2008年11月07日

[鮎正]②(新橋)

子持ち鮎の生炙り


今日も一番乗り。「約束どおり来ましたよ!」奥から出てきた主人に声をかけるとニコリと返してくれる。9月に来た時に、10月になると子持ち鮎が食べられると聞いた。10月中に来るつもりが、予約が取れずに11月にずれ込んでしまった。みんな良く知っている。

前回は初めてなのでコースを食べたが、今回は子持ち鮎と鮎ごはんだけを予約時に頼んだだけ。ちょっと早めに来たので鮎が焼きあがるまで30分ある。メニューから数品を選んで熱燗を飲みながら待つことにした。

付け出し、子うるか、へしこ、

付け出しのくらげのような食感のものは白こんにゃく。さらしに包んで揉むとくらげのようになるそうだ。何でも手を抜かない主人だ。前回食べなかった子うるかは自家製だけに他の店で食べるものと全然違う。へしこは鮎正のために福井の業者に造ってもらっているとのこと。主人が惚れ込んだだけのことはある。今まで食べたものの中で一番美味い。

ゆり根まんじゅう

ウニ、コノワタを詰めて揚げたゆり根まんじゅう。紙で包んで熱々を口に運ぶ。カリッ、フワッ、ネットリ。他に例えようのない不思議な味。まー、よく考えるね。

子持ち鮎の生炙り

真打ち登場。これが鮎?っていう感じの体型。塩もふらずに串に刺して囲炉裏で炙るように焼くそうだ。これを手づかみで食べる。カリッとした食感と立ち上る香りが何とも言えない。1時間も炙ったにしては身も卵も意外とパサパサしていない。鮎の塩焼きとはまったく違う食べ物だ。一匹5千円もするが、10月になると予約が一杯になるのも頷ける。「鮎のシーズンが終わりに近づき正直ホッとしますよ」と主人は苦笑いする。

さあ、ぼちぼち鮎ごはんにでもするかと思っていると、隣から「うるか茄子が食べたい」と言う。渋々承知したら、今度は「土瓶蒸し、茶碗蒸し、揚げだし豆腐も食べたい」とのたまう。胃袋が異次元に繋がっているのではないかと疑う。鮎が終ると鮎正はふぐやかにの会席料理屋となる。それからでも良さそうと思うのだが、仕方がない人だ。

老舗の京料理屋の味を知る人には鮎正の土瓶蒸しなどは違うと言うかもしれないが、どれも主人が研究を重ねた鮎正風で創作料理にも思える。削り節、塩の使い方などのこだわりを拝聴すれば、感心しきりであった。

鮎ごはんの後に銀杏の焼餅を食べてお開きに。あー、腹が一杯で動けない。


鮎正
東京都港区新橋4-17-5
03-3431-7448

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2008年10月16日

[いいかげんや](新橋)

いい、加減、かな ?


いきつけの店がある人は頼もしい。S氏を誘うと必ず「いい店を知っていますよ」と返ってくる。常に新しい店を探さなければならない銀髪にとってこんな楽なことはない。焼き鳥激戦区の新橋で、彼が推薦する店となれば嫌でも期待してしまう。

お通し、刺身

店はすぐに見つかった。すでにS氏は奥の席で待っていた。座るとすぐにS氏が予約時に頼んでいた刺身が出てきた。白レバーを含む鳥の刺身をたべれば、焼き鳥の味は食べる前から保証されたようなものだ。


1本150円からというお手頃値段で美味しいとなれば店は一杯になる。S氏はカウンターを予約したかったようだが、奥の2人席で仲良く食べた。カウンターでなくても店主が料理を運んではだべっていくので楽しい。常連のS氏のおかげだ。


それにしてもSはよく食べる。肉ばかりでお腹が一杯なのに今度は野菜を頼む。不思議なものでこちらも負けずとオーダーしてしまう。鳥ばかりでは飽きるので豚バラ。ノスタルジックにハムカツ。琴線に触れるのが上手な店だ。

もう終りだろうと思ったらまだ頼むS氏。つられて追加注文をする銀髪。気の置けない相手との食事は楽しいが、身体に悪い。お腹が悲鳴をあげる。

激戦区で毎日席を満たすのは並大抵ではないだろうが開業して既に7年。問屋を通さず直接仕入れているので、素材は新鮮でしかも安いというのが人気の秘密だろう。

店名にオーナーの性格が表れている。ユーモアがあって、元気で、自信満々といったところだろうか。「いいかげん」という言葉は銀髪も好きだ。「いい」にアクセントを置く。風呂の温度をみて、いい(湯)加減というのと同じ。ちゃらんぽらんではなく、ちょうどいいという意味で使う。

値段、味、サービス、雰囲気。合わせて「いい、加減」の店である。

いいかげんや
東京都港区新橋4-20-9
03-3434-2911

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2008年09月16日

[そのまんま](新橋)

宮崎料理ではありません。土佐料理ですよ


機関車広場から電話した。「今晩、二人開いてますか?」「大丈夫よー」「それじゃー5分で行きます」「エッ?ワッハッハッ!」楽しい食事は約束されたようなものだ。狭い階段を3階まで上る。ドアを押すとガシッと留め金に引っかかって開かない。「アレッ?」と言ったところで女将が飛んできた。手伝いの子が来るまでは物騒なので鍵をしているそうだ。常連さんはドアの横の呼び鈴を鳴らす。

奥のテーブルに座るように言われた。既に炭火の用意がしてある。使うのは土佐炭。連れが目ざとく壁の張り紙を見つけ「お母さん、この店のルールを説明してよ」と調子がいい。基本的にお任せ。その日に空輸されてきた素材次第でメニューは変わる。

かつおのあら、心臓とハラス

お通しと言うには大きな皿が出てきて驚いたが、よく見ればあら。骨から身をはずして食べ終わる頃に赤身が出て来た。「パイ」と聞こえたので思わず「オッパイなの?」と言って笑われた。かつおにオッパイがあるはずがない。心臓のこと。鮮度抜群できれいな心臓を生で食べる。魚とは思えぬしっかりした食感。生が苦手な人はハラスと一緒に焼いて食べてもいい。塩は甘味のある土佐塩。

ガザミ(渡り蟹)、かつおの刺身

ハラスが焼きあがるまでの間、ガザミと分厚いかつおの刺身を食べる。ハラスの表面で脂が弾けてきたら食べごろである。続いていかを焼く。何度もタレをつけてひっくり返すので香ばしい。銀髪がいれば相手は食べるだけ。楽チンである。

ハラス焼き、イカ焼き

「四万十川の天然鮎と鯨の鍋とどっちがええ?」と女将が問いかける。これからが相談タイムだ。「鮎は近くの鮎正でたくさん食べたからなー」と言うと鯨を熱心に奨める。「ゴンドウクジラ?」「ミンクよ」「じゃー南氷洋だね」「そうです」。「それじゃあ、せっかくだから鮎にしよう」と言うと女将がずっこけた。「さんざん鯨を説明させて鮎かい?」と言う。高知沖で獲れるゴンドウクジラなら興味があるが、四万十の鮎の方が魅力的だ。鯨は鮎の季節が終ってからにしよう。


「匂いをかいでごらん?」女将が自慢気に鮎を差し出した。西瓜のような爽やかな甘い匂いがする。四万十川の新鮮な天然鮎を食べるのも初めてなら、匂いをかぐのも初めてだ。

しばし鮎談義。化粧塩をして、焼き始めた。丁寧に焼く銀髪の手つきを見て、女将は安心して他のテーブルに行った。それからは鯨の鍋を食べる隣の常連さんにつきっきりになった。かなり盛り上がっている。

うつぼ、鮎の骨

うつぼを初めて食べて連れが感激する。ワタがついた鮎の骨を再度炭火で炙った。もちろん連れの骨も炙らせた。柔軟な発想を持つ男だが、食い物に関しては保守的である。まあ、銀髪が変わっているのだけれど。
「ワー、美味しそうやねー」と女将も満面の笑みだ。苦味のあるワタが美味かった。

生ビール2杯、高知の地酒「慎太郎」を6杯飲んで二人で約2万円。これからもずく蟹など秋の食材が空輸されてくる。冬も楽しみだ。常連になりたい店である。

鮮活処 土佐料理 そのまんま
東京都港区新橋4-18-4 新橋太陽ビル3階
03-3434-1414

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2008年09月11日

[鮎正](新橋) 

日本随一の天然鮎料理


5時45分に到着。2階には既に先客があるようだが、1階にはまだ誰もいない。カウンターの真ん中に座ると、店の人たち(板前さん6人、仲居さん2人)に見詰められているような気がする。「イヤー、緊張しますね」と笑って空気を和ませた。

一品目が出てきたところで「写真を撮っていいですか?」と主人に尋ねる。「そんなこと言われるのは初めてですよ。最近はみんな何も言わずに撮ってますから」と苦笑い。名刺を渡して「今日はよろしくお願いします」と言う。主人からも名刺を受け取る。さあ、楽しい食事の準備は整った。

鮎の椀物、フッコ(スズキ)の刺身

通常は鮎の刺身だが、鮎の数が足りないのでフッコになったのが残念。次回の楽しみにしよう。

塩焼き、苦うるか

一人二匹の塩焼き。頭から食べ尽くす。鮎の内臓と塩だけで丹念に作られた苦うるか。器がサメに似ていると相方が言うので馬鹿にしたら「実物より頭が大きいですからね」と主人が優しくフォローしてくれる。

茄子の味噌煮込みかと思ったら、これもうるか。汁を残すのがもったいないので「ご飯でも入れたら…」と口に出そうとしたら、「白いごはんをお出しします」と先に言われてしまった。あー悔しい。

鮎の揚げ物は小麦粉の衣がパリッとしていて香ばしい。鮎の中に挟んであるのは赤味噌かと思ったら、白味噌にうるかを混ぜたものとのこと。
煮浸しにすると、鮎はまた違った味わいになる。実に面白い。

酢の物、鮎ごはん

いつものことではあるけれど、他の客は自分たちで話し込んでいるので目の前の主人を我々がほぼ独占した。大量に使う鮎の全てを無駄にしないために、考え抜いた技の数々を説明してくれる。披瀝したいのは山々だが、そんな野暮は慎もう。是非、店に出向いて自ら聞いて欲しい。

工夫は鮎料理だけではない。デザートの氷の下に隠れている青梅の鮮やかな色も主人の研究と試行錯誤の賜物。酒、什器その他、隅々まで細やかな配慮がある。

主人の、女将さんの顔がいい。自信と謙虚さが見事にバランスしている。二人が店の外までお見送りしてくれた。頭を下げる二人に「また来月!」と既に常連さん気分で偉そうに手を上げる銀髪。いい店だった。


鮎正
東京都港区新橋4-17-5
03-3431-7448

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2008年09月02日

[火鍋厨房 銀座 麒麟](新橋)

残暑は辛い鍋で乗り越えよう


業界の有名人F氏と初めての会食を企画した。別の友人I氏も誘った。どこで食べるか散々悩んだ末に、一番分かりやすい場所を選んだ。機関車広場の前にある、ニュー新橋ビルなら迷いようがない。

少し早めに到着したら、既にI氏は席についていた。一番遠くからやってくるF氏は多分遅れるだろう。料理を決め、ビールを飲み始めた。料理が運ばれてきた時にタイミングよくF氏も到着した。

お通し、ザーサイ、焼餃子

銀座にある「麒麟」は立派な中国料理を出す店である。系列である新橋の店は、遥かに大衆的な店だ。銀座店はビルを丸ごと使う大きな店で、ちょっと高級な感じ。大衆店故に場所を変えて一線を画するのも分かるような気がする。もっとも、火鍋専門店ながら小皿料理も豊富で、リーズナブル。サラリーマンが気楽に入れる店で、なかなかいい。

三色鍋

二色鍋の店は結構あるが、三色鍋は初めて。白湯と豆乳の塩味スープ、四川風の辛味と山椒の効いたスープ、干し海老風味の旨みスープの3つに分かれ、それぞれに合わせてつけだれも3種類ある。


みんな銀髪グルメ紀行のことを知っているので、具が到着する度に皿を持ち上げて写真を撮らせてくれる。気の毒なので、ほどほど撮ったところでカメラはバッグにしまった。後は食べることに専念するのみ。

論客のF氏の話はとても参考になった。頃合いを見計らって、こちらの意見も述べる。同意できる部分が圧倒的に多いが、ぶつかり合うものもある。食べるのに専念するつもりが議論に熱中して、スープが蒸発してしまう。何度か注ぎ足してもらったものの、議論は沸騰したままである。

鍋はなかなか美味しかったが、ゆっくり味わう会ではなくなった。若いときには上司や会社の悪口だけでなく、天下国家も含めて偉そうに議題にしたものだ。久し振りの議論満載の食事は面白かった。F氏と別れた後も、頭の中で論点を何度も何度も反芻した。酔いが醒めると、記憶もなくなってしまいそうで怖かったからだ。

火鍋の薬膳効果のおかげか、翌日は体も脳も快調。もちろん口も滑らかだった。

火鍋厨房 銀座 麒麟
東京都港区新橋2-16-1
03-3502-0039

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2008年08月04日

[和楽](新橋)

豪快な活魚料理屋


数軒めぼしをつけて来たけれど、客の「この店良さそうだよ」の言葉に異を唱える勇気がない。結果がどうあれ相手の意向に従えば、こちらの責任は免除される。

店は満席に近く、奥のカウンター席の隅に入れられた。目の前は壁で、配膳のための小窓から鳩時計のようにときどき若い調理人の手が出て来るだけ。調理の様子を見ることはできない。メニューを見ても値段が入っていない。高級なのかと腰が引けそうだが、客層を見ると会社員風の若い人たちが多く、ちょっと不思議だ。

お通し、いか刺身

豆腐だけのお通しも素っ気無いが、大皿にいか刺しがドタッと出てきたのには驚いた。普通は曲げたり重ねたりするものだ。

さんまの刺身、岩牡蠣、枝豆

今年初物のさんまの刺身はイカよりも刺身らしく造られている。やれば出来るじゃないか。もっとも岩牡蠣はレモンを添えられているだけ。
枝豆は茹でたてのホカホカで出て来た。これは手間をかけている。こだわりは飾り付けではなく味にあるようだ。

かさご

デーンと出て来たかさごの活き造りにまたも驚かされた。これまでの刺身同様、刺身のつまは魚の敷物扱い。あまりの大きさに圧倒されるが、おこぜにも負けないかさごの上品な白身には満足した。

きんき

これも付け合せなしで魚だけが皿に出て来た。本当に潔い店だ。ここまで飾りを廃されると気持ちよくもある。相手はこの煮付けには我慢ならないらしい。水分が少ない濃い目の煮汁が好みのようで、ちょっと箸をつけただけで食べようとしない。きんきの煮付けが美味しい四谷にある店と比較にはならないと憤慨する。怒っても店を選んだのは貴方だよ。銀髪には悪いとは思えない。一人で頭から尻尾まで美味しくいただいた。

先ほどのかさごは味噌汁にしてもらった。刺身よりも白身が美味しく感じる。

日本酒もたらふく飲んで二人で約25,000円。かさごやきんきなどの高級魚を丸ごと食べてこの値段なら悪くない。若い客で賑わうのは納得である。飾りを排除したのがリーズナブルな価格に結びついているようだ。盛り付けに気を遣わなければ最小限の人手で多くの客に料理を迅速に送り出せる。つまの使い回しを疑う必要もない。

シンプルで潔い料理は評価しても良い。3~4人のグループにお奨めの店だ。


和楽
東京都港区新橋2-9-14 三浦ビル1F
03-3595-2187

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2007年12月17日

[まこちゃん](新橋)

あこがれの焼きトン屋さんへ


新宿・のみやで牛もつを食べたとき、新橋の焼きトン屋・まこちゃんのことを思い出した。半年以上前に目をつけた店だが、行く機会がなくそのままになっていた。ところが数日後部下が持って来た仕事が新橋で、まこちゃんまで歩いて5分もかからない。しかも5時過ぎに終わる仕事と理想的である。神様は日頃の行いがいい銀髪の味方だ。

5時15分に店に着いた。すでに半分近くが埋まっている。後で人数が増えると断って4人掛けのテーブルに座った。後から来る奴が絶対食べないものから注文する。

レバー刺し、コリコリ刺し、軟骨やわらか煮

まこちゃんも新宿・のみやと同様に「芝浦から毎日直送」を謳っている。レバー刺しはイチオシと言うだけあって予想以上だった。「叙々苑・游玄亭でも食べないのにこんな店で…」と言う奴が来る前に、さっさと楽しまなければならない。部下はコリコリ刺しが、銀髪は歯ごたえのある軟骨も気に入った。

生キャベツ、ポテトサラダ

野菜で口直しをしている間にも人がどんどん入ってくる。カウンターの客は横に移動させられ、広がった空間が全て埋められていく。ついに店の人が我々のテーブルの2席に眼を付けた。「後の人はまだ時間がかかりますか?」と聞かれると同時に、タイミング良く携帯が鳴る。ほどなく電話の主が飛び込んできた。滑り込みセーフだ。

シロ、レバー

焼物はボリュームたっぷりだ。後からやってきた彼はシロが大好き。2本、2本と注文して更に5本追加する。彼はちょっとタレが辛いと文句を言うが、シロはどんどん消費されていく。酒飲みは店自慢の辛目のタレが気に入るはずだ。

まぐろ串(頭)、かしら・ハツ

銀髪はホッピーのお代わりをした。他の人は抹茶ハイを飲む。

さつま揚げ、チャンジャ

トイレに立って見回すと、女性だけのグループもチラホラいる。トイレもちゃんと女性用と区別してあり、もはや焼きトン屋もオヤジの聖域ではない。店の外を見ると、中を覗いては諦めて帰る人たちが居る。
腹一杯になって、チャンジャだけでホッピーを飲んでいては申し訳ない。そろそろお開きの時間だ。窓ガラス越しに店の中を覗く人と目が合った。手を上げたら気がついたようだ。

さてこれからクラブに行こうか、ショットバーにしようか。結局どっちも行って午前様。神様は今日も行いがいい子と言ってくれるだろうか。

まこちゃん
東京都港区新橋3-18-7 桃山ビル1階
03-3431-5700
http://machi.goo.ne.jp/03-3431-5700


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2007年11月12日

[とんかつ 河](新橋)

新橋で評判のカツの店


「日本で一番美味いトンカツだ!」と絶賛する仲間に連れられてタクシーに乗った。銀座を過ぎて新橋の機関車を左にやり過ごしてすぐに看板を見つけた。想像したより小さな店だ。開店して4年とのことだが、店は開店して間もないかのように磨き上げられている。店主と女将の中年夫婦の笑顔をも考え合わせると、味は保証されたようなものだ。

エビフライ

まず特大のエビフライから。揚げる前に見せてもらった海老は20㎝近い大型のブラックタイガー。車海老のプリッとした食感には負けるが、かぶりつくと食べ応えがある。
自家製のタルタルソースはざく切りしたゆで卵にマヨネーズを和えただけのもので、そのまま卵サンドにも使えそう。

ロースカツとヒレカツ

じっくり揚げた厚い肉の中心部はほんのり赤くジューシーである。衣は生パン粉でサクサクしている。個人的には昔ながらの薄い衣の方が好きだが、今はサクサク衣の方が好まれるようだ。

カキフライ

大型のカキフライを一口食べたら中から汁が溢れ出して来た。これを見てみんなが歓声を上げた。家でカキフライを作るとあたるのが嫌なのでどうしても揚げ過ぎてしまう。
鮮度と揚げる技術に自信がないとジューシーなカキフライは食べられない。

トンカツなどの揚げ物は家庭や定食屋の定番料理。高い料金を払って食べるものではないように思う人も多いが、高いトンカツ屋で混んでいる店は確かに何かが違う。たまには贅沢して2~3日分の昼飯代をつぎ込んでも後悔はしないだろう。

常連さんを気遣ってテレビ取材は断っているという小さなお店。新橋で見つけた美味しいとんかつ屋さんはいかが。


とんかつ 河
東京都港区新橋3-16-21
03-3578-0778

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2007年07月22日

[パスタ・デ・ココ](新橋)

あんかけスパゲッティを東京で


以前、中京地区で人気のあんかけスパゲッティを紹介した。PEAKさんから神田駅南口の「ほう芽」という店があると教えられた。いつか行こうと思っていたら、西新橋でパスタ・デ・ココを見つけた。

パスタ・デ・ココはカレーハウスCOCO壱番屋の新業態の店である。COCO壱番屋は全国に1,000店以上あり、東京証券取引所にも上場しているので知らない人はいないかもしれないが、何故あんかけスパゲティの店を開くか不思議に思う人が多いだろう。COCO壱番屋は愛知県西枇杷島1号店から出発した。以後、辛さやご飯の量を数段階選べるシステムがウケて急成長した。本社は愛知県一宮だから、あんかけスパゲッティを始めたのは自然な流れかもしれない。

パスタ・デ・ココの東京進出1号店は外堀通り西新橋1丁目交差点を愛宕方面に曲がって郵便局の裏手にある小さな店だ。丸4年経っても東京での店舗展開は進んでいないので不人気かと思ったが、12時前に満席になり待ち客も出てきた。

メニュー

メニューもろくに見ないで「おすすめです」となっているミラカンを注文したら、「量はどうしますか」「辛さはどうしますか」と質問された。カレー屋成長のシステムはスパゲッティにも活かされているようだ。量は普通、辛さは3段階の一番辛いものを選んだ。隣の先客に運ばれたものが巨大だったのでビビッたが、多分2段階上の2L。

ミラカン

目の前の箸立てに紙エプロンが入っていたので、首からかけて料理を待とうとしたら先客に睨まれた。彼は目をそらすとエプロンを取り自分の首にかけた。堂々としていたので常連さんと思っていたが、どうやら初めてらしい。そういえば何度もタバスコをかけて味の調整をしていた。量も想像以上だったに違いない。

当方の皿は胡椒が効いて期待通りのものだった。タバスコで辛さを調節するよりはるかにいい。量も適量。トッピングに揚げ物がないのが残念だが、調理場に制約があるのかもしれない。麺は一般的なパスタ(1.6㎜)より極太の2.2㎜のもの。もちろんちょっと茹で過ぎがちょうどよく、とろみのあるソースに良く合う。

弾力のある極太スパゲッティが複雑に絡み合い、あんかけソースが麺にへばりついている。ソースが飛び散らないように慎重に食べた。上手に食べたのでエプロンの必要はなかったと自画自賛したが、よく見たら一箇所ソースが飛んでいた。エプロンは嬉しい気遣いである。

あらためてメニューを見ると標準価格のM(300g)は9段階の下から3番目。多分L(400g)や2L(500g)を選ばせるために上の4つ(600g以上)があるに違いない。見事に陰謀にはまってまだ食べている先客を残して店を出た。

COCO壱番屋の急成長の秘密が少し分かった気がした。

パスタ・デ・ココ
東京都港区西新橋1-23-9
03-5512-8677

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2007年06月28日

[オレゴン バー&グリル](汐留)

酒の注文を取りに来た女性にいきなり尋ねた。「オレゴンってどこにあるの?」


「ワシントン州の南です」と言われてアメリカの首都ワシントンDCを思い浮かべてしまった。それを見透かしてか「ワシントン州はイチローのいるシアトルがある州です」と続ける。南にネバダ州、東はオハイオ州、モンタナ州、その向こうにワイオミング州がある。名作「シェーン」を思い出した。

店内はほぼ満席。客の殆どは汐留シティーセンターの42階からの景色・夜景が目的で、店がオレゴンだろうがドラゴンだろうが関係ないだろう。窓際は最高のデート席で、我々は夜景を見るふりをしながらカップルの品定めができる特等席をいただいた。

メインはすぐに決まった。ステーキと州の魚・キングサーモン。アメリカサイズの料理を予想して、前菜は抑え気味にした。

ズッキーニ、ポタージュ

日本語では「花ズッキーニのフリット ビスト添え」だが、英語では「Fried Zucchini with Vegetable Sauce」。よく分からないままナイフを入れると、スープが飛び出してきた。ワイシャツやズボンが味見をできて喜ぶほどに美味だった。

安っぽい1枚もののメニューだが、毎日変わるというので納得。料理の種類は思ったより多い。変わらないのはもちろんステーキだろう。

ステーキ

ステーキはメキシコ産、日本産、米国産の3種類がある。メキシコ産が一番安く、米国産は2番目。米国産カスタムエイジ・サーロインの一番小さいサイズ、80オンス(230g)4,800円のステーキを食べることにした。エイジ(Aged)なので老牛かと店員を茶化したら、笑ってくれずに熟成の意味だと諭された。
和牛のような柔らかさはないが、脂っこくなくて噛むほどに味が出る。結構好きなタイプだ。

キングサーモン

200グラムのキングサーモンは野菜の串焼きを従えて巨大な一皿になった。アメリカらしくていい。備長炭でしっかり焦げ目がついてこれもなかなか美味かった。大味と言うなかれ。これがアメリカ料理だ。

ワインもオレゴンのものを飲んだ。どうせ気取るなら西部の男を気取った方が楽しい。
オレゴンはシェーンに匹敵するような名作西部劇の舞台になったのではないかと調べたら、もっとも有名なのは「スタンドバイミー」。西部劇ではないがスティーブンキング原作の映画もノスタルジックでいい。

オレゴン・カフェ&グリルの話を書いているのに、ベン・E・キングの主題歌が頭を離れない。Stand by me と何度も口ずさむと、窓際のカップルたちにぴったりの店だったのかもしれないと思えてきた。


オレゴンバー&グリル
東京都中央区築地4-5-7
03-3524-1500


♪スタンドバイミー
When the night has come  And the land is dark (夜がやってきてあたりは暗くなってしまった)
And the moon is the only  Light we'll see (ただ月だけが 僕らが見ている ただひとつの光) 
No I won't be afraid Oh I won't be afraid (それでも僕は 恐れたりしない 怖がることなんてないんだ) 
Just as long as you stand Stand by me (ただ君が僕のそばに いてくれる限りは)
So darlin', darlin' Stand by me, oh stand by me Oh stand, stand by me Stand by me
(だからねえ そばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ 僕のそばに 君がいてほしい)

If the sky that we look upon Should tumble and fall(見上げればいつもそこにある空が たとえ崩れ落ちてきたとしても)
Or the mountain should crumble To the sea (たとえ山が 海の中に崩れ落ちてしまったとしても)
I won't cry, I won't cry No, I won't shed a tear(僕は泣かない 泣いたりしない 涙なんか 流したりしない)
Just as long as you stand Stand by me (ただ君が僕のそばに いてくれる限りはね)

And darlin', darlin' Stand by me, oh stand by me Oh stand now, stand by me Stand by me
(ねえ だからそばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ そばにいて そうしてほしいんだよ 僕のそばに 君がいてほしいんだ)
Darlin', darlin' Stand by me, oh stand by me Oh stand now, stand by me Stand by me
(ねえ だからそばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ そばにいて そうしてほしいんだよ 僕のそばに 君がいてほしいんだ)
Whenever you're in trouble Won't you stand by me Oh stand now, stand by me...( たとえ何があっても 僕のそばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ)

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2007年04月15日

[クロンダイク・ハイボール](新橋)

ちょっと気取ってシェリー酒でもどうですか?


食前酒は日本ではビールに決まっている、と書くと怒られそうだが厳然たる事実だと思う。フレンチやイタリアンの店でも男はビールを飲む。シャンパンを飲む女性も多いが、外国ではシェリー酒もよく飲まれている。シェリー酒は食前に飲む酒で、ちょっと甘めの女性用の酒だと思っていた。

シェリー酒に対する誤解は「Bar 武蔵」で消えた。スペイン産の生ハムにはスペインのシェリー酒が合う。当たり前の話だ。

シェリーを飲ませる店と聞いて、新橋のクロンダイク・ハイボールに行った。ところが店名はベルモットやジンジャーエール等で作るカクテルの名前。棚はスコッチウイスキーをはじめ各種ウイスキーで埋め尽くされている。ちょっと拍子抜けしたが、めげずにシェリーを頼んだ。

店長の佐川さんは喜んで応じてくれた。彼は銀座のシェリークラブに居たとのことで、ショットバーとしては珍しく30種類ものシェリーを提供してくれる。
シェリーの原料はブドウだが、アルコールを添加した所謂「酒精強化ワイン」である。スペインのへレスという町とその周辺のみで作られるそうだ。

味はスッキリしたものもあれば、コクがあって濃厚なものもある。辛口もあれば甘口もある。色が透明なものもあれば琥珀色のものもある。
好みを言えば佐川さんが推奨してくれる。

もちろんスペイン産の生ハムは必須だ。

小さなショットバーを愛する常連さんが多いようだ。左隅でスペイン料理を夕飯にして1人で飲んでいるお父さんは単身赴任者だろうか。右側に座った女性は恋人と待ち合わせだろうか。
佐川さんが忙しくなってきたので我々はお開きにすることにした。

色んなショットバーがあるもんだ。


クロンダイク・ハイボール
東京都港区新橋3-16-22 池野6号ビル2F
03-3438-3825

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2007年04月03日

[恭恭](新橋)

幻の鮭児はなかったけれど


雑誌には「鮭児に黒魚、大穴子、希少食材の夢の饗宴!」と書かれていた。これは行かねばならない。「店先は新橋によくありそうな居酒屋」の記述どおりの店構えだ。まだ6時をちょっと回ったところなので客はいない。カウンターでメニューを書いている女性の横に陣取り、ビールを頼んだ。

残念ながら鮭児は11月まで待たねばならないようだ。メニューは毎日変わるが、定番・看板料理の中から数品を選ぶことにした。

お通し、牛すじ煮込み

初めて来たと言ったらカウンターの上の大鉢に入った前沢牛のすじ煮込みを奨められた。最高級(A5等級)の前沢牛が自慢とのこと。カウンターには烏骨鶏の卵など数種類が置いてある。卵かけご飯に使うものだが、卵にもこだわりがある。

鶏の刺身(左からささみ、胸、もも)

前沢牛に並ぶ自慢の素材・幻の地鶏「土佐ジロー」は、高知県原産の土佐地鶏のオスとアメリカ原産のロードアイランドレッドのメスとをかけ合わせた一代雑種の鶏。放し飼いで育てるので身がしっかりしているというが、きれいな色のもも肉を食べると口上の正しさがよく理解できる。

穴子、しゃこの刺身

穴子は香川産、瀬戸内の穴子白焼きとなれば避けては通れない。今の時期でも美味かったので、脂が乗った頃に再訪したい。
本日の一番の驚きは岡山産しゃこの刺身だった。生まれて初めて食べたが、食感は海老が少しくたびれたような感じ。海老のようなプリプリ感はないが、くネットリとしていて味は海老にかなり近く悪くなかった。

岩塩、牛レバーの刺身

煮込み以外の前沢牛も食べようということになったが、中年2人組みにはA5等級では脂がきつすぎる。いい肉は内臓も美味いので、レバーを食べることにした。ヒマラヤ産の岩塩をすりおろしてレバーをつける。

ポテトサラダ

銀髪の頼む料理はいつも変わったものばかりで、生食も多い。これを嫌がる男性は多いが、今日の連れも同様だ。最後の口直しにポテトサラダを頼んであげた。メニューは変わったものばかりではなく、普通の料理の種類も多い。

日替わりメニューが多いので、毎回行くときは何があるか楽しみな店だ。


恭恭
東京都中央区新橋4-21-15 河合ビル1F
03-3434-5655

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2007年03月14日

[漁亭](新橋)

素晴らしい店が新橋にあると言われて行った。


店の名前を聞いて、おおよその想像はできた。料亭ではなく、同じ読みで漁亭と書くにはそれなりの意味がある。気楽な居酒屋よりもちょっと上の料理を出す店と思えば分かりやすい。料亭ほどではないが負けないぞという心意気や洒落っ気が感じられる。
目を見張るような料理がないかわりに、驚くほど高くもない。メニューは豊富で目刺しからふぐまで何でもござれである。

10人の男たちが次から次に頼んだものを見てもらおう。





これだけ人がいると、いろんな料理を試食できる反面、行き当たらなくて文句を言う連中も出てくる。女性がいない飲み会は楽しいやら味気ないやら。もっともこんな宴会に呼ばれたら女性は面白くないかもしれない。
いや、最近はオヤジよりオヤジっぽい若い女性が増えたので、とっても喜ばれるかもしれない。

たくさん食べて、飲んで、1人約6,000円は評価されるだろう。特に珍しい素材や料理がないのが銀髪にとってはちょっと寂しいが、懐が悲鳴を上げることはなかったので、まずは良かったということになる。

季節料理 漁亭
東京都港区新橋2-11-4
03-3591-3321

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2006年10月06日

[潮夢来]②(新橋)  上海蟹

上海蟹のシーズン到来。

グルメ達にとって今年最大のショッキングなニュースは活上海蟹が、外来生物規正法で一般客への販売を禁止されたことだろう。これまでは築地や上野、ときにはスーパーでさえ売られていたものが、日本の在来種に影響があるとのことで、飲食店関係者しか買えなくなってしまった。

料理法は生きたままの状態から約15分蒸すだけだから、自宅で簡単に食べられたものが、料理屋でしか食べられなくなった。嘆いていても始まらない。どの店で食べるか決めなければならない。

随分と悩んだが最終的に選んだのは、新橋汐留、日テレタワーの1階にある「潮夢来」だった。以前、潮夢来に行ったときはフカヒレ姿煮、北京ダックを2大メインにしたが、今回はフカヒレ姿煮、上海蟹をメインにした。

食べた時期や自らの体調などの違いもあり、同列には論じられないかもしれないが、一番美味しかったのは神田神保町の「新世界采館」。それまで食べていた上海蟹のイメージを一変させてくれた。一番品が良かったのが東麻布の「富麗華」だった。今日は接待なので富麗華にしようと思ったが、担当のFは上海蟹は食べたことがないのに嫌いだと言う。蟹ミソが嫌いなので、上海蟹は不味いと決め付けている。

そこで単品で上海蟹を食べることができる富麗華と同じ中国飯店グループの潮夢来にした。富麗華の良さは蟹を食べやすいようにきれいに捌いてくれることにある。潮夢来は富麗華に比べて雰囲気は落ちるが、味は同等で値段は安い。サービスは落ちるかと思ったが、期待通り蟹は捌いて出してくれた。全ての料理を個々に取り分けてくれるので、奪い合い、譲り合いがなくていい。

出始めの今はメスの卵が美味く、オスはもう少し寒くなった方がミソが濃厚になってくる。店の人にもメスを奨められたが味比べのためオス、メス2匹ずつ頼んだ。

左がオス、右が卵(鮮やかな橙色)を抱いたメス

身も取り出してくれる

上海蟹は嫌いだと言っていたFに無理矢理食べさせた。一口食べたFはグルメレポーターの石塚ばりに目を剥いた。美味いを連発して喜ぶ姿を見ていると、こちらも嬉しくなってくる。Fは自分の客がいることなどすっかり忘れて食に没頭している。

黒酢を主体にしたタレがかかっていて食べやすいが、銀髪的には何もつけないでそのまま食べたかった。蟹はお腹を冷やすと言われるので食べるときには黒酢、生姜茶、紹興酒の3点セットは欠かせない。でも今度行ったらタレは別に持ってきてもらおう。

つなぎでアスパラに似た中国野菜「芥蘭菜」の炒め物、焼き餃子、小龍包を食べた。Fはスープがたっぷり入った焼き餃子に感激して、再び石塚レポーターになっている。
これをみて他の二人もニコニコしている。


あっさり味の野菜炒飯と、麻婆豆腐は銀髪定番の締めくくり。山椒が効いた本格四川風麻婆豆腐はお気に入りの一品だ。サービスで出してくれた杏仁豆腐は意外と甘味が少なく本物の味だとEさんに言われて口にした。成る程、杏の香り高く品の良い甘さだった。
  
料理屋のチョイス、料理の内容・品数・量が完璧だったとみんなに散々おだてられて、銀髪は登る木を探した。


潮夢来
東京都港区東新橋1-6-1 日本テレビタワー1F
03-5568-1818
http://www.chuugokuhanten.com

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2006年07月24日

[ビーチェ](新橋)  夜景のきれいな店

カレッタ汐留47階、東京でもトップクラスの夜景を見ることができるレストランに行った。

夜景がきれいなレストランと言っても、完璧な状況を作ることができるのは1年の内にそうたくさんはない。太陽に輝く街が夕焼けで赤く染まり、薄暮になり、次第に灯かりが浮き上がってくる。やがてビルのネオンが様々な色を発し、道路はテールランプの川となる。

冬は日没が早すぎて、夏は遅すぎる。夕食の時間を約2時間と想定する。6時からスタートするのであれば終わるのは8時。その間に日が暮れなければならない。理想的な日没時間は7時。今がその時期だが雨が邪魔をする。

以前、夜景のきれいなレストランで有名な聖路加タワーの最上階へ行った。窓際の席はいつも一杯で、ようやく予約が取れた日は雨。窓の外は白く霞み灯かりは最後まで浮かんで来ることはなかった。

ビーチェは1926年にミラノで創業して、全世界に20以上の店舗を展開する。2002年、カレッタ汐留にオープンしてしばらくは予約が取れないレストランとして有名だった。今は比較的予約を入れやすいが、完璧なシチュエーションを作り上げることは難しい。
この日の天気予報は晴れだったが、6時頃雨が降り出した。不安がよぎったが後戻りはできない。

恋人たちに人気のレインボーブリッジが見える側ではなく、銀座・日本橋方面が見える窓際を予約してある。会食の相手は既に到着していた。いつものようにメニューを開き、いつものように銀髪が仕切る。

水牛のスモークモッツァレッラとフルーツトマトのオーブン焼き

他の料理にも共通することだが、盛り付けが絵画のようで美しい。

ホワイトアスパラガスとタレッジオチーズのフォンデューポーチドエッグ添え

ポーチドエッグは壊して食する。

幸い天気予報は大きく面目を失することはなく、灯かりが次第に浮き上がってきた。夕焼けを見ることはできなかったが夜景には問題なさそうだ。

的鯛とファンネルの蒸し煮

的鯛(マトウダイ)は体に丸い斑点があり、これが的に見えることからこの名前がつけられた。白身の上品な身でオーストラリア時代によく食べた。

和牛フィレ肉のパンチェッタロール空豆のペースト添え

ハンバーグにベーコンを巻いた料理はよく見るが、高級和牛に高級なイタリアベーコン(パンチェッタ)を巻いてある贅沢な一品。脂身が少ないヒレ肉に脂身の多いパンチェッタの組み合わせの妙。香りも良くていい出来だ。

日はすっかり暮れた。昭和通りの左側に一際光輝く筋がある。最初に見たときは橋と思った。しかし、あの方向に橋があるはずがない。店の人に聞いたら中央通りと言われて驚いた。

店には悪いが、実はこの日本一明るい中央通の夜景が今日のメインディッシュだ。料理の評価を忘れて、しばらく中央通とその周辺の銀座・日本橋を見つめ続けた。

「君よ!あれが銀座の灯だ!」

ビーチェ東京
東京都港区東新橋1-8-1 カレッタ汐留47F
03-5537-1926

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2006年07月14日

[潮夢来](新橋)  手頃な高級中華

冨麗華の姉妹店が汐留にあると聞いて行った。

東麻布にある冨麗華は日本一美味しい中華料理店との評判が高い。連れて行ってくれたのは中国人の友人だったが、ちょうど上海蟹のシーズンでなかなか予約が取れなくて随分と苦労をかけた。

冨麗華は店の雰囲気、料理の質はもちろんだが、そのサービスに感激した。食べるのにてこずる上海蟹をきれいに捌いて食べやすくしてくれた。こちらが何も言わなくても、料理を全て個々人に分けて出してくれた。中華料理は大皿でドーンと出て好きなだけ取って食べるのがいいところだが、客との食事会だと皿に残った料理を譲り合い押し付け合いとなってしまう。他の店でウエイターに取り分けて出すように頼むと、嫌な顔をされて気分を害したこともある。

潮夢来も冨麗華と同じようなサービスをしてくれる。取り分ける方法なら、大皿をいくつも乗せるための大きなテーブルが不要だ。店にとっても意外と合理的な方法なのかもしれない。小さなテーブルなら収容人数も多くなるはずだ。大皿をいつまでもテーブルで遊ばせておく必要も無い。

さて潮夢来。待ち合わせの時間より早く店に入って、前もって料理を選ぶことにした。行ってみたら前に一度来た事があることを思い出した。そのときはランチだったが、冨麗華よりリーズナブルだということはホームページでも確認しているので選びやすい。店に着く前から料理の目玉は決めていた。北京ダックとフカヒレの姿煮である。

可愛い店員との相談が始まった。
まず五種前菜盛合せを決める。以前来たとき麻婆豆腐が美味しかったので、最後も決まった。白いごはんがいいと思ったが、麻婆豆腐にも合うさっぱりした高菜チャーハンがいい言われて従った。間にもう一品欲しいので、本場の酢豚を加えた。町の中華屋さんでは食べられない代物なので、お客様は驚き・喜ぶに違いない。フカヒレは2人前を3人で分けてもらうことにした。

準備万端、2人のお客様が相前後して到着した。

五種前菜盛合せ

フカヒレ姿煮

北京ダック

黒酢の酢豚

高菜炒飯と麻婆豆腐

どの料理も評判がいい。冨麗華と比較すると可哀想だが充分満足できる。なんたって、フカヒレの姿煮だってあるのだから。量も腹一杯プラスちょっとだけαというところだから完璧だ。コース料理ではないのでデザートもなく無駄が無い。満足、満足。


潮夢来
東京都港区東新橋1-6-1 日本テレビタワー1F
03-5568-1818
http://www.chuugokuhanten.com

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2006年07月12日

[越](新橋) 大衆割烹

気の置けない友と居酒屋に行った。

先日、「梅美津」を載せた時、兄に紹介されたのが梅美津の数軒先の「越」だった。階段を上り扉を開けると正面にカウンター席、右手に座敷のテーブル席がある。最近は座敷であぐらをかくのがきつくなってきた。そこで勧められた正面のクーラーの冷気が心地良い席ではなく、左端の席を選んだ。銀髪は壁を、友は冷蔵庫を背にすることができて楽チンだ。

まずビールと言ったら大、中、小のどれにするか聞かれた。永らく居酒屋らしい店に行ってないので無難に中を頼んだら、友は大を頼むという。そこでこちらも大に変更した。出てきたジョッキの大きさを見て二人ともニヤッとした。昔、ビアガーデンなどで散々飲んだ大ジョッキを思い出したためだ。最近、こんな大きなジョッキを使う居酒屋は少なくなった。

初めての店なので女性の店員にお奨めを聞いたら、人気ランキング表を渡された。そこで1番から順番に頼むことにした。「刺身もお奨めですよー」と言われて、気の弱い二人は断ることができない。友はしめさば、銀髪はマゴチを頼み、同じ皿に盛ってくるように言った。女性の店員に「この店の娘さん?」と聞くと、「他の人の娘さんです」と応える。可愛い顔して中年オヤジのあしらい方は堂に入っている。

人気ランキングは一番から順に、いわしのはさみ揚げ(620円) うわさのジャガ明太(620円) 豚の角煮(730円) 自家製がんも(600円) かにしゅうまい(730円) 牛アスパラ巻(780円) かに爪(780円)と続く。

いわし、ジャガ明太

いわしはミンチにしたものをシソで挟んで揚げたもの。ジャガ明太は熱い鉄板に細切りのジャガイモと、さらにその上に明太子を乗せる。鉄板が熱いうちにジャガイモと明太を混ぜ合わせて食べる。これらがトップ2に位置するのは頷ける。我が家のメニューに加えよう。

角煮、がんも、しゅうまい

牛アスパラ巻、かに爪、刺身

個人的にはかにしゅうまいを3位に上げたい。

ビールを飲み終わって焼酎を1本頼んだが、底にわずかに残ったところで満腹になりもう飲めない。いつの間にか店内は満員御礼。もちろん隣にもサラリーマンと思しき中年3人組。そこで余った焼酎のボトルを彼らに「飲んでください」と渡した。拍手喝さい、喜んで受け取る彼らと談笑しばし、今度は先方からお返しのステーキが2切れ来た。

双方でお礼を言って一期一会、袖振り合うも他生の縁。いやはや、野郎ばかりの居酒屋も楽しいもんだ。友の愚痴を聞く会も、いつの間にか単なる飲み会になって何の話をしていたか忘れている。嫌なことを忘れて、楽しくさせてくれるのが酒の最高の効用だ。


大衆割烹 越
東京都港区新橋2-9-17 雪村ビル2階
03-3591-6601

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2006年04月20日

[土佐家](新橋)  あなたの焼肉年齢は?

新橋で評判の焼肉屋さんに連れて行ってもらった。今日のスポンサーは8歳上の兄である。

グルナビにもヤフーグルメにも載っていない知る人ぞ知る店のようだが、個人のブログでは誰もが美味い焼肉屋と書いてある。新橋駅前の機関車から歩いてすぐの2階に店はある。新橋は銀座の隣町ながら狭い路地がたくさんあり、小さな飲食店がひしめきあっている実に面白い町だ。

まだ時間が早いせいか比較的空いている。席に着くとエプロンと上着を入れる袋を渡された。臭いが服につかないようにするための配慮で気が利いている。
兄は店員を呼び、量と肉質にちょっと迷った末に11,000円の上級セットを頼んだ。


  
最近肉を食べるときに、昔の映画か何かの中年男性と若い女の台詞をよく思い出す。
男「なんで借金までしてブランド物の服を買おうとするんだい?」
女「だって、お金が溜まるまで待っていたら、歳とって服が似合わなくなるじゃないの!」

若いときは食べ放題の焼肉屋によく行った。牛肉の輸入自由化は平成3年のことだから、食べ放題でもそれなりの料金はした。普通の焼肉屋に行くのは上司と一緒のときだけで、霜降りの焼肉なんてあり得ない。それなりに金ができて、霜降りの高級焼肉も食べられる余裕ができた頃には、脂が乗りすぎていて食べる気がしないのである。

先日、A5等の牛肉を友人が送ってくれた。サシがきれいに入った見事な牛肉だが、フライパンで焼くステーキは脂が切れずちょっと辛かった。焼肉にしたら溶けた脂が網の下に落ちて美味しく食べることができたが、それでも50歳を超えたらあまり多くは食べられない。

焼肉チェーン店で食べる肉は薄くてすぐに焼けるが、土佐家の肉はタンもロースも分厚く切ってあり食べ応えがあった。脂の乗りも銀髪にはちょうどいい。仲良く半分ずつ同じペースで食べていたが、途中から兄は食べなくなった。量なのか、脂の乗りなのか、はたまた前日呑み過ぎたせいなのか、兄の焼肉年齢は銀髪よりかなり上のようだ。

最後に食べたミノが意外と美味かった。銀髪の焼肉年齢も上がっているので、最近は脂が乗っているロースやカルビよりも、もつ類の方が美味しく感じる。残念ながら頼んだセットの量が多かったので、他のもつ類の追加はやめた。きっと美味いに違いないと思いながら、歳を気にしてセーブした。

若けりゃもっと食べるけど、若けりゃ金がなくて食べられない。若いときに借金までして最高級の肉を食べる勇気はないもんなー


土佐家
東京都港区新橋2-9-5 中銀ビル2階
03-3502-8929
http://tosaya8929.hp.infoseek.co.jp/frame.htm

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2006年04月19日

[梅美津](新橋)  上品な店できれいな食べ方

長崎出身の女将が切り盛りしている品のいい店に行った。

新橋・烏森神社の路地の前で車を止めると、連れは銀髪を伴って神社に向かう。鳥居の前で「申し訳ないので」と言いながら頭をチョコンと下げて境内に入っていく。こんなところに?と思っていると、すぐに神社左の路地に抜けていく。確かに通り抜けをしたら申し訳ない。

路地には銀髪好みの店が並んでいるが、左側の小路の奥に目指す梅美津があった。カウンター席に座りちょっと長崎訛がある女将と挨拶を交わした。長崎県の出身者や駐在経験があるような人が常連さんらしいが、銀座のクラブの「同伴」にも使えそうな雰囲気のある店だ。

料理は上品なお袋の味と言ったところか。どれも奇をてらわずやさしい味付けになっている。

それにしても感心したのは連れの食べ方の見事さだった。えびの唐揚を頭も残さずきれいに食べたのはまだ分かる。小あじの干物は女将が自分で干したものらしいが、横を見ると一匹丸ごときれいになくなっている。「頭まで食べたんですか?」と聞くと「当然です」と言われてしまった。負けじと銀髪も残そうと思っていた頭を食べたが、成る程苦もな