2009年06月30日
[サニーサイド](新宿三丁目)
気楽なカフェバー

薄暗い店内はカップル向けのカフェといったところだろうか。案内された奥の小さなテーブル席に素直に座ろうとしたら、別の店員が広い方を勧めてくれた。マニュアル通り、無理矢理詰め込もうとしないのが気に入った。まだゆったりできる時間帯だ。
レバーパテ

店員がテーブルに置くときに転げ落ちてしまったパン。彼はそれを気付かずに去っていった。やっぱりおおらかな店だ。パテがなかなか美味しい。
ロメインレタスのサラダ あつあつのブルーチーズをかけて

溶けて熱々のブルーチーズをレタスにかける。想像したとおり、なかなかのお味。サービスは行き届かないカフェだが、料理は悪くない。
トリッパのアラビアータ煮込み

ビールから白ワインに、そして赤ワインへと順調に進んでいく。グラスで飲めるワインの選択肢が限られるが、気にしない。トリッパも水準に達しているのだから。
パルマ産プロシュートと青唐辛子のぺペロンチーノ

真正面に見える席に若い女性2人が座った。大きな生ビールを飲みながら、豪快に煙草をくゆらしている。アホ面で鑑賞している白髪じじいはまったく気にならないようだ。
左横の席も、その隣の席も女性だけの二人連れ。雰囲気も料理も悪くないので若い女性が気に入るのも理解できる。
腹一杯になったので勘定を頼んだ。席を立って見回すと、やはり女性が圧倒的に多い。それが店の雰囲気を優しくしているのかもしれない。気が利かない店員たちも邪気がなさそうで怒る気にならない。緊張感なく寛げる雰囲気を作る戦略だとしたら、大したものである。
サニーサイド
東京都新宿区新宿3-28-7 キーストン1F
03-3350-6860
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2009年06月23日
[ブラックホール](新宿歌舞伎町)
焼肉激戦区の歌舞伎町に出来た新店

新宿区役所通り沿いにモダンな店が出来たのは今年の5月頃。外観と同様に名前も焼肉屋らしくない。一度はまったら抜け出せない旨さということから名付けたらしい。他にもたくさんの焼肉屋、韓国料理屋がある歌舞伎町ではそれなりの特徴がなければ生き残れない。
店内は広々としており近隣の焼肉屋とは雰囲気が異なる。お通しは山盛りのキャベツの千切りで、とんかつ屋さんみたいだ。定石どおりまずは上タンからスタートした。
キャベツ、上タン

レギュラーサイズの他に多種類の部位を食べたい少人数向けの小皿があるのが嬉しい。まずはいい肉から食べてみよう。
上ハラミ、上ロース

少量なのはいいが、三切れずつというのが解せない。小皿を頼むのは2人連れが殆どだろうから、四切れを一皿とすべきだ。毎回譲り合うのは疲れる。
切り落としタン、ゲタカルビ

切り落としはタンにも色々種類があることが分かって興味深かった。ゲタカルビも同様に面白かった。他にも色んな部位がある。盛合せを頼んだ方が賢いかもしれない。
塩焼きを楽しむためにネギなど付け合せも豊富である。しかし、そのことを知ったのは家に帰ってホームページを開いてから。食べるその場で説明してくれれば、もっと違った楽しみ方が出来ただろう。メニューを読まない方が悪いのは分かっているけれど。
新宿では元横綱若乃花・お兄ちゃんの韓国焼肉料理屋も閉店してしまった。激戦区で戦うだけの武器は取り揃えたかもしれないが、精鋭の兵隊(店員)が育つかどうかは未知数である。隊長や下士官たちの頑張りに期待したいものだ。
和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com
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2009年06月15日
[寿司清]②(新宿)
やっぱり楽しくリーズナブルな寿司屋

3年振りにやってきた。あの時はカウンターのど真ん中に座ったが、今日はコーナーの端っこ。見える魚は限られるし、目の前の板さん以外は後ろ頭しか見えない。
お通し(フカヒレ軟骨)、ウニ

「きれいなウニだねー。洗った後に並べたの?」板さんに最初に声をかけるときは、銀髪といえども少し緊張する。「いいえ、普通に洗っただけです」おそらく向こうの方が緊張しているだろう。胸の名札で大場さんとは分かったが、笑顔を引き出すタイミングは難しい。
ミズイカ、イサキ、カレイ、アジ、イワシ

取りあえず目の前にある魚の中から刺身を造ってもらった。「イワシは酢につけてあるの?」一口食べて質問する。「サッと酢にくぐらせてあります。アジも一緒ですよ」と答える。アジは身が厚いので分からなかった。なかなか話は膨らまない。
トリガイ、アカガイ、アナゴ

江戸前にこだわる高級店ではアナゴの白焼きを頼むと「うちのアナゴは全部煮てますから」とムッとされる。大衆的な寿司清は堂々と本日のお奨めに掲げているのが嬉しい。
キンメ、ホウボウ、白エビ、トロ

左隣に若い女性2人が座った。我々に背を向けていた板さんが彼女たちの前に立ち、魚の名前をスラスラと言う。名札を見たら副店長の小月さん。「あいつだ!」3年前相手をしてくれた板さんをやっと見つけた。
「あのおじいさんは最近も来ているの?」と声をかけた。「しばらく来ないですね」と言いながら、怪訝そうに銀髪を見る。若い女性たちから小月さんを奪い取ってしまった。90歳を超えてさすがに前のように来られなくなった老人の話で盛り上がる。
突然「あの日も殻つきのウニを食べた!」と連れが口を挟む。まったく蛍光灯である。老人の話が出るまでこの店に初めて来たと思っていたというから恐れ入る。いつの間にか大場さんも打ち解けて会話を盛り上げている。笑うと年齢相応に若く見えるから楽しい。たくさん笑って勘定の時間になった。「小月さん、また3年後に会おうね!」と言って最後の笑いを誘った。
寿司清
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館3F
03-5366-8830
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2009年06月08日
[MARUGO](新宿三丁目)
立ち飲み感覚ワインバー

新宿末広亭の通りを歩いていたら大きなガラスドアの向こうにたくさんのワインが並ぶ店を見つけた。「あっ!これがMARUGOか!」こんな大きな店が以前見つからなかったのが不思議だ。この界隈は狭い路地がごちゃごちゃしている。探しているうちに他の面白そうな店に入ってしまったことを思い出した。
窓際のカウンターに座りワインメニューを見る。グラスでスパークリングワインが2、白ワインが7、赤ワインが9種類ある。どんなに見栄を張っても1000円なのが嬉しい。
マルゴ風サラダ、ピアディーナ・トリッパの煮込みソース

店の名前を冠したサラダがあれば必ず頼むことにしている。「どこがマルゴ風なの?」と聞いたが、店員はワインの知識で頭が一杯のようだ。メニューにピアディーナという聞き慣れないものがある。イタリアの薄焼きパンとのこと。上に乗せる具は5種類の中から定番のトリッパを選んだ。なかなか美味しい。
アスパラソバージュのフリット、スパゲティ

細いアスパラのようだが別種のものらしい。ヘアスタイルから想像したものと当たらずとも遠からず。ちょっとネットリして美味しい天ぷらだった。
「オリーブオイルを多めにね」と注文したのが駿河湾しらすと万願寺唐辛子のサフランを練り込んだタリオリーニ。いい感じだ。
メインを頼んでないのを思い出した。しかし、これから肉を焼くのは時間がかかりそうだ。ワインは白から赤に変わっている。たまには甘いものでも頼んでみよう。甘過ぎないチョコレート、レアチーズケーキがあったのは幸いだった。銀髪が食べられる数少ないスイーツである。
ゴルゴンゾーラのレアチーズケーキ、自家製生チョコレート

通りを歩く人たちにとって我々は格好の見世物になっているようだ。もっとも、こちらからすると人間観察ができて実に面白い。動物園の動物たちもこんな気持ちだろうかと思うと、妙に楽しくなった。
MARUGO
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/
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2009年05月24日
[凪](新宿歌舞伎町)
ガツンと濃厚煮干

新宿で途中下車してゴールデン街に向かった。高校に入って以来、学校や職場への経由地である新宿には何度降りたか分からない。にもかかわらず、ゴールデン街は過去1回しか行ったことがない。作家やジャーナリストが集まる店は一見では入りにくく、知らない店ではボッタクリにあいそうで怖い。友人に連れられて行ったのがいつだったかも忘れてしまった。
ゴールデン街に足を踏み入れた途端、妙な思い込みは吹っ飛んだ。若いカップルや立派な一眼レフカメラを持った外国人が何組も歩いている。区役所通りと違い悪質な呼び込みもいない。
凪の店主もゴールデン街に特別の思い入れがあるらしい。急な階段を上ったところに念願の復活を果たしたとのこ。渋谷、立川、駒込で個性豊かなラーメンを出しているが、新宿店は特濃煮干のスープがウリである。
肉餃子

券売機でビール、肉餃子とラーメンの食券を買った。これを店員に渡すと「ラーメンは後にしますか?」と気が利いている。追加のビールを買うために両替を頼むと、「こちらで支払って構いませんよ」と融通が利く。人気のラーメン屋は偉そうにしているところが多いが、凪はとても好感が持てる店だ。
味玉煮干ラーメン

想像した以上にガツンと来るラーメンである。富山のブラックラーメン以来の衝撃を受けた。チャーシューもなかなかのもの。太い麺もいいが広く薄く伸ばし麺もいいアクセントになっている。しばらくしたらまた食べたくなるようなラーメンだった。
食べている間に何人もの若者が入って来た。中にはこんな店でデートが出来る羨ましい奴もいる。ラーメンの刺身など面白いものもあり、もっと色々食べたい気持ちもあったが彼らのために席を空けることにした。
ゴールデン街の店主たちはイメージ向上に熱心なようである。旧い店と新しい店が混在する旧くて新しいゴールデン街。客も徐々に入れ替わっていく。
凪
東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-2F
03-3205-1925
http://n-nagi.com/
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2009年05月13日
[鈴なり]⑧(荒木町)
ステップアップは果たせるか

今日は珍しく一番乗り。6時をちょっと回ったところでカウンター席に座った。料理は1万円のコースを電話で予約してあるので、スムーズに食事は進行していった。
うるいと片栗菜、富山産岩牡蛎

八寸(本ミル貝、赤貝、子持ち昆布、蒸し鮑、ほたるいか、バイ貝

徐々に客が入りだす。驚いたことにカウンターの右隣と左隣に中年の男性客がずらりと並んだ。先日発売されたグルメガイドでも鈴なりが紹介されていた。すっかり予約が取れない店になってしまったが、圧倒的に女性客が多かった。男性にも支持されるようになったのは好ましい。
稚鮎とこごみの天ぷら、栗かに、玉地蒸し、白海老


青森産の栗かには初めて食べた。珍しい食材があるとすぐに取り入れるのが店主の村田さんのいいところ。珍しいもの好きの銀髪は素直に感動する。
マコカレイ、かつお、メジマグロ

変わったものがもう一つ。アシスタントの板前が違う。独立心旺盛な力のある板前は去っていく。板前を育てながら使っていくのは大変だろう。村田さんの苦労が分かる。
スッポンの焼き物、焼き竹の子(金沢産)、伊勢海老

スッポンの焼き物は気に入った。塩味がちょうどいい。ここまでで2時間が経過した。料理が出るスピードが遅くなってきた。振り向くとテーブル席は女性中心に埋まっている。左の男性客3人が料理を土産にしてもらい席を立った。
あさりごはん

銀髪もあさりごはんを少し食べて残りは握ってもらった。デザートの杏仁豆腐を食べ終わった時には既に3時間が経過しようとしていた。
我侭な客を満足させるのは大変だと思う。進歩してはじめて現状維持のイメージとなる。従業員を育てながら、料理の質を高めなければならない。もちろん利益を上げて次の展開に備えることも重要だ。
勘定をして若い板前に声をかけた。「頑張ってね。鈴なりの将来は君にかかっているからね」緊張した顔に初めて笑みが広がった。従業員たちが育ち、鈴なりが次のステージに駆け上がることを期待したい。
鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178
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2009年05月11日
[どん底](新宿三丁目)
三島由紀夫も行った店

1949年創業の新宿西口の「ぼるが」、1951年の東口の「どん底」、老舗の居酒屋2軒がロシアに関係する店名なのは創業時の世相を反映しているのだろうか。ゴーリキーの戯曲「どん底」を連想するのは銀髪の勝手な思い込みかもしれない。店もことさら店名の由来をアピールする気はなさそうだ。
ぼるがに行った記憶は鮮明なのにどん底の記憶は殆どない。地下のカウンターに座ったのは間違いなく初めて。メニューを開いて「何がお勧めなの?」と聞く体たらく。有名などん底に来たことがないはずはないと思いながらも自信が持てない。
イベリコハム、グリーンサラダ

開店以来の名物というピザの前にイベリコハムとグリーンサラダを頼んだ。イベリコハムは昔にはなかったメニューのはずだ。期待していなかったグリーンサラダがみずみずしくて意外といける。美味しさの秘密を尋ねても「キッチンのことは分からない」と店員は素っ気無い。それでも長身のハンサムガイが笑いながら言うと嫌な感じはしない。
ピザ、バジリコスパゲティ

どん底自慢の一品、たっぷりチーズのミックスピザは確かに美味い。ナポリタイプなど最近流行りのピザとは違う昔風のピザだが、チーズが溢れて焦げたところが香ばしくて銀髪には新しい味に感じる。
ハンサムガイが勧めてくれたもう一つの名物「元祖カフェめし 林さんのライス」は連れに断固拒否された。ピザを食べた後に和風のご飯ものを食べるのは変だと言う。仕方なくスパゲティを食べた。「オリーブオイル多目にしてね」と希望したものが出てきて連れは満足そうだ。マイ唐辛子をかけたのでピリリと辛くて銀髪も満足した。
ハンサムガイに「格好いいね、外国人みたいだね」と言うと「日本人ですよ」と苦笑いする。「俺も外国人に見えるだろう?ベトナム人に」と言うと「まんま日本人ですよ!」ともう一人の若い店員と一緒になって馬鹿にする。
次回は絶対「林さんのライス」を食べよう。カウンターで一人で食べれば誰にも邪魔されることはない。
どん底
東京都新宿区新宿3-10-2
03-3354-7749
http://www.donzoko.co.jp/
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2009年04月30日
[ボスボラス・ハサン](新宿三丁目)
久々のトルコ料理

チュニジア、イラン、ギリシャ料理などと似ているために何度も行った気になっていたが、トルコ料理屋は高田の馬場のDENIZに行って以来約6年振りである。強大なオスマントルコが周辺の地域から食文化を吸収したのか、洗練された宮廷料理に発展したためか、あるいは両方の理由からか、トルコ料理はフランス料理、中国料理と並んで世界三大料理の一つと言われる。
ホームページによると、ボスボラス・ハサンのオーナーは日本初のトルコ料理屋(イスタンブール?)で5年間シェフを勤めた後、1993年に独立したそうだ。真に日本におけるトルコ料理屋の草分け的存在である。内装はエスニック料理屋にしては立派な店で、宮廷料理をイメージしたののかもしれない。
エキメッキ、キュチュック・メゼ

前菜盛り合わせキュチュック・メゼを頼んだら、パン(エキメッキ)につけて食べるものだと言われた。パンを手で千切ろうとしたら熱くて皿に放り出した。これがもちもちしていてとても美味しい。冷めてしまうと味は半減するので、温かいうちに食べきった方がいい。
中東料理の代表格ドネルケバブを食べるか、他の料理にするか迷った。他の店と味比べをしたいと同時に、初めてのものに挑戦したい気持ちもある。
ボスボラス・ヨーウルト・ケバブ

店の人と相談してケバブを使ったオーブン料理を食べることにした。遊牧民を祖とするトルコ人にとってはヨーグルトも欠かせない食材である。意外と酸っぱくなくて良かった。しかし、量が多くて他の料理を追加することは断念した。
スットゥラッチ(ライス入りプリン)

デザートは銀髪には甘過ぎた。本来は甘くして飲むチャイ(トルコ紅茶)は砂糖抜きで飲んだ。
トルコワインを飲んだが、残念ながらフランスワインほど洗練されていない。中東・地中海の代表的な酒は薬草系などのスピリッツ、蒸留酒が主流。日本人からしたら洗練された料理と日本酒を持つ日本料理を世界三大料理に加えたいものだ。もっとも、世界三大料理はキリスト教、仏教、イスラム教から一つずつ選んだと解釈すれば分かりやすい。イスラム代表は間違いなくトルコである。
ボスボラス・ハサン
東京都新宿区新宿3-6-11 第一玉屋ビル2F
03-3354-7947
http://www.bosphorushasan.com/
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2009年04月20日
[ぼるが](新宿西口)
中高年の憩いの居酒屋

約10年振りにやってきた。その前が更に10年前。大学時代はしょっちゅう来た店だが、卒業後は10年に1回来ては懐かしんでいる。階段を上がってすぐのコーナーには70歳前後の6人組が同窓会でもやっているようだ。その内の一人が立派なデジタル一眼レフのカメラで同僚たちにフラッシュを浴びせている。
お通し、もつ煮込み

店内も外観も記憶の通りだけど、30年前の客層は学生や若いサラリーマンが多かった気がする。1949年に創業して、現在の場所に移転したのが1958年。かつてあったような若者たちの熱い議論は、店の隅々まで探しても見つけられない。
ばん焼き

ぼるがの看板料理は焼き鳥&焼きとんである。道路に面した炭火でおじさんが焼いている。2人前頼んで塩とタレを半々にしてもらったが、2本ずつ5種類という訳ではなく、鳥肉と豚肉をうまく混ぜてくれた。塩味もいいが甘くとろみのあるタレも捨て難い。
おから、わらび、湯豆腐

一皿の量が多いので食べ応えがある。30年前は量が少ないと思ったかもしれない。もっとも、若い頃は肉類ばかりを食べて、山菜や豆腐の類は避けたことだろう。
腹が膨れてきたところでもう一度店内を見回した。若い女性の3人組と2人組が店の雰囲気に溶け込んでいる。30年前にはなかった光景のように思える。何度見ても男子学生らしき連中はいない。この日は若き日の自分を見つけることはできなかった。
腹いっぱいになったので勘定をした。70歳前後の6人組は数分前に席を立った。また10年後、ぼるがで彼らに会えるかもしれない。6人全員が揃っているとは限らないが…
ぼるが
東京都 新宿区西新宿1-4-18
03-3342-4996
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2009年04月13日
[WAZA](新宿)
さすがサントリー

新宿駅東口を出てすぐ正面のビルの階段をずんずん下りていった。店内は照明を落とした大人の雰囲気。カウンターバーのある部屋は喫煙ルームだと言われてちょっと怯んだ。それでも意を決してカウンターの右端に座った。写真を撮るならここがベストのようだ。
季節野菜のチーズフォンデュ

「大人の空間でこだわりの野菜を食す」がコンセプトらしい。自慢料理はポトフやフォンデュとのことで、今日は後者を選んだ。「何種類のチーズを使っているの?」「一種類だけです」「へー、そうなんだ」プレミアムモルツを飲み干して白ワインに移る。グラスワインの品揃えがよくリーズナブルなのが嬉しい。
谷中しょうがの豚バラ肉巻き、キャベツのコロッケ

店長お奨めの谷中しょうが。豚肉との意外な組み合わせだ。「美味しいよ、あなたが店長?」「違います。呼んできましょうか?」「いやいや、それには及ばない」
オリジナルメニューの中から選んだキャベツのコロッケ。「これはいいねー。つなぎはホワイトソースかな?」「いいえ、キャベツだけです」「フーン…」
宮崎日向豚の炭火焼オリーブ風味とマスタード

自慢料理は炭火焼。薬味はオリーブを刻んで和えたもの、沖縄の塩、フレンチマスタードの3種。肉は箸で切れるぐらい柔らかい。何もつけなくても充分美味しいが、薬味を変えると飽きない。気前良くグラスにたっぷり注いでくれた赤ワインが豚肉に合う。
勘定を待っていると店長が挨拶に来てくれた。先ほど店員にしたのと同じ質問をする。
「チーズは何種類使っているの?」「2種類です。ワインなどは加えず、チーズ本来の味を召し上がっていただいています」
「キャベツコロッケのつなぎは何ですか?」「ベシャメルソースです。このコロッケを作るのはなかなか難しいですよ」
「ところでどこかのチェーン店ですか」「親会社はサントリーです」
謎はすべて解けた。大資本の系列店で、しかも大きな店では若い店員を教育するのは大変だろう。質問する方が悪い。酒の種類が豊富でリーズナブルな価格の理由も分かった。
店長が店の外まで見送ってくれた。とても居心地のいい店だった。また来ますよ。
東京都新宿区新宿3-27-4
新宿東海ビルB1
0120-71-7703
http://www.dynac-japan.com/waza/
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2009年04月07日
[ジャックポット](新宿三丁目)
気軽にオイスター三昧

「オイスターバー」銀髪にとっては何か特別な響を持つ。大学時代、2回もあたったが嫌いになることはなかった。オーストラリアに行ってからは殻つきの牡蠣を食べる機会が増え、毎回1ダースぐらいペロリと食べたものだ。日本でもオイスターバーが増えてきた。新しい店を見つけると居ても立ってもいられなくなる。
迂闊なことに、何度も歩いた通りに3年も前からある店がオイスターバーとは知らなかった。狭い店のカウンターに座り、壁のメニューリストを見る。この日は16種類の生牡蠣が用意されていた。
お通し、ソース

お通しが自家製スモークサーモンとは泣かせる。この日は九州産がお奨めだった。お得な九州盛りに外国産を2種類加えた。薬味がまたまた泣かせる。牡蠣に定番のピリ辛カクテルソースだけでなく、ポン酢、ワインビネガーなど多彩。感激したのはアイラウイスキーのボウモアである。海に囲まれたアイラ島で熟成されるスコッチウイスキーと牡蠣は抜群の相性と言われる。これを一度やってみたかった。

恵比寿(福岡)、九十九島(長崎)、諫早(長崎)、セントへレンズ(タスマニア)、クマモト(ワシントン)の6種。壁のメニューを見れば味の濃厚さを黄色い丸の数で知ることが出来る。さわやかなものから順に食べていく。ソースを選ぶのも楽しい。

春香(島根)、ハマースレイインレッド(ワシントン)、キャッツアイ(タスマニア)の3種類を追加した。他の日本産の牡蠣は真牡蠣だが、春香は夏が旬の岩牡蠣。日本で今シーズン一番早い岩牡蠣ということだった。もちろん懐かしのオーストラリア産は外せない。
野菜サラダ、マルゲリータ

契約農家から仕入れた新鮮野菜を使ったサラダもこの店の自慢。サラダを挟んで8種類の牡蠣を食べた。食べられなかった8種類に未練が残ったが、相手を気遣って最後はピザを頼んだ。これもなかなか美味しかった。
若い店員たちの胸には名札がついていて、ヤスユキ君の名札には打点王の文字が添えられている。呼び止めて意味を聞くと、お奨め上手の意味と言うことで大いに笑った。銀髪はたくさん打点を稼がせる客である。若者と話すのは楽しいと思う今日この頃。いつの間にか歳を取ってしまった。
今まで行ったオイスターバーの中ではこの店がナンバーワンである。
ジャックポット
東京都新宿区新宿3-12-2 安室ビル1F
03-5312-0345
http://www.jack-pot.co.jp/
品川、恵比寿、丸の内などにも出店
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2009年03月24日
[悠讃](飯田橋)
うどん居酒屋

大学の同級生二人を誘った銀髪が当然のことながら幹事役になった。最後に来るSの職場に近い店を探す。リーズナブルで美味しいと評判の店の中から迷う事なく悠讃を選んだ。もう一人のMが香川県の出身で、讃岐うどんを批評してもらおうと思ったためだ。
約束の7時より少し早く到着したら、既にMが待っていた。軽いおつまみで生ビールを飲みながらSを待つ。
お通し、ごぼうチップ

ビールが残り少なくなった頃、Sがやってきた。彼の到着から10分足らずで約30年の空白の時間は埋められた。年配の女性店員を呼んでお奨めを聞く。ランチ時は混雑するうどん屋も、夜は静かな居酒屋である。酒の肴の種類は多く、味も悪くない。
大山鶏の唐揚げ、出汁巻き卵

テーブルに置かれたメニューで酒を選ぶ。多数の焼酎が書いてあるが、日本酒の品揃えが貧弱でがっかりする。店員に尋ねると日本酒のメニューは別にあった。何と浦霞のオンパレード。これだけの種類の浦霞を揃えている店は初めてで、ちょっと驚いた。
炙りしめ鯖、ハラス焼き

大学時代に酒豪の一人だったSよりも、急ピッチでMが浦霞を飲んでいく。Sの母がバッカス(酒神)と呼んでいた銀髪はお冷と交互に浦霞を飲む。大学時代とは違う酒席の風景だが、3人揃えば気持ちは30年以上前に容易に戻る。もっとも他人の目には近くの中年サラリーマンの集まりにしか映らないだろう。
ぶっかけうどん

〆に相応しい量ではないぶっかけうどんを一人一杯ずつ頼んだ。そのため日本酒も肴も追加するのは止めた。うどんを食べながら「どうだい?」とMに聞くと、専門的なコメントがさすがだった。
食べ終わって調理人(主人?)に「香川県出身ですか?」と聞いたら「違いますが、香川で修行しました。粉も香川から取り寄せています。」とのこと。「オーストラリア産の小麦ですけどね」と続けた笑顔が良かった。
腹は一杯だが少し呑み足りない。今度は周辺をよく知るSが幹事役だ。飯田橋もなかなか悪くない。
Udon Dining 悠讃
東京都千代田区飯田橋4-4-12 ワイズビル1F
03-3262-2424
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2009年03月20日
[いさ美寿司](新宿)
何でもある寿司居酒屋

別の店に行こうと思っていさ美寿司を見つけた。8年位前に先輩に連れられて来て、その後どこだったか場所が分からなくなっていた。すごく酔っ払って店を出てから数年を経て探そうというのが無理な話。潰れてしまったのかと勘違いした店が今、目の前にある。
お通し、刺し盛り(極)

大変な賑わいだった8年前と比べたら、今日はちょっと寂しい。客は半分も入っていないのに店員はなかなかやって来ない。ようやく氷頭なますとししゃものお通しが来た。頼んだ料理が来るのも遅いだろうと思っていたら刺身はすぐに出てきた。店長とアルバイト、料理人、3人のバランスが悪いようだ。
日本酒のメニューは銘柄と値段しか書いてない素っ気無さ。アルバイトを呼び止める手間を省いて、自ら冷蔵庫のところに歩いていった。八海山、田酒、銀盤、十四代、越乃寒梅、〆張鶴、黒龍、浦霞、雪中梅など銘酒が並ぶ。純米大吟醸まであるのは意外だった。お手頃値段で悪くない。
空豆、まぐろハンバーグ

しぼみかけた8年前の好印象を空豆の湯気が取り戻した。数量限定のまぐろハンバーグも悪くない。
空腹感が癒されてくると、隣席の会話が聞こえてくる。既に30分以上も若い営業マンが上司に説教をされている。上司がトイレに立った後、ため息が聞こえたような気がした。店の奥では若い会社員たちが宴会をやっている。
釜揚げしらす、寿司(大トロ、ウニ)

今日お奨めの駿河産しらすも湯気を伴ってやってきた。寿司はしゃりが大きくて食べ応えがある。
左隣のカップルが去り、可愛そうな営業マンも上司から解放される時間になったようだ。我々も純米吟醸や大吟醸を飲みすぎたのでお開きにした。8年前の記憶は少し塗り替えられた。
寿司酒場 いさ美寿司
東京都新宿区新宿3-4-9 新宿三和東洋ビルB1
03-3341-1040
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2009年03月12日
[石かわ](神楽坂)
ミシュラン三ツ星の理由

ミシュラン東京掲載の店には行かない、と心に決めている。選考者が気に入らないとか、選ばれている店に納得できないとか、確たる主義主張があるわけではなく、単にミーハーに見られたくないためだ。銀髪グルメ紀行を書くためにカメラを構える姿は、どこからどう見てもマスコミに踊らされて喜ぶ馬鹿者そのものだろう。
お互いに兄弟と呼び合う友人から久し振りにお誘いがかかった。彼の秘書からのメールには、神楽坂の「石かわ」とある。移転する前に行こうとして果たせず、ミシュランに選ばれたので縁がないと忘れることにした店である。素直に喜んだ。

普通ならカウンターに座るところだが、写真を撮るには個室が有難かった。友人が到着するまでにおしぼりやお茶を持って店の女性が2人現れては消えた。店を出るまでに4人の女性が料理や酒を運び、誰に聞いても的確かつ優雅に説明してくれた。

ミシュランに『料理は枠にはまらない