぶ貝、愛知のみる貝。大将の口から淀みなく産地が出て来る。「愛知のどこ?」と突っ込むと手が止まる。大将の律儀な性格が滲み出てくる。ど忘れする齢頃なのはお互い様だ。

カウンターの上にあるあきば名物の貝類。今日は大きなさざえ、つぶ貝、みる貝がデンと鎮座している。「実は貝が大好きなんですよ」と言われて、どれか一つだけのつもりがつぶ貝とミル貝の二つを頼んだ。ミル貝の写真は撮り忘れてしまった。

かんぱち

カウンターの中央に座ったときから気になっていたのが何かのカマ。「これ何ですか?」と聞いたら、大将が待ってましたと言わんばかりの表情。尾鷲(おわせ)産の6.5キロの天然釣りかんぱちだとのこと。「触ってみてください」と言われて従った。弾力があるというより固い。刺身と塩焼きで食べた。あー、シ・ア・ワ・セ!

今日のお客様O氏は酒を飲めないので早めに寿司に移った。すみいか、まぐろづけ、サーモン、いくら、えんがわ、うに、きんき、煮あなご。炙って旨みを増した網走産きんきが特に美味い。やはり魚も肉も少し火を通した方がいい。O氏は平目のえんがわに感激していた。いつも食べているのはカレイのえんがわかも。

O氏は仕事が終ると毎日家に直行するそうで、奥さんに同情してしまう。オーストラリアに住んでいた頃、毎夜家で夕食をとる銀髪に妻は「お金出すから週1~2日は飲んできてくれ」と懇願したものだった。「夫婦円満の秘訣はできるだけ顔を合わさないこと」と友人は言う。けだし名言である。

しじみと玉子焼きを食べてお開きに。2次会に誘ったがあっさり断られた。家で待っている奥様が気になるのかもしれない。我が家だったら「何でこんなに早いの?」と怒られてしまう。なんて幸せな夫婦だろう。 どっちが?


あきば
東京都中央区八重洲1-4-10

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2008年10月18日

ビックエコー

歌に専念するビッグエコー

「カラオケ屋に行こうか」と誰からともなく声が出た。いや、ウソをつくのはよそう。言いだしっぺは銀髪である。約15年前も銀髪がKに声をかけた。以前勤めていた会社で、女性たちを慰労するために企画した。忘年会などで無理やり2次会に連れて行かれ、カラオケ屋でホステスの役回りを強制される女性たちが可愛そうだったからだ。1次会からカラオケ屋に直行し、2~3時間歌い続けて憂さを晴らしてもらった。

男は銀髪とKの二人で、女性は2~3人。3ヶ月に1回程度開催して、新曲を2曲覚えてくるノルマを課した。スピッツ、ディーン、ワンズなどの新曲を覚えて得意気だった銀髪はまだ30代後半。あの頃ぼくは若かった。

八重洲、日本橋周辺にカラオケ屋は多い。選んだのは仲通りに面したビッグエコーである。選んだビッグエコーの裏手に和食居酒屋の系列の楽蔵があり、そこから料理が運ばれると思ったためだ。ビッグエコーは昨日紹介したTOMPOOYAの他にも色んな飲食店を経営している。

メニューを見て楽蔵とは連携していないことがすぐに分かった。それでも料理が運ばれてくるまでは、他のカラオケ店よりは美味いのではないかと期待したが、有難いことにカラオケに集中することを促すかのような料理ばかりだった。


Kさん、Kちゃん、K。銀髪以外はイニシャルにKがつく。KさんとKと銀髪の50前後の重鎮たちに混じってKちゃんが花を添えてくれた。
カラオケ屋を利用するのは若者ばかりかと思っていたが、Kさんがビッグエコーのメンバーズカードを持っていたのには驚いた。もっとも大先輩のM氏は、70歳代の仲間たちとカラオケ屋で会合するという。完全個室で料金も安いからで、歌いたいわけではないそうだ。

カラオケを楽しむなら4人ぐらいがちょうどいい。歌を探している間に順番が回ってくる。食事をしたいならビッグエコーは避けた方がいい。料理が美味しいカラオケ屋もあるはずだ。1次会、2次会を同時にやってさっと帰る。

憂さ晴らしには大声で歌うのが一番いいが、食事のお陰でフラストレーションが溜まっては意味がない。


http://www.clubdam.com/be/

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2008年07月26日

[あきば]④(八重洲)

あきばで今日も魚のお勉強


昔の記事にコメントを入れてくれたとどまささんに敬意を表してあきばに行くことにした。コメントの中の「シンコ」に引き付けられたのは言うまでもない。

他の社員の夏休みで留守番役になった数人を引き連れてあきばの暖簾をくぐった。主人と奥さんがにこやかに迎えてくれる。カウンターには「予約」の札がいくつも置いてあり、繁昌しているようで嬉しくなる。

最初にあきばに来たのは約2年前。そのときから比べると銀髪の知識も豊富になった。産地を言われたら漢字や地図が頭に浮かぶ。鹿児島県出水のアジ、明石の焼きアナゴ、小柴のシャコなどなど。大サザエの西伊豆安良里(あらり)は本日得た新しい知識。


寿司屋には大きく分けて2種類ある。伝統的な江戸前の仕事からあまりはみださず、ネタの仕込みに時間をかけ、酒の肴もあくまで素材重視の店。伝統にこだわらず、創作料理を得意にする店。あきばは前者に属するようだ。

最高の素材を探すことのこだわるあきばのような店の場合は夏場の仕入れには苦労しているようだ。うには当然北海道と思ったら徳島産。徳島出張でうにを食べていなければ怪訝に思ったところだ。若布が美味しい徳島はうにも美味しい。


