2010年09月01日

[すき叙](新宿三丁目)

叙々苑のすき焼き


店名で分かる通り叙々苑グループのすき焼き専門店。叙々苑グループには高級焼き肉の游玄亭が6店舗、叙々苑が40数店舗あるが、すき叙は1店舗のみ。開店して1年になるのに多店舗展開には至っていない。

「夏は空いてますね」と諦め顔の店員に案内されて席に着いた。きれいで、雰囲気のいい店だ。店員の言葉使いも所作もきれいで気分がいい。隣席に誰もいないので、ゆったりと寛げる。

まずは叙々苑サラダから。初めての店でも慣れ親しんだ料理があると安心感がある。サラダでビールを飲んでいると、すき焼きの準備が出来た。

初めて行く店で、下のクラスの肉を食べて「美味しくなかった」というのは失礼だから、一番高い特選霜降和牛を頼んだ。一人前3200円で、写真は2人前。「どこの肉?」と聞いても答えられない。困った顔をするので「いいよ、いいよ」と慰めた。アルバイトかな?

たくさんの野菜に驚いた。野菜の盛合せに焼豆腐、椎茸、白菜の半皿を追加したら思ったよりも大量になった。

最初の2枚だけ店の女性が焼いてくれた。こちらは正社員で堂々としている。割りしたを使う関東風だから我々でも難しくはないが、暇だったらもう少し面倒をみてもらいたい。美人に作ってもらえばより美味しいと、ちょっとおだててみたけれど、希望はかなわなかった。

日本酒の種類は限られているので燗用の純米酒を常温のまま持ってきてもらった。「飲み過ぎじゃないか?」と言われても大丈夫。鍋にドボドボッと流し込めば、すき焼きはもっと美味しくなる。野菜を多めに頼んだのは正解だった。食べ尽くすのに一生懸命で肉の追加をしないで安く済んだ。

エレベーターに乗ろうとして掲示板に気がついた。我々が食べた特選霜降和牛は佐賀牛と書いてある。いい肉だったはずだ。しかし、すき焼きよりも焼き肉に向いている肉質、切り方だったかもしれない。やっぱり餅は餅屋だな。

叙々苑 すきやき すき叙
東京都新宿区新宿3-5-3 高山ランド会館5F
03-5269-8994
http://www.jojoen.co.jp/html/store/sukijo

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2010年08月16日

[とりや](西新宿)

美味しい比内地鶏


接待の心得は相手を知ることから。会社の住所を聞いてピンと来たのがとりや。N氏の会社から5分以内に来られるところだ。前々から行こうと思っていたので都合がいい。問題は彼の嗜好。鶏肉が嫌いだったら目も当てられない。確認したら「鶏肉の刺身はダメだけど、焼き鳥は大丈夫です」と言われた。気の置けない相手でもホッとする。

店は思ったよりも大きくない。焼き場と料理人の数を見れば適正規模。カウンターに座っても料理人と話が出来るわけでもなさそうなのでテーブルを選んだ。オーダーは任せてもらって、枝豆、もも正肉、レバー、つくねを頼んだ。客は他にいないので、多く頼むと一度に来るリスクがある。

お通しを食べている間に枝豆が到着。焼物は一品ずつ出てきた。心配する必要はなかった。料理人は焼き場から我々の食べるスピードを頻繁にチェックしている。イチオシのもも正肉は比内地鶏らしく弾力があり、焼き方も文句ない。レバー、つくねも悪くない。


ふりそで(胸・肩肉の一部)、とっくり(胃袋)手羽先、ちょうちん。どちらかと言えば食べ物に保守的なN氏の了解を取りながら変わった部位をオーダーした。


比内地鶏が17種類、他の銘柄鶏が8種類あり、とても全部は食べ尽くせない。恋人同士なら一串ずつ頼んで分け合う方がいいだろう。7種類を食べたところでN氏からストップがかかった。

口直しに塩キャベツを頼んだら巨大なキャベツが出てきて驚いた。もっとも、ひっくり返したら中は空洞。ちょっと安心した。ご飯を食べたいとN氏が言う。メニューには焼きおにぎりしかないが、無理を言っておにぎりを作ってもらった。これにはスープがつく。「俺にもスープだけもらえる?」と言ったらサービスしてくれた。好感度大幅アップ。

銘柄鳥だけあって値段が高いのが玉に疵だが、それだけのことはある。口コミの評価が高いのも納得のとりやだった。

地鶏焼 とりや 新宿本店
東京都新宿区西新宿3-7-27セントヒルズ西新宿B1
03-3345-3433
http://www.j-toriya.com/

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2010年08月09日

[イルペンティート]②(南新宿)

ピザ ペンティート


「本当にすぐ来てくれたんですね」店主が笑顔で言う。銀髪は嘘をつかない。店主の目の前の席に案内された。前回以上に会話ができると喜んだものの、写真を撮るにはちょっと暗い。泣く泣く奥の明るい席に移らせてもらった。

お通しはいつものとおりオリーブ。前回食べたローマのオリーブや白カビ、トリュフのサラミはないようだ。代わりにオリーブのフライを勧めてくれた。刻んだハムがオリーブに詰められている。フォークで刺そうとすると皿を飛び出して銀髪に向かってきた。運よくナイスキャッチ。

サラダはメニューの一番上に載っているのがもちろんイチオシ。他のテーブルにあるのがそのサラダ。今日はピザを2枚食べるつもりでやってきたけれど、あの大きなサラダを食べても大丈夫だろうか。エーイ、頼んじゃえ!

葉っぱが殆どだと思っても、ハム、サラミ、チーズ、これらにオリーブオイルをかけたら結構腹に溜まる。ワインもすすむし、炭酸入りのミネラルウォーターも堪えた。サラダを食べ終えると店の女性がやってくる。質問は分かっている。「ピザは何にされますか?」

「今日はトマトソースのピザを食べようと思うんだ」と言うと、店名をつけたペンティートを勧められた。もちろん答えは決まっている。「じゃあ、それ」

モッツァレェッラ、マスカルポーネ、グリーンペッパー、生ハムのピザ。生クリームのようなマスカルポーネチーズが口の中でとろける。グリーンペッパーがいいアクセントになっていて面白い。

「次はどれにしますか?」と言われて困った。2枚食べるつもりがやはり届かなかった。ローマピザは薄いので一人一枚ぐらいは簡単に食べられるはずだが、どうしても見た目の大きさに圧倒されて食べ切る自信がなくなる。まあ、次にすればいいや。

今日もイルぺンティートはほぼ満席。店主に手を振って店を出た。「また来るね!」


イル・ペンティート
東京都渋谷区代々木3-1-3 AXIS 1F
03-3320-5699
http://www.pentito.jp

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2010年08月06日

[桑s](歌舞伎町)

大人のお好み焼屋


「満員です」と別の店で断られた後に入っただけに、空席があると嬉しいやら心配やら。店員が出て来ないうちに退散しようかと迷っていたら、若い女性店員二人に見つかった。その二人を見て違和感を覚えた。中国人経営のお好み焼屋?

チョリソーと椎茸を目の前の鉄板で女性の一人が焼いてくれる。二言三言を交わしたら日本人のようにも思える。中国人のような訛りがないと思ったら韓国人だった。「文法が一緒ですから」と言うが、なかなか大したものだ。違和感は吹っ飛んだ。可愛ければおじさんたちは国籍なんか構わない。

「ステーキは焼いて持って来るの?」と聞いたら、女性店主がやってきた。彼女は日本人。日韓3人の女性が切り盛りする歌舞伎町らしいお好み焼屋である。店主は銀髪の意図をすぐに読み取ってくれた。レアのステーキを自分の好みに焼いていく。少しずつ焼けば酒の肴に最適である。立派な群馬県産増田牛だった。

「わさびと柚子胡椒と辛子、薬味はどれを持ってきますか?」と韓国娘が聞く。しばし考えた後、「どれか選ばなきゃいけないの?」と聞き返すと「全部持ってきます」と即答する。可愛いいだけでなく賢い女の子だ。クラブに行くよりましな気分だ。

久しぶりにもんじゃを食べることにした。家ではよくやるが店で食べたのは10年以上も前だ。月島でうるさいおばさんにあれこれ指導を受けながら食べた。「追加注文はできないからね」と偉そうに言われたものだ。今日は若い子がニコニコ顔で作ってくれる。有名店より美味しく感じるのは当然である。

食べたもんじゃは牛、豚、いか、えび、あさり、たこ、明太子が入ったALL★STARS。メニューには真夏のカレー、TSUNAMI、湘南めんたいなど変わった名前の料理が並ぶ。店主がサザンの大ファンだと後で知った。店名も桑田から取ったようだ。手術成功で喜んでいるに違いない。

値段は他のお好み焼屋より高めなので若い客は少ない。朝5時までやっている女性だけのお好み焼屋さんは、12時過ぎてからが忙しくなるのかもしれない。

桑s
東京都新宿区歌舞伎町2-27-11 三経ビル1F
03-6457-3525

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2010年07月27日

[でめ金](西新宿)

串カツ食べて暑さに勝とう


「二人、大丈夫ですか?」扉を開き、あいさつ代わりに聞いてみた。カウンターに2組、合計5人が居るのみ。カウンターの中は店主と奥さん、マレーシア人女性の3人。「何を頼んだらいいですか?」と聞いたら、店主がお任せを奨めてくれた。お腹が一杯になったところで止めればいい。

キャベツと野菜スティック、串揚げ屋の定番にしたのはどの店だろうか。油っぽさを緩和させるだけでなく、野菜の栄養素は油と共に吸収されやすくなるという。

海老しそ巻、牛ヒレ、車海老、稚鮎、鳥挽肉・えび・椎茸の詰め物。最初の6品が値段の高い串らしい。看板の創作串と季節の串が食欲をそそる。

先客の3人は勘定を終わり、別の2人も酒だけに集中している。油の中に入れられた特大アスパラは我々の物に違いない。目の前に置かれると更に大きく見える。「しばらく休止します」と宣言した。

「山形の出身ですか?」と聞いたら店主は驚いた顔をする。メニューにある日本酒は東光、カウンターに置かれた一升瓶の生産地を盗み見たことを白状した。米沢出身とのことで郷土の銘酒使うところに店主の愛が感じられる。

再開宣言をした。蟹きす巻、椎茸肉詰め、ジャガイモのベーコン巻、鳥とセロリ、ごぼう穴子巻、ぎんなんウインナー巻を少し間を置きながら揚げてもらった。全部で40種類ほどあるらしい。「全部食べたらいくらになるの?」と聞いたら、7,000円超とのことで意外に安い。前半の数種類を除いたら一串150円と聞いて納得した。

「米沢出身でどうして串カツなんですか?」と聞くと、35年前に創業したのは大阪人。店主は前経営者から引き継いだとのこと。海外で働いた経験があるから外国人を雇用しているのかと思ったら大間違い。賃金は日本人と変わらないらしい。「外国人の方が無断欠勤もなく真面目だから」と言われると辛いもんだ。

原則予約を受けないのは常連さんに迷惑かけたくないからとのこと。もちろんマスコミの取材もNG。「駅に着いて電話してくれれば席を取っときますよ」と人気店にもかかわらず偉ぶったところはない。

猛暑の始めに客足は一旦落ちるが、8月になると回復するらしい。夏バテ解消に串揚げも悪くない。


串カツのでめ金
東京都新宿区西新宿1-15-9 第二オムニクスビル1階
03-3346-1508

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2010年07月16日

[薩摩屋](新宿)

笑顔が一番


「前の店と関係あるの?」席につくなり店員に聞いた。近江牛一頭買いの店は贔屓にしようと思った途端に閉店してしまった。引き継いだのが薩摩屋だが、こちらは鹿児島牛の店。桜島の溶岩をテーマにしている。

「関係ありません」と答える若い男の店員は笑顔がとても可愛い。店員一人が店の雰囲気をこんなにも明るくできるものだろうか。「肉を少しずつの盛合せはないの?」と聞いたら、「出来ますよ。お任せですね」とまた笑う。

テーブルに重ねて置いてある器を開けてみた。どうやらお通しらしい。危うく見落とすところだった。サラダの器もどこか噴火口っぽい。考え過ぎだろうか。

隣席のカップルが年長の店員にお勧めを聞いている。「生で食べられるレバーとハラミ。豚のあご肉もお勧めです」と答えている。しまった!お任せではなくお勧めにすべきだったと後悔したところで火山を模した器を使った盛り合わせが出てきた。レバーとハラミとあご肉。結局お勧めの盛り合わせだが、こちらの方が少量ずつ。正解だった。

しっかり焼いた方がいい豚肉を溶岩プレートに全部乗せる。レバーとハラミは生焼けでも大丈夫なので少量ずつ焼いては食べるの繰り返し。脂は溶けて溶岩に吸収されるからヘルシーだと言うとおり、油が飛ぶことがない。椅子にかけた上着が汚れる心配は無用だった。

焼き肉を食べる順番は、最初にカルビやロースを食べて、後半に内蔵類というのが定番。お任せ盛合わせのお陰で逆になった。リーズナブルに食べさせてくれるのは良心的だがやっぱりいい肉を試したい。

今度の皿には火が点いて噴火を模している。一番高い(4000円)ロースならではのプレゼンテーションなのだろうか。それでも全体的にリーズナブルに食べられる店と言えよう。

勘定をする際に笑顔の店員に歳を聞いた。「18歳です」とは驚いた。「鹿児島から出てきてこの店一筋で頑張っています」と元気一杯。銀髪が店を持っていたらすぐにもスカウトしたい。店長さん、大事に育ててあげてね。彼が店の宝だよ。


溶岩焼 薩摩屋
東京都新宿区新宿5丁目11-13 富士新宿ビル2F
03-5379-8929

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2010年06月30日

[高庵TOKYO](新宿三丁目)

社長には会えなかったけれど…


油屋黒松 鳴き龍の間に社長の高橋さんからコメントをいただいた。是非1号店も、とのことだったので行くことにした。ぐるなびの写真は本当にきれいだ。しかし、2号店の経験のお陰で今度は驚かなかった。奥の部屋に客はいるがカウンターは我々の貸切となった。

「銀髪グルメ紀行に社長からコメントをもらってね」と言ったら、「今日は来ないんですよ」とのこと。仕方なく店長にいきさつを話し出したところで見覚えのある女性がキッチンから出てきた。2号店で料理を担当していたきれいな彼女だ。毎週月曜だけ手伝いに来ているという。何という幸運。

2号店で食べたものは避けて頼むことにした。お通しの後に京都の豆水とうふ高庵風を頼んだ。自家製のスープがなかなかいい。

日本酒は値段に納得がいかず諦めた。店名に添えられているとおり、焼酎が自慢の店である。それでも店に入るなり「焼酎は好きじゃないんだ」と言った手前、意地を張って泡盛と八丈島の島酒を飲んだ。梅酒が好きな人は50種近くある中から選べばいい。

連れがトイレに行っている間に鶏のとさかとワニの唐揚げを頼んだ。1号店では豚の脳みそを食べたが、社長は変わったものが好きらしい。鶏のとさかは見たらそれと分かるので敬遠されてしまった。ワニは食べ終わるまで見破られることはなかった。これまで何度も食べたが、焼いたものはオーストラリアのシェラトンホテルのもの以外は美味いものにお目にかかったことがない。ワニは揚げるのが正解。

日本三大地鶏盛合せ(名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩地鶏)を食べるのにMy唐辛子を鞄から取り出した。2号店でもやったお遊びの始まりだ。店長の中居さんの手のひらに振り、舐めさせたら大きく顔を歪めた。それを見てこちらは大笑い。我ながら困った客であると思う。

島酒の肴は自家製さつま揚げが務めた。イカ墨の黒いさつま揚げが面白い。

我々が居る間にカウンターに座る客が居なかったので、思う存分フラッシュを使わせてもらった。2つの店で食べたのに、偶然にも同じ料理人が作ってくれた。社長には会えなかったけれど、彼女に再会できたことが何よりも嬉しかった。


幻の焼酎とみそ焼鳥 高庵TOKYO
東京都新宿区3-3-7 酒井ビル2F
03-3350-8886

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2010年06月25日

[おぅ.ばん](新宿歌舞伎町)

料理を楽しむワインバー


聖私立新宿女学院?なんじゃこれは?エレベーター6階イメクラの表示を見て踵を返そうとした。鉛筆ビルは古くて怪しげである。ビルを間違えたと思ったが、手元の地図を見ると目指す店は9階。記憶違いを笑った。それでも9階でエレベーターを降りるまでちょっと不安だった。

先客は若い男と着物を着た年配の女性が2人。彼女らを見て安心した。ビルの前でタバコをくゆらしていた男のような客だったら、店を出ていたことだろう。「初めてですか?」と店主に聞かれたので「インターネットで見てきました」と答える。システムは分かっているつもりだ。

壁に今日使える素材が貼られている。メニューは殆どない。ワインを頼めばそれに合わせて、好みを言えばそれに従って作ってくれる。「パスタはお湯を沸かすところから、リゾットは米を洗うところから始めます。料理もサービスも私一人がやるので、時間がかかります」と言う。急ぐ客はこの店に向かない。

「パンチェッタと野菜の炒めものなんかどう?」「連れはタマネギと長ネギがダメなんだ」などなど、いろいろ相談したが、結局頼んだのは「おぅ.ばんスペシャルサラダ」と「鴨のロースト」。数少ないメニューの一部だ。先客も頼んだものは同じ。店主がキッチンに消えた。ビールのグラスが空いても、あせらず再登場を待つことにした。

「鴨は欠かせないね」先客が言っていたのは本当だった。「いつの間にか、看板料理になってしまいました」と店主が苦笑する。1枚だけのササミが美味しくて感心した。「肉料理をもっと食べたい!」と先客が追加オーダーをしたが、我々は止めにした。ここまでずいぶん時間が経っている。

ボトルワインは10万円ぐらいのものも置いてあるとのことだが、グラスワインは赤白それぞれ4種類ほどでリーズナブル。一番高いのが見慣れない機械につながれた赤ワイン。シャトー・コス・デストゥルネルのセカンドワインであるレ・パゴド・ド・コス2006年。劣化を防ぐための機械のお陰で、1ヶ月ぐらいは美味しく飲めるそうだ。

ワインは8割がブルゴーニュ産。彼の料理に一番合うのがブルゴーニュのワインだと言う。ワインにこだわっていると思ったら、主役は料理なのかもしれない。おぅ.ばんの時間は不夜城新宿歌舞伎町で朝5時迄ゆっくりと流れる。


おぅ.ばん Eaw.Vin
東京都新宿区歌舞伎町1-14-6 東京21ビル 9F
03-3207-6699


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2010年06月15日

[わっはっはっ風月](新宿三丁目)

東京のお好み焼き屋さん


明治通りと靖国通りの交差点にお好み焼き屋さんがあるのは以前から知っていた。「今日は安く食べよう!」と思った瞬間、このお好み焼き屋のことが目に浮かんだ。「週末は予約が必要」と口コミで書いてあった気がしたが、ダメ元で階段を下りた。

幸いカウンターに座ることができた。予想通り我々が最年長と2番目。カップルに挟まれて座るとなんだか恥ずかしい。まずビール、おつまみに塩キャベツ、お奨めのとんぺい焼きを頼んだ。

お好み焼き屋のメニューは焼き物と生野菜が中心でシンプルだ。こちらも店のコンセプトに合わせて時間がかかる焼き物とすぐに出てくる野菜をセットで頼む。トマトを食べている間に豚カルビが焼き上がった。

わっはっはっ焼きを頼んだら、連れはネギと生卵が嫌いだとぬかす。じゃあ、シンプルに豚玉を頼むと、さっき豚カルビ焼きを食べたとほざく。仕方なく豚、牛、海老、烏賊の風月焼きを頼んだ。焼き上がるまできゅうりをつまむ。

目の前で焼くわけではないので店員との会話ができないのが残念だ。銀髪好みの酒もないのでハイボールを飲んだ。高級な食べ物がないのはもちろん、酒代もかさまない。少し前なら不満タラタラだったけれど、飲みすぎないで済むと思えば心も穏やか。大人になったものである。

風月焼きの意味を考えると、店名から来たものだと気がついた。大阪鶴橋が本店の風月は60年の歴史を誇る。わっはっはっ焼きも店名から。わっはっはっ焼きは風月直系の店にはない。多分、この店はフランチャイジーなのだろう。

大阪鶴橋の空気を感じられるかと思ったが、どこか品がいい東京風。店員たちからも鶴橋を感じることはできない。料理は関西風お好み焼きでもやっぱり東京のお好み焼き屋さんだった。

わっはっはっ風月
東京都新宿区3-14-23 マヤビルB1
03-5368-6239

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2010年06月08日

[油屋黒松 鳴龍の間](新宿西口)

今治鉄板焼鳥とこだわりの酒


「あれっ?随分と狭いんだね」インターネットで写真を見た人は一様に驚くようだ。「よく言われるんですよ」と女将も慣れたもの。お好み焼屋のような大きな鉄板を予想したがこれも外れ。ねじり鉢巻きの若い衆が汗だくで焼くのかと思ったら、美人店員が優雅に焼く。まったく驚かせてくれる店である。

お通し(サモサ)、白レバ

南アフリカワールドカップを記念してお通しはサモサ。他にも南アフリカの料理やビールなどがあるが、定番のお勧め品を食べることにした。白レバは一人一本限定品だそうだ。

皮焼、若鶏みそ焼き

今治の焼き鳥は炭火ではなく鉄板で焼く。気が短い今治の人は料理が出て来るのが遅いと帰ってしまうらしい。従って、早く焼けるようにコテのようなもので肉を鉄板に押さえつける。その結果、余分な脂が落ちてパリパリになる。皮焼きが代表格である。

岩塩トマト、ブレイン

「塩はモンゴル?」と聞いたら「アンデスです」と女将が答える。「オー、いいじゃない。トマトはアンデス原産だから塩もアンデスにしましたと言ったらいいよ」とアドバイスすると女将が素直に感心する。これで調子に乗ってしまった。

あれこれ揃えると鮮度が落ちるため、日本酒は獺祭に絞っているとのこと。メニューの純米吟醸を頼んだら出て来たのは純米大吟醸。メニューが間違っているようだ。グラスになみなみと注いだ酒が純米大吟醸なら割安だ。「ちゃんと大吟醸と書かなきゃ」とアドバイス。ますます調子に乗る。

自家製お新香、イベリコ豚ユッケ

「豚の生肉?」連れはユッケに怯んだものの、食べれば悪くないと言う。しっかり管理された豚肉が出回るようになった。偏見は捨てた方がいい。

羽根つき焼ラーメン

「これは福岡かな?」愛媛県出身のオーナーは四国料理にこだわっっているわけではなさそうだ。現に南アフリカ料理をワールドカップ開催中の目玉にしている。

「閉店の4時どころか、帰るのは毎朝7時ごろです」と女将や店員は大変そう。賑わうのは深夜からのようだ。人の良さそうな女将さん。体に気をつけて頑張ってね。寝不足はお肌に悪いよ。

油屋黒松 鳴龍の間
東京都新宿区西新宿1-19-11 西新宿中州ビル4F
03-6304-5304

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2010年05月27日

[マルゴー]④(新宿三丁目)

マルゴー5周年


マルゴーはフランスワインを初め、多種のワインをグラスで飲める店である。新宿に3店あるが、その1号店が5周年を迎えた。24日から31日まで5周年記念フェアを開催している。普段はボトルでしか飲めない数万円のワインをお手ごろ価格でグラス売りするというので出かけて行った。

「スパイシーな食べ物はワインに合わない」と言うワイン通のK氏の言葉は無視した。とにかくお腹が空いていた。日本人はまずビールである。スパイシーポテトとは抜群の相性だ。殆ど一人で食べ尽くしたら少しお腹が落ち着いた。

「5周年スペシャル前菜を作ってよ」メニューから選ぶのが面倒になった。何度も来ていると我が侭も言いやすい。ビールとスパイシーポテトを我慢したK氏が前菜盛合せが到着するなりガツガツ食べた。

前回同様にK氏はパスタを絶賛する。小さな厨房で、特別なパスタや素材も使わずに見事な料理を造る。桜えびとしょうがという珍しい取り合わせのスパゲティはなかなか美味しかった。

肝腎のワインは期待はずれだったかもしれない。マルゴーの日(毎月5日)と知らずに入った1回目、狙って行った3回目の方がいいワインを飲むことができた。5周年フェアは31日まで続くため、目玉商品は小出しにする方針のようだ。まあ、何種類も飲めたので良しとするか。

「毎日来たらいいワインに巡り合えますよ」と言うがそんなわけにはいかない。「銀髪のために今日特別に」という我が侭は聞いてもらえなかった。目玉商品がなくなる前に早く訪問した方がいいのか、残り物に福があるのか聞き損なった。


MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/

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2010年05月20日

[ささ木](歌舞伎町)

頑張れ料理人

外から店を覗くと7時半にもかかわらずカウンターには誰も座っていない。普通なら通り過ぎるところなのに、「阿波尾鶏」の文字に吸い寄せられて店に入ってしまった。奥のテーブル席にも客は一組のみ。不安なままにカウンターに座った。

焼き鳥屋のオヤジというのは相応しくないような端正な顔立ちの料理人が広い店を一人で取り仕切っている。お通しのもやしを出して、調理場から離れたところにあるビールサーバーから生ビールを注ぐ。焼き鳥と同時に頼んだもつ煮込みが先に来た。時間稼ぎになる。

レバーを食べて安心した。徳島の地鶏、阿波尾鶏は上手に焼けている。もも肉なども脂が乗って美味。焼き鳥の名店には及ばないものの、一定の水準には達している。ぎんなんは薄皮のまま出て来たので銀髪が手際よく剥いてあげた。

阿波尾鶏はもも、ささみ、レバ、ハツ、砂肝、ぼんちりの6種。他の部位は無名の国産鶏らしい。和牛カルビや豚バラなどがあるのは焼肉屋の系列店だからだろう。新たに一組入って来た。忙しくなれば焼肉屋から応援が来るとのこと。

焼き鳥の追加と同時におでんを頼んだ。食事をスムーズにするためには料理の選択にも気を遣う。日本酒、焼酎、ワイン、色々揃っているがそれぞれの品揃えはよくない。目の前の料理人に不満を言っても仕方がない。


「もともとは洋食部門をやらせてもらえるというので入社したんですが…」と料理人が言う。ホテルなどでの経験が豊富と聞けば焼き鳥屋のオヤジっぽくないのも頷ける。もっとも「焼き鳥屋でも色々学べて楽しいですよ」と屈託がない。ヤキトリ エヴァンの話をしたら目を輝かしていた。

フレンチと焼き鳥屋の経験を活かしていつの日か独立するかもしれない。オーナーシェフになったらいい店になるような気がする。頑張ってほしいものだ。


ささ木
東京都新宿区歌舞伎町2-26-3
03-5272-1220

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2010年05月13日

[オステリア・オリエーラ](新宿3丁目)

グラスで飲めるワインが180種類


マルゴーの記事にコメントを寄せてくれたケンさん推薦の店に行った。マルゴーの上なので探しやすい。急な階段を上ると長いカウンター。ボックスに常連らしき4人連れが賑わっていた。見覚えがある店内はデジャブ(既視感)なのか。「そうだ!これはオステリア・ウーゴがあったところだ!」。

「マルゴーよりずっといいと聞いてやってきたんですよ」と話すと店員の外山さんが恐縮する。自家製のパン、定番のグリーンピースのスープが出された。メニューには魅力的な料理が並ぶ。悩んだ末に少量多品種食べられる前菜盛り合わせを頼む。

思った以上に華やかな盛合せに大満足。2人で分けやすいように配慮してある。「料理は間違いなくマルゴーより上だね」とCさんは言うが、どこか浮かない顔。最初に見せてくれた白ワインが気に入らないようだ。「やっぱりワインはワインバーの方がいい」とマルゴーの肩を持つ。

「カキのソテーを添えたカキとレンコンのスフォルマート香草のインサラートと共に」も「オレキエッテ春野菜」という自家製パスタを使った料理も期待以上だった。
「聞いてみたら?」と促すとCさんは気乗りしないまま「バローロはあるの?」と外山さんに尋ねる。「ありますよ」と言われて目の色が変わった。

「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは?」と聞くと、「ありますよ」またも外山さんは顔色一つ変えずに言う。ひとしきりボトルを見てため息をつくCさんに「飲めば?」と言うと、「ボトルじゃなきゃダメでしょ?」と首を振る。「グラスで飲めるんだよね」と銀髪、「ええ、大丈夫ですよ」と外山さん。

築地よりの鮮魚、シャラン産鴨、天草梅肉豚、仔牛、十勝産仔羊、熊本産馬。メインも悩ませてくれる。料理と接客に奮闘する古井さんのお奨めに従って仔羊の煮込みを頼んだ。料理を楽しみながらCさんの講釈を聞く。フランスワインだけかと思っていたら、イタリアワインにも詳しい。180種類ものイタリアワインがグラスで飲めるというから凄い。その中にCさんの好みのものも含まれるとあれば興奮するのも分かる。すっかりオリエーラを気に入ってしまったようだ。

帰り際にはシェフも挨拶に出てきてくれた。まだ開店して日も浅いが、これからが楽しみな店だ。頑張ってね。

オステリア・オリエーラ
東京都新宿区新宿3-7-5 2F
03-5379-1609

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2010年05月08日

[ピークバー](西新宿、パークハイアットホテル)

雰囲気はみんなで作りましょう


タクシーを降りるとホテルマンが迎えてくれる。大き目のエレベーターに乗るのはいつものように数人のみ。41階で降りると照明を落としたフロアの向こうに夜景が見える。迷わずピークバーに進む。思ったほど混んでなく、座ったのは夜景が真正面に見える一等席だと思ったのだが…

昔はこのホテルを定宿にしていた人に度々連れて来られた。バーテンダーもフロアのスタッフもすべて顔馴染みだったので、メニューにないシャンパンも開けてくれたものだ。以前のようにメニューを見ながら「これだけ?」と誘ってみたが、「ハイッ!」と答えてバーテンダーは他の客のところに行ってしまった。

今日はお腹が空いていた。ソーセージを頼み「グラスで飲めるワインは何かある?」と聞いたらメニューのワインのページを開いてくれた。特にお奨めもないらしい。アイラウイスキーを覚えたのはこのバーだった。カクテルも随分と教えてもらった。食事とワインなら他のワインバーを選んだ方が良かったようだ。

詰め物をした手羽先の唐揚げは美味しかった。しかし、メニューに載っている料理の種類は限られていた。白ワインを飲み終えて、赤ワインを選ぶために再びメニューをもらった。以前に比べると客の数も少ないがスタッフも少なく人間関係を作る暇はなさそうだ。

たまたまなのか客層も変わった気がする。我々の右には20歳前後の女性が2人居た。一人は煙草の煙を伝次郎先生のように吹き出すと、もみ消すこともなく灰皿に放置する。煙は銀髪を慕うように寄って来る。もう一人はおもむろに脱いだハイヒールを手にしてもてあそんでいる。

ピザも専門店で食べた方がいい。パークハイアットと言ってもここはバーなのだ。もう一杯赤ワインを頼んだ。今度はバーテンダーはメニューを持って行かなかった。もっとも、銀髪はラストオーダーを終えていた。

腹具合が落ち着いて、酔いも回って来たら、見えるのは美しい夜景のみになった。究極のマティーニで遊んだことを思い出した。あの時相手をしてくれたスタッフはどこに行ってしまったのだろうか。夜景は銀髪みたいなオヤジでもちょっとセンチメンタルな気分にさせてくれた。


ピーク・バー
東京都新宿区西新宿3-7-1 パークハイアット東京 41F
03-5323-3461

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2010年04月26日

[眞一館 本店](新宿歌舞伎町)

個室で銘柄和牛をリーズナブルに


昨年末、眞一館で食べるつもりで来たが、予約していなかったので入れなかった。今回は他の店にいくつもりで眞一館の前を通り、遊び半分で覗いてみたら入れた。運不運は客だけのものではない。待つ側の客商売は大変だ。

最初に来たのはサンチュ、次がナムル7種盛合せ。見た目はもやしが2つ、ほうれん草が3つで?と思ったがそれぞれ違う素材のようだ。怒って呼び鈴を押さなくて良かった。すべて個室なので店内の全体像は分からないが、ほぼ全室埋っているようだ。

眞一館で一番のお奨めはスペシャルタン塩らしい。5切れで3,045円は高いか安いか。分厚く柔らかい。游玄亭なら倍以上取られることを考えれば、割安に思える。

銘柄和牛の雌一頭買いを謳うだけあって、盛合せの種類が豊富だ。メニューを繰っていくと松阪牛盛合せのページに目が止まった。松阪牛2人前(4,600円)を頼んだ。「そんなに量はありませんよ」と店の女性が期待を持たせなかったお陰で、かなり立派に思えた。固体識別番号の札が輝く。

内臓類はセンマイ、レバー、ハツ、ギアラ、ホルモン、丸ホルモンの6種盛合せを頼んだ。1,890円は悪くない。塩とタレを選べるが、特に要求しなければ聞かれることもなく、タレが出て来た。そういえば瓶ビールも数種類あるのに、要求しなければスーパードライが出て来る。素っ気無いサービスも個室なので意外と気にならない。客は勝手に楽しめばいいのだ。

肉質を考えればリーズナブル、ケジャンやキムチも本格的、しかもすべて個室。炭は安価なおが炭ではない。もちろんガスではない。一見したところ古臭いイメージの店だが、意外としっかりポイントは抑えている。栄枯盛衰が激しい歌舞伎町の焼肉・韓国料理屋の中で逞しく生きる秘訣は「地道」ということだろうか。

眞一館 新宿本店
東京都新宿区歌舞伎町2-28-13
03-3209-8426
http://www.shinichikan.com/

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2010年04月20日

[いちりん](新宿)

初めての雲丹しゃぶしゃぶ


ぐるなびを見ると「新宿からのタクシー代負担します」と書いてある。大好きなヴィンチェロほどではないが、いちりんも新宿の繁華街から外れたところにある。予約なしで行った。空いているカウンターに案内されるかと思ったら、時間限定で地下の部屋に通された。

店員の応対がとても丁寧だ。いい店の条件は半分満たされたようなものだ。コース料理を食べるべきのようだが、時間が限られるので定番メニューの最初にある逸品料理を食べることにした。

お通し(生しらす、いかの塩辛)の後に、アボガドとジャガイモの明太子サラダがやってきた。サラダの上に乗っているのは何だろう? 隣席に料理を運んで1階に戻ろうとする店員をつかまえた。細く切った湯葉を揚げたものだとのこと。面白い。

すぐに看板料理に入る。雲丹のしゃぶしゃぶとは珍しい。当然のことながら雲丹も鯛もイカも刺身で食べられる。雲丹を生のまま口に入れた。鍋に入れるのがもったいない。しかし、それでは創作料理を食べたことにならない。

味醂が入っているのでちょっと甘い。雲丹の風味が溶け込んでいるスープに野菜を入れ、鯛やイカをしゃぶしゃぶして食べる。「他で同じような鍋があったら教えてください」と言う店員もどこか誇らし気だ。

一人前を追加した。今度はホタテやタコが入っている。「同じものでは飽きると思って…」と気が利いている。ビールのうすはりグラスも感心したが、錫の徳利とお猪口も洒落ている。店主のこだわりや心意気が伝わってくる。

最後は雑炊で〆た。勘定を払い、1階に上がるとカウンターも満席。実はカウンター席から予約が埋ると言う。次回は予約をして来よう。店主との会話も楽しいに違いない。

いちりん
東京都新宿区新宿5-12-1
03-3358-9774
http://www.ichirin.com

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2010年04月13日

[エスパーニャ](新宿)

バレンシアスタイルのパエリア?


新宿駅南口を出て甲州街道を下っていると、ちょうど目の高さにエスパーニャの看板が目に入った。即断、即決、久し振りのスペイン料理も悪くない。

1975年に開店した老舗スペイン料理屋の店内はアンダルシア地方の民家を模したものらしい。スペインに行ったことはないが、オーストラリアでしばしば訪れた大衆スペイン料理屋に似ていて危機感を感じた。大勢の客でごった返しているのに店員は少なく忙しすぎる。早くオーダーしなければ、食事にありつけそうもない。

サラダ、スパニッシュオムレツ、〆にすべきパエリアも頼んだ。腹具合と相談しながら追加オーダーをするのは危険だ。もともとスペインは昼寝の習慣があったほどだらだらと夜を過ごす。南米のコロンビアに駐在していた両親が、パーティーで食事にありついたのは午前零時だったとよく嘆いていた。

予想通り、最初の料理が出て来るまで時間がかかった。しかし、時間を置かずに全ての料理が揃った。量的には適当で、追加オーダーの必要はなさそうだ。自画自賛した。

店内はアンダルシア地方なのに、パエリアはなぜがバレンシアスタイル。不思議に思いながら食べた。どこがバレンシアスタイルなのか分からない。具に特徴があるのだろうか。なかなか美味しいが、米は水分をしっかり吸っておじやのようだ。忙しくて失敗したのかなと思いながら食べ切った。

家に帰って調べてみた。もともとパエリアはバレンシア地方が発祥らしい。パエリアはスパゲティのアルデンテのように米の芯を残すものと信じていたが、本家本元バレンシアでは芯を残さないように炊くという。バレンシアスタイルとは炊き方だったのかと思った。

アルデンテが日本に浸透したのは30年ぐらい前のこと。パエリアも時代によって好みが変わったのかもしれない。エスパーニャのパエリアを出来損ないと切って捨てる客も多いだろう。店員があまりに忙しそうで「バレンシアスタイルってどういうこと?」と聞けなかったことが残念だった。


エスパーニャ
東京都渋谷区代々木2-10-10 東京プラザビル 3F
03-3379-1159
http://www.a-mall.co.jp/espana/

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2010年03月30日

[鳥焼処 車屋](新宿三丁目)

車屋のやきとり店


以前、何度か7時過ぎに入ろうとしたがいつも満席どころか行列が出来ていた。雨に日の月曜日、まだ6時を回ったばかり。絶好のチャンスと思った。階段を下りてドアを開く。客はまだまばらで、どこに座るかの選択権すらある。奥のおでん鍋の前に陣取った。

お通し、ほたるいか

焼き鳥は1本から頼めるので色んな味を楽しめる。「塩とタレのどちらにしますか?」と聞かないところが老舗らしい。さすがに安定感がある焼き鳥(この店では鳥焼という)である。

レバー、ささみ、せせり、ぼんちり

つくね、はさみ(ネギマ)、ハツ

手羽先、砂肝、皮、なんこつ、黒豚串焼きなどもあるが、やはり車屋特製串を食べるべきだろう。冷やしトマトで口の中をさっぱりさせた後に、椎茸つみれ、しそ巻き、アスパラロールを食べた。女性に人気のシリーズである。

最後におでんを数品頼むつもりが、お腹はほぼ一杯になってしまった。せっかくおでん鍋の前に座ったのに残念だ。それでも1時間半近くが経っている。席を立つ頃には満席になっていた。

車屋は割烹や洋食、鉄板焼きなど多店舗を擁する老舗料理屋。鳥焼処は気軽に入れる店である。料理は安心して食べられる反面、冒険家には面白味に欠ける。いつも満席の店にとっては奇をてらう必要はないのかもしれない。


鳥焼処 車屋
東京都新宿区新宿3-21-1 車屋別館B1
03-3352-5565
http://www.kuruma-ya.co.jp/toriyaki_dokoro/index.html

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2010年03月28日

[サルバトーレ・クオモ 四谷店](四谷)

ナポリピッツァをチェーン店で


日本で最も有名なイタリア人の料理人はサルバトーレ・クオモ氏ではないだろうか。ナポリピッツァを日本に広めた功労者ということになっている。もともとピザはナポリに起源があるらしいが、日本では喫茶店で食べるピザやアメリカのクリスピータイプが主流だった。銀髪も日本橋のウノで初めてナポリタイプのピザを食べたのがわずか4年前のことである。

四谷を歩いていてサルバトーレ・クオモを見つけた。有名なピッツァを食べられると思い迷わず店に入った。

ちょっと塩辛い。周りを見ると客も店員も料理人も若者ばかりである。50を超えたおっさんとは味覚が異なるのかもしれない。ビールやワインと一緒に食べれば問題ないと思うが、水だけではきつい。

スパゲティは他の店と味比べが出来るぺペロンチーノを食べたかった。しかし「メニューにあるものしか出来ません」と店の女性はまったく相手にしてくれない。サルバトーレ・クオモはまるでチェーン店のようだった。

帰って調べてみるとサルバトーレ・クオモという店は全国で48店舗もある。まさにチェーン店であると知って驚いた。宅配までやっている。他の名前の店も含めてクオモ氏系列の店はいったい何店あるのだろうか。そのうち、シェーキーズやピザハットを抜いてしまうかもしれない。

クオモさんは凄い人である。


サルバトーレ・クオモ 四谷店
東京都新宿区四谷1-24 三井ガーデンホテル四谷1F
03-3355-7765
http://www.salvatore.jp/restaurant/yotsuya.html

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2010年03月24日

[多奈何](西新宿)

心地よい接客


先日、新宿三丁目のせいちゃんで串カツを食べたばかり。串揚げ屋のイメージはリーズナブルで外れがないということである。多奈何の前に立った。せいちゃんほど気楽ではないが、銀座の六覺燈ほど高級でもなさそうだ。凝った店名を見てちょっと期待した。

ドアを開けるとほぼ満席。カウンターの中の店主らしき人が申し訳なさそうに言う。「座敷なら入れますが…」と言われて素直に頷いた。掘り炬燵式でないのはちょっと辛いが、我が侭を言えば串揚げは食べられない。

お通しと串揚げの間に若竹煮を頼んだ。他にも選択肢はあったがやはり今の時期は筍がいい。店構えから想像したとおり、日本料理もきちんと出来る店のようだ。若竹煮を食べ終わる頃、串揚げが始まる合図のようにスティック野菜がやって来た。

海老はちゃんと頭も揚げてくれた。どの串も工夫がされていて面白い。何より料理を運んでくれる若い女性の応対が気持ちよい。時折顔を出す中国語訛りの娘も可愛い。

糸こんにゃく、おくらチーズ、みょうがなど、変り種の串揚げがたくさんある。男性2人、女性1人のグループが座敷に入って来た。常連さんと思われる男性が、店の自慢をしている。もっとも、彼らで満杯になったためか、料理が来るスピードは明らかに鈍ってきた。


勘定を頼むと、店主が勘定書を座敷まで持って来た。一等席のカウンターでなかったことや料理の進行が送れたことを詫びる。店を出ようとすると、再び店主がカウンターの中から頭を下げた。この店主なら従業員の応対が気持ちいいのも当たり前か。

今度は予約してカウンターで食べよう。きっと今日以上に楽しいはずだ。


多奈何
東京都新宿区西新宿1-14-5 新和ビル1F
03-3343-6672


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2010年03月18日

[せいちゃん](新宿三丁目)

たこ焼きアッツッツ


右にカウンター、左にテーブル席がある小さな店。狭くて急な階段を3階まで上って断られたらショックだったが、銀髪の行いは悪くはなかったようだ。テーブル上の筒に入ったオーダーシートに食べたい串カツをチェックした。関西風を謳うせいちゃんでは串揚げではなく串カツである。

串カツの最高値は400円だが80円~100円で26種類もある。ちょっと見栄を張って150円の豚チーズ、アスパラを頼んだ。サービスのキャベツを食べていたら、すぐに揚がってきた。

次にやって来たのはせいちゃんサラダ(グリーンサラダ)。数量限定の和牛ホルモン煮込みは600円とこの店ではもっとも高い料理。我々が最年長なのも頷ける。

150円のイワシ、キス、大見得を張って300円のカキを追加した。名物という牛串カツは80円。値段に見合った大きさと質でも牛肉に違いはない。

今日のメインはたこ焼き。だし汁が出て来たので明石焼きかと疑った。ゲタに乗ってくるところも明石焼き風だが見た目はたこ焼き。何はともあれ食べてみよう。丸ごと口の中に放り込んだ。中はトロトロの熱々で危険が一杯。口の中で転がしながら、冷めるのを待った。噛み割ると熱いのなんのって。銀髪の表情を見て連れが腹を抱えた。彼はだし汁で冷ましながら食べた。

小龍包も火傷覚悟で食べるのが大好きだが、たこ焼きでは無謀だった。口の中が部分的にただれただけで済んだのは幸運だった。
せいちゃんのたこ焼きは明石焼きとは別物。しかし、一般的な大阪のたこ焼きとも違う。そのまま食べても味があるし、だし汁につけて食べても悪くない。

48種類の中から食べた串カツはわずか6種類。おでんも食べ損なった。次は違ったものを食べてみよう。たこ焼きだけは、もう一度食べる価値がある。

せいちゃん
東京都新宿区新宿3-10-1 3F
03-6457-4197

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2010年03月09日

[MARUGO マルゴー]③(新宿三丁目)

マルゴーの日


2年位前までは、フレンチやイタリアンの時は必ずワインをボトルで頼んでいた。よく飲む相手なら1本では足らず、そうでないなら飲み過ぎた。どのみち食前酒を飲み、食後酒、2軒目へと続いたのだから。一人で1本飲むのはしんどい。今は人数が揃わなければボトルを頼むことはない。グラスだと料理によってワインを変えることが出来るし、飲みすぎることはない。

ところがグラスで飲めるのは赤白2~3種類しか用意していない店が多い。高級ワインをグラス売りするところはないに等しい。開栓したら飲み切らなければ劣化するので、店を責めるわけにはいかない。

再びマルゴーにやってきた。マルゴーではグラスワインを約20種類から選ぶことが出来る。カウンターで久保さんに教えてもらいながらワインを飲むのが気に入っている。連れが久保さんと意見を交わすのを聞くのも楽しい。ワイン通の人が質問すると、久保さんの知識の豊富さが分かる。無知を自認している銀髪は何を尋ねても恥ずかしくない。

銀髪の役目はワインに合いそうな料理を選ぶことぐらい。マルゴーのキッチンは安アパートの炊事場みたいに粗末なものだが、出て来る料理は立派なものだ。岩中豚のソテーは美味しかった。後はチーズなど簡単なつまみを頼んでワインを飲むことにした。

グラスワインを飲める店のナンバー1は銀髪の知る限り常時約80種類の品揃えを誇る赤坂サカスのコート・ド・ルージュである。銀座マキシムの支店にもかかわらず、リーズナブルに飲めるものも多い。もちろん、ロマネ・コンティ 2004年(グラス90cc:119,700円、ボトル945,000円)、シャトー・ペトリュス 1998年(グラス:37,800円、ボトル315,000円)などの高級ワインもある。

マルゴーでも高級ワインをグラスで飲める日がある。殆ど仕入れ値で提供する感謝デーである。店名に因んで毎月5日がその日。3月5日はシャトーマルゴーが開けられた。二の足を踏むようなら、久保さんに頼めば手頃なワインを開けてくれるはずだ。

彼女にいいところを見せようと思うのなら5日に行けばいい。逆にリスクを取りたくなければ、5日は避ける方が無難だ。

MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/

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2010年03月01日

[和](新宿歌舞伎町)

たしかに和める店


「ここでいいんじゃないですか?」こちらの懐を察してくれたのか大衆的な店を指し示す。奮発して格好つけようという思いはすぐに消えた。素直に好意は受け容れた方がいい。

階段を下りて店内を覗くと思ったよりも小さな店だった。入れるか不安だったが、焼き場にいた店主がすぐに若い店員を呼んだので安心した。空いていたのがラッキーなのか、空いていて当然なのか、答えはすぐに出る。

お通し、白レバー

串焼きは1本から頼める。最初に来たのは白レバー。悪くない。続けてセセリ、もも焼き、ぼんじり、つくね。空いていたのはラッキーだった。店員はアルバイト風の若者。品が良く優しい顔をしている。チェーン店のようなオーダー端末機を持っていないのが賢く見えるから不思議だ。

それにしても最近は焼き鳥の水準が高くなったと思う。地鶏を使っている店も多い。白レバーも珍しくはなくなった。不思議に思って調べてみるとやはり鶏肉の輸入は減っている。減り始めたのが地鶏ブームの始まりと一致して思えるが定かではない。鳥インフルエンザ以降に顕著になってきたのは間違いないようだ。

約35年前、大学の学園祭で焼き鳥屋をやった。同級生が肉屋の息子で、タイ産の冷凍焼き鳥を卸してもらった。今も同じようなことをやっているのだろうか。安いからといって飛びついたらがっかりする。祭りの雰囲気の中では美味しいと思えるかもしれないけれど。

牛すじ煮込み

和で一番気に入ったのは牛すじ煮込み。大きく「名物」と書いてもいいような逸品だった。プチトマトが入っている煮込みはイタリアンやフレンチと言ってもおかしくない代物だ。フランスパンでもあればご機嫌だが、それで腹一杯になってもらったら困るのかもしれない。

なかなかいい店だった。小さいながらも居心地がいい。いや、小さい店だからこそ落ち着くのかもしれない。主人が一人、店員が一人、それに見合った数の客。身の丈を知っている店はそれほど多くはない。


東京都新宿区歌舞伎町1-8-4 良川ビルⅣ地下1階
03-3209-9119


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2010年02月24日

[近江源氏](新宿歌舞伎町)

凄い肉


「すき焼きが食べたい!」不思議なもので甘いというだけの理由で酒呑みが食べてはいけないような気がしていたすき焼きも、50歳を超えてから時々食べたいと思うようになってきた。ネットで検索した中で最も気を引かれたのが「関西風」を謳う近江源氏だった。

西武新宿線寄りのバッティングセンターの近く、外観は立派なホームページからは予想できなかったもの。三大和牛の一つとも言われる近江牛の一番高いすき焼き(花)が8400円ということを考えれば納得できる。源助の名前で新宿に店を開いて40年、今の地に移転して改名してから16年の老舗である。

個室に入り、すき焼きセットだけの「花」をオーダーする。鍋奉行を務めてくれる仲居さんが持って来た牛肉を見てビックリした。美しい霜降りとは言えない雪のような肉。肉のランクを落としてもらおうかと思ったが許してはもらえないだろう。

仲居さんは大分出身とのこと。銀髪は子供時代を福岡で過ごした。九州のすき焼きも割り下を使わない関西風だ。仲居さんがザラメを肉に振りかけ、酒と味醂を注ぐ。暇な銀髪は冗談を言う係を請け負った。仲居さんが笑った大口を品良く隠したところで肉が焼けた。

火を通すと全部溶けてなくなってしまうのではないかと心配したが、スーッと綺麗な肉の色に変わった。思ったほどの脂ではい。柔らかくて美味しい肉だった。12月には優秀賞受賞牛を仕入れ、テレビで梅宮辰夫が絶賛したことがあるという近江源氏である。心配は無用だった。

2個目の卵が余ったのでカルボナーラ風のうどんになった。それほどたくさん食べたとは思わなかったが、お腹は一杯になっていた。デザートのきな粉のアイスクリームもユニークで面白かった。

脂が多い肉はあまり食べられなくなった。「一番下の雪(4,200円)でも充分ですよね」と言うと仲居さんは同意してくれた。店の人たちはみんな年配者ばかり。銀髪の気持ちを分かってくれる優しい人たちだった。


近江源氏
東京都新宿区歌舞伎町2-39-8 ダーマビル1F
03-5272-2850
http://r.tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13009106/

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2010年02月17日

[マルゴー]②(新宿3丁目)

新宿で1番好きなワインバー


昨日書いたタブリエのソムリエさんからコメントを頂いた。困惑させて申し訳なかったが、さすがにソムリエだけあって姿勢が素晴らしい。是非再訪したいと思う。赤坂のコール・ド・ルージュ、四谷のサッカヴァン、新宿三丁目のマルゴーなどと並ぶお気に入りになるかもしれない。まずはマルゴーを再訪した。

「覚えてる?」前回と同じカウンターの一番奥に座って久保さんに声をかけた。「もちろんです」と期待していた通りの答。これで気分が良くなるのだから我ながら困ったものだ。左の白板にはグラスで飲めるワインが赤・白合計で約20種類書いてある。

ビールで喉の渇きを癒やしたら、さあワインだ。「お奨めは?」と聞くとリースニングの白ワインがいいと久保さんが推す。「甘くないの?」と訝ると、「フランス産ですから辛口です」と言う。騙されたつもりで飲んでみるとなるほど甘口ではない。リースニング=ドイツ産=甘いと信じていたが、フランスのアルザス産リースニングは目からうろこだった。

久保さんがワインのことをあれこれ教えてくれるので楽しい。ハムの盛合せで白ワインを飲み、野菜のフリットには赤ワインを合わせた。

メニューにないぺペロンチーノを「オリープオイル多目にね」と作ってもらった。「しょうこうしゅが効いているね」と連れがぺペロンチーノを絶賛する。「紹興酒は入ってないだろう」銀髪より味覚が敏感な人ではあるが、これには同意できない。シェフに聞いてみるとやはり銀髪の方が正しい。正そうとすると「塩、胡椒と言ったんだ!」と反論されて絶句した。昔「スープ or サラダ」を「スーパーサラダ」と聞き間違えたことを思い出した。

砂肝とレバーの煮込みも満足した。これを食べ終わってもグラスには赤ワインがたっぷり残っている。時節柄、チョコレートを食べることにした。今年はバレンタインデーが日曜だったのでホッとした人も多いだろう。マスコミも煽るようなことをしないで、もらえない人の悲哀を考えてあげるべきだ。

恨み節はともかく、マルゴーは今日も楽しかった。


MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/

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2010年02月09日

[安芸路 酔心](新宿三丁目)

造り酒屋とは無関係?


東京駅八重洲地下街の季彩膳 酔心に行ったばかりだけどなー」と思いながら店の前に置かれたメニューを見た。東京駅と違って牡蠣料理がたくさんあるのに興味を引かれた。しかし、なんだか妙な違和感がある。

お奨めに従って3,150円のかきセットを頼んだ。「お通しを持ってきますか?」と言うので「断れるの?」と聞き返した。お通しの押し売りがないなんて美人の店員が女神に見える。セットの他に生牡蠣だけ追加した。

日本酒のメニューを見ると新潟県や石川県の酒もある。「酔心だけじゃないんだ」と聞くと、「うちは酒屋さんとは関係ないんです」とのこと。謎は解けた。それでも東京駅の店主を思い出しながら、酔心の日本酒を頼んだ。

カキフライは3種類の味付けがしてあって面白い。たたきは焼いてあるのかと思ったが、竜田揚げのようだ。殻の表面を見て疑問が湧いた。「牡蠣は殻つきで来るの?それとも剥き身?」再び女神に質問する。「生牡蠣以外は瞬間冷凍して運ばれてきます」とのこと。やはり、器専門の殻だったようだ。

久し振りの土手焼である。だしで溶いた味噌が鍋の内側にぬられている。水は入ってないので焦げないか心配したが、時々女神が見回りに来てくれるので安心だ。食べ頃になったときには焦げる心配は杞憂であることが分かった。

最後の雑炊にも牡蠣が2個入っていた。生1個、フライ3個、たたき3個、土手焼に約10個、雑炊2個、合計で一人20個前後の牡蠣を食べたことになる。どの料理も美味しかった。それでも20個となるとさすがに食べ疲れた。

子供の頃、食べ盛りの頃は鍋となると奪い合って食べたものだ。最近では齢のせいか、健康やメタボを気にして野菜がよく売れる。肉が余ることもしばしばである。牡蠣の鍋なら心配はいらないと思うが、腹が一杯になって量を受け付けない。齢は取りたくないものである。

安芸路 酔心 新宿店
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館地下1階
03-3352-8721 
http://www.akiji.co.jp/

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2010年02月03日

[スティモーロ Stimolo](市谷)

若く楽しいイタリアン


以前新宿の店で知り合った乾さんからグルメ紀行にコメントをもらって居ても立ってもいられなくなった。新しい店に移ったのだ。行かねばなるまい。

笑顔で迎えられた。乾さんと会うのは2度目なのに旧知の仲のようだ。思ったよりきれいで立派な店は居抜きで借りられたというからラッキーだ。豚、牛、羊、鹿、鴨、魚、メインにする素材の中からお奨めのSPF豚を選んで、それに合わせて他の料理は任せることにした。若き熊谷シェフの腕の見せ所である。

かんぱちのカルパッチョ、新鮮野菜のバーニャカウダソース、色んな部位のテリーヌ、トリッパが大皿に少しずつ盛られている。分厚く切ったかんぱちが斬新だ。
キッチンから可愛い女性が挨拶に来た。なんとウーゴでカウンターに座っていた女性の一人という。縁あってスティモロで働くことになったそうだ。銀髪を覚えていたとは嬉しい限りだった。

タラの白子のポワレも斬新な一品。フレンチレストランで何度か食べたことがある羊の脳の料理を思い出した。食感が似ているので、フランス料理のレシピを参考にしたのだろうか。
「評判がいいんですよ」と出された自家製パスタ・タリオリー二は納得のお味。シェフ自慢の定番料理になっているようだ。

メインは埼玉県松村さんのSPF豚。生でも食べられる無菌豚だそうだ。脂身も美味しい豚だった。連れはデザートにショコラを選んだ。銀髪はデザートを断り、グラッパを頼む。「ソムリエではなくノムリエです」と笑う男性が、3種類のグラッパを並べてくれた。同じメーカーのすべて2001年産だが味比べをすると微妙に違って面白かった。

定番の料理はどれも美味しい。独創的な料理には銀髪の意見を言わせてもらった。連れがハラハラしているが、乾さんたちは笑顔で聞いている。料理道まっしぐらの若きシェフは、多くの客たちのアドバイスを得て、熊谷スペシャルというべき逸品を完成してくれるだろう。

乾さんをはじめスティモロのスタッフたちは実に話しやすい。和気あいあいで食事ができる店である。素材、料理法、ワイン、グラッパなど様々な話をしてくれる。最後に乾さん秘蔵のグラッパをご馳走になった。滅茶苦茶楽しい夕餉であった。


スティモロ Stimolo
東京都新宿区市谷本村町2-19 BSSビル1F
03-3260-2410
http://www.stimolo.jp/

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2010年01月27日

[味楽亭](新宿歌舞伎町)

今では変わった焼肉


約10年振りの訪問だった。人間の記憶は、いや、銀髪の記憶はなんと頼りないものだろう。メニューを何度も繰った。料理だけでなく、飲み物の種類も少ない。今ではどの焼肉屋でも置いてあるマッコリもないのに驚いた。

野菜類はサンチュ、ナムル、キムチぐらいしかない。取りあえず、サンチュとナムルを頼んだ。肉の質を知るためにレバ刺し、他店と比較しやすい牛タン塩、それからロース、カルビなどの肉を選んだ。

「塩、こしょうは自分でやってください」とまだ凍って、くるまったままのタンがテーブルに置かれた。もっと驚いたのはレバ刺しのはずがタレにまみれたレバーが出てきたこと。若い不慣れな韓国人店員の間違いかと思ったら「うちは刺身は置いてないんですよ」と店主らしき人が言う。後ろの客の注文にも「クッパはありません」と答えている。メニューに書いてあるものがないとは経営が変わったのかもしれない。

どの焼肉も赤いタレで覆われている。どの写真も一緒に見えるのでパチパチは止めて食べることに専念した。何枚か食べているうちに徐々に思い出してきた。この店の特徴は赤いタレだったのだ。好みによって辛さを調節してくれる。10年前に赤坂で焼肉を食べれば、似たようなタレを使う店がたくさんあった。このタレをつけて焼いたウナギの蒲焼は面白かった。

カルビを焼いたら炎が舞い上がった。すかさず店主が氷を持って来て火を消す。七輪の窓を閉めて、火力の調節方法を教えてくれたのには苦笑するしかなかった。子供の頃は七輪は各家庭の必需品だった。七輪の構造を熟知していたはずなのに、火の勢いに慌ててしまった。

記憶が甦るにつれ、当初の失望感は和らいでいった。時代と共に焼肉屋の業界も変貌し続けている。今や醤油ダレにつけた焼肉ではなく、塩焼きの焼肉が主流である。ましてコチジャンベースの赤いタレの焼肉は殆ど見なくなった。

味楽亭を他店と比較するのは馬鹿げている。これはこれで魅力的な焼肉だと言えるかもしれない。

味楽亭
東京都新宿区歌舞伎町2-23-10
03-3200-1919

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2010年01月21日

[そして…はなまる](新宿3丁目)

焼き鳥は美味しかったけれど


靖国通りの角に立った瞬間決めた。週末の夜、予約もしていないのに躊躇してはいけない。インスピレーションに従うべきだ。階段を降りて店に入るとまだ空席が目立つ。キッチン近くに集まった店員たちは忙しそうでこちらを向いてくれない。右を見たら誰かがこちらを向いて立っていた。店員と思い、手を上げて一言発したところで鏡に映った自分だと気が付いた。そっと手を下ろし、誰にも見られなかったことを確認した。

お通し、日本酒

「大根おろしは醤油を数滴垂らして…」と食べ方をメニューで教えてくれる。ビールが来たところでカップルが1組入ってきた。予約席を除いて全て席は埋った。空席が多く見えたのも鏡のせい。銀髪の決断は正しかった。トボトボ階段を引き返す人が多い。洒落た日本酒の器を見て、ますます自分を褒めた。

白レバー、身、ネギマ、つくね、砂肝、ハツ

殆どの串焼きは1本~なので、メニューの上から順番にオーダーした。つくね以外は塩焼きにしてもらい、柚子胡椒をつけて食べた。もちろんMy唐辛子も活躍する。満足、満足。

ナンコツ、皮、ささみわさび、はつもと、ぼんじり

予約席も一杯になった頃から連れが「煙い」と目を押さえ始めた。銀髪の決断に汚点をつけたくないので「気のせい」と我慢を強いた。銀髪も目を押さえた数分後、突然火災報知器のベルがけたたましい音を立て始めた。しかし、店員も客もまったく慌てる素振りを見せない。

牛タン串、トマトサラダ

逃げようかとも思ったが、数人が階段を降りてきては満席と断られて帰っていくのを見て留まることにした。トマトサラダがまだ残っている。5分以上も鳴り響き、ベルはようやく疲れ果てたようだ。勘定を頼むと卓上のポットの鳥スープを飲むように奨められた。

「6階が原因だったらしいです」と店員が言い訳した。人気の店にうまく入れたことよりもスプリンクラーが作動してずぶ濡れにならなかったことがラッキーに思えた。連れは怒っているかと思ったら、「味は良かったよ」と慰めてくれた。

そして…はなまる
東京都新宿区新宿3-14-22 小川ビル B1F
03-3353-3028


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2010年01月12日

[MARUGO マルゴー](新宿三丁目)

気取らないでも大丈夫


「エッ!ここがマルゴーなの?」驚く銀髪に我々の相手をしてくれた久保さんが「2店目がマルゴーⅡで、3店目が一番大きなマルゴーグランデです」と続ける。確かにどのチェーン店も1店目が古くみすぼらしく、儲かるに従って大きな支店を作る。

当然のことながら1号店がマルゴーである。どの店もワインバーであるが、扱うものはマルゴーがフランス産、マルゴーⅡが新世界、マルゴーグランデがイタリア産を主に扱っているそうだ。もっとも3店は近いので、他の店のワインセラーから数分でボトルが届けられる。

キッチンは狭くて本格的な料理ができるとは思えない。その代わり、融通はきかせてくれる。バーニャカウダとチーズフォンデュを食べたいと言うと、野菜はかぶらないようにしてくれた。二つの料理の間のお奨めは牛トリッパと白インゲン豆の煮込みだった。700円とは良心的だ。

ワインバーだけにグラスでも選択肢は多く、1,000円未満のリーズナブルなワインが主流なので安心である。しかし、「シャトーマルゴーやシャトー・ぺトリュスはあるの?」なんて馬鹿にしてはいけない。久保さんに聞くと、他の店に電話をして確認し始めた。もちろん確認するのは在庫があるかなしかではなく何年産があるかである。

さすがにシャトーマルゴーやシャトー・ぺトリュスのグラス売りはないが、1本10万円程度のワインをグラス売りするかどうかは久保さんが決断できるようだ。彼女の前だからといって、ワイン通のように振る舞うべきではない。「〇〇をグラスで飲めたら頼むんだけどなー」なんて言おうものなら、久保さんが「いいですよ、開けましょうか?」と答えるのである。

本当に高級ワインを飲むつもりなら、マルゴーはいい店である。他の店より安く飲めるのは間違いない。しかし、出来ればワインに深入りしたくはない。久保さんとのワイン談義で満足すべきである。彼は決して高級ワインを無理強いすることはない。

リーズナブルな食事とワインでも充分である。「あなたと一緒なら、高級ワインなんていらないわ」と言ってくれる人が隣にいてくれたら…


MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/

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2010年01月06日

[はじめ屋](新宿歌舞伎町)

緑のちょうちん


屋台に毛がはえたような店のガラス窓の向こうで老若男女が盛り上がっている。窮屈そうなのでその店は避けようと思った。角を曲がったところに緑のちょちんがぶら下がった店を発見。国産素材を50%以上使っている安心な店のようだ。

扉を開けると満席のように見えるが店員は席に案内してくれると言う。店のどん詰まりで左折、配膳場所のような狭い通路を抜けるとカウンター中心の空間があった。なんとそこは避けたはずの屋台に毛がはえたような場所だった。

コートは壁にかけず、丸めて足元に置いた。煙がもうもうとして目が痛い。何かあったらガラス窓を蹴破ればいいやと覚悟を決めた。メニューを見て料金が安心なのに救われた気になる。道行く人を観察しながらお通しのキャベツ口に入れる。向こうにとってはこちらが動物園の檻の中かもしれない。

見事な焼き鳥に目をみはった。砂肝も一串にたくさん刺さっている。160円とは思えない。客がたくさん入っているのも分かる気がする。多少の煙は我慢する価値がある。

お奨めの特製朝挽もも串が焼き鳥の中では一番高い250円だけのことはある。立派な元祖皮串は100円とは泣けてくる。決して煙のせいだけではない。

看板の牛すじ煮込みはコラーゲンたっぷりプリプリしている。連れはこれを脂と見限った。取り皿の隅に放置されたコラーゲンが恨めしげに銀髪を見ているような気になるが、ヒンシュクを買いそうなので食べるわけにはいかない。串揚げの盛合せも衣が脱がされて可愛そうだ。まったくもって今日の連れは残酷である。

ふと気が付くと煙たくなくなっていた。二巡目の客に入れ替わる頃合いになったのかもしれない。新規の客が焼き鳥を頼み始めるまで、しばし焼き場は暇になる。名代焼き餃子を食べようか迷ったが、ホッピーで膨らんだ腹に余裕はなかった。

狭い通路を抜け、残った客たちの幸運を祈りつつ、無事に店を出た。こだわりの串焼きはなかなか良かった。角を曲がり、我々が居た部屋を覗き見た。今度はこちらが観察されている。いや、観察しているのは我々のはず。ウーン、マァ、いいか


はじめ屋
東京都新宿区歌舞伎町1-26-7
03-3200-0123

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2009年12月28日

[和味 りん]③(新宿)

直送で鮮


今年も初めて行った店が300軒ほどある。しかし自らの意思で複数回行った店は僅かしかない。銀座の座屋、三軒茶屋のどぶろく一心、そして和味りんなど。この3店に共通するキーワードは産地直送である。

クリスマス特別料金で稼ごうとするフレンチやイタリアンを避ける懸命な客たちで店は混みあっていた。「今日は暇だと思ったんですがね」と店主が苦笑いする。「俺はキリスト教じゃないからね」と銀髪も笑う。サンタクロースを待つ齢ではなく、サンタクロースになる必要もなくなった。

いつものことではあるけれど、今回はいつも以上にメニューを見る必要はなかった。目の前を通り過ぎる料理、まな板を上り下りする魚たち、それらを見れば頼むものは決まってくる。見えない素材はお奨めに従う。「いい、鮟鱇が入ってますよ。肝はどうですか?」「いいよ、それもらおうか」

「あのマグロは美味そうだね。寒ブリもまぜてもらおうか」注文どおりの刺身盛合せがやってきた。思ったとおり凄まじく美味い。一緒に乗ってきたサワラの焼き霜、肝を抱いたカワハギもいい。脂が乗った魚ばかりでわさびが足りない

この日のハイライトはキンキ。店主が丸々と太った10匹ぐらいのキンキをまな板に乗せた。見た目の良さそうなものを数匹選び、次に両手で重さを比べながら選別している。銀髪たちにいいものを食べさせようという気持ちが伝わってきて嬉しい。

身が厚いキンキは遠火で時間をかけて焼かれる。待っている間に自家製のからすみを出してくれた。「もう少し熟成した方が美味しいんですが」と控えめだ。

立派なキンキの塩焼きがやってきた。「高級魚だよね」ちょっと財布の心配をすると「根室から直送してますから他より安く出せるんですよ」と安心させてくれる。りんで出されたものは大間のマグロ、氷見のブリ、茨城のアンコウ、岡山のサワラなどブランド化したものではない。しかし懇意にしている全国の業者から高品質のものを直送してもらっているからどれも美味い。直送に加え、ブランド料が上乗せされていないのでリーズナブルに食べられる。

ブランド服飾品には無関心の銀髪だが、食べ物にはブランド志向を消せないでいた。そろそろ自分の舌を信じてもいいのかもしれない。りんが教えてくれた。


和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 地下1階
03-3205-7252
http://www.wami-rin.com


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2009年12月25日

[とん豚テジ](新宿歌舞伎町)

優しい韓国人


テレビなどで美味しい肉料理の店と紹介されたことも知らないで、なんとなく良さそうに見えたので飛び込んだ。テーブル席の間を抜けて右側にある座敷席の奥に案内された。左隣で4人が盛り上がっており、座席の間に座った店員が一生懸命調理している。彼を突き飛ばすか、テーブルを跨ぐかしなければ席に辿り着けない。やっと座って他の店員を待ったが来る気配がない。諦めて立ち上がった。

靴を履くと店員が飛んできた。「足が悪いので座敷はきついんだ」と掘り炬燵式でないことを理由に店を出ることを告げると、テーブル席に移ってはどうかと言う。言い訳がきかなくなったので留まる事にした。テーブル席は快適そうだ。

「あなたは韓国の人?」と聞いたら店の経営者も含めて全員が韓国人と言う。お通しが並んだ。キムチはともかく沢庵とキンピラは美味しくない。「ここで作ったの?」と聞いたら買ってきたものとのこと。丁寧な日本語は見事なものだが、妙なところで日本人に迎合する必要はないだろう。

お奨めはカンナ三段バラ肉の鉄板焼き。肉を見てようやくカンナの意味が分かった。カンナで削ったような薄い肉を上手に盛り付けている。冷凍肉であることは明らかだが、見栄えはする。

店員が斜めになった鉄板に肉をきれいに並べて、その上にレタスを乗せた。下の方にはキムチが溶けた肉の脂を待ち構える。テーブル席の方が店員もやりやすいだろう。店員が一旦離れても呼び戻しやすい。裏返した肉も焦げ目がついたところで再び手を上げた。寄って来た店員が食べ方の説明をしてくれた。わかめのように見えたのは行者にんにくだった。

店員が三種類の食べ方を説明してくれる。いなくなれば好き勝手に食べればいい。なかなか美味しい。半分ほど食べたところで手を上げた。キッチンと客席を往復する店員がすぐつかまる。席を替わって本当に良かった。カンナの面影はなく、皿の上でくたびれ果てた格好の肉を店員が鉄板に乗せてくれる。ついでに野いちごのマッコリを頼んであげた。手ぶらで帰らせるのは申し訳ない。

「量が多いので、カンナ三段バラを食べた後で追加注文したらいいですよ」とのアドバイスは良心的だった。ビールとマッコリを数杯飲めば腹も脳もちょうどいい。甘かったけれど野いちごのマッコリも面白かった。

とん豚テジ
東京都新宿区歌舞伎町2-22-8 第八金嶋ビル 1F
03-5292-1391

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2009年12月17日

[農家の台所](新宿三丁目)

この店はなかなかいい


数週間前、飛び込みで行ったら断られたので今度は予約の電話をした。入店時間は1時間毎になっているようだ。エレベーターを降りると左の入り口に案内された。野菜売り場を通ってレストランに入るシステム。思ったとおり女性が多い。銀髪が最年長かと思ったら、奥の座敷におばさまが4人居た。

「初めてですか?」大学生と思われる女性店員が聞く。3,800円、4,800円、5,800円の3コースがあり、それぞれに野菜、魚、肉の比率が4:3:3、6:2:2、10:0:0の3種類あると説明してくれた。銀髪には5,800円の10:0:0、連れには4,800円の4:3:3を選んだ。分け合って食べれば10種類以上の料理が楽しめる。

前菜代わりに食べるのはサラダバーで。好きなものを何度でも取りに行ける。籠に入っているものを取ろうとすると、野菜を切っている女性が生食用の春菊などを盛ってくれた。お代わりを食べ終わったところでコース料理が始まった。下の写真左側が10:0:0、右が4:3:3の料理である。


野菜だけのコースには野菜の天ぷら、コロッケと揚げ物が2種類ある。以前、似たような店で生野菜ばかり食べて閉口したことがある。途中で揚げ物を食べた時の幸福感が忘れられない。農家の台所はよく考えている。我々を担当してくれた女性をつかまえて「美味しいね」と言うと、満面に笑みを浮かべる。アルバイトが料理に自信を持ち、楽しく働いている店が悪いはずがない。


「私の方が美味しいですね」野菜、魚、肉を4:3:3の割合にしたコースはバランスが良く、懐石料理に通じるものがあるので食べやすい。大きな黒い塊がデンと乗っかった銀髪のメインディッシュを見て、連れは勝利を確信したかのようだ。「勝負は下駄を履くまで分からないよ。なぜ野菜尽くしの方が高いか考えなきゃ」と銀髪は余裕である。

銀髪の料理を一口食べて連れが目を剥いた。黒色をしたキャベツは見た目は悪いが、口に含むとトリュフの濃厚な香りが広がる。一口でいいと言ったくせに、半分近く強奪された。

最後はムラサキ米で満腹になった。それでも身体は軽く感じるから不思議だ。翌朝、しっかりお腹が空いて、朝ごはんが美味しかった。しかし空腹感がおさまったのは昼にラーメンを食べた後。焼肉屋が恋しくなった。


農家の台所
東京都新宿区新宿3-5-3 高山ランド会館4F
03-3226-4831
http://www.noukanodaidokoro.com

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2009年12月08日

[でんぱち](新宿歌舞伎町)

創業40年のサービス


お通し、いわしの刺身

「どうだい、俺の鼻はよくきくだろう?」イワシの刺身を美味い、美味いと食べるB氏に対して胸を張った。歌舞伎町を約10分歩いて探し出したのは、狭い階段の上の古臭い店だった。入り口から見て左奥の部屋と12人程度が座れる大テーブルにグループ客がいたが、店内は6分程度の入り。煙たいカウンターを断ると、誰もいない大テーブルの一角を勧められた。

牛タンの塩焼き

「これは固いな」いわしと並ぶ看板料理の牛タンをB氏は気に入らない。「すいません、さんが焼はできません」女性店員が戻って来てすり身関係の料理はできないと言う。さつま揚げ、つみれ汁などの人気料理が既に売り切れでは、店の魅力は半減してしまった。竜田揚げを食べた(写真は撮り忘れました)。

塩焼きのリベンジをやってもらうつもりで牛タンのつみれ鍋を追加した。さらに里芋煮もお願いすると、煮物は時間がかかると言われた。熟慮の末、もろきゅうを頼んだ。料理を待っている間に我々の大テーブルに3人の男たちとカップルが座った。4人席に予約の客、カウンターも一杯になった。人気の店に予約なしで入れたことを喜んだ。

もろきゅう

もろきゅうをつまんでいると、3人組に里芋煮が運ばれて行く。後から来た人たちも複数の料理を手に入れた。B氏がイラついているので日本酒の追加を頼みながら牛タンつみれ鍋を催促した。「今、やっています」と言うので安心した。もろきゅうは食べ終わったが鍋はまだ来ない。縁が欠けた皿をいじくりながら酒を飲んだ。

更に10分程度待った。店員を呼ぶと「すぐ、来ます」と言い残し、去って行った。B氏が立ち上がった。目が釣り上がっている。止むを得ず、銀髪も鞄を持ち上げた。
勘定しながら調理場を覗くと、二つの鍋に素材を盛っている。「出来ている鍋はなさそうだね」と言うと、「一斉にお客様が見えましたので」と答えただけだった。

銀髪の鼻は詰まっていたようなので、次の店はサッサと前を歩くB氏に任せることにした。寒さのせいだけでなく、銀髪の身は縮こまったままだった。

でんぱち
東京都新宿区歌舞伎町1-15-8
03-3200-8003
http://www.denpachi.com/

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2009年11月27日

[とときち](新宿三丁目)

日本酒は旨い!


「ここどう?」と言われて首を傾げた。確か前に嫌だと言われたような気がする。それ以来、通り過ぎるだけだったのに…。ドアを開けると小さな店内は満席のようだ。これ幸いに踵を返すと「店の人に聞いてみたら?」と諦めない。客たちの頭の向こうに誰も居ない2人席が隠れていた。

お通し

ビールを飲みながら料理をオーダーする。お通しを食べ終わったところで日本酒のメニューを見る。27種類もあるとは立派だ。香川の悦凱陣と宮城の白楽星を頼むと「マニアックな日本酒を選びますね」と店主が笑う。「どこでも飲めるものじゃつまらないから」と答えると、「今月のメニューを見てから決めてください」と別のメニューを持って来てくれた。

「袋吊絞りは久し振りですよ」と言いながら埼玉の花陽浴、無濾過の田光(三重)の2種類を頼んだ。どちらもフレッシュな日本酒の味わいがあるはずだ。「田光は岡山の雄町という酒米を使っています」と説明してくれた。日本酒に気を取られてぶり大根を撮り忘れてしまった。下の写真は半分を取り分けたもの。

ぶり大根、かにの湯葉巻き

主人が一升瓶を抱えてやってきた。「これ飲んでみてください」と上喜元を注ぐ。「これは飲んだことがある」と言ったものの、上ランクの酒らしい。再び戻ってきた主人の手にはあるのは上亀元。「あっ!字が違うんで変だなと思ってたんですよね」と言うと「こちらの酒米は亀の尾だから、喜ではなく亀を使っている」とのこと。「亀の翁って酒がありますよね」と問えば、それも亀の尾から来ているらしい。酒談義に花が咲く。

まぐろ葱間焼

「酒が旨すぎて料理が霞んじゃいますよ」と減らず口を叩いたが、なかなかどうして酒の肴も悪くない。「上亀元を一杯」と追加した。焼酎ならともかく日持ちがしない日本酒をこれだけ揃えるのは大したものだ。

日本酒をかっくらって、上機嫌で出て行った3人のおばさんたちと入れ替わり、隣にカップルが座った。「ぼくは熱燗」「私はウーロン杯」と注文しても、主人の表情は笑顔のまま。「俺には出来ないなー」と感心した。

どうしてこんないい店に入らなかったのだろうと不思議だった。店を出て入り口の壁を見上げたら、最初に飛び込んできたのは「うどん」の文字。同じビルにあるうどん屋と勘違いしていたようだ。

粘った連れに感謝した。銀髪より鼻が利くのがしゃくではあったけれど。

魚河岸ごはん 築地とときち
東京都新宿区新宿3-6-13
03-3341-7666
http://www.totokichi.co.jp/

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2009年11月19日

[和味 りん]②(新宿)

旬の魚介類を安く美味しく

今年7月、初めて訪れた時は殆ど飛込みだった。家に戻り、りんのホームページを開いて失敗したと思ったものだ。板長が全国を歩いて信頼できる業者を探し出し、りんの食材は産地から直送されてくる。何が入荷されたのか、板長日記でチェックして行くべきだった。今回は狙いを定めて行った。

前回に比べて店は賑やかだった。天候のせいか客はまばらだが、カウンターにいるカップルの声がやけに大きい。その二人に板長の前の一等席は占拠されていた。我々は前回と同じ若手料理人の前に。2度目になると彼も親しげに接してくれて心地よかった。

割烹らしく付け出しは立派なものが出て来る。もみじだけ残して全て食べ尽くした。刺身は赤イカ、しめ鯖、鯛、金目、さわらの5種類。わさび醤油、ポン酢を用意してくれたが、塩もお願いした。さわらの焼き霜やいかは塩が美味い。松輪の鯖は脂の乗りが抜群だった。

お目当ては板長日記に下関で競り落として空輸されてきたとあった渡り蟹。昔は東京で蟹と言えば渡り蟹のことだったらしいが、今はスパゲティや中華料理以外で食べることは殆どない。ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニなどに押されてしまった感もあるが、漁獲高も減っている。スーパーなどで売られている小型の蟹は中国産の冷凍物。国内産の活き渡り蟹をシンプルに蒸すか茹でて食べさせる店は殆どなくなってしまった。

味噌汁に入れる安価な蟹と思っている人も多いだろうが、上物は一杯一万円近くもする高級品である。これを産地直送ならではの価格でりんは出してくれる。銀髪にとっても約3年前に広島のきっ川で食べて以来の渡り蟹だった。卵もいいが柔らかくて品のいい身が堪らない。

最後に鯛めしと蟹雑炊を一つずつ頼んで分け合った。冷凍技術や流通網の発達は痛し痒しである。東京では渡り蟹を食べることがなくなった。一方ではりんのように地方の市場で早朝に競り落としたものを空輸して、その日の夜に客に出すことも可能になった。文明の利器に振り回されるか、利用するかは使う人の力量次第。何も料理屋に限った話ではない。

今日も板長日記が銀髪を誘惑する。


和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 中田ビルB1
03-3205-7252
http://wami-rin.com

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2009年11月16日

[金燕酒家](新宿歌舞伎町)

四川&西安料理


麻婆豆腐があまりにも有名な四川料理はともかく、西安料理は刀削麺ぐらいしか思い浮かばない。西安が昔は長安と呼ばれていたと聞けば、学校で習ったことを思い出す。中国歴史物が好きな人は一気に親近感が増すだろう。

週半ばなので暇かと思ったらほぼ満席。席に案内されながら店の中を観察する。「オッ!美人がいる」、「アッ!あそこにも」と店をチェックするつもりが客に気をとられてしまった。圧倒的に若い女性が多い。

小龍包、コラーゲン

西安料理を食べに来たはずなのに、火鍋を食べることになった。それでも店の名物の小龍包は外せない。火傷寸前になりながらスープは口の中いっぱいに広がった。
鍋が人気の理由はコラーゲンにあるのだろう。鍋に入れては薄まってしまう。自分の器で溶かした方が無駄がない。半分だけ鍋に放り込んだ。

肉、野菜、餃子

肉は牛と羊のハーフ&ハーフにした。牛肉はしゃぶしゃぶして食べるよりも、煮込んだ方が良さそうだ。スープのエキスを吸った方が味がよくなる。焼餃子や他の点心も美味しそうだが、鍋にも入る餃子のみで我慢した。鍋を食べ終わってから追加を考えてもいいだろう。

鍋、刀削麺

最初はMy唐辛子を入れようかと思った。ところが最後の方になると充分な辛さになった。特に四川料理ならではの山椒の辛さがポイントで、食後感は麻婆豆腐の似ている。

最後は西安料理の代表格、刀削麺を選んだ。麺の太さにバラつきがあるため、初めて食べる連れは戸惑っていた。食感の違いを楽しむ麺だと説明しても麺はツルツルでなければならないと譲らない。麺という名称が誤解を生むのかもしれない。

追加を頼む必要はないぐらいにお腹一杯になった。店長らしき人に「繁昌しているね」と声をかけると、「笑いが止まりませんよ」と正直だ。美女が集まれば、店長はもっと愛嬌を振りまき笑顔になるだろう。、金燕酒家が美女を作るのか、たまたま美女が来ていたのか定かではない。


金燕酒家
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-3207-0970
http://www.kinensyuka.jp/

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2009年11月04日

[ほしくら](新宿歌舞伎町)

柔らかいチキン南蛮


東京にある郷土料理屋で一番多いのはどこだろうか。少なくともここ数年で最も増えたのは宮崎料理屋ではないか。衆院議員選挙で名を落としたとはいえ、東国原知事の影響力は絶大だ。宮崎県外にある店も、宮崎県に税金を納めてもいいのではないか。儲かっていればの話だけれど。

「鶏の唐揚げが滅茶苦茶柔らかいんですよ」と熱心に話すK氏と共に歌舞伎町に行った。カウンターの端、料理人の目の前に座る。「この店いつからあるの?」「もう5年になります」気がつかなかった。

お通し、刺三点盛1680 

宮崎地頭鳥が店の自慢。まずはレバー、砂肝、炙りの三点盛を頼んだ。髭の料理人が目の前で肉を切る。わさびをたっぷり皿に持って来て驚いたが、勘違いだった。枝豆をすり潰して胡麻油と塩で味付けしたもの。レバーをこれにつけて食べるとなかなかの出来。レバーだけでなく野菜類をつけても悪くない。いいアイデアだ。

宮崎地ビールを飲んだ後に日本酒を頼んだ。宮崎料理屋の定番は焼酎なので日本酒は1種類しかない。「純米?」と聞くと店員が料理人に伝言ゲーム。料理人が「純米です」と言うのでオーダーした。出てきたのは300ml瓶の生酒。醸造酒だった。

宮崎地鶏もも炭火焼

宮崎料理屋に連れて行かれるのは分かっていたが、歯医者の予約を入れてしまった。歯茎のメインテナンスをした後の宮崎名物に不安が一杯だった。思ったとおりもも焼きは固い。この店のもも焼きは特に固い。銀髪の歯茎が丈夫で助かった。「ちゃんと歯磨きできてますね」歯医者さんに褒められちゃったもんね。

チキン南蛮

K氏の言ったとおり唐揚げは柔らかい。おだてようと思っても料理人は目の前から消えて、入り口の所で手持ち無沙汰にしている。目の前に居れば銀髪のジョークが聞けて楽しいのに。我々の話を邪魔しないように気を遣ったのだろうか。

家に帰ってぐるなびを見ると、オープンしたばかりと書いてある。更新していないのか、料理人の間違いか。ウーン……… まあ、いいか。


ほしくら
東京都新宿区歌舞伎町1-8-4 ベル新宿1F
03-3202-2700
http://www.hoshikura.jp

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2009年10月30日

[楽太朗](新宿三丁目)

おでん風のおでん


伊勢丹近くの路地、小さなビルの地下に降りる入り口は目立たない。扉を開けると思ったよりきれいな店で期待が膨らむ。座ったのはもちろんカウンター。男同士の客や恋人たちでなく、50歳前後のキャリアウーマン風が多いのは珍しい。

お通し、大根おぼろ昆布

以前、予約なしで来て入れなかった。今度は予約と下調べをしっかりした。つみれ、茄子ソーメン、白レバー、評判の料理を頼んだ。お通しが刺身なのも調査済み。すぐに出て来る料理をということで、大根を勧められた。味は期待より上でも下でもない。

地鶏と鮭のつみれ、茄子ソーメン

鮭のつみれは珍しい。崩れやすいためかオーダーを受けてから作る。箸使いに気を抜けないと、口の中でハラリと壊れるのを楽しむ前に落下して砕ける。
料理人が茄子を切るのをじっと見詰める。切っただけで麺のようになるのが不思議だ。特別な茄子かと思ったら、普通の米茄子と聞いて驚いた。桂剥きしてから元の形に成形したと種明かしをしてくれた。片栗粉をまぶして茹でたのだろうか。ところてんのような食感が面白い。

牡蠣豆腐のとろろ掛け、地鶏白レバーの瞬間燻製

我々以外は殆どの人がコース料理を頼んだようだ。牡蠣豆腐がとても美味しそうに見える。カウンターに座っているので「それ、ください」とオーダーは簡単だ。
白レバーはさっさと食べなければ火が通り過ぎてしまう。食べ終わった後もまだ熱い器を欲しくなった。色んな料理に使えそうだ。

牛すじ豆腐、チョコレートムース

「牛すじ豆腐はまだ?」鍋から器に盛るだけと思ったのになかなかやって来ない。おでんが自慢の店だが、鍋の中はカウンターから見えない。大根など限られたおでん種の他は鍋にはスープが満たされているだけのこと。濃厚味噌スープ、薄塩スープの2つの鍋におでん種がぎっしり詰まっているとの先入観は捨てた方が良さそうだ。つみれ同様、豆腐もオーダーを受けてから鍋に入れられたから時間がかかったのだ。

最初に食べた大根が他の名店のような複雑な味ではない理由が分かった。おでん種同士が味を出し、吸収する関係は楽太郎の鍋では起こり得ないのかもしれない。その代わりすぐに壊れるような作りたてのつくねがある。

煮物以外に料理の種類は多い。隣席で食べていた鶏が旨そう。次に来るときは焼き物を試してみよう。


煮炊きや 楽太朗
東京都新宿区新宿3-17-21 新三ビルB1
03-3357-4939
http://www.rakutaro.com/

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2009年10月28日

[マリカ](高田馬場)

ミャンマー料理


覚えやすい日本女性の名前を店名にしたのかと思ったら、マリカとはミャンマー北部カチン地方を流れる「マリ川(カはカチン後で川の意味)」のこと。この店に縁が深いHさんに連れられて、ミャンマー料理を食べに行った。

ミャンマービール、そば焼酎

まずはミャンマーのビールから。そしてミャンマー産そば焼酎「みんがらーば」へ。みんがらーばとはこんにちはの意味。貧困・麻薬撲滅のため日本政府の支援でケシ畑からそば畑へ転換し、玄そばを日本に輸出しているそうだ。そば焼酎は現地で製造されているという。

マリカサラダ、トーフジョー

カチンの家庭サラダはオクラを始め野菜やきのこがタップリ入っている。見た目よりやさしい味だ。揚げ豆腐は日本の豆腐を使ったのかと思ったら、ヒヨコ豆が原料とのこと。日本の納豆のようなものもあると聞くと、なんだか親近感を覚える。

さつま揚げと野菜の和え物、海老と玉ねぎの炒め物

豚肉と青梗菜炒め、さつま揚げ

お茶のサラダ、バナナの葉の魚蒸し

牛ホルモン煮込み、カチンのまぜご飯

ミャンマー風スープ麺、チャーハン

メニューにはタイ料理、中華料理、ベトナム料理などミャンマー以外の料理や店主の創作料理もある。カチンの伝統的な家庭料理も日本人向けの味付けになっているそうだ。店の奥はいつもミャンマー人たちがカラオケに興じているというから、ミャンマー料理本来の味付けを頼めば作ってくれるだろう。

開店してやっと1年が過ぎたばかり。奥さんは銀髪の知り合いによく似ている。遠い、遠い、親戚かもしれない。素朴な話し方と笑顔は昔の日本人のようだ。店主デビッドさん、その妻ロイセンさん、ミャンマーに子供を残し日本で頑張っているその姿は、希望に燃えて働いていた戦後や高度成長期の日本人のイメージに重なる。

異国でとても苦労しているはずだが、二人の笑顔はとてもきれいだ。おいしい料理と笑顔は言葉や習慣の壁を軽々と越えるに違いない。


オリエンタルキッチン マリカ Mali Hka
東京都新宿区高田馬場1-25-29 サンコール3F
03-3207-8114

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2009年10月19日

[上燗屋 富久](新宿3丁目)

これぞ正統おでん居酒屋


若者で賑わう新宿にも、おじさんたちの憩いの居酒屋がある。扉を開けるとすぐのカウンターも奥のテーブル席も赤ら顔のおじさんたちでほぼ一杯。ちょっと異質の我々に皆の目が注がれた気がしたが怯むことはない。人相風体は違ってもこちらだって堂々たるおじさんである。

入り口近くのテレビの前が空いていた。ビールを頼み、肴を頼む前に店の空気を読むことに集中した。すると連れがカウンターの上に置かれた惣菜を食べたいと言う。「何のおひたしですか?」「つゆむらさき」、「あら煮は何の魚」「お刺身に出来なくなった魚いろいろ」おばさんは一見したところ無愛想だが表情は優しい。無頓着な連れのお陰ですんなり店の空気に溶け込めた。

おひたし(つゆむらさき)、アラ煮、博多鱧の天ぷら

福岡に住んでいた頃はさつま揚げのことを天ぷらと呼んでいた。冷蔵庫から取り出したところで思い出した。熱燗にすべきと思ったが、再び連れの意向に引きづられた。純米酒を頼むと大きなペットボトルが出てきたのには驚いた。

おでん(大根、玉子、ロールキャベツ、しらたき、いわしのつみれ)

「からしはよく効くから注意して」と言うくせに、たっぷりのからしを乗っけてくれる。侮って多めにつけると本当によく効く。さすがに看板料理だけあって美味しいおでんだ。追加を頼むと皿を代えて、再びからしをたっぷり乗っけてくれた。淡白なしらたきには余計に効く。咳き込むのをこらえたら、しらたきの切れっぱしが鼻の奥に逃げ込んだ。

大根の皮、のど黒一夜干

おでんに使う大根の皮をキンピラ風に仕上げた料理。安くて量が多い。普通は廃棄するもので高い値段は取らないところが良心的。別の品を頼んでもらった方が儲かるだろうが、おばさんは意に介していないようだ。のど黒を頼むと「生じゃないよ」と注意してくれる。それは承知の上。値段を見れば大きさも想像できた。冷凍庫から取り出したものだけど、充分脂が乗って美味だった。

堂々たるおばさんと、ぼうようとしたおじ(い?)さんの絶妙のコンビ。ちょっと異質な我々一見さんにも優しく接してくれた。先客たちのように常連になり、一人カウンターに座りたくなるような店だった。


上燗屋 富久
東京都新宿区新宿3-12-4
03-3350-6729

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2009年10月15日

[オステリア ヴィンチェロ]④(新宿御苑前)

トリュフがいっぱい


大好きなオステリア・ヴィンチェロ。10月5日、「くりっぱ」さんのヴィンチェロに対するコメントが銀髪の心を揺さぶった。電話をしたら水谷さんの声。「銀髪さんですね」と言われて心が躍った。大通りから半信半疑で選んだ路地はドンピシャリにヴィンチェロの前に。待ってましたとばかりガラスの扉が開いた。

メニューを見ながら水谷さんの説明を聞いた。いつもは自分で料理を選ぶのだが何故か「お任せ」と言ってしまった。そして導かれるように白トリュフの特別コースを。キッチンにオーダーを通して戻ってきた水谷さんが笑いながら言う。「シェフが張り切っていますよ」

ワインも料理と合わせて出て来るから楽チンだ。タラバガニと蒸し鮑を食べた後に秋トリュフがたくさん乗ったサラダが出てきた。卵茸、馬肉のハムなどにかかったバルサミコ酢のドレッシングとワインの相性が抜群。料理と合わさるとワインの味が変わるのが不思議だ。

「大変なことになっています」持って来た料理のことなのか、これから出て来るものなのか、オーナーシェフの斉藤さんが作る料理に水谷さんが驚いている。特選卵と長期熟成のパルメザンチーズのスープに白トリュフがスライスされるとレストラン中に香りが広がった。卵が固まらないようにつきっきりで料理するために、滅多に作らない料理らしい。とんでもなく美味い。

しらすとからすみの塩味が効いたスパゲティにはシェリー酒のような切れ味のあるワイン。お任せでなければ絶対選べない。銀髪の頼みでイタリア地図を見せながらワインの説明してくれる。

「ちょっとシェフは張り切りすぎですよね。大丈夫かしら」水谷さんが苦笑いしている。そんなことはお構いなしに我々はリゾットに大喜び。白トリュフがスライスされる料理と分かっているからだ。絶妙に炊かれた芯が残るイタリア米とチーズ、トリュフ、至福だ。

斉藤さんの友人が獲った野生の鴨は数日経って今まさに食べ頃。首尾よく銀髪の口に入ることになった。しっかりした歯応えながらジューシーだ。珍しい茸、無花果のフライも面白い。輸入してから数年、飲み頃になったトスカーナ産の赤ワインも料理を引き立てる。

甘いものを食べて、デザートワインを飲んで、満足満足。勘定を払って席を立つと斉藤さんがキッチンカウンターに頬杖を突いてニヤリと笑った。「美味しかったですよ」こちらも笑みを返す。

フランス料理で煮込みなどに使われるのは黒トリュフでフランス産が多い。一方パスタ、リゾット、サラダなどの上にスライスする白トリュフはイタリアが主産地で、黒トリュフの3倍ぐらいの値段がする。インターネット上では1グラム当たり黒が420円、白が1,320円で売られていた。スタッフが料理を運びながら驚き、呆れ、嘆息する理由がよく分かった。

本当にラッキーな日だった。いくつかの条件が整わなければこれほどの幸福には巡り合えない。道を間違えず、料理はお任せにした。週の初めで珍しく客の入りが少なかった。そのためシェフがじっくり調理できた。スタッフも丁寧に応対する時間があった。厳選素材が整い、食べ頃だった。シェフの体調や機嫌が良かった。まあ、そんなところだろうか。そうそう、銀髪の日頃の行いが良かったことも忘れてはならない。

信じる神はいないけれど、今日たまたま銀髪を見ていた神に感謝した。どんな神様か知らないけれど、できれば女神がいいな。


オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967

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2009年09月24日

[麓屋](新宿西口)

なんでもあり。新感覚の蕎麦屋さん


京王プラザホテル正面のドアを入ったところで年配のホテルマンに声をかけた。「麓屋へはどうやって行くのですか?」彼はすぐさまベルボーイを呼んで、我々を案内するように指図した。さすが一流ホテル。エスカレーターを降り、一度ホテルを出て、店の中まで連れて行ってくれた。日本でもチップをあげるべきだったかもしれない。

テーブル上に銀髪の名を記したネームプレートが置かれていた。蕎麦屋とは思えないような雰囲気、アレンジ、なかなか洒落ている。若い店員がプロフェッショナルに見えないのがご愛嬌か。面白そうな料理を注文しようとすると「それは量が少ないからやめた方がいいですよ」とアドバイスしてくれる。

本日の燻製盛合せ、海の幸 にぎやかサラダ

燻製に合わせてワインを飲むことにした。グラスにたっぷり注いでくれるのが嬉しい。追加オーダーを店員に告げているところにサラダがやってきた。若い店員がしきりに奨めてくれた理由がよく分かった。追加オーダーをキャンセルしようとしたが、そのまま通すことにした。よく見ると野菜が海の幸を持ち上げている。

フランス産チーズと蕎麦粉パンのメルバ添え、豚のスペアリブ麓屋風

白ワインの次に純米酒を頼んだ。料理が和洋折中なので飲み物もルールを無視した。スペアリブが出てきて最後にチーズのつもりだったが意表を突かれた。幸いスペアリブもほぼ同時にやってきたのでチーズは横に置いた。ペースを乱されたため写真を撮り忘れ、スペアリブを動かしてしまった。もっときれいに盛り付けられていたのでご容赦を。柔らかくてなかなか美味しかった。

チーズの説明はしてくれなかった。銀髪も説明を求めることはしないで、赤ワインをオーダーした。ビール→白ワイン→日本酒→赤ワインと進んだのでちょっと酔った。最後にそばを食べる気持ちは萎えていた。

ホームページには「固定概念にとらわれず、和・洋・中の素材と技法を大胆に組みあわせ、麓屋流とでもいうべき新感覚の料理をお出ししてまいります。」とある。料理だけでなく酒の品揃えや高級そうでカジュアルなサービスまでも新感覚。一流ホテル直営のレストランと異なり、ちょっと抜けているのが気分を楽にさせてくれる。そこまで意図していないかもしれないが、なかなか面白い店だった。


麓屋
東京都新宿区西新宿2-2-1 京王プラザ1F
03-3344-2885
http://www.fumotoya.com/

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2009年09月11日

[マラコー](新宿歌舞伎町)

料理は美味しいけれど


丸の内のマンゴツリーのお陰で本物のタイ料理が食べたくなった。口コミで評判がいいマラコーを選んだ。しかし、あまりの落差に店の前で立ちすくんでしまった。テーブルは安っぽい場末のクラブ風で、ビニール地の椅子に男が一人寝そべってテレビを見ていた。天井にはミラーボールが回っている。店を間違ったと思って踵を返したが、思い直して店内に戻り若い女性に声をかけた。「ここはタイ料理の店ですよね?」

トムヤンクン

写真付きのメニューは立派なものだった。種類も豊富で、値段はちょっと高めに見える。店の格からして値段相応に量が多いと判断した。一品ずつ頼んだ方が無難だ。思ったとおり2,000円のトムヤンクンは4人で食べても何杯もお代わりできる。すこし控えめにしてもらったにもかかわらず、しっかり辛い。味はマンゴツリーよりずっと上だ。

タイ風さつま揚げ

だんだん事情が飲み込めてきた。12時を過ぎると歌舞伎町で働くタイ人女性たちの憩いの場になるのだろう。カラオケ代無料で歌って踊ってタイ料理を食べる。味が本場と変わらないのは当たり前だ。

なまず

店に慣れたらいたずら心が首をもたげてきた。連れに内緒でなまず料理を頼んだ。タイ産ならば大きくてただの白身にしか見えなかったかもしれないが、小さな台湾産だったので失敗した。なまずと目が合ったとか難癖をつけて食べようとしない。上手に料理されているのに、仕方なく銀髪が全部食べた。

汁ビーフン

〆は麺を食べることにした。連れは具をつまんだり、麺を引きずり出したり、入念にチェックしている。銀髪が信用できないらしい。一口食べて考えて、ようやく食べるスピードが増した。ホッとした表情を見て大いに笑った。干し海老とピーナツの風味が豊かで美味しかった。

食べ終わった9時前でも客は誰も来なかった。料理はとても美味かった。しかし、余程タイ通の日本人でなければ来たがらないだろう。女性を口説くために連れて行くのは止めた方がいい。これまでの努力が無駄になるかもしれない。

マラコー
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12 AK会館ビルB1
03-3200-1759


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2009年09月02日

[レストラン カナル](新宿)

小さなフランス家庭料理の店


狭い階段を下りると壁にびっしりとワインのラベルが貼ってある。最近見つけた店は思ったよりも歴史があるのかもしれない。店内のボードを見上げると15周年の感謝の言葉が書かれていた。週の初め&悪天候のせいか客は我々だけ。4人掛けのテーブルにゆったりと座り、メニューを開いた。

「お奨めはなんですか?」と女性店員に聞いた。「ずっとメニューにあるのは鴨の料理です。店名のカナルはフランス語で鴨のことなんですよ」と言われた。2品ある鴨料理の中から鴨のテリーヌを選んだ。これで一品決まり。もう一つは本日のシェフきまぐれサラダにした。

「メインはすずきのパイ包み焼き。もう一品頼んだ方がいいですか?」と助けを求めると、「お腹が空いているなら、3,000円のカナルディナーの方がお徳ですよ」と言う。オードブル、メイン、デザートをメニューから1品ずつ選ぶブリフィックスだが、多くの料理は割増料が必要なので5,000円程度になりそうだ。デザートを食べない銀髪にはアラカルトの方が徳だ。クスクス 仔羊とピリ辛ソーセージのソースを加えた。

「二人で分けて食べますから」と言ったにもかかわらず、料理は二品ずつ運ばれてきた。看板に「フランス人シェフの店」と書いてあったような気がしたが、日本人の若い女性が接客と料理を一人でこなしている。それでもサービスはフランス人の影響が強いのかもしれない。分け合って食べるのは日本人ぐらいのものだ。

グラスワインは赤白一種類ずつで、ハウスワインにしては800円は高そうに思えたが、なみなみと注いでくれるので文句はない。「フランス人のオーナーシェフは休みなの?」と聞いたら、今は日本人の奥様に店を任せて別の仕事をしているとのこと。その奥様も悪天候を理由に今日は休み。「休めばよかったのにと言われたんですけど、お客様が来てくれて嬉しいです」と笑った。

愛想のない女性と思っていたが、話し込んでいる我々に気を遣っていたようだ。「お店を開けていて良かったです」と笑顔を見せてくれたらこちらも嬉しくなる。食後の飲み物もサービスしてくれたのでゲストブックにしっかりと名前を書いてしまった。

目だないところにある小さなレストラン。こんなところにも頑張っている人が居る。

フランス家庭料理 レストラン カナル
東京都新宿区新宿5-17-6
03-3200-0706
http://canard.its.ac

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2009年08月26日

[やき龍](新宿三丁目)

なかなか美味しい焼き鳥屋


伊勢丹近くの人気店に予約なしで行ったが、やはり無謀だった。あっさり跳ね返されたものの、予想していたのでショックはない。近くのビルにかけられた「紀州備長炭使用」と書かれた板を見てやき龍に入ることにした。

カウンターに座ろうとしたら「奥のテーブルも空いてますよ」と親切だ。4人掛けのテーブルに二人で座れるのも客の入りが悪いおかげ。ちょっと不安な気持ちもあるが、紀州備長炭を使う店でハズレは殆どないとの持論は揺らがない。

お通し、つくね

お通しが500円、看板料理のつくねが1本400円とちょっと高いのが客の入りに影響しているのかもしれない。つくね以外は300円で、1本でもオーダー出切るから有難い。「つくねは是非1本ずつ食べて欲しい」と言われたので2本頼んだが、後は1本ずつ頼んで二人で分けた。

ぺた、すきみ、ねぎま、ぶつ、レバー

呼び名が違って戸惑った。ぺたはぼんじり、すきみはせせりのようだ。ぶつは足の付け根のところの肉で、噛み応えがある割りにジューシーで美味だった。

トマト、銀杏、砂肝、はつ、鴨アスパラ

焼き物以外の料理はそれほど多くはない。焼鳥屋だと割り切れば、野菜類も串焼きで食べれば充分ということになる。

みちほる、しいたけ

焼鳥はタレの旨さを強調する店が減って、塩焼き全盛の時代になった。そのためか、薬味に柚子胡椒を使う店が多い。やき龍では柚子胡椒ではなくかんずりを置いている。結構辛いので、My唐辛子を使わないで済んだ。

仕方なく入った店だったが、やき龍は悪くなかった。何よりの収穫は店員の応対が良かったこと。帰り際に「正社員なの?」と尋ねたら「アルバイトです」と言うので感心した。ホームページを見ると、社長の信念は「企業は人なり」とある。たまたまいいアルバイト学生に当たった気もしないではないが、社長の信念が行き渡っているとしたら大したものである。


やき龍
東京都新宿区3-17-21 川元ビル2F
03-5312-7244
http://www.yakitatsu.com/

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2009年08月21日

[しょう田](新宿歌舞伎町)

常連さんになりたいお店


狭くて急な階段を上り終え、窓ガラス越しに店内を覗きこんだ。思ったより小さな店で満席のようだ。踵を返したところで、扉が開いた。「どうぞ、テーブルを片付けますから」と招じ入れられた。そのテーブルの客はトイレにでも行っているのかと思ったが、銀髪と入れ違いに帰って行ったようだ。

部屋を見回したが居酒屋らしい料理の短冊は貼っていない。取りあえずビールを頼んだ。メニューを探すがテーブルには置いていない。店の人はお通しの枝豆ともろきゅうを置いていった後は、他の客の世話で忙しそうだ。大きな店では気にならないが、小さな店では雰囲気に溶け込むまで時間がかかる。

枝豆は香りが高くて美味しかった。もろみも悪くない。ビールがなくなりそうなところでタイミングのつかみ方が分かってきた。声をかけると他のテーブルの上で遊んでいたメニューを持って来てくれた。

「かぐらなんばんって何ですか?」南蛮はとうがらしのこと。ピーマンの形をした青唐のようなものだ。長岡野菜として栽培されているらしい。栃尾の油揚げもあるので、女将さんは新潟出身に違いない。

「辛いから気をつけてくださいね」とかぐらなんばんを置いていった娘がとても可愛い。銀髪が食べたものは何ともなかったが、連れが食べて顔をしかめる。慌てて水を持って来てもらう。楽しくなってきた。人の不幸は蜜の味。

ボクサーの後援会のメンバーたちだろうか、壁にはポスターが貼られている。客の半分以上は常連さんのようだ。新たに客が入って来ると、席を譲り合ったり、勘定を払って帰る優しい人たちだ。客たちの向こうに目を飛ばすと、調理場にもう一人可愛い娘が見える。一段落して調理場から出てきた女将さんを見ると若い頃はかなりの美人だったと想像できた。

ゴーヤチャンプルを食べて勘定を払ったところで、サービスの茄子ときゅうりの塩もみが出てきた。これがなかなかのものだった。それにしても女将はともかく、若い二人の娘たちが可愛い。むくつけき常連さんたち(失礼)が優しいのも分かるような気がする。

「気をつけてくださいね」急な階段を下りる我々を気遣いながら女将がお見送りをしてくれた。常連になったら、とても気持ちよく寛げる店だろう。美人姉妹が巣立ってしまわないことを祈るばかりだ。


酒席 しょう田
東京都新宿区歌舞伎町1-11-7 2階
03-3209-6606

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2009年08月07日

[ニューヨーク・グリル](西新宿)

良くも悪くもアメリカン


エレベーターを降りると息を飲むような夜景が広がった。10年以上も前、最初に来たときの感動が甦る。それ以来、ニューヨーク・バーでは何度も食事をしたが、グリルの方は一度しか行っていない。いつも、予約なしだったためだ。ところが今回は飛び込みでも難なく入れた。

最初のときに懲りたのでコースは絶対に頼まない。量が多すぎる。メインを決めて店員を呼んだ。アドバイスを受けて前菜はミックスリーフサラダにした。二人で一皿で充分だろう。「サイドディッシュは必要かな?」と聞いたら、「足りなければ追加されればいかがですか」と言う。いいアドバイスだ。気に入った。

パン、サラダ

大きなパンが出てきた。もちろん全部食べると他の料理に差し障りがある。店員がサラダを二つ持って来た。怪訝そうな我々を「2皿に分けて持って来ました」と安心させた。分かっていても、これが半分の量とは驚かせてくれる。鴨肉のスモークとゴートチーズ、ローストしたナッツが香ばしくて美味しい。

窓際のカップル席はほぼ埋まっているが、我々の周辺は閑散としている。オープンキッチンではシェフたちが4人集まって談笑している。週の初めとはいえ、以前にはなかった光景だ。かつて高級ホテルの主だった外国人ビジネスマンの姿が見えない。

黒ムツのグリル

牛リブアイ・豚フィレ・仔羊のプロシェット

メインも予想したより量が多い。良くも悪くもアメリカンである。しかし、これでも現地と比べればかなり控えめな量だ。量を減らして値段を下げてもらった方が有難いが、外国人客が多いニューヨーク・グリルではアメリカ的な量の多さもアピールポイントなのだろう。質よりも量が優先されるのがアメリカらしい。

オーストラリアに駐在していたときは、前菜を2品頼んで一つをメインの代わりにしたり、メイン料理を前菜サイズにしてもらうことが多かった。ニューヨーク・グリルでもそのような食べ方が日本人には適当だろう。

バーの方から生バンドの音が聞こえてくる。グリルで聞くとうるさくなく、ちょうどいい音量だ。何事も適度というものがある。空席が目立つフロアは店にとっては不満でも、我々には居心地がいい。

少食のカップルならサラダとプロシェットを一つずつ、サイドディッシュを一品、これらを分け合って食べるのが適量だ。最後にデザートを食べる余裕ができるだろう。静かなニューヨーク・グリルでゆっくり流れる時間を楽しむがいい。


ニューヨーク・グリル
東京都新宿区西新宿3-7-1 パークハイアット東京52F
03-5323-3458
http://www.parkhyatttokyo.com/Facility/Restaurant/newyorkgrill.html

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2009年08月04日

[カルミネ エドキャノ](荒木町)

オーナーはどこに行ったの?


「何がお奨めなの?」と男性店員に聞くと「何がお好みですか?」と逆に質問された。自分でルッコラと生ハムのサラダを決めた。さらに悩んでいると女性店員が来て「いろいろ入っているので前菜の盛合せはいかがですか?」と勧めてくれた。料理が決まってホッとした。

パンが3種類とピザを割ったものが出てきた。温かくはないが塩っぱくてビールに良く合う。次にワインを飲もうと思ったがグラスワインはシチリア産の白と赤の一種類ずつしかない。自家農園のワイナリーを持っているとホームページで見て期待して来たけれど、グラスで飲む客は恩恵を受けられない。

前菜盛合せ、ルッコラと生ハムのサラダ

前菜が出てきて絶句した。これにも生ハムが乗っている。サラダの生ハムとかぶってしまったではないか。奨めてくれたことを喜んだのを後悔した。店員は料理の説明もせずに立ち去った。前菜を食べ終わる前にサラダが出てきた。極めてシンプルなサラダで恐れたとおり生ハムが存在感タップリである。

本日の魚

魚は鯛が一種類のみ。味は悪くない。グラスの赤ワインは軽そうなので魚にも合うかもしれない。「ぶどうの種類は何なの?」と聞いたら店員は首を傾げた。840円のワインの素性をしつこく聞く必要もないのでこちらが笑ってごまかした。値段はそれほどでもないが、やけ酒にするほど量は多くはない。

デザート

料理はどれもボリュームがあるのでお腹はほぼ一杯になった。あらかじめパスタなどを頼まなくて良かった。
トイレに行くために階段を上った。宴会をやっている客の声が賑やかである。2階は1階よりも日本家屋の雰囲気がよく出ている。古い日本家屋でイタリアンという粋なコンセプト。オーナーのカルミネさんが気に入ったのも理解できる。

カルミネさんは有名人らしい。日本に来て多店舗展開するほど成功している。ホームページもなかなかの出来栄えである。しかし、カルミネさんの情熱はこの店からは消えてしまったようだ。彼はどの店に行ってしまったのだろうか。


カルミネ エドキャノ
東京都新宿区荒木町9-13
03-3225-6767
http://www.carmine.jp/

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2009年07月28日

[オステリア ウーゴ](新宿三丁目)

ワインを飲みに行こう


「今日はワインを飲みに行こう!」と決めてから店を探した。条件はグラス売りが10種類程度あり、それなりのレベルのワインが置いてあること。これまで行ったことがある店を除外すると、店は限られる。その中からオステリア ウーゴを選んだ。

先客は若い女性が2人だけ。男性店員と親しげに話している。会話が途切れたところを見計らって、オーダーする。まずビール、そして白ワインを頼む。

アサリ・ムール貝・地ハマグリの白ワイン蒸し、自家製パン

大好物の貝の白ワイン蒸し。キッチンで2つに分けて持って来てくれた。シンプルな料理だが実に美味しい。自家製のパンはそのままでもいいが、スープを吸わせるともっと美味しい。

「お好みを言っていただければメニューにないワインもお出しできます」と言われて、すかさず「安くて美味しいやつ」と応える。馬鹿の一つ覚えだ。イタリアワインの店かと思っていたが、オーストラリアワインが出てきた。ラベルを見るとメルボルンに住んでいたとき、娘が通っていた小学校の本校があるGeelong産である。「Geelong Grammar School はチャールズ皇太子が通った学校だよ」と知ったかぶりをする。店員が素直に感心してくれる。いい気分だ。

トリッパ・センマイ・ギアラの赤ワイントマト煮込み、キンメダイの香草焼き

「重めの赤ワインでキンメダイにも合うやつを」と最後のワインを頼んだ。ソービニオンブラン、シャルドネ、メルロー、ピノノワール、カベルネソービニオンと進んできた。タップリ注いでくれるので大分酔ってしまった。

チーズの盛合せ

「なかなかいい店だね」と褒めたら店員が「8月一杯で閉店になります」と言う。それにしては意外と明るく悲しそうではない。27才の若いシェフも話に入ってきた。若者たちにとっては旅立ちの方が嬉しいようだ。


「次の店が決まったら連絡してね」と名刺を渡した。どこかで再開できる日がすごーく楽しみである。


オステリア ウーゴ
東京都新宿区新宿3-7-5 一兆ビル2F
03-3350-2335
http://www.osteriaugo.com

閉店しました

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2009年07月22日

[王ろじ](新宿三丁目)

とんかつの名付け親


とんかつが銀座の煉瓦亭で初めて出されたのが明治32年(1899年)。しかし名前はポークカツレツだった。王ろじは発明者ではなく名付け親だという。名付け親については元祖を名乗る店が他にもあるようだが、大正10年(1921年)創業で、商標登録までしているとあっては素直に聞いてもいいだろう。

とんかつ

王ろじのとんかつは普通のとんかつとちょっと違う。ロース肉を重ね合わせて丸く成形し、約12分かけてじっくり揚げる。ポークカツレツが世に出て30年以上経ち、特徴のあるものを作り出す必要があったのかもしれない。独自のものにはポークカツレツとは違う名称が必要だった。そこでとんかつと名付けた。銀髪の勝手な推理である。

とん丼

一番人気はとん丼だそうだ。カツカレーをとん丼と称する。カツカレーの元祖は銀座のグリルスイスで1948年に巨人軍の千葉茂があみ出したと言われる。ポークカツをとんかつにしたのと同様に、カツカレーをとん丼と名付けたのはいかにも王ろじらしい。とん汁に入っているのはベーコンのようだ。これは王ろじ風。漬物は王ろじ漬け。自己主張が立派だ。

王ろじ漬け、とん汁

煉瓦亭、グリルスイス、ヨーロッパ軒(大正2年創業、福井のソースカツ丼屋)そして王ろじ。老舗のとんかつには共通点がある。衣が薄くてカリッと揚げてあることだ。最近では生パン粉を使ったふんわりとした食感のとんかつが多くなった。油っぽくてどうも好きになれない。バターやミルクをタップリ使った生パン粉は味もカロリーも肉と競争してしまう。

ドアを開けて女子高生が入って来た。オウ!女子高生にも人気なのかと思ったら、カウンターに座る銀髪の後ろを通ってさっさと2階に上がってしまった。店のおばさんの声が女子高生を追いかける。2階は住居になっているようだ。新宿通りからちょっと入っただけなのに、なんともアットホームな店があったものだ。

カリッとした衣がいい。下町の食堂のような雰囲気も悪くない。気に入った。

 


王ろじ
東京都新宿区新宿3-17-21
03-3352-1037


煉瓦亭
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/05/post_560.html
グリルスイス
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/05/post_559.html
ヨーロッパ軒
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/03/post_1177.html

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2009年07月14日

[和味 りん](新宿)

繁華街の外れにある落ち着いた日本料理店


入り口に立つと、どのレベルの店かだいたい分かる。りんは店の前を通る度に気になっていた。しかし階段を下りるのはそれなりに勇気がいる。たまたま雑誌で紹介記事を見て、行く決心をした。電話をかけると女性の応対が素晴らしい。いい店であることは決まったようなものだ。

カウンターに座りメニューを見ると、目移りして何を食べたらいいか決まらない。目の前で立派な型の鮎が焼かれている。「どこの鮎ですか?」と聞くと、目の前の若い板さんが「岡山です」と答える。すぐに板長らしき人が「養殖です」と付け加えた。さすが板長、こちらの聞きたいことがよく解ってらっしゃる。

付け出し、刺身盛合せ

鮎は要予約で個室の客に運ばれて行った。メニューの「本日のお造り」には各魚の産地が書き添えられている。もちろん天然物でブランド魚も多い。「少しずつ盛り合わせましょうか?」と女性店員。電話の彼女に違いない。城下かれい(大分)、かつお(気仙沼)、あかいか(萩)、しめ鯖(松輪)、あおやぎ(北海道)。二人で分けやすいように4切れずつ。付け出し、刺身、どれも美味しくてとても順調だ。

はも木の芽焼き、豚角煮和風ブイヨン仕立て

シャリッ、シャリッ、シャリッ!鱧の骨切りは何度聞いてもリズミカルで美しい。この調べで不味いはずがない。和風だしの角煮もなかなかのもんだ。

料理や日本酒を頼むと後ろに立つ若い店員がきれいに動く。アルバイトのようだがよく教育されている。電話をしたときに受けた女性の印象は、全ての店員にも当てはまる。
「飲んだことがない酒ばかりですね」と言うと、板長が「酒屋さんが奨めてくれるので」と正直だ。目利きが出来る料理人も立派だが、プロ同士の信頼も重要だ。

はものにゅうめん、白玉ぜんざい

はもそうめんと勘違いしたが、料理の流れを見て気がついた。鱧でだしをとった上品な味で、吸物のように全部飲み干した。白玉ぜんざいも酒呑みでも嫌にならない甘さだった。

帰ってホームページを見たらオーナーは飲食店とはまったく違う業種で驚いた。板さんの名刺を見ると店長となっているが、ブログも書いているので実質的にはりんの経営者のようなものだろう。女性店員も雇われ従業員とのこと。銀座の「おぐ羅」「京ふじ」「バードランド」など従業員の電話応対がいい店はどれも素晴らしい店である。

新宿では貴重な落ち着いた大人の店。それでいて銀座ほど高くないので若者も行ける。贔屓にしたい店である。


和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 地下1階
03-3205-7252
http://www.wami-rin.com

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2009年07月08日

[ブラックホール]②(新宿歌舞伎町)

顧客第一の姿勢が素晴らしい


前回(→「ブラックホール」)少人数向けのハーフサイズが3切れでは2人で譲り合いして面倒だと書いたら、早速4切れに改善するとのコメントを店から頂いた。これは行かねばならない。

予約をしないで行ったので、店に入ってしばらく不安な思いで待った。本日供される和牛の識別番号が書いてある黒板に目が止まった。待たされる時間も悪くない。
「〇番テーブルへ」とマネジャーが店員に告げたのでホッとした。見える範囲のテーブルはすべて埋まっている。

野菜サラダを頼もうとしたら、「お通しにキャベツが出ますけどよろしいですか」と親切だ。代わりにナムルを頼む。前回気付かなかった識別番号や店員の態度、すべてが良く見えるから不思議だ。

レバ刺しと前回食べなかった薬味のネギを頼む。数種類の薬味もブラックホールならではのものだ。出てきた料理を片付けながら、ハーフサイズの皿が出て来るのが待ち遠しくてしょうがない。期待しながらも不安も残る。ワクワク、そわそわしている銀髪を連れが面白がる。

待ちに待ったハーフサイズがやって来た。上タンも上カルビもちゃんと4枚ある。質も落ちてないようだ。感激した。本当にやってくれたのだ。大したものだ。銀髪のせいでコストが上がったのではないかと心配になった。でも嬉しい。嬉々としている銀髪を連れが茶化す。

ホルモンの盛合せを持って来た若い女性に「上の人に銀髪が来てると伝えてくれる?」と言った。キョトンとしているので「そう言えば誰か分かると思うよ」と付け加えた。しばらくして店長がやってきた。隣席の女性3人のグループが不思議そうにこちらを見ている。最初は銀髪が何か文句を言ったので店長が来たと思ったのかもしれないが、二人の嬉しそうな顔を見て謎が深まったに違いない。

銀髪が疑問視した一皿3切れは、奇数が常識のベテラン料理人からしたら当然のことだったようだ。まして死につながる4はタブーなのだろう。随分と議論した結果、客の利便性を優先させることにしたと聞いて、ますます感心した。

ぼちぼち帰ろうかと思っているときに、再び店長がやってきた。7月1日にオープンしたばかりのブラックホール2を見に行くので、もう一度挨拶に来てくれたのだ。彼が去った後、今度はマネジャーと名刺交換した。

店を出た後も銀髪の興奮は収まらない。5月に1号店がオープンしたばかりなのに、早くも2号店をオープンした。きっと成功する。いや、成功して欲しいと心から思う。

和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com

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2009年06月30日

[サニーサイド](新宿三丁目)

気楽なカフェバー


薄暗い店内はカップル向けのカフェといったところだろうか。案内された奥の小さなテーブル席に素直に座ろうとしたら、別の店員が広い方を勧めてくれた。マニュアル通り、無理矢理詰め込もうとしないのが気に入った。まだゆったりできる時間帯だ。

レバーパテ

店員がテーブルに置くときに転げ落ちてしまったパン。彼はそれを気付かずに去っていった。やっぱりおおらかな店だ。パテがなかなか美味しい。

ロメインレタスのサラダ あつあつのブルーチーズをかけて

溶けて熱々のブルーチーズをレタスにかける。想像したとおり、なかなかのお味。サービスは行き届かないカフェだが、料理は悪くない。

トリッパのアラビアータ煮込み

ビールから白ワインに、そして赤ワインへと順調に進んでいく。グラスで飲めるワインの選択肢が限られるが、気にしない。トリッパも水準に達しているのだから。

パルマ産プロシュートと青唐辛子のぺペロンチーノ

真正面に見える席に若い女性2人が座った。大きな生ビールを飲みながら、豪快に煙草をくゆらしている。アホ面で鑑賞している白髪じじいはまったく気にならないようだ。
左横の席も、その隣の席も女性だけの二人連れ。雰囲気も料理も悪くないので若い女性が気に入るのも理解できる。

腹一杯になったので勘定を頼んだ。席を立って見回すと、やはり女性が圧倒的に多い。それが店の雰囲気を優しくしているのかもしれない。気が利かない店員たちも邪気がなさそうで怒る気にならない。緊張感なく寛げる雰囲気を作る戦略だとしたら、大したものである。

サニーサイド
東京都新宿区新宿3-28-7 キーストン1F
03-3350-6860

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2009年06月23日

[ブラックホール](新宿歌舞伎町)

焼肉激戦区の歌舞伎町に出来た新店


新宿区役所通り沿いにモダンな店が出来たのは今年の5月頃。外観と同様に名前も焼肉屋らしくない。一度はまったら抜け出せない旨さということから名付けたらしい。他にもたくさんの焼肉屋、韓国料理屋がある歌舞伎町ではそれなりの特徴がなければ生き残れない。

店内は広々としており近隣の焼肉屋とは雰囲気が異なる。お通しは山盛りのキャベツの千切りで、とんかつ屋さんみたいだ。定石どおりまずは上タンからスタートした。

キャベツ、上タン

レギュラーサイズの他に多種類の部位を食べたい少人数向けの小皿があるのが嬉しい。まずはいい肉から食べてみよう。

上ハラミ、上ロース

少量なのはいいが、三切れずつというのが解せない。小皿を頼むのは2人連れが殆どだろうから、四切れを一皿とすべきだ。毎回譲り合うのは疲れる。

切り落としタン、ゲタカルビ

切り落としはタンにも色々種類があることが分かって興味深かった。ゲタカルビも同様に面白かった。他にも色んな部位がある。盛合せを頼んだ方が賢いかもしれない。

塩焼きを楽しむためにネギなど付け合せも豊富である。しかし、そのことを知ったのは家に帰ってホームページを開いてから。食べるその場で説明してくれれば、もっと違った楽しみ方が出来ただろう。メニューを読まない方が悪いのは分かっているけれど。

新宿では元横綱若乃花・お兄ちゃんの韓国焼肉料理屋も閉店してしまった。激戦区で戦うだけの武器は取り揃えたかもしれないが、精鋭の兵隊(店員)が育つかどうかは未知数である。隊長や下士官たちの頑張りに期待したいものだ。 


和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com

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2009年06月15日

[寿司清]②(新宿)

やっぱり楽しくリーズナブルな寿司屋


3年振りにやってきた。あの時はカウンターのど真ん中に座ったが、今日はコーナーの端っこ。見える魚は限られるし、目の前の板さん以外は後ろ頭しか見えない。

お通し(フカヒレ軟骨)、ウニ

「きれいなウニだねー。洗った後に並べたの?」板さんに最初に声をかけるときは、銀髪といえども少し緊張する。「いいえ、普通に洗っただけです」おそらく向こうの方が緊張しているだろう。胸の名札で大場さんとは分かったが、笑顔を引き出すタイミングは難しい。

ミズイカ、イサキ、カレイ、アジ、イワシ

取りあえず目の前にある魚の中から刺身を造ってもらった。「イワシは酢につけてあるの?」一口食べて質問する。「サッと酢にくぐらせてあります。アジも一緒ですよ」と答える。アジは身が厚いので分からなかった。なかなか話は膨らまない。

トリガイ、アカガイ、アナゴ

江戸前にこだわる高級店ではアナゴの白焼きを頼むと「うちのアナゴは全部煮てますから」とムッとされる。大衆的な寿司清は堂々と本日のお奨めに掲げているのが嬉しい。

キンメ、ホウボウ、白エビ、トロ

左隣に若い女性2人が座った。我々に背を向けていた板さんが彼女たちの前に立ち、魚の名前をスラスラと言う。名札を見たら副店長の小月さん。「あいつだ!」3年前相手をしてくれた板さんをやっと見つけた。

「あのおじいさんは最近も来ているの?」と声をかけた。「しばらく来ないですね」と言いながら、怪訝そうに銀髪を見る。若い女性たちから小月さんを奪い取ってしまった。90歳を超えてさすがに前のように来られなくなった老人の話で盛り上がる。

突然「あの日も殻つきのウニを食べた!」と連れが口を挟む。まったく蛍光灯である。老人の話が出るまでこの店に初めて来たと思っていたというから恐れ入る。いつの間にか大場さんも打ち解けて会話を盛り上げている。笑うと年齢相応に若く見えるから楽しい。たくさん笑って勘定の時間になった。「小月さん、また3年後に会おうね!」と言って最後の笑いを誘った。

寿司清
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館3F
03-5366-8830

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2009年06月08日

[MARUGO GRANDE](新宿三丁目)

立ち飲み感覚ワインバー


新宿末広亭の通りを歩いていたら大きなガラスドアの向こうにたくさんのワインが並ぶ店を見つけた。「あっ!これがMARUGOか!」こんな大きな店が以前見つからなかったのが不思議だ。この界隈は狭い路地がごちゃごちゃしている。探しているうちに他の面白そうな店に入ってしまったことを思い出した。

窓際のカウンターに座りワインメニューを見る。グラスでスパークリングワインが2、白ワインが7、赤ワインが9種類ある。どんなに見栄を張っても1000円なのが嬉しい。

マルゴ風サラダ、ピアディーナ・トリッパの煮込みソース

店の名前を冠したサラダがあれば必ず頼むことにしている。「どこがマルゴ風なの?」と聞いたが、店員はワインの知識で頭が一杯のようだ。メニューにピアディーナという聞き慣れないものがある。イタリアの薄焼きパンとのこと。上に乗せる具は5種類の中から定番のトリッパを選んだ。なかなか美味しい。

アスパラソバージュのフリット、スパゲティ

細いアスパラのようだが別種のものらしい。ヘアスタイルから想像したものと当たらずとも遠からず。ちょっとネットリして美味しい天ぷらだった。
「オリーブオイルを多めにね」と注文したのが駿河湾しらすと万願寺唐辛子のサフランを練り込んだタリオリーニ。いい感じだ。

メインを頼んでないのを思い出した。しかし、これから肉を焼くのは時間がかかりそうだ。ワインは白から赤に変わっている。たまには甘いものでも頼んでみよう。甘過ぎないチョコレート、レアチーズケーキがあったのは幸いだった。銀髪が食べられる数少ないスイーツである。

ゴルゴンゾーラのレアチーズケーキ、自家製生チョコレート

通りを歩く人たちにとって我々は格好の見世物になっているようだ。もっとも、こちらからすると人間観察ができて実に面白い。動物園の動物たちもこんな気持ちだろうかと思うと、妙に楽しくなった。


MARUGO GRANDE マルゴー グランデ
東京都新宿区新宿3-6-14
03-3350-4605
http://www.marugo-s.com/g/

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2009年05月24日

[凪](新宿ゴールデン街)

ガツンと濃厚煮干


新宿で途中下車してゴールデン街に向かった。高校に入って以来、学校や職場への経由地である新宿には何度降りたか分からない。にもかかわらず、ゴールデン街は過去1回しか行ったことがない。作家やジャーナリストが集まる店は一見では入りにくく、知らない店ではボッタクリにあいそうで怖い。友人に連れられて行ったのがいつだったかも忘れてしまった。

ゴールデン街に足を踏み入れた途端、妙な思い込みは吹っ飛んだ。若いカップルや立派な一眼レフカメラを持った外国人が何組も歩いている。区役所通りと違い悪質な呼び込みもいない。
凪の店主もゴールデン街に特別の思い入れがあるらしい。急な階段を上ったところに念願の復活を果たしたとのこ。渋谷、立川、駒込で個性豊かなラーメンを出しているが、新宿店は特濃煮干のスープがウリである。

肉餃子

券売機でビール、肉餃子とラーメンの食券を買った。これを店員に渡すと「ラーメンは後にしますか?」と気が利いている。追加のビールを買うために両替を頼むと、「こちらで支払って構いませんよ」と融通が利く。人気のラーメン屋は偉そうにしているところが多いが、凪はとても好感が持てる店だ。

味玉煮干ラーメン

想像した以上にガツンと来るラーメンである。富山のブラックラーメン以来の衝撃を受けた。チャーシューもなかなかのもの。太い麺もいいが広く薄く伸ばし麺もいいアクセントになっている。しばらくしたらまた食べたくなるようなラーメンだった。

食べている間に何人もの若者が入って来た。中にはこんな店でデートが出来る羨ましい奴もいる。ラーメンの刺身など面白いものもあり、もっと色々食べたい気持ちもあったが彼らのために席を空けることにした。

ゴールデン街の店主たちはイメージ向上に熱心なようである。旧い店と新しい店が混在する旧くて新しいゴールデン街。客も徐々に入れ替わっていく。



東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-2F
03-3205-1925
http://n-nagi.com/

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2009年05月13日

[鈴なり]⑧(荒木町)

ステップアップは果たせるか


今日は珍しく一番乗り。6時をちょっと回ったところでカウンター席に座った。料理は1万円のコースを電話で予約してあるので、スムーズに食事は進行していった。

うるいと片栗菜、富山産岩牡蛎

八寸(本ミル貝、赤貝、子持ち昆布、蒸し鮑、ほたるいか、バイ貝

徐々に客が入りだす。驚いたことにカウンターの右隣と左隣に中年の男性客がずらりと並んだ。先日発売されたグルメガイドでも鈴なりが紹介されていた。すっかり予約が取れない店になってしまったが、圧倒的に女性客が多かった。男性にも支持されるようになったのは好ましい。

稚鮎とこごみの天ぷら、栗かに、玉地蒸し、白海老

青森産の栗かには初めて食べた。珍しい食材があるとすぐに取り入れるのが店主の村田さんのいいところ。珍しいもの好きの銀髪は素直に感動する。

マコカレイ、かつお、メジマグロ

変わったものがもう一つ。アシスタントの板前が違う。独立心旺盛な力のある板前は去っていく。板前を育てながら使っていくのは大変だろう。村田さんの苦労が分かる。

スッポンの焼き物、焼き竹の子(金沢産)、伊勢海老

スッポンの焼き物は気に入った。塩味がちょうどいい。ここまでで2時間が経過した。料理が出るスピードが遅くなってきた。振り向くとテーブル席は女性中心に埋まっている。左の男性客3人が料理を土産にしてもらい席を立った。

あさりごはん

銀髪もあさりごはんを少し食べて残りは握ってもらった。デザートの杏仁豆腐を食べ終わった時には既に3時間が経過しようとしていた。

我侭な客を満足させるのは大変だと思う。進歩してはじめて現状維持のイメージとなる。従業員を育てながら、料理の質を高めなければならない。もちろん利益を上げて次の展開に備えることも重要だ。

勘定をして若い板前に声をかけた。「頑張ってね。鈴なりの将来は君にかかっているからね」緊張した顔に初めて笑みが広がった。従業員たちが育ち、鈴なりが次のステージに駆け上がることを期待したい。

鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178

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2009年05月11日

[どん底](新宿三丁目)

三島由紀夫も行った店


1949年創業の新宿西口の「ぼるが」、1951年の東口の「どん底」、老舗の居酒屋2軒がロシアに関係する店名なのは創業時の世相を反映しているのだろうか。ゴーリキーの戯曲「どん底」を連想するのは銀髪の勝手な思い込みかもしれない。店もことさら店名の由来をアピールする気はなさそうだ。

ぼるがに行った記憶は鮮明なのにどん底の記憶は殆どない。地下のカウンターに座ったのは間違いなく初めて。メニューを開いて「何がお勧めなの?」と聞く体たらく。有名などん底に来たことがないはずはないと思いながらも自信が持てない。

イベリコハム、グリーンサラダ

開店以来の名物というピザの前にイベリコハムとグリーンサラダを頼んだ。イベリコハムは昔にはなかったメニューのはずだ。期待していなかったグリーンサラダがみずみずしくて意外といける。美味しさの秘密を尋ねても「キッチンのことは分からない」と店員は素っ気無い。それでも長身のハンサムガイが笑いながら言うと嫌な感じはしない。

ピザ、バジリコスパゲティ

どん底自慢の一品、たっぷりチーズのミックスピザは確かに美味い。ナポリタイプなど最近流行りのピザとは違う昔風のピザだが、チーズが溢れて焦げたところが香ばしくて銀髪には新しい味に感じる。

ハンサムガイが勧めてくれたもう一つの名物「元祖カフェめし 林さんのライス」は連れに断固拒否された。ピザを食べた後に和風のご飯ものを食べるのは変だと言う。仕方なくスパゲティを食べた。「オリーブオイル多目にしてね」と希望したものが出てきて連れは満足そうだ。マイ唐辛子をかけたのでピリリと辛くて銀髪も満足した。

ハンサムガイに「格好いいね、外国人みたいだね」と言うと「日本人ですよ」と苦笑いする。「俺も外国人に見えるだろう?ベトナム人に」と言うと「まんま日本人ですよ!」ともう一人の若い店員と一緒になって馬鹿にする。

次回は絶対「林さんのライス」を食べよう。カウンターで一人で食べれば誰にも邪魔されることはない。

どん底
東京都新宿区新宿3-10-2
03-3354-7749
http://www.donzoko.co.jp/

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2009年04月30日

[ボスボラス・ハサン](新宿三丁目)

久々のトルコ料理


チュニジア、イラン、ギリシャ料理などと似ているために何度も行った気になっていたが、トルコ料理屋は高田の馬場のDENIZに行って以来約6年振りである。強大なオスマントルコが周辺の地域から食文化を吸収したのか、洗練された宮廷料理に発展したためか、あるいは両方の理由からか、トルコ料理はフランス料理、中国料理と並んで世界三大料理の一つと言われる。

ホームページによると、ボスボラス・ハサンのオーナーは日本初のトルコ料理屋(イスタンブール?)で5年間シェフを勤めた後、1993年に独立したそうだ。真に日本におけるトルコ料理屋の草分け的存在である。内装はエスニック料理屋にしては立派な店で、宮廷料理をイメージしたののかもしれない。

エキメッキ、キュチュック・メゼ

前菜盛り合わせキュチュック・メゼを頼んだら、パン(エキメッキ)につけて食べるものだと言われた。パンを手で千切ろうとしたら熱くて皿に放り出した。これがもちもちしていてとても美味しい。冷めてしまうと味は半減するので、温かいうちに食べきった方がいい。

中東料理の代表格ドネルケバブを食べるか、他の料理にするか迷った。他の店と味比べをしたいと同時に、初めてのものに挑戦したい気持ちもある。

ボスボラス・ヨーウルト・ケバブ

店の人と相談してケバブを使ったオーブン料理を食べることにした。遊牧民を祖とするトルコ人にとってはヨーグルトも欠かせない食材である。意外と酸っぱくなくて良かった。しかし、量が多くて他の料理を追加することは断念した。

スットゥラッチ(ライス入りプリン)

デザートは銀髪には甘過ぎた。本来は甘くして飲むチャイ(トルコ紅茶)は砂糖抜きで飲んだ。

トルコワインを飲んだが、残念ながらフランスワインほど洗練されていない。中東・地中海の代表的な酒は薬草系などのスピリッツ、蒸留酒が主流。日本人からしたら洗練された料理と日本酒を持つ日本料理を世界三大料理に加えたいものだ。もっとも、世界三大料理はキリスト教、仏教、イスラム教から一つずつ選んだと解釈すれば分かりやすい。イスラム代表は間違いなくトルコである。


ボスボラス・ハサン
東京都新宿区新宿3-6-11 第一玉屋ビル2F
03-3354-7947
http://www.bosphorushasan.com/

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2009年04月20日

[ぼるが](新宿西口)

中高年の憩いの居酒屋


約10年振りにやってきた。その前が更に10年前。大学時代はしょっちゅう来た店だが、卒業後は10年に1回来ては懐かしんでいる。階段を上がってすぐのコーナーには70歳前後の6人組が同窓会でもやっているようだ。その内の一人が立派なデジタル一眼レフのカメラで同僚たちにフラッシュを浴びせている。

お通し、もつ煮込み

店内も外観も記憶の通りだけど、30年前の客層は学生や若いサラリーマンが多かった気がする。1949年に創業して、現在の場所に移転したのが1958年。かつてあったような若者たちの熱い議論は、店の隅々まで探しても見つけられない。

ばん焼き

ぼるがの看板料理は焼き鳥&焼きとんである。道路に面した炭火でおじさんが焼いている。2人前頼んで塩とタレを半々にしてもらったが、2本ずつ5種類という訳ではなく、鳥肉と豚肉をうまく混ぜてくれた。塩味もいいが甘くとろみのあるタレも捨て難い。

おから、わらび、湯豆腐

一皿の量が多いので食べ応えがある。30年前は量が少ないと思ったかもしれない。もっとも、若い頃は肉類ばかりを食べて、山菜や豆腐の類は避けたことだろう。

腹が膨れてきたところでもう一度店内を見回した。若い女性の3人組と2人組が店の雰囲気に溶け込んでいる。30年前にはなかった光景のように思える。何度見ても男子学生らしき連中はいない。この日は若き日の自分を見つけることはできなかった。

腹いっぱいになったので勘定をした。70歳前後の6人組は数分前に席を立った。また10年後、ぼるがで彼らに会えるかもしれない。6人全員が揃っているとは限らないが…

ぼるが
東京都 新宿区西新宿1-4-18
03-3342-4996

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2009年04月13日

[WAZA](新宿)

さすがサントリー


新宿駅東口を出てすぐ正面のビルの階段をずんずん下りていった。店内は照明を落とした大人の雰囲気。カウンターバーのある部屋は喫煙ルームだと言われてちょっと怯んだ。それでも意を決してカウンターの右端に座った。写真を撮るならここがベストのようだ。

季節野菜のチーズフォンデュ

「大人の空間でこだわりの野菜を食す」がコンセプトらしい。自慢料理はポトフやフォンデュとのことで、今日は後者を選んだ。「何種類のチーズを使っているの?」「一種類だけです」「へー、そうなんだ」プレミアムモルツを飲み干して白ワインに移る。グラスワインの品揃えがよくリーズナブルなのが嬉しい。

谷中しょうがの豚バラ肉巻き、キャベツのコロッケ

店長お奨めの谷中しょうが。豚肉との意外な組み合わせだ。「美味しいよ、あなたが店長?」「違います。呼んできましょうか?」「いやいや、それには及ばない」
オリジナルメニューの中から選んだキャベツのコロッケ。「これはいいねー。つなぎはホワイトソースかな?」「いいえ、キャベツだけです」「フーン…」

宮崎日向豚の炭火焼オリーブ風味とマスタード

自慢料理は炭火焼。薬味はオリーブを刻んで和えたもの、沖縄の塩、フレンチマスタードの3種。肉は箸で切れるぐらい柔らかい。何もつけなくても充分美味しいが、薬味を変えると飽きない。気前良くグラスにたっぷり注いでくれた赤ワインが豚肉に合う。

勘定を待っていると店長が挨拶に来てくれた。先ほど店員にしたのと同じ質問をする。
「チーズは何種類使っているの?」「2種類です。ワインなどは加えず、チーズ本来の味を召し上がっていただいています」
「キャベツコロッケのつなぎは何ですか?」「ベシャメルソースです。このコロッケを作るのはなかなか難しいですよ」
「ところでどこかのチェーン店ですか」「親会社はサントリーです」
謎はすべて解けた。大資本の系列店で、しかも大きな店では若い店員を教育するのは大変だろう。質問する方が悪い。酒の種類が豊富でリーズナブルな価格の理由も分かった。

店長が店の外まで見送ってくれた。とても居心地のいい店だった。また来ますよ。

東京都新宿区新宿3-27-4
新宿東海ビルB1
0120-71-7703 
http://www.dynac-japan.com/waza/

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2009年04月07日

[ジャックポット](新宿三丁目)

気軽にオイスター三昧


「オイスターバー」銀髪にとっては何か特別な響を持つ。大学時代、2回もあたったが嫌いになることはなかった。オーストラリアに行ってからは殻つきの牡蠣を食べる機会が増え、毎回1ダースぐらいペロリと食べたものだ。日本でもオイスターバーが増えてきた。新しい店を見つけると居ても立ってもいられなくなる。

迂闊なことに、何度も歩いた通りに3年も前からある店がオイスターバーとは知らなかった。狭い店のカウンターに座り、壁のメニューリストを見る。この日は16種類の生牡蠣が用意されていた。

お通し、ソース

お通しが自家製スモークサーモンとは泣かせる。この日は九州産がお奨めだった。お得な九州盛りに外国産を2種類加えた。薬味がまたまた泣かせる。牡蠣に定番のピリ辛カクテルソースだけでなく、ポン酢、ワインビネガーなど多彩。感激したのはアイラウイスキーのボウモアである。海に囲まれたアイラ島で熟成されるスコッチウイスキーと牡蠣は抜群の相性と言われる。これを一度やってみたかった。

恵比寿(福岡)、九十九島(長崎)、諫早(長崎)、セントへレンズ(タスマニア)、クマモト(ワシントン)の6種。壁のメニューを見れば味の濃厚さを黄色い丸の数で知ることが出来る。さわやかなものから順に食べていく。ソースを選ぶのも楽しい。

春香(島根)、ハマースレイインレッド(ワシントン)、キャッツアイ(タスマニア)の3種類を追加した。他の日本産の牡蠣は真牡蠣だが、春香は夏が旬の岩牡蠣。日本で今シーズン一番早い岩牡蠣ということだった。もちろん懐かしのオーストラリア産は外せない。

野菜サラダ、マルゲリータ

契約農家から仕入れた新鮮野菜を使ったサラダもこの店の自慢。サラダを挟んで8種類の牡蠣を食べた。食べられなかった8種類に未練が残ったが、相手を気遣って最後はピザを頼んだ。これもなかなか美味しかった。

若い店員たちの胸には名札がついていて、ヤスユキ君の名札には打点王の文字が添えられている。呼び止めて意味を聞くと、お奨め上手の意味と言うことで大いに笑った。銀髪はたくさん打点を稼がせる客である。若者と話すのは楽しいと思う今日この頃。いつの間にか歳を取ってしまった。

今まで行ったオイスターバーの中ではこの店がナンバーワンである。


ジャックポット
東京都新宿区新宿3-12-2 安室ビル1F
03-5312-0345
http://www.jack-pot.co.jp/
品川、恵比寿、丸の内などにも出店

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2009年03月24日

[悠讃](飯田橋)

うどん居酒屋


大学の同級生二人を誘った銀髪が当然のことながら幹事役になった。最後に来るSの職場に近い店を探す。リーズナブルで美味しいと評判の店の中から迷う事なく悠讃を選んだ。もう一人のMが香川県の出身で、讃岐うどんを批評してもらおうと思ったためだ。

約束の7時より少し早く到着したら、既にMが待っていた。軽いおつまみで生ビールを飲みながらSを待つ。

お通し、ごぼうチップ

ビールが残り少なくなった頃、Sがやってきた。彼の到着から10分足らずで約30年の空白の時間は埋められた。年配の女性店員を呼んでお奨めを聞く。ランチ時は混雑するうどん屋も、夜は静かな居酒屋である。酒の肴の種類は多く、味も悪くない。

大山鶏の唐揚げ、出汁巻き卵

テーブルに置かれたメニューで酒を選ぶ。多数の焼酎が書いてあるが、日本酒の品揃えが貧弱でがっかりする。店員に尋ねると日本酒のメニューは別にあった。何と浦霞のオンパレード。これだけの種類の浦霞を揃えている店は初めてで、ちょっと驚いた。

炙りしめ鯖、ハラス焼き

大学時代に酒豪の一人だったSよりも、急ピッチでMが浦霞を飲んでいく。Sの母がバッカス(酒神)と呼んでいた銀髪はお冷と交互に浦霞を飲む。大学時代とは違う酒席の風景だが、3人揃えば気持ちは30年以上前に容易に戻る。もっとも他人の目には近くの中年サラリーマンの集まりにしか映らないだろう。

ぶっかけうどん

〆に相応しい量ではないぶっかけうどんを一人一杯ずつ頼んだ。そのため日本酒も肴も追加するのは止めた。うどんを食べながら「どうだい?」とMに聞くと、専門的なコメントがさすがだった。

食べ終わって調理人(主人?)に「香川県出身ですか?」と聞いたら「違いますが、香川で修行しました。粉も香川から取り寄せています。」とのこと。「オーストラリア産の小麦ですけどね」と続けた笑顔が良かった。

腹は一杯だが少し呑み足りない。今度は周辺をよく知るSが幹事役だ。飯田橋もなかなか悪くない。

Udon Dining 悠讃
東京都千代田区飯田橋4-4-12 ワイズビル1F
03-3262-2424

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2009年03月20日

[いさ美寿司](新宿)

何でもある寿司居酒屋


別の店に行こうと思っていさ美寿司を見つけた。8年位前に先輩に連れられて来て、その後どこだったか場所が分からなくなっていた。すごく酔っ払って店を出てから数年を経て探そうというのが無理な話。潰れてしまったのかと勘違いした店が今、目の前にある。

お通し、刺し盛り(極)

大変な賑わいだった8年前と比べたら、今日はちょっと寂しい。客は半分も入っていないのに店員はなかなかやって来ない。ようやく氷頭なますとししゃものお通しが来た。頼んだ料理が来るのも遅いだろうと思っていたら刺身はすぐに出てきた。店長とアルバイト、料理人、3人のバランスが悪いようだ。

日本酒のメニューは銘柄と値段しか書いてない素っ気無さ。アルバイトを呼び止める手間を省いて、自ら冷蔵庫のところに歩いていった。八海山、田酒、銀盤、十四代、越乃寒梅、〆張鶴、黒龍、浦霞、雪中梅など銘酒が並ぶ。純米大吟醸まであるのは意外だった。お手頃値段で悪くない。

空豆、まぐろハンバーグ

しぼみかけた8年前の好印象を空豆の湯気が取り戻した。数量限定のまぐろハンバーグも悪くない。

空腹感が癒されてくると、隣席の会話が聞こえてくる。既に30分以上も若い営業マンが上司に説教をされている。上司がトイレに立った後、ため息が聞こえたような気がした。店の奥では若い会社員たちが宴会をやっている。

釜揚げしらす、寿司(大トロ、ウニ)

今日お奨めの駿河産しらすも湯気を伴ってやってきた。寿司はしゃりが大きくて食べ応えがある。

左隣のカップルが去り、可愛そうな営業マンも上司から解放される時間になったようだ。我々も純米吟醸や大吟醸を飲みすぎたのでお開きにした。8年前の記憶は少し塗り替えられた。

寿司酒場 いさ美寿司
東京都新宿区新宿3-4-9 新宿三和東洋ビルB1
03-3341-1040


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2009年03月12日

[石かわ](神楽坂)

ミシュラン三ツ星の理由


ミシュラン東京掲載の店には行かない、と心に決めている。選考者が気に入らないとか、選ばれている店に納得できないとか、確たる主義主張があるわけではなく、単にミーハーに見られたくないためだ。銀髪グルメ紀行を書くためにカメラを構える姿は、どこからどう見てもマスコミに踊らされて喜ぶ馬鹿者そのものだろう。

お互いに兄弟と呼び合う友人から久し振りにお誘いがかかった。彼の秘書からのメールには、神楽坂の「石かわ」とある。移転する前に行こうとして果たせず、ミシュランに選ばれたので縁がないと忘れることにした店である。素直に喜んだ。

普通ならカウンターに座るところだが、写真を撮るには個室が有難かった。友人が到着するまでにおしぼりやお茶を持って店の女性が2人現れては消えた。店を出るまでに4人の女性が料理や酒を運び、誰に聞いても的確かつ優雅に説明してくれた。

ミシュランに『料理は枠にはまらない「石かわ流」』と評されているとおり、アンコウの肝に黄身酢をかけたり、寒ブリと辛み大根を併せたりと、どの皿も京料理のようでも少し違っている。若竹煮ではなくて、素麺と一緒に椀物にしてしまうと違和感を覚える人もいるかもしれない。銀髪はもちろん大歓迎である。面白い。

帆立の炊き込みご飯を2杯食べた。料理は月替わりとのことだが、何か名物料理というものはないのだろうか。入れ替わりやってくる女性の一人をつかまえて尋ねると鯛茶漬けだと言う。「出せるかどうか聞いてきましょうか?」となれば断る理由はない。

何と本日3杯目のごはんも首尾よく腹に収まった。主人の石川さんが挨拶に来てくれた。友人とは食事を共にする間柄らしい。「料理はもちろんだが、店の女性たちが素晴らしい」と話したら心底嬉しそうだった。ミシュランに選ばれる前から誇りと愛情を持って店を支えているスタッフたちに感謝していると言う。従業員を見れば社長が分かる。どの世界も一緒だ。

三ツ星の真価はそんなところにあるのかもしれない。ミシュランなんかどうでもいいけれど… 

連れて行ってくれた友人にも謝謝。

石かわ
東京都新宿区神楽坂5-37
03-5225-0173

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2009年03月11日

[米新](新宿歌舞伎町)

肉屋のすきやき


歌舞伎町を歩いていたら「すきやき・しゃぶしゃぶ 特上4,200円→2100円」の看板に目が止まった。「そんな馬鹿な…」と通常なら通り過ぎるところだが、入り口の横にある肉のショーケースを見て迷った。人形町の日山や今半、京都のモリタなど精肉店が営む飲食店は安くて美味い。意を決して店に飛び込んだ。

店はきれいとは言い難いが、老舗の風格と思えないこともない。中央のコンロが手動で上下するテーブルは、今では買えないような年代物である。もちろん特上4,200円(実際は半額)のすきやきを頼んだ。他の料理を頼もうとしても、すきやきの注文を受けただけで店員は消えた。大概の客は半額セールの物だけ食べて帰るのかもしれない。

可愛い店の女性が鍋に野菜を入れ始めた。一人前2100円にしては立派なサービスである。鍋の半分が野菜で埋まったところで肉を入れて、割り下を注いだとろこで後の調理法を伝えて去って行った。最後まで面倒を見てくれるわけがない。期待する方が間違いだ。

馬刺し数切れを刺し身で食べ、残りを鍋に入れた。メニューには豚肉や合鴨も載っているが、肉の追加はしないで他の料理を食べることにした。5種類のソーセージ、牛タンの塩焼きで酒を飲んだ。

店は半分ほどの入りだが、店員たちは忙しそうだ。入り口に作りかけの弁当がたくさん並んでいた。歌舞伎町にある麻雀荘やクラブからのオーダーを待っている。数千円の弁当が出ることはなく、殆どが1,000円前後。リーズナブルな店で、来店客だけでなく多くの歌舞伎町の遊び人たちに支えられている老舗だった。

すきやき 米新
東京都新宿区歌舞伎町1-16-12
03-3209-4864

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2009年02月26日

[みの家](新宿御苑前)

桜鍋は東京名物?


「すき焼きを食べに行こう!」銀髪に任せると何を食べさせられるか分からないと慎重な相手を安心させた。新宿通りから一本新宿御苑寄りの路地にみの家はある。下調べをして来なければ見つけられないし、見つけても入るには勇気がいる。静かな佇まいの前に立ち、すき焼きの名店と言われたらそれなりに期待は膨らんだようだ。

店に入り座敷に上がる。外も古いが中も古い。美しいとは言い難い。先客がつついている鍋を見ると、あんこう鍋の「伊勢源」、鳥すきやきの「ぼたん」、どぜうなべの「駒形どぜう」などの老舗江戸料理屋を思い出す。勘の鈍い人でも普通のすき焼き屋でないことに気付く。桜の花模様のメニューを見て観念したのを見て笑ってしまった。してやったりである。

たてがみ、桜肉の刺身

刺身の種類は少ない。メニューの筆頭は桜鍋、次が桜肉のロース鍋で馬刺しはあくまで鍋の脇役でしかない。生卵は好き嫌いがあるので有料。明朗会計である。

赤身とロースを1人前ずつ頼んで味比べをした。牛肉のすき焼き同様に割り下を使うものの、味噌が乗っているのがちょっと違う。これが江戸風である。

中心の脂身以外は殆ど赤身。煮たら固くなるかと思ったら、柔らかくて食べやすい。

肉以外は麩とねぎとしらたきでシンプルだ。小さな鍋の中身はすぐになくなった。馬肉と聞いて怯んだ相手も喜んで食べた証拠である。肉だけ追加して最後はうどんにした。

馬肉は熊本のイメージが強くなってしまったが、みの家のものは青森産。東北の馬食文化の方が熊本より歴史があるようだ。もっともさくら鍋は東京名物である。新宿店もなかなか風情があるが、やはり森下の本店に行かなければおさまらない。文明開化の時代にワープできるかもしれない。


みの家 新宿店
東京都新宿区新宿2-1-14
03-3354-4518

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2009年02月23日

[はなもんや](新宿)

和風個室の焼肉屋さん


「全席和モダン掘り炬燵個室の焼肉屋」というのに興味を持った。接待用の畳部屋を持つ高級焼肉料理屋は他にも知っているが、すべて和室の焼肉屋は初めてである。

JR新宿駅新南口、ユニクロの目の前、それほど大きくないビルの6階でエレベーターを降りると日本料理屋と錯覚する。靴を脱いで個室に入り、テーブルを見てようやく焼肉屋と納得する。
コースは滅多に頼まないけれど、参考のために5,400円のぐるなびクーポン限定コースを食べることにした。グラスワインもコースに含まれている。

煮込み、キムチ盛合せ、おぼろ豆腐、もも赤身刺し

店員も店の雰囲気に染まるのだろうか、みんな物腰が柔らかく品がいい。店名の「はなもんや」は京都弁かと思ったら、人間の指紋にあたる牛の鼻紋のことだというから笑わせる。

近江牛盛合せ

赤身とバラ肉の3種(バラ、上バラ、ゲタバラ)が1人一枚ずつ名札つきで出てきた。なかなか美味しい。醤油ダレ、味噌ダレもあるが、3種類の塩で食べるのが一番いい。

ホルモン盛合せ(ミノ、マル腸、ハツ)

すべて近江牛というわけではないけれど、ホルモンもなかなかの肉質だ。ぐるなびコースはこれで終わり。まだお腹も脳も満足はしていないが麺やごはんを食べる気にもならない。肉を追加することにした。

さがり、ざぶとん

肋骨に近い部位のサガリ、鞍下に近い最上級肩ロースのざぶとんを食べた。腹一杯にするにはいくらかかるか分からないのでこのぐらいでお開きに。安売りに釣られてきて、結局高いものを買うのに似ている。ぐるなびコースにごはんをつけてないのはなかなかの戦略家だ。安くあげるなら食事付きのはなもんやコース(5,800円)の方がいいだろう。

三角、くり、うわみすじ、みすじ、とうがらし、いちぼ、しんしん、とも三角。希少部位を全部食べたくなる。次回は戦略を練り直して来よう。いい店だった。

はなもんや
東京都新宿区新宿4-1-9 新宿ユースビルPAX6F
03-6457-7211

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2009年02月16日

[路地](新宿三丁目)

デートにも使えるきれいな焼きとん屋さん


「数年振りに海外勤務から戻ったら、焼きとん屋が多いのにびっくりした」と友人が言う。彼の職場の近く、新橋には昔から美味しい焼きとん屋がたくさんある。しかし、確かに新しく出来た店もあり、新橋以外でも焼きとん屋が増えている。

学生のとき、武蔵小山の焼きとん屋によく行った。焼きとんを肴に安い焼酎のホッピー割りを飲むのが好きだった。汚いイメージが強い焼きとん屋も、随分変わって来た。オヤジたちの聖域に女性が進出してきたせいかもしれない。

新宿伊勢丹裏の路地を歩いていたら、ちょっと洒落た感じの店を見つけた。まさに今風の焼きとん屋さんで、店に入ると男女比はほぼ半々。デートにも使えるような店だ。席につくと二日酔い防止のための青汁とお通しが出てきた。

さしみ湯葉、生野菜盛り

湯葉の盛り方や野菜の化粧を見れば、店の雰囲気も想像してもらえるだろう。焼き場の男性店員のユニフォーム姿も決まっている。料理を運ぶ女性も物腰が柔らかい。

てっぽう、たん、大とろバラ焼き、こぶくろ、かしら、ればー、がつ、しろ、つくねと続けた。大とろバラ焼き以外は1本ずつ頼めるのが嬉しい。1本200円~300円はちょっと高めだが、店の雰囲気も合わせて考えれば安いものである。しかもブランド豚・岩手産の白金豚と聞けば納得する。こぶくろが特にきれいだ。

勘定をして出口に向かおうとしたところで地下へ続く階段が目に入った。店員に尋ねると、地下だけではなく2階も3階もあると言う。大部屋や個室、カップルにぴったりの席もあるようだ。女性も安心して入れる店と言いたいところだが、新橋の焼きとん屋で豪快にジョッキをあおる女性たちを思い出した。元気な女性たちは怖いものなしだ。

銀髪がメンバーだったオーストラリアのゴルフ場では、土曜日は女人禁制だった。プレー終了後、ビールを飲みながらオーストラリア人がつぶやいた。「土曜日ぐらいは男だけでくつろぎたい」


路地
東京都新宿区新宿3-17-17
03-3352-0080
http://www.roji.info/

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2009年02月02日

[湖南菜館](新宿歌舞伎町)

毛沢東が愛した湖南料理


湖南料理の名店として知られる湖南菜館は、以前から気になっていた店だった。「歌舞伎町案内人」の著者李子牧(リーシャム)氏がプロデュースする店としても有名。店があるビルに近づくとかわいい中国娘に店のパンフレットを渡された。これを受け取りビルに入ろうとすると、彼女が驚いて追いかけてきた。銀髪が彼女の店を目指して来たとは思わなかったのだろう。

店内は明るく、洋風のレストランのようで、中華料理屋らしくない。中国人二人(一人は李子牧氏?)が新聞を広げて打ち合わせをしており、他に客はいない。客引きに成功した形の先ほどの中国娘が、コートを脱いだウエイトレス姿で我々の前に現れた。なかなかの美形だ。

お奨めを聞いたら、あれこれと教えてくれる。先ほど渡されたパンフレットを開き「全部これに載っているね」と言うと、恥ずかしそうに微笑んだ。本来なら細々と前菜を頼むところだが、写真の料理をオーダーした。彼女のお奨めなら量が多くたって構わない。

水煮魚(季節の鮮魚の湖南風ピリ辛仕立て)

中国八大料理の中では四川料理と湖南料理が辛口である。湖南料理は痺れるような辛さの四川料理とは異なり、酸味がある優しい辛さが特徴。水煮魚はこくもあってとても美味しかった。

蒜茸文蛤(蒸しハマグリ)

にんにくと唐辛子がぺペロンチーノを思わせる。ハマグリの下に敷かれた春雨がスープを吸って美味しい。スープも残すにはもったいないので大半を飲んでしまった。

毛家紅焼肉

カラオケルームもあるモダンな店内と壁に貼られた毛沢東の大きな写真がアンバランスで可笑しい。湖南省は広東省の北に位置し、昔は楚があったところ。毛沢東や劉少奇などの大政治家の出身地でもある。その毛沢東が愛した料理が毛家紅焼肉で、皮付きの豚角煮に近い。箸で切れるほど柔らかくコラーゲンタップリの逸品。もっとも中国料理独特の香辛料が日本人には評価を分けさせるかもしれない。

中国娘が心配してくれた通り、3品で腹が膨れてしまった。追加注文をするかどうか迷ったが、答を出すのは難しくなかった。また来ればいい。他にも気になる料理がたくさんある。

一つだけ心配事がある。今度行った時も、あのかわいい中国娘は働いているだろうか。それだけがきがかりで仕方がない。


湖南菜館
東京都新宿区歌舞伎町1-23-13 4F
03-3207-8288

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2009年01月27日

[薩摩八郎](新宿)

大阪発の九州郷土料理


新宿東口を出て区役所通りに行く途中に昨年11月、変わった店が出現した。外から見ると店内にいくつもの大きな樽が据えられている。その一つ一つが個室になっているようだ。気になっていた店にようやく入ることが出来た。

「3階へどうぞ!」苦労して急な階段を上ったにもかかわらず、細かく区切った半個室にをあてがわれた。樽の中で飲みたかったのに、まんまとしてやられた。これなら普通の居酒屋と変わらない。

薩摩地鶏備長炙り焼き、黒豚餃子

地鶏炙り焼きは東国原宮崎県知事の専売特許と思っていた。出てきた料理とメニューの写真と比べるとちょっと貧弱だ。黒豚に惹かれて頼んだ餃子もまあこんなものだろう。樽の個室に入れなかったショックがまだ尾を引いている。

たたき、さつま揚げ

薩摩の店名からして予想したとおり日本酒はないに等しい。焼酎はこの種の店としては普通の品揃え。梅酒は10種類あり、女性には喜ばれそうだ。もっとも、最近では焼酎をガンガン飲む若い女性も増えてきた。意外と梅酒を好むのは男だったりして。

肝のレア焼き、豚バラ

肝は「新鮮だからできるこの一品」と書かれたメニューにだまされた。ミディアムとウェルダンの間ぐらいでちっともレアではない。それでも1本130円なら悪くはない。

料理を持ってきても空いたグラスや皿はこちらが言わなければ持って行かない。飲食店でアルバイトしている娘が見たら怒るだろう。小さなテーブルに料理を置く場所を作るのは客の責任である。

料理やサービスに不満タラタラだった銀髪が勘定場から笑いながら戻ってくるのを見て連れが不思議がった。笑ったのは勘定をしてくれた若者が笑顔で「おおきにー」と言ったからだ。九州郷土料理屋にはそぐわない方言が可笑しかった。本店が大阪梅田と聞いて納得した。

「???」あれっ? 「おおきに」って大阪弁だっけ?

がぶ呑み居酒屋 薩摩八郎 新宿店
東京都新宿区新宿3-20-3 ニューサンパークビル別館
03-5361-8400

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2009年01月20日

[旭鮨総本店 ルミネエスト店](新宿)

リーズナブルに食べる寿司


「高いから別の店にしましょう」新宿駅東口のルミネエスト8階の寿司屋に入ろうとしたら止められた。見栄を張るつもりでいたが、遠慮されるとちょっと嬉しくホッとする。しかし、他に食べたい店が見つからず7階に下りたらもう一軒寿司屋を発見。これには連れも頷いた。

下高井戸を本店とする旭鮨はあちこちで見かけるけれど、入ったのは初めて。「何軒あるんですか?」と板さんに聞くと40軒と言われて驚いた。回転寿司を除くと最大ではないだろうか。カウンターに座っても高級寿司店でないと分かれば気が楽になる。

お通しに続いて刺身を適当に作ってもらった。お任せで出てきたのがキンメ、ブリ、イカ、追加に頼んだのがアジ、シメサバ。ブリの産地は氷見と板さんはすぐに答えたが、他の魚については曖昧になる。大チェーン店なので一括仕入れをしているのだろう。板さんが答えられないのは無理もない。

「何か焼きましょうか?」板さんが奨めてくれた魚を断り、立ち上がって席から離れたガラスケースの中まで物色してホタテに決めた。「軽く焼いてくださいね」とお願いしたが、焼き手には伝わらなかったようだ。

板さんがテーブル客のために寿司を握り出した。振り向くと女性の二人連れが多い。年長親子の今日の夕食は寿司セットかな。若い友達同士もちょっとお酒を飲みながらセットの寿司を食べる。我々もダラダラ飲むのは止めて寿司を食べることにした。

メダイ、ウニ、シラス、イクラ、ブリ

最後にブリを頼むと連れが嫌な顔をする。刺身で食べた厚切りのブリが脂っぽかったらしい。無理に食べさせると今度は美味しいと喜ぶ。薄めに切って寿司にすると味が変わるから面白い。

寿司屋と言っても色々ある。旭鮨はリーズナブルに食べられる安心な寿司屋だった。


旭鮨総本店 ルミネエスト新宿店
東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿7階
03-5369-2781
http://www.asahizushi.com

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2009年01月14日

[鈴なり]⑦(荒木町)

やっぱりここが好き


「昨年4月以来じゃないですか?」店主の村田さんの記憶は大したものだ。帰ってから半信半疑で調べてみたら確かに前回来たのは昨年の4月だった。「何度も電話したんですけどね」と言い訳したが嘘ではない。特に昨年12月は10日頃電話したにもかかわらず年内満席で予約が取れなかった。

おひたし、三重産の牡蠣

久し振りなので6,000円のコースを頼んだ。4,500円のコースもあるので若い人も気軽に来れる。予約が取れない理由の一つだろう。村田さんに「痩せましたか?」と連れが言う。「エッ?太ったんじゃないの?」と銀髪が反論する。確かに顔は精悍になったように見えるが、動きはゆったりとして無駄がなく貫禄が出てきた感じだ。奥様も笑顔の輝きが増してきたように思える。店が順調なのだろう。

単品で頼むのが好きな銀髪だけど、コース料理の楽しみはあん肝、きびなごの天ぷら、このわた、塩辛など酒肴の華麗な盛合せである。これだけでいくらでも日本酒が飲めそうだ。豊富な品揃えの純米酒がリーズナブルで危険だ。

うにの玉地蒸し、カワハギ

コースでなくても玉地蒸しは頼んだ方がいい。何度食べても感激する。鈴なりはだし汁を使った料理がとても上品で美味しい。玉ねぎや大根を煮たシンプルな料理も好きだ。

お造り、鴨・竹の子、

氷見産ぶり、壱岐産まぐろ、鹿児島産竹の子など、産地談義も楽しい。カウンター席は実に楽しい。

キンメダイのしゃぶしゃぶ、

予想外のものが出て来るのがコース料理の楽しみ。キンメダイをシジミのスープでしゃぶしゃぶするのは初めて。しゃぶしゃぶをした後、キンメダイの旨味も加わったスープを炊き込みごはんにかける。スープをかけなくても充分美味しいが、もう一品得した気分になる。

牡蠣の炊き込みごはん、汁かけごはん

「銀髪さんが何回も書いているからいい店に違いない、と来る人が多いんですよ」と村田さんが言う。来店回数だけでなく文章から銀髪の評価を読み取ってしまう読者の鋭さには頭が下がる。「自分の予約が取れなくなるので褒めちゃダメですよ!」と連れが睨む。

杏仁豆腐

アッと言う間に2時間が過ぎた。いつも以上に酒がすすんでしまった。「ドタキャンが出たら電話くださいね。予定が入ってなければ飛んできますから」と伝えた。テレビで紹介されて以来、失礼な客も増えたらしい。奥様の笑顔が曇ることがないように、みなさんよろしくお願いします。


鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178


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2009年01月07日

[Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン](新宿歌舞伎町)

リーズナブルに飲み食いできるイタリアン居酒屋


職安通りに近い焼肉の有名店に行ったが、予想通り断られた。予約なしでは難しいと思っていても、それなりのショックを受ける。トボトボ歩いていたら、すぐに炭火焼の店を見つけた。イタリアンでも構わない。今日は肉を食べたい気分だ。

左側に長いカウンター席、右にテーブル席の洋風居酒屋で、気取ったところがないのが気に入った。メニューを見ると焼肉屋より遥かに安く済みそうで嬉しくなる。グラスワインも手頃な値段でたくさんある。

前菜三種盛り

前菜を食べながらワインを飲む。ちょっとご機嫌になる。目の前が焼き場でまだ誰もオーダーしていない。躊躇していると左に座った女性3人組から三元豚のオーダーが出た。すかさず豚タンをオーダーした。

豚タン焼き

炭火と我々の間に仕切りがあるものの、モウモウと立ち上がった煙が横に広がり我々に襲ってきた。席を代われないか聞こうかと思ったところで気がついた。煙の元は我々がオーダーした肉だ。文句を言える資格はない。焼きあがって手元に来たら煙は収まった。柔らかくて美味しいタンだ。

三元豚

隣客の三元豚も美味しそうなので追加注文をした。タンよりましだが再び煙の攻撃にあった。これも我々のオーダーだからじっと我慢をする。燻されたように焼けた豚は美味しかった。でも、次回来るときは、焼き場が見える一等席は避けた方が良さそうだ。この店の場合はカウンターの両端が特等席だ。

ラクレット

店名のOlio(オリーブオイル)からの連想でアーリオ(にんにく)・オーリオ・ぺペロンチーノを最後に食べようと決めていたが、ラクレットがあると知って気が変わった。ワインに合うし、ちょっとお洒落である。フランスパンにつければ、それなりに腹も膨らむ。

Olioは新橋や渋谷にもあるらしい。韓国料理が多い歌舞伎町でも存在感がある店に育って欲しいものだ。

Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン
東京都新宿区歌舞伎町2-28-16 ウィザードセブンビル1F
02-3205-1146
http://www.k-n-p.net/olio/

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2008年12月25日

[庄助](新宿3丁目)

安心して入れる庄助


あまり楽しいニュースがない今日この頃でも、忘年会、クリスマスとなれば街は賑やかである。予約が取り辛いこの季節は頭が痛い。新宿3丁目をぶらついていたら、庄助を見つけた。7時を過ぎていたがまだ入れると分かってホッとした。おやじ御用達の庄助歌舞伎町店、十割蕎麦のしょう助など系列店に行ったことがあるので不安はない。1階のおやじ向け本店も魅力的だったが、ちょっと洒落た2階に行くことにした。

お通し、ぶり刺身

2階の庄助はグループの中では真ん中ぐらいの格である。特別安いわけではないが、手頃で美味しい店だと思う。

焼鳥

ねぎま、砂肝、せせり、つくね、正肉。1階の庄助が焼鳥自慢の店なので、居酒屋としては美味しい焼鳥だった。

おでん、チャンジャ

2階はおでんが看板料理だから避けては通れない。大根、つくね、イワシつみれ、はんぺん、玉子。照明を落としたちょっとシックな雰囲気に合わせたように、おでんも上品だ。純米山廃「三谷藤夫」を呑む。

吟醸っぽい軽い味わいの「ここの酒・庄助」にはチャンジャを合わせた。他の店ほど日本酒の品揃えは多くない。若い人向けの店は何故か焼酎がメインである。若い人たちも、もっと日本酒を飲んで欲しいものだ。

おやじ御用達の店にはない洒落たデザートもある。女性も気に入るような居酒屋だ。どちらかと言うと銀髪にはおやじ御用達の店の方が合っているかも。

味も値段も安心な庄助だった。


焼鳥おでん惣菜 庄助 新宿末広通り店
東京都新宿区新宿3-6-11 庄助本店ビル2・3F
03-3226-8778

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2008年12月10日

[Violet ヴィオレット](新宿3丁目)

炭火焼きも食べられるバー


エレベーターを降りたところは寿司屋だった。事前に調べたところではバーの奥が寿司屋のはずだ。「すいませーん」と声をかけると、板さんと、客の3人が怪訝そうに振り向いた。

バーの入り口は右手にあった。カウンターに落ち着くなり「イヤー、びっくりしましたよ」とバーテンダーに声をかけた。予想と違う展開も、話のきっかけになって良かった。ショットバー風の店だが、料理のメニューはしっかりしていてカウンターの左側にある炭火での料理がお奨めだ。さっきの寿司屋から取り寄せることも出来る。

さんまとじゃがいものサラダ、えぞ鹿の炭火焼

バーには似合わない量のサラダに少し驚いた。秋刀魚は酢で軽くしめてあり、ちゃんと洋風の料理に見える。
えぞ鹿のカルパッチョを一度は頼んだものの、直ぐに撤回した。せっかく炭火があるのだから、試してみない手はない。久々のジビエ料理を楽しんだ。もも肉ということもあって固かったが、これが健康な野生の味である。

ジビエに合うワインは赤。リーズナブルなグラスの赤ワインは3種類が用意されていた。値段の高いワインが大きなグラスとの先入観は誤りで、軽めのワインは左側、フルボディが右側だった。香りが強いフルボディは背が高い大きなグラスになる。勉強になった。

スパゲッティはメニューにない辛さとオリーブオイルを多めにしたぺペロンチーノを作ってもらった。銀髪好みだけに、とても満足した。でも、赤ワインをもう少し飲みたい。定番のチーズではなく生チョコを選んだのは正解だった。

勘定を終え、寿司屋の方に歩き出そうとしたらカウンター右のドアを指し示された。本来の出入り口は階段を下りたところにあると知った。なるほど、そちらから入れば寿司屋は店の奥になる。情報は間違いではなかった。

バーでの食事はいつもよりゆったりと時が流れたように感じた。食後に来る客でにぎやかになる前の時間帯は、案外狙い目かもしれない。たまにはこんな食事もいいものだ。


Bar Violet バーヴィオレット
東京都新宿区新宿3-11-11 ダイアンビルB1
03-3354-6639

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2008年12月08日

[緋色の海](新宿歌舞伎町)

漁夫の賄い料理


「いい店を見つけましたよ」と誘われた。緋色と聞いてシャーロックホームズを思い出した。確かあれは「緋色の研究」。「緋色の記憶」はトマス・クックだった。いずれも思い出せるのは題名だけで、内容はすっかり忘れてしまった。緋色の海とは随分と文学的な名前をつけたものだと思った。

Kさんから渡された店の名刺に書かれた地図は出来が悪かった。AK会館を知っていれば難なく辿り着けるが、地図に書かれた道をバッティングセンターから数えたら永遠に彷徨うことになる。約束の時間に遅れて店に飛び込んだ。

Kさんが待つテーブルにはマテ貝が置かれていた。席につくなり銀髪にもマテ貝が運ばれて来たので恐縮して再度Kさんに頭を下げた。Kさんは年下に対しても礼儀正しい。

壁にかかった料理の札には値段が書かれていない。Kさんがいるから安心だが、店の雰囲気やお客さんを見ても心配は無用のようだ。お任せした刺身の盛合せの中心は大トロではなく鯨ベーコンなのが面白い。

大きなサザエの壷焼き、茹で上がったばかりの毛蟹。漁夫の賄い料理というだけあって、豪快な料理が身上のようだ。

白子鍋

たらの白子がたっぷり入った鍋を食べるとさすがにお腹が一杯になる。雑炊か麺を食べるべきだろうが自重した。

勘定を払って店を出ると主人が見送りに出てきてくれた。店の風格から予想していたより若い。「いかがでしたか?」と聞かれて、「日本酒の品揃えがイマイチ」と余計なことを言ってしまった。5種類の冷酒のうち2つが切れていて、残る3つは純米ではなかった。「お好きなものを言ってください。今度仕入れておきますから」と謙虚な姿勢に好感が持てた。

次回はカウンターに座ってじっくり話をしながら飲みたいものだ。素朴な感じの成年料理人と文学談義ができるかもしれない。


緋色の海
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12
03-5272-2677

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2008年12月04日

[随園別館]②(新宿)

中華料理は大勢がいい


突然別々の所にいる5人が集まって食事をすることになった。店選びを任されたのはいつもの通り銀髪。大通りに面した分かり易い店、手頃な値段、中華料理。条件を満たす店の中から新宿の隋園別館を選んだ。104で電話番号を聞いても分からず、銀髪グルメ紀行で調べて電話予約をした。

茄子、前菜盛合せ、干豆腐、なまこ

最後の一人が来ないので、つまみの類で紹興酒を飲んで待つことにした。まだ早い時間なので1階には我々を含む2組だけ。料理はどんどん出て来る。
客より店員の方が多い店内は中国語が響き渡り、まるで香港にいるようだ。量が多く、大雑把に盛り付けられた皿を見ているとますます異国の感じがする。

我々が来てから30分程で店内はほぼ一杯になった。料理が出て来るのが遅くなる。最後の一人が来る前にメインを頼んでおこうとしたら、仲間の一人が携帯を手にした。「まだか?銀髪がメインを頼もうと言うけれど、お前が来るまで待った方がいいと俺が制しているんだ」といつの間にかいい子になっている。

ピータン豆腐、小龍包、水餃子

全員揃ったところで追加オーダーした。ピータン豆腐は写真を撮る猶予を与えてもらえなかった。中国娘はテーブルに置くなり混ぜ混ぜしてしまった。
随園別館の名物は小龍包と水餃子。安くて量があってお奨めである。誰もが頼むので店側はいつも準備万端。それほど待たずにテーブルに並んだ。

北京ダックセット

北京ダックは丸ごと一匹が6,000円と手頃な値段で、1,000円足すと余った肉で2品作ってくれる。男5人でも食いでがあってお得感がある。結局スープは食べ切れなかった。食べる勢いが急速に落ちるのが中高年グループの哀しいところである。やっぱり中華料理屋は人数が多い方が楽しい。隋園別館は5人でも少ないぐらいだ。

店内は日本語ばかりになった。オーダーを通す言葉以外に中国語は聞こえない。これから忘年会シーズン。2階より上の大きな円卓を予約するのは早い方がいい。


随園別館
東京都新宿区新宿2-7-4
03-3351-3511
http://www.zuienbekkan.co.jp/

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2008年11月14日

[かりふわ堂](新宿歌舞伎町)

これが本当の大阪の味・お好み焼き?


「つんく♂さんのお店に連れて行って欲しい」と銀座のママに誘われた。「新宿は遠いので麻布の店に」とのご希望だったので、情報だけありがたくいただくことにした。

新宿コマ劇場の裏通り、名前を忘れてしまっていたがお好み焼き屋は一軒のみなのですぐに分かった。階段を上がり店に入ると、駄菓子やおもちゃが並べてある。店は二つに分かれ、左側がかりふわ堂。幸い予約なしでもカウンターは空いていた。

ざっくりキャベツ、牛すじこんにゃく

目の前には野菜が置かれてあり、焼き場は店の右奥に見える。壁に書かれたかりふわ堂についての説明書きを読みながら特製味噌をつけたキャベツをかじる。
メニューの中から大阪らしいものをと探し出した牛すじこんにゃくは期待通りの味だった。

とんぺい焼き、かきの鉄板焼き

広島お好み焼きの名物とんぺい焼きはかりふわ堂流で、豚肉を薄焼き玉子でふわりと包んでいる。かきの鉄板焼きには九条ネギがたっぷりで、京都風。大阪にこだわっているわけでもなさそうだ。何でも取り入れるのが大坂流と言われれば、納得してしまう。

ホルモンミックス焼き、豚玉

メニューの後ろの方に1,000円以上するオリジナルのお好み焼きが並ぶ。「どれを食べたらいいの?」と聞くと「私的には豚玉を食べて欲しい」と言う。若い女性店員2人とも明るくて好感を持っていたが、780円の安いものを勧められて一気に最高点をあげたくなった。

「お好み焼きは焼くのに20分かかります」と言われたのでホルモンミックス焼きを食べながら待つことにした。飲むのはホッピー。再び目の前の壁の説明を読む。「お好み焼きというより蒸し野菜」という部分に興味が湧く。

「忘れてるんじゃない?」と連れが不安がる。待ち切れなくなって店の女性を呼び止めたら、彼女の手に豚玉があった。お好み焼きを分けようとヘラで切ろうとしたら、もろくも崩れた。

つなぎが少なめにして、押さえつけずにじっくり焼いている。「蒸し野菜」の意味が良く分かった。20分以上かかったのも頷ける。つんくが言うようにこれまで食べたことがないようなお好み焼きだった。強いて言えば、我が家で小麦粉を使わず山芋だけで作ったお好み焼きに近い。

大好きになった女性店員に「美味しかったよ」と言うと、「そうですかー、いろいろ試行錯誤して作っています。また来てくださいね」と可愛い。再訪したい気持ちを決定付けさせる笑顔だった。


かりふわ堂
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビル2F
03-5155-7620
http://www.karifuwa.com

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2008年11月06日

[黒豚庵](新宿3丁目)

鍋が美味しい季節になりました


新宿通りに立ちグルッと見回す。各ビルに飲食店の袖看板が光る。日が暮れるのが早くなって、看板が目立つようになった。木曽路、月の雫など見慣れた店は除外して行ったことがない店を選んだ。

黒豚=美味しいというイメージは浸透している。黒毛和牛からの連想で日本独自の豚と思っている人も多いが、イギリスのバークシャー種の豚で純粋な外来豚である。「鹿児島産黒豚」の宣伝が成功したのだろうか。お陰で黒豚に庵をつけるだけで美味しい店のように感じる。

からし蓮根、からすみ

熊本のからし蓮根、長崎のからすみ、大分の椎茸、博多の明太子、鹿児島のさつま揚げ、きびなご刺し身など九州出身者が喜ぶ料理が揃えてある。からし蓮根はしっかり辛くてなかなか良かった。高級品のからすみは上手に薄く切ってある。880円なら仕方ない。

黒じょか、さつま揚げ

鹿児島なら芋焼酎が定番。黒じょかを使うとは珍しい。あまり美味しい焼酎ではなかったが、気分は充分味わえた。鹿児島の名店から取り寄せたというさつま揚げは評判が良かった。

黒豚しゃぶしゃぶ

2人前の肉は思ったより少なく見えた。野菜で底上げされている。もっとも、肉をつまむとしゃぶしゃぶ用にしては厚い。肉質は柔らかいので厚いほうが味があっていいかもしれない。たっぷりだしが出たスープに麺を入れ、別途持って来てくれた塩ダレで食べた。これは気に入った。

テーブルのボタンを押すまで店員はやって来ない。まだ入ったばかりという韓国人店員のサービスはお粗末だが、一生懸命さで救われる。週初とはいえ客はまばら。こんなんで広い店を維持できるのかなと心配するのは無用。黒豚庵は年商300億円を越す日本レストランシステムの系列店。ドトールコーヒーもグループ企業の一つ。

繁華街の一等地のビルには大型チェーン店が殆ど。ビルのオーナーが大手を選ぶのは当然だろう。内装、料理の質は悪くない。価格とサービスはファミレス並みという店が目抜き通りに並ぶことになる。初めて入る店でもぼったくられることはない。迷ったら目抜き通りにある大きな店に入るのは、無難な選択と言えるかもしれない。

黒豚庵 新宿東口店
東京都新宿区新宿3-17-5 新宿ニユー富士ビル3F
03-3358-1331

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2008年10月31日

[葡萄酒サッカヴァン]④(四谷)

ワインを飲むならやっぱりこの店


なんとなくワインが飲みたくなった。肩肘張らず、リーズナブルにグラスワインを飲むならサッカヴァンがいい。大好きな店なのに、なんと1年半振りの訪問である。予約のために電話を手にしたが、ちょっと考えていきなり行くことにした。

店に入ると初めて見る店員が迎えてくれた。ちょっと失望して客席を見渡し、キッチンに目をやったところでようやくオーナーの杉本さんを見つけた。目が合うと、驚いた顔をしている。この瞬間のために電話をしなかったのである。あー楽しい。

自家製スモークサーモン、自家製鶏のハム

サッカヴァンのいいところはオーナーの探究心。前に食べた自家製のポークハムやソーセージには感心させられた。今回も新作に挑戦した。サーモンもハムもワインによく合う。
本日のグラスワインは白が5種類、赤が9種類。最近ではボトルではなくグラスワインを数種類飲むことにしているので、サッカヴァンは選択肢が多くて嬉しい。

自家製コンビーフ、アンチョビのスパゲッティ

コンビーフもいい出来だ。ときどきテーブルにやってきて杉本さんが説明してくれるのが楽しい。最後にスペイン産の赤ワインを頼んだら、「以前飲まれたのと同じメーカーのものです」と言われて驚いた。確かに前にもスペイン産のワインを飲んだ。こちらが忘れているのに大した記憶力である。

ワイン4杯の代金が7,300円、料理4品の値段が4,350円。ワインを飲みに来たのだから当然の結果だろう。料理に重きを置くのであれば、新鮮な肉や魚の立派な料理もある。今はキノコ類も美味しい。

いつ来ても銀髪にとっては落ち着ける店である。不思議なことに時間はゆっくり流れているように感じるのに、時計を見ると信じられないほど時を刻んでいる。チーズでもう一杯と言いたいところを我慢して勘定をした。

常連客のように振る舞い、常連客に対するようににこやかに応じてくれる。せめて半年に1回くらいは来ないと罰があたりそうだ。

葡萄酒サッカヴァン
東京都新宿区愛住町4-1
03-3358-7650
http://www.sacavin.jp/

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2008年10月22日

[ルメン](新宿歌舞伎町)

天然酵母を使った新宿で一番美味いナポリピザ


ネット上で評判がいいピザの店を探したらルメンが出てきた。住所を打ち込み、現れた地図を見て首を傾げた。いつも近くを通るけれど、イタリア料理屋があったか思い出せない。どうせ空いているだろうと思って行ったら甘かった。週末はさすがに混んでいる。週初に出直したら思惑通り席を確保できた。

ルメンがある道は、区役所通りからちょっと外れるので人通りが少ない。間口が狭く、小さな店内を外から覗いても、美味しい店とは思えずいつも素通りしていた。

生牡蠣、カプレーゼ

厚岸産の生牡蠣、ナポリ直送のモッツァレッラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ。店員のお奨めに素直に従った。いくつか料理を奨めて、最後に「当店の自慢料理はピザです」と強調した。言われるまでもなくピザを食べに来たので他の料理で腹を満たすつもりはない。

生ハム、トリッパ

生ハムは涼しくなってきたので再開したばかりというだけあって味も香りも文句なかった。脂の乗りが程よい。牡蠣、チーズとトマト、生ハムの3品を食べて厳選素材を使っていることは良く分かった。料理の腕も見たいのでトリッパを頼んだ。シンプルな料理が多い中で、トリッパはちょっと手間暇かかる。煮込み具合がちょうど良く、味も良かった。

マルゲリータ

他店と比較するならシンプルなマリゲリータに限る。天然酵母を使った生地もしっかり味わえるだろう。薄い生地とモチモチした食感の縁がナポリピザの特徴だが、ルメンの生地は他店のものより少し固く、しっかりしている。もっと大きな違いは香り。連れはハーブのような匂いがすると評していた。今まで食べたピザの中でも一番美味しいとのこと。相手が喜んでくれれば銀髪も嬉しい。

グラスワインの品揃えやサービスに注文をつけたいところだが、ピザ屋と割り切れば問題ないだろう。店員が「ピザを食べてください」と強調したのも良く理解できた。ナンバーワンは一つあれば充分といったところだろうか。

ラ・ピッツェリア ルメン
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル新宿1F
03-3205-1207

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2008年10月15日

[しょう助](新宿三丁目)

庄助グループの高級店


庄助には焼き鳥、おでん、個室ダイニングなど数種類の店がある。先日行った焼き鳥「庄助」はおやじ御用達の典型的な大衆居酒屋。今回行ったしょう助は多分グループの最高級店で、庄助とはまったく趣が異なる。

テーブル席は気の置けない相手となら接待にも使える雰囲気で、もちろんカップルにも受けそうだ。彼らにとって最適なのはゆったりとした窓際のカウンター席だが、景色は期待できない。二人の世界にひたるにはうってつけかもしれない。

お通し、日替わり三種盛合せ、豆腐

内装だけでなく店員のユニフォームもサービスの質も庄助と異なり格段にいい。その分お値段も随分違う。料理は止むを得ないとしても、日本酒は割高に感じる。

鶏のたたき、茜鶏もも唐揚げ

茨城県筑波産の茜鶏。ちょっと上の店らしいメニューも豊富だ。庄助とのコストパフォーマンス比較ばかりしてしまうが、他の同種の店と比べたら悪くない。大衆店の庄助が支えてくれるおかげだろう。

せいろそば

しょう助の一番のウリは十割蕎麦。それを食べなければいけないと思うから、腹八分目のところで他の料理を頼むのを止めてしまった。若いときならば腹一杯飲んで食べて〆にそばを食べただろうが、今は無理をしなくなった。店の戦略は客によっては裏目に出てしまうこともある。

庄助としょう助。これだけ違うと優劣を決めるのは意味がない。どちらが好きかと問われれば、答えは簡単である。どちらが生き残れるか予想するのもたやすい。

庄助としょう助。同種の競合店と比べるとどちらも悪くないと思う。

酒・魚と十割蕎麦 しょう助 sono
東京都新宿区新宿3-32-10 T&Tビル7F
03-3356-1818
http://www.shousuke.jp

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2008年10月07日

[鳥良](新宿3丁目)

手羽先唐揚げ、関東の雄


鳥良には2005年に中学の友人たちと二子玉川店に初めて行った。新宿3丁目店は2年半ほど前に来て以来2度目である。前回は鳥良の偉いさんに連れてきてもらったので、個室に案内され立派な食事をご馳走になった。久し振りの鳥良は随分と印象が違った。

隣席との間隔が狭い、小さな席に通された。若者に人気の店である。素直に与えられた境遇を受け容れた。3度目にして初めて自分でメニューを見て料理を選んだ。「手羽先が看板料理だよね」との問いに、若い店員が頷いた。

お通し、手羽先

手羽先の唐揚げは名古屋の「風来坊」「世界の山ちゃん」が有名だが、鳥良も看板料理にしている。風来坊が「元祖」、山ちゃんが「幻の」と頭につけるのに対して、鳥良は門外不出の秘伝のタレを謳っているのみで控えめである。どの店のものも驚く程美味しいものではないが、看板料理にしては値段が安いのがいい。

湯玉豆腐、鶏ごぼうサラダ

鳥良のもう一つの看板料理が豆腐。偉いさんと来たときは大きな角鍋を使って目の前で作ってくれた。それに比べて余りに小さいので拍子抜けした。そのせいか、写真を撮り忘れた。取り皿に分けた映像だけで許してもらおう。

どて大根、鶏の寿司

どて煮は名古屋の名物である。風来坊や山ちゃんと同様にどて煮をメニューに置いている。昭和59年に吉祥寺で創業、名古屋の手羽先唐揚げを東京で広めることを目標にしたというから、どて煮があっても不思議でない。もっとも、どて煮ではなく関西の呼び名「どて焼き」を使っているのがちょっと不思議。

日本橋の比内やで食べた鶏の寿司と比較したくて、〆に寿司を食べてみた。これは明らかに比内やの方が上。半額近い値段なので止むを得ないだろう。比較しなければ充分食べられる。

初めて二子玉川店に行ったときは行列が出来ていた。偉いさんと来たときは株式上場寸前だと聞いた。久し振りの鳥良は8時を過ぎても空席が目立った。リーズナブルな割に居酒屋よりワンランク上の雰囲気が受けていたと思うが、今では類似の店が増えて目立たない。商売は難しいものだ。リーズナブルに食べられるいい店だと思うが、店舗が増えすぎて勢いを失っているのかもしれない。
店員の暗さがちょっ