大トロはインドまぐろ。国産物しか使わないと思っていたが、さすがに今の時期は冷凍物の方が美味しいらしい。大間の本鮪の信者には気の毒だが、回遊魚のまぐろは今は他の海を泳いでいる。太って脂が乗るのは秋以降だ。

関西は比較的小さめの穴子の焼きを好む。煮穴子は大きめの江戸前がいい。あさりは東京湾の三番瀬が最高と言われるが、今日のあきばは三重県産を使っていた。身が太って美味い。

そして本日の目玉はシンコ。コハダの今年生まれたもので、キロ当たり数万円もする高級品。通は一貫に3匹以上使うような小さなシンコを好む。もうだいぶん大きくなってきた。やがてシンコと呼べなくなる。今一番美味しい愛知県三谷のものと胸を張る。確かに小さいのに脂が乗って美味だった。

日本は縦長の地形のお陰で、旬の地域が北上したり南下したりして、長時間旬を味わうことができる。それでもあきばの主人の苦労は大変のようだ。猛暑を超えるのが待ち遠しい。

あきば
東京都中央区八重洲1-4-10
(店の希望で電話番号は載せていません)

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2008年06月19日

[麹蔵](八重洲)

サービスを勉強しなきゃ


昨年11月にオープンした比較的新しい店に行った。先客の6人のグループが入り口でたむろしている。邪魔だと思ったら席に案内されるのを待っているようだ。客は殆ど入っていないのに待たされる不思議な光景だ。このとき踵を返すべきだった。

生ビール、ワイン

650円位する地ビールを頼んだ。口広のグラスを考慮すると半分近くが泡に思える。意地汚い酒呑みの機嫌は一気に悪化する。
8,000円ほどのシャブリを頼んだ。なんと既に栓を開けた瓶を持って来て、無造作にテーブルの上に置く。「冷やすのはないの?」と聞くと、ワインクーラーの用意はなく、代用品に氷水を入れて持って来た。
栓は乾いており、シャブリ特有の切れの良さが感じられない。目の前で開けていないので、何か違うワインを詰めてきたのではないかと疑われかねない。

平政の刺身2種、きびなご

ビールとワインで気分が落ち込んだ。何でもケチをつけたくなる。九州出身の銀髪はともかく、他の人は濃い甘口醤油が気に入らない。醤油は普通のものと2種類用意した方がいい。きびなごの酢味噌も評判が悪い。

辛子蓮根、フランス産ウズラの岩塩焼

自家製の辛子蓮根はフライにする変り種。店名の前にCHACOAL GRILLと書くだけあって、炭火焼には自信を持っているようだ。

さつまいもスティック、海老春巻

さつまいもをシナモンにつけて食べるのは思ったほど甘くなくて悪くない。海老春巻もまあまあ。居酒屋としては料理は許せるレベルにある。少し機嫌が直ってきて調子に乗った。フランス・シャラン産鴨焼と奄美焼きそば、更に鶏飯を一緒に頼んでしまった。

焼きそば、鶏飯

2品を置く場所を我々客がせっせと作った。鴨焼きの前にご飯が来るとは油断していた。冷めるといけないのでご飯に具を乗せ、鶏のスープをかけて食べ始めた頃に鴨がやってきた。鴨は酒の肴ではなくご飯のおかずと思われたようだ。

鴨焼き

再び血が頭に昇り始めた銀髪を横目に、連れのK氏はゆうゆうと先に鴨を食べ終える。急須に残ったスープを全部銀髪のお椀にぶちまけ、おかわりを店の女の子に持って来てもらう。新しく熱々のスープをご飯にかけてしてやったりの表情だ。まいりました。

地ビールに目がくらんだのが不味かった。泡が不快なら瓶ビールを頼めばいい。
気取って白ワインなんか頼む奴が悪い。焼酎を飲んでいれば嫌な思いをしなくても済む。
ご飯が先に来たと怒るのが間違っている。料理を出すタイミングなんか構ってくれるはずがないのだから、オーダーするタイミングをこちらが考えなければならない。

反省しながら、8時を過ぎてもガラガラの店を後にした。

奄美・鹿児島・沖縄料理 CHACOAL GRILL 麹蔵 八重洲一丁目店
東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビルB1F
03-3510-3366
http://www.ramla.net/casual_restaurant/koujigura

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2008年05月23日

[楽蔵うたげ](八重洲)

ビッグエコー、カラオケ屋さんの居酒屋


いつものように次々と注文するのをじっと見ていた。アルバイトと思われる女性店員が手元の機械に必死に注文を打ち込むが間に合わない。途中で「これ灰皿?」と場を読めない奴が横槍を入れる。構わず注文は続く。再び「これ灰皿?」の声。店員のイライラは頂点に達したようで、「灰皿です!」と甲高い声が飛んだ。さらに注文が続くが、一瞬の間を店員は逃さなかった。ピシャッと音を立てて彼女はドアの向こうに消えた。

ポテトサラダ、鶏の唐揚げ、焼き鳥、茸のホイル焼き、ウインナー、鮭ハラス、本ししゃも、ジャガイモホイル焼き、野菜串焼き、牛カルビ、ハラミ焼き。




どんどんテーブルの隙間がなくなっていく。普通なら「もっとゆっくり持って来て」と言うところだが、この会では早く出て来ないと怒る人がいるので問題ない。大量に注文したと思った料理を30分程度で殆ど食べ終わった。
遅れて一人やって来た。残り物は僅かしかない。追加注文をしてあげるのかと思ったけれど、焼きおにぎりも食べ終わった人は食事への興味が失せていた。心は既に2次会である。銀髪も腹五分目程度で腰を上げた。酒を飲む間もなかったので健康的な食事だった。

楽蔵うたげは第一興商ビッグエコーが展開する居酒屋である。カラオケ屋さんのノウハウが活かされているのか個室中心なので居心地は悪くない。個室の壁にかかった内線電話がカラオケ屋のようで面白い。

好き嫌いがある人も、食べるものがなくて困ることはない。ジャガイモにはバターだけでなく塩辛を合わせたり、牛肉には焼き石をセットするなどアイデアも豊富でいい。
もちろん安心価格なので若い人にも受けるだろう。

高級店に行き慣れた人には味やアルバイト店員の応対が気に入らないかもしれない。常連客として厚く遇してくれる店に行きたがるのを制して、新規開拓を強いる銀髪に問題があるのだろう。みなさん迷惑をかけてごめんなさい。


楽蔵うたげ 八重洲店
東京都中央区日本橋3-2-16 マスヤビル1~4F
03-5204-2221
http://www.clubdam.com/dkdining/shop/rakuzo/

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2008年02月26日

五韓満足 八重洲店(八重洲)

田町で女性に人気の店が中央進出


世界的な景気後退の予兆は、アメリカのサブプライムローン問題以外でも感じることが出来た。他国の聞き慣れない横文字の意味を勉強しなくても、東京駅八重洲界隈のビル建築ラッシュを見ればいつか来た道を思い出さずにはいられない。

東京駅ステーションシティ、大丸の陰に隠れて話題にもならなかったが、昨年同時期に八重洲ファーストフィナンシャルビルがオープンした。日本橋駅から地下道が伸びる便利な立地にもかかわらず、いまだにひっそりとしている。その地階に並ぶ飲食店の1つが五韓満足である。信州牛などを使った焼肉と韓国料理を出す店だ。

我々は五韓満足が開店して以来、最高の客だったに違いない。僅か1時間足らずで写真の料理を食べきった。




8人が二つのテーブルに分かれた。最近は醤油ダレだけでなく塩ダレ、味噌ダレなどを選ぶ店が多くなった。向こうのテーブルは保守的に醤油ダレ中心。こちらのテーブルは最近流行りの塩ダレ中心。焼肉だけでなく、キムチチゲ、チヂミ、野菜なども大量に頼んだ。

5時半にもなっていず、他の客が殆どいないので料理がどんどんやってくる。テーブルに料理を乗せるためには、今ある皿の中身を腹の中に詰め込まなければならない。

最初に頼んだ料理が殆ど消えたところで銀髪の時間がやってきた。メニューに食べたことがないものがあれば頼まずにはいられない。向こうは帰り支度を始めているので、こちらのテーブルだけ料理を追加した。

ぶるだっく、ぶるてじ

韓国で超人気と評判の料理がぶるだっく。激辛タレにつけ込んだ鳥肉を焼く。最近日本でも食べることが出来る店が増えたと聞いていたが、部下たちだけでなく銀髪も初挑戦。これを食べてFが吠えた。

いい肉を安く食べられるところもいいが、肉の品質は高級店にかなわない。この店ではぶるだっくなど新感覚の韓国料理を食べるべきだろう。どこにでもあるものを食べていては、田町で女性に人気だという理由は分からない。若い店長や店員たちの元気なところも人気の一因のようだ。

たくさん食べて、サッと帰る客が店にとっては嬉しいに違いないと思っていたが、勘定をしてちょっと疑問に思った。短時間で食べ終えたので酒の消費量が少ない。席が埋まり始める7時頃までいたら、もっと飲み食いできたはずだ。

最初に豪快に頼んだものの、追加した料理は僅かしかない。銀髪だけでなく店員も勘定書を見て意外だったに違いない。それでも高い肉もたくさん食べたので、店長も店員も「また来てください!」と笑顔で我々を送り出してくれた。

次回はぶるだっくを中心に安い料理だけを食べると銀髪が決めたことを知っていたら、満面に笑顔とはいかなかったかもしれない。

五韓満足 八重洲店
東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビルB1
03-3510-3311
http://www.ramla.net/luxury_restaurant/gokanmanzoku/

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2008年01月19日

[アカシア](東京駅GRANSTA)

東京駅構内地下、TOKYO STATION CITY GRANSTAで買ったお弁当


東京駅が変わった。まだリニューアル途上であるが、徐々に新しい姿を見せ始めている。先陣を切ったのがGRANSTAだった。東京駅構内の地下に45店が出来た。そのうちの約半分が弁当を販売している。浅草今半のすき焼き弁当、まい泉のとんかつ弁当、過門香のあんかけ焼きそばなども捨て難かったが、結局アカシアのロールキャベツシチュー弁当を買うことにした。

12時6分の新幹線に乗る予定だったので、11時50分まで待って注文した。650円と800円の弁当の違いは、ごはんの量とコロッケが帆立てのクリームコロッケかポテトコロッケかだけ。お目当てのロールキャベツに差はないので安い方を選んだ。

階段を上りホームに立つとほぼ同時に新幹線の清掃が終了してドアが開いた。寒風が吹きすさぶホームで、弁当を冷めるままにする愚は冒さずに済んだ。
殆ど誤差なく計画通りにことが進んでいる。指定の席に座ると、弁当を開ける。蓋を固定しているセロテープを剥がすのに手間取って、切れそうになるのを堪えた。

いきなりロールキャベツを食べるのも惜しい気がして、ポテトコロッケを一口食べた。次にご飯をたべて、ようやくロールキャベツに箸をつけた。キャベツは繊維質も壊れ、箸だけではらりと割れた。

口に含むとほんのり温かい。弁当屋でよそってもらったときから熱々でなかったのだから仕方がない。新宿「アカシア」の思い出はかつて書いた。懐かしくて久し振りに食べたロールキャベツだったが、本店の味より薄く感じた。とろみも少ない(ような気がする)。

「オウッ! これこれ!」と笑みを満面に浮かべることはできなかったが、久し振りのアカシアの味は楽しめた。他の弁当より特色があり面白かった。

追伸  初めて食べる人へ。
お弁当が美味しいと思った人には何も言いません。美味しくないと思った人は、これに懲りずに新宿本店に行ってください。それでもダメだったら。潔く諦めましょう。


http://www.gransta.jp
http://www.restaurant-acacia.com

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2007年11月09日

[だぼ鯊]その4(日本橋)

ハゼが旬ですよ!


どの天ぷら屋が一番いいかと聞かれたら答えに窮する。しかし、どの天ぷら屋が一番好きかと問われれば「だぼ鯊」と答える。もっと高級なネタを使う店もある。店構えや店内がもっと立派で美しい店もある。しかし、銀髪にとって気兼ねなく楽しめる天ぷら屋はこの店をおいて他にない。

グルメ紀行を始めてから同じ店に顔を出す機会が減ってしまったが、この時期になるとハゼを食べに行かねばなるまい。店名にするだけあって、ハゼの天ぷらはここが一番美味い。

おひたし、ホタテ貝柱焼き

一応、コース料理の体裁をとって順番に揚がってくるが、海老、みつば、小玉ねぎに続いて今日はお目当てのハゼを挟んでくれた。

江戸前はまだ小さいからと今日は松島産。身はふっくらと、尾ひれはピンとしている。背骨は香ばしく、エラとカマのところは小振りながらも脂の乗りがいい。頭も残らず食べ尽くす。

高級店では絶対ないようなピーマンや茄子も客が好むとなると見栄を張らずに出してくれる。もちろん松茸などの高級ネタもある。もうじき終りの松茸だが、天ぷらにすると香りが閉じ込められて秀逸だ。

ピーマン、松茸

他の人にはサラダが配られ、穴子が出される。銀髪はサラダを断りもう一度ハゼをもらう。活きハゼは3時間前に処理されて、丁度食べごろと言われてもう一度と指を立てた。

他の名店でもハゼを食べたことはあるが、やはりハゼはこの店が一番。もちろん東京湾遊覧の屋形船で食べるものなど論外だ。

名店でコース料理をきっかり食べるのもいいが、我侭を言えるのがカウンターで食べる喜び。
大将も数回通えばこちらの気持ちを分かってくれる。ハゼが食べられるのは9~12月までのわずか4ヶ月。皆さんお見逃しなく。

だぼ鯊
東京都中央区日本橋3-3-14
03-3271-7533

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2007年10月29日

[ぐぅ](八重洲)

ホルモンを食べて元気になろう


狭い店内は照明と店員の若さで極めて明るい。女性も入りやすい雰囲気の店だ。この店が大好きなKさんに連れていってもらった。

野菜

お通し代わりの特製浅漬けキムチは芯がサクサクして、なかなかいい。キャベツとネギは食べ放題。女性が喜ぶサービスだ。

テール

骨から削ぎ落とす手間は相当だろう。そのため他の店では見たことがないテール焼き。塩味が効いて食感もありなかなかの美味。

ミノ、マルチョウ

通常は切り開いてホルモンと称されて出される小腸だが、ぐぅでは開かないものをマルチョウと呼ぶ。焼かれたら皮が縮み脂肪分が中から溢れ出して来る。ホルモン好きには堪らない逸品。

コリコリ

名前のとおりコリコリしているのは大動脈。塩味がいい。

コブクロ

子宮管だけでなく子宮自体の肉も含まれているようだ。これもコリコリしている。どの肉も味付けがいい。備長炭が近火で肉を燻るように焼く。煙は物凄い勢いで排煙管に吸い込まれていく。

一番高いのが極カルビ2,300円とお手ごろ価格の焼肉定番品は避けて、あくまで内臓肉にこだわって食べた。シビレ(胸腺からすい臓の部位)がなかったのが残念だった。

焼肉屋に行くたびに聞くのに、ちっとも覚えられないのが肉の部位の名前。一回整理してみよう。
英語名からきているのがタン(舌tongue)ハツ(心臓heart)レバー(肝臓lover)アキレス(アキレス腱achillis)ガツ(豚の胃guts)テール(尻尾tail)。
漢字を連想すると何となく分かるのがハラミ(腹身、横隔膜)ナンコツ(軟骨)ツラミ(面身、頬肉)コブクロ(子袋、子宮)。
ホルモンは内臓肉の総称として使われることが多いが、個別には腸(大腸、小腸、直腸、盲腸)を指す。テッチャンは大腸のことだ。
胃は4つありミノ、ハチノス、センマイ、赤センマイ(ギアラともいう)。ヤンはセンマイと赤センマイのつなぎ目。
他にサガリ(横隔膜の下部分)ウルテ(気管)マメ(腎臓)ヤオギモ・ブッブギ(肺)フエ・コリコリ(心臓の付け根の動脈)アギ(顎)などがある。

もっとも、せっかく整理してあげてもぐぅに来る女性は絶対覚えようとしないだろう。イケメンの店員を呼び止めて聞くチャンスをむざむざ放棄することはないからだ。ねっKさん?そうでしょう?


炭火焼肉 ぐぅ
東京都中央区八重洲1-7-3
03-5255-3729

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2007年08月29日

[伴]②(八重洲)

久し振りに伴のカウンターでと思ったのだが…


3人なら寿司屋のカウンターがいいと思った。銀髪が最年少で他のお2人は60歳を超えている。食べる量も好みも違う3人なので、自分で調節できるカウンターがベストである。ところが会社を出ようとしたところで事態は急変した。太っ腹氏が落下傘してくることになった。

海苔と塩辛

4人ではカウンターは相応しくない。テーブル席に陣取るといつものように海苔と塩辛が出てきた。

刺身盛合わせ、きびなご

太っ腹氏はまだやってこない。3人分の刺身がでてきたところでビールから焼酎へと移る。

きびなごが美味しい。トロもいいがきびなごが一番美味しかったかもしれない。ようやく太っ腹氏が携帯電話を耳にあてながら入ってきた。

さんま一夜干し

気前のいい太っ腹氏を見て大将が即座に反応する。
刺身を食べない彼のために早速さんまを焼いて、大トロを中心に1人前の寿司を出す。

寿司

我々にもさんまと3人分のお寿司が出てきた。これを食べ始めると太っ腹氏が呼んだ人たちが次々にやってくる。結局4人が新たに参加して、合計8人になった。バラバラにやってくるので、その都度大将が寿司を握る。

伴の寿司は大将の気風に合わせてシャリが大きい。シャリ少な目と言うのだが、あまり小さくなった気はしない。
伴は比較的庶民的な寿司屋だ。居酒屋気分で利用する客が多い。勘定を持ってくれる太っ腹氏も、それほど財布の中身を気にする風ではない。

最後に来た1人が食べ終わるのを待てず、太っ腹氏は席を立つ。さてこれからどこに行くのだろう。予算は伴の数倍に膨らむに違いない。他人の懐ながらちょっと気になる。



東京都中央区八重洲1-5-21
03-3278-1644

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2006年12月13日

[金城楼](東京駅大丸店)

デパートの中にも名店あり。

金沢の金城楼本店でパンフレットをもらって、東京駅の大丸に支店があることを知った。東京駅の飲食店は地下や低層階にあるものしか思いつかず、百貨店の上層階はすっかり忘れていた。味やサービスは本店での経験から問題ないと予想できたので、地方に戻られるお客様が新幹線の発車直前までくつろげる場所としては最適に思えた。

当然のことではあるが、本店の歴史ある建物に比べれば大丸店は質素な佇まいに見える。それでも個室に通されると、落ち着いた雰囲気はある。料理はコースを頼んで、追加も可能なスタイル。アラカルトだけのオーダーはできない。

先付け、前菜

先付けはあんこうの肝の入った豆腐。前菜はなまこ、いくら、ぎんなん・くわい・蓮のチップ。くわいのチップを食べて、金沢を思い出した。

かに豆腐、お造り

金沢らしい材料は甘海老だけで、鯛と鮪ではちょっと寂しい。本店のようにブリの刺身が欲しいところだ。

煮物、焼き物

えび芋、えび、麩などが入った煮物。金沢は加賀野菜が有名。えび芋とは○○
麩も金沢を代表する食材。以前大きな車麩の入ったおでんを金沢駅前のおでん屋で食べたのが懐かしい。
料亭らしい焼き物はかますの塩焼き。

かに

メインはやはり冬期限定の蟹。小振りのメス蟹はコウバコともセイコとも呼ばれるが、大型のオス蟹と異なり身より卵が喜ばれる。築地で数百円で買えるし、小型なので家庭の鍋でも茹でることが出来る。地元の人が食べるのはもっぱらメス蟹の方だ。

鴨治部煮

このコースには肝心の鴨治部煮が入っていないので追加した。一口食べて驚いた。本店と違い、甘さ控えめである。東京人の口に合わせたのだろうか。

食事はジャコメシ、デザートはぶどうと洋ナシ。一口ずつ食べたが、それなりに手を加えてあって面白い。

加賀料理の伝統を忠実に守っている感のある本店に対し、伝統の良さを残しながら東京に適応している大丸店。比較が出来て本当に楽しかった。


金城楼東京八重洲店 (きんじょうろう) 
千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店 8F
03-3214-2288 

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2006年11月05日

[やえす亭](八重洲) 閉店しました

勝負の前はいつもとんかつ。

Mさんに、「書かないのか?」と聞かれた店がやえす亭である。「最近行っていないので、一緒に行きましょうか?」と誘ったら、あまり行きたくないと言われてしまった。理由は落ち着いて食べられないことにあるらしい。

確かに狭い店で、15人程で満席になる。相席は当たり前で、2~3人で行ったら並んで座らなければ奥に座った人は出ることもできない。意外と人気の店なので、すぐに待つ人の列が出来る。狭い厨房で調理している主人と、配膳をしている女性2人は感じよくて、早く食べて早く出て行けというような素振りをしたことは一度もない。そうであっても周りの雰囲気を見ると、出て行かざるを得ないだろう。

また、銀髪と一緒に行く相手が悪い。とにかく食べるのが早い。お店のためにも早く食べて帰らなければならないと気を遣っているらしく、我々が食べていても平気で席を立って勘定を払いに行く。ゆっくり食べてもいいよと言って出て行くのだが、そんなことをしたら勝手な奴に見えそうだ。

銀髪が頼むのはいつもとんかつ定食780円だ。ご飯は少なめ。相手はハンバーグとコロッケのセット。

定食だけでなく、メニューにあるものであれば追加注文ができる。立派なロースカツやヒレカツに普通盛(それでもどんぶり飯)のご飯を食べたい気もしないではないが、相手の食べるスピードに合わせて店を出るためにはとんかつ定食と少なめのご飯以外はあり得ないのだ。

初めて付いてきたYはそのあたりの事情を知らない。立派なものを注文した。銀髪は常に相手の料理の減り具合を見ながら、自分の食事を進めていく。ここのコロッケは中身がトロトロで超熱い。以前口の中を火傷したため、せわしないランチ時に頼むことは止めた。このコロッケを熱さをものともせず食べているのを見ると、感心して手が止まりそうになるが、休むのは危険である。

彼の口はいつも一杯になっているが、それでも喋り続けている。噛むことなどしないで、喉の中に押し込んでいるのではないかと心配になってくる。5分も経たずに食事は終了した。銀髪の皿もほぼきれいになった。今日も大成功である。Yの皿を見ると予想通りまだ半分しか減っていない。相手は入り口の列をチラッとみて立ち上がった。Yは呆然としている。「ゆっくり食べてください、外で待っていますから」と声をかけたが、残りの一部を口に放り込んで出てきたのであろう。Yを待った時間はわずかだった。

これじゃあ、Mさんもついて来たくない訳だ。味は悪くないと思うが、ゆっくり味わった記憶がない。興味のある方は自分で確かめてください。

やえす亭
東京都中央区八重洲1-5-11
03-3271-8815

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2006年11月04日

[福しま](八重洲)

日本橋界隈にはうなぎ屋が多い。何故だろう。

はし本、宮川、喜代川、竹葉亭、大江戸、喜久川、野田岩、そして「ふく島」。銀髪が行ったことのあるうなぎ屋はそんなところだが、日本橋界隈にはもっとたくさんのうなぎ屋がある。江戸前と言えば穴子になるが、東京にうなぎ屋が多いのは、単に人口が多いというだけの理由だろうか。

養鰻の最大の産地は未だに浜名湖を擁する静岡県と思っている人が多いが、実際の順位は鹿児島、愛知、宮崎、静岡の順になる。鹿児島で画期的な養鰻法が開発された。鹿児島が目立たなかったのは静岡など蒲焼の加工地が商品に表示されていたためで、生産地表示が義務化されたことからトップに躍り出たそうだ。

養鰻地のトップ交代が静岡から愛知、鹿児島と移って行ったのも興味深いが、浜名湖に養鰻が移転されたのは東京深川からだったと聞いて俄然面白くなってきた。蒲焼は江戸発祥の料理だったのだ。埼玉県吉川市はなまずの産地として有名だが、川魚専門の料理屋も多く、天然鰻がなまずと並んで有名である。うな丼は茨城県の牛久沼が発祥の地との説もあるなど、鰻は関東で昔からポピュラーだったのがわかる。

福しまのうな重

福しまは日本橋界隈のうなぎ屋の中で外見はかなり劣る。しかし、朝からの仕込み風景を見るまでもなく、確かな蒲焼を出すことで評価が高い。もちろん背開きで焼いて蒸してタレをつけてさらに焼く関東風。いつも煙に誘われ匂いに負けて店に入る。

関東の背開きは武士が切腹を連想させる腹開きを嫌ったというのが定説になっている。そうであれば蒲焼は腹開きをする関西が発祥の地でなければならない。ところが前述のとおり蒲焼は江戸発祥の料理である。背開きが当然の料理を関西でわざわざ背開きに変更する必要はない。関西の関東に対する対抗心から腹開きにしたのだろうか。
銀髪も昔から眉唾物の定説と思っていた。武士は江戸だけでなく、日本中に居たのである。

真実は背開きにしないと蒸してフワフワになる関東風では、鰻の身が割れて串から落ちてしまうからのようだ。確かに身が薄く、脂が多い腹の部分を外にすると串から外れてしまうだろう。身が厚い背側が外になってはじめて、串にしっかり留まることができる。
蒸さない関西風では、均等に火を通すためには身が厚い背側の部分が網の中央に来た方が良かったのだろう。感情的な理由ではなく、極めて合理的な説明に思える。

日本橋界隈にうなぎ屋が多い理由は偶然ではなかった。東西料理法の違いの理由もわかった。次にうな重を食べるときは、歴史を思いながら今までよりもっと楽しく味わえるに違いない。
またウンチクを聞かされる相手はうんざりするかもしれないが‥

福しま
東京都中央区八重洲1-4-3
03-3271-9369

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2006年11月02日

[珉珉](東京駅)

大阪の老舗餃子屋の東京駅八重洲店に行った。

先日、宇都宮餃子「みんみん」の記事を書いたら、大阪の珉珉と間違えた人もいたようだ。大阪の珉珉は全国に100店舗くらいあるらしいが、同名でも系列でない店があちこちにあるのでどれがどれだか区別がつかない。いつか大阪で珉珉に行かなくちゃと思っていたら東京駅地下南口ラーメン激戦区に系列店があることを知った。

珉珉は昭和28年大阪千日前に1号店をオープンしたとのことだから、創業以来50年を超える。店の説明では中国には焼き餃子というものはなく、珉珉が焼き餃子の発明者である。しかし、餃子は中国で紀元前6世紀頃にはすでに食べられていたというから、焼き餃子が発明されて50年やそこらとは考えられない。

昔聞いた話では、北京など中国北方地域では水餃子が一般的で、茹でて余ったものを焼いて食べたというのが定説。もっとも、水餃子の皮は厚いので、焼き餃子に適する皮を珉珉が作ったと言われたら、そうかもしれないとも思う。

ところが宇都宮餃子の歴史を見れば、宇都宮出身の兵士が戦後満州から引き上げて来て餃子を広めたということになっている。珉珉の創業よりも大分前の話だ。特許権争いが起こっている訳ではないので、どちらが先かを論じるより、どちらが美味いかを論じた方がいい。

大阪老舗の味と勢い込んで食べたが、残念ながら感動で涙が出るほどではなかった。焼き上がりはパリッとしていない。たまたま焼く時間が少なかったのかと思ったが、他のブログの意見も同じようなものが多いので、皮が柔らかいのが特徴なのだろう。同行のN君は柔らかい皮が好きだと言うから、かえって良かったかもしれない。

珉珉のホームページで確認しようと思ったが、珉珉の特徴は餃子が柔らかいことではなく、系列各店の味がそれぞれ違うことだと言うから驚いた。珉珉の系列店はフランチャイズでなく全て暖簾分けで、10年以上の経験を持つ料理人が店長兼主人。味はその店長次第とのこと。共通なのは最高級竹本油脂のごま油や野菜など、使う素材で味ではないようだ。まったく不思議なコンセプトだ。

餃子が有名な珉珉だが餃子専門店ではない。まさに町の中華料理屋さんなのだ。八重洲店もじっくり腰を据えて酒を飲むような店ではない。麻婆豆腐、炒飯を頼んだが、これはこれでなかなかいける。

同行のNが酒を飲まない男なので、ビール中瓶2本を飲んで慌しく食べて席を立った。珉珉の八重洲店は東京駅地下で坪当たりの売上げトップの怪物店舗だそうだ。アッと言う間に食べて追い出されるスピードも怪物的だ。

ゆっくり酒が飲めて、最高に美味しい珉珉がどこにあるか誰か教えて欲しい。各店味が違うのなら、一番いい店で評価をしたいものだ。

珉珉 八重洲店
東京駅八重洲南口BF1Fラーメン激戦区内
03-3215-3030
http://www.minminhonten.com/

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2006年09月04日

[あきば](日本橋)

灯台下暗しとはこんなことを言うのだろう。近くに凄くいい店を見つけた。

「寿司屋に行きたい」とTに言われてどこにしようか考えた。錦糸町の「大寿司」、ご近所の「伴」、或いは銀座の「さかい」、高島屋の「数寄屋橋次郎日本橋高島屋店」、人形町の六兵衛、どこもご無沙汰している。どれにしようか迷っていたら、「風長閑」のママが八重洲仲通りの「あきば」を絶賛していたことを思い出した。

ところがネットで住所、電話番号を調べようとしたが、見つからない。仕方なく104に聞いたが、寿司屋でひら仮名の「あきば」は日本橋にも八重洲にもないと言われた。止む無く風長閑のママに連絡して、ようやく電話番号を知ることが出来た。電話帳に電話番号を載せていない飲食店があるとは思わなかった。

電話で風長閑のママの紹介であることを告げて予約をした。場所を聞いたら銀髪の会社から歩いて100歩圏内で、本当に目と鼻の先。
寿司屋らしくない今風のドアを入ると、右手にカウンターの10数席があるだけの小さな寿司屋。大将と女将さんが二人で切り盛りしている。店に入って電話の件を聞いたら、仕事中に勧誘の電話がかかってくるのが嫌なので、電話帳に載せないとのことだったが、他にも理由がありそうだ。

お任せで刺身をつまみで食べることにした。お通しの次に白いか、カレイ、しめさばが出てきた。「高級なイカを使ってますね」と言ったら、「握りは新イカを使ってます」と来た。江戸前の寿司、天ぷらと言えばいかは新イカだ。風長閑のママの絶賛は間違いないようだ。

お通し、白いか、カレイ、しめさばが

マツブ、鮪の赤身のヅケ、ワラサの腹の部分、ヒラマサと続く。

マツブは初めて見るような大きなもので、ケースの中で巨大なサザエと覇を競っている(左下の写真右に見える刺身と比較してください)。これが実に美味い。トロではなくヅケを出すのもこだわりがあるのかも。このあたりで、同行の二人も美味さに感激し始めている。

サザエは刺身か焼きかどちらが美味いのかと尋ねたら、壺焼きがお奨めと言われた。スープが絶品だという。巨大サザエは3人で食べても充分楽しめる量がある。スープはもちろんだが肝がしっかりしていて美味い。このあたりで大将も乗ってきた。勝浦産のサザエは他と違う、絶品だと繰り返す。

アジ、新イカの下足、シンコ、新イカ

ずっと気になっていたケースの中の小さなコロッと丸まっているのが何かと聞いたら、それは新いかの下足とのこと。
美しいアジの刺身と下足を食べて、こはだをつまみでと頼んだが、数が少ないので全てのお客様に行き渡るように寿司にしてくれと言われた。今日のこはだは少し育ったとは言えまだ新子。いつも使う静岡の舞浜産ではなく三河産の最高級品とのこと。キロ6万円もするらしく、大トロより遥かに高い。

新イカは墨イカの子供。一匹が寿司一個分の大きさと超可愛い。新子にしても新イカにしても、仕込が大変だろう。新イカを出すとき「包丁は一切入れてません」と大将が言う。切れ目を入れなくても柔らかく美味しいと強調したいのだろうが、まさにその通り。ますます大将の口も弾んできた。

目の前の赤貝を頼もうとしたら、輸入物で美味しくないからと銀髪には出してくれない。部下がヒモキュウを頼んだので、ちょっと食べることができた。

ヒモキュウ、ウニ、あなご

ウニが出てきたところで、Iが絶叫した。「僕が美味いと言うのだから間違いない!」と吼える。いいウニでなければ食べることが出来ないからだというのが、その根拠。北海道に行ったときの思い出を滔々と語る。

Tが蝦蛄を頼む。江戸前の蝦蛄は禁猟になっている。他の国産蝦蛄もシーズン終了。鯛を頼むが、これも仕入れていない。数寄屋橋次郎でも鯛を使わないが、元から使わないのか、今が美味しくないためか聞きそこなった。種類を揃えればいいとの考えは微塵もないようだ。

最後に穴子。玉子を一切れ。玉子もすり身を混ぜたものと出し汁を加えて焼いたものと2種類ある。
しじみの味噌汁を食べてお開きに。しじみも立派なサイズで身もふっくらしていた。

仕入れるもの、産地へのこだわり。妥協のない仕事。客におもねらない態度。電話番号を載せないのは、こんなところにも理由があるのかもしれない。
しかし、職人気質で無口かと思ったら、そうでもない。料理について饒舌なのは自信のある料理人ならではのもの。

主役のTが大喜びだったのが嬉しかった。素晴らしい寿司屋だったと絶賛していた。またいつか機会があったら行こうね。


あきば
東京都中央区八重洲1-4-10

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2006年08月29日

[泰興楼](八重洲)  ジャンボ餃子

東京駅近辺で中華料理店を探した。

いいものを、リーズナブルな値段で食べたいとの条件でも難しいが、参加者中紅一点が遠慮しないで食べることができるとの条件を加えたら、店探しは殆ど不可能になってしまった。
新橋の「潮夢来」に行こうかと思ったが、大人数なので移動が面倒くさい。インターネットで店を探し、メニューを見ては失望し、また違う店を探すを繰り返した。

ふと八重洲の泰興楼を思い出した。餃子で有名な店だが他の料理もあったはずだ。ホームページを開いて8,400円のコース料理に魅かれた。A、Bの2コースがあり、量が少ないコースを選べばフカヒレの姿煮が一枚一皿(通常プライスは6,000円)出てくる。一人ずつ分けて出てくるので、紅一点も遠慮しないで食べられるだろう。

歩いて店に到着、我々7人は2階に通された。個室を期待したが、大部屋を布で仕切っただけでちょっと失望した。しかし他に客もなくBGMがうるさく感じるほど静かだ。

まず立派な前菜盛り合わせが出てきた。

次は蟹爪の揚げ物、たっぷりの海老のすり身に包まれてなかなか立派。久し振りにしっかりした蟹爪の揚げ物を食べた。

そして、お目当てのフカヒレ姿煮。予定通り一人一皿で見た目も立派。高級店と比べると可愛そうだが、値段からして妥当なレベルに違いない。

中華料理の高級食材と言えば、フカヒレとアワビ。従ってアワビのオイスター煮を選んだ。

そして、看板の餃子2種。にら入りの水餃子と大看板の焼き餃子。

1949年創業以来親しまれてきた約12cmはあるジャンボ餃子は、身がしっかり詰まった立派なものだ。通常のメニューでは4個入り720円となっている。
しかし、既に年配者と紅一点は満腹で、遠慮ではなく箸が出なくなってしまったようだ。

カニとレタスのチャーハン、その後でデザートが出てお開きとなった。

気が付くと満席になっており、人声が騒がしくBGMも聞こえないほどだ。席を立って各テーブルを覗き見ると、ジャンボ餃子がたくさん乗っている。他の料理も1,000円未満の酒の肴に手頃なもの。コースを食べている客はいない。

次回はお腹を空かせて餃子各種を食べに来よう。高級料理よりも、気軽に一杯のほうが合っているかもしれない。

泰興楼
東京都中央区八重洲1-9-7
03-3271-9351
http://www.taikourou.com/

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2006年08月25日

[島 PartⅡ](八重洲)   やっぱり美味しいステーキ

久し振りに有名店、西洋料理の「島」へ行った。

銀髪グルメ紀行を始めてもうじき1年になる。スタートが昨年の9月28日で、第3回目に紹介させてもらった店が「島」だった。店としては名古屋の「西本」に次いで2店目。当時の記事を読み返すと銀髪グルメ紀行が試行錯誤、どっちに向かうか不安定な状況だったのがよくわかる。

銀髪グルメ紀行はボランティアで寄稿してあげるにも拘らず、「こだわり」の運営会社やとりまきから様々な注文がついた。面白く、下品でなく、他にない特徴ある記事、などなど。初期の読者は友人、知人などわずかな人達だったが、今はヤフーやグーグルなどの検索エンジンから見に来る人達が過半数を超える。

アクセス件数の増加とコメント数は比例しない。コメントを入れてくれる人は少数だが、とても励ましになって嬉しくありがたい。週2~3回の更新を想定してスタートしたが、土日も覗いてくれる人ががっかりしないように、毎日更新することになってしまった。いつまで続くことやら。

グルメ紀行を始めて良かったことはたくさんあるが、悪いことは好きな店に何度も行けないことだ。毎日更新のためには出来るだけ違った店に行かないと話題が続かない。もっとも、「島」のような店は料金が高く、そのくせ人気があって予約が取り難いのでそう頻繁に行けるわけではない。

久し振りに行ったが、2度目になると店のコンセプトが分かってくる。前回とメニューはほぼ同じで、素材の特徴を生かした飾り気がない料理が中心だ。特にメニューはなく、その日に仕入れたものを女将さんが教えてくれる。的矢の生牡蠣、牛刺し、毛蟹、あわびなど鮮度勝負の食材が前菜となる。ホワイトアスパラのスープは微妙な味わいで秀逸だった。

アスパラスープ、牡蠣、牛刺し

そしてメインのステーキ。前回フィレを食べたので、今回はサーロインにしてみた。脂っこいのを覚悟したが、まるでフィレを食べているようだ。どうしてこのような味が出せるのか不思議で仕方がない。鉄板ではなく炭火で丁寧に焼かれるからだろうか。

使っている牛は京都の和知牛。松坂牛や神戸牛などの超有名な銘柄牛を使っているわけではない。和知牛がいいのか、料理人の眼力なのか腕なのか。どこにポイントがあるか分からないが、プロとは凄いものだと感心する。「松坂牛を使用」の文句に有難がるのがあほらしくなってくる。

お土産としていただいたステーキサンドを家に帰って頬張った。店に居たときデジカメが不調だったので今日の鮮明な画像はこれだけ。しかし、どんなきれいな写真でも味を伝えることはできない。

去年より景気は確実に良くなってきている。今日も満席だったが、これからますます予約が取り難くなっていくだろう。昼も値が張る店だが、ステーキだけでも食べに行きたい。カウンターで食べるとより楽しい。

前回は大島オーナーシェフがお見送りをしてくれたが、今日は女将さんが外まで送ってくれた。高級店特有の気取ったところは微塵もない。料理も大島シェフ同様に気取らず安定感がある。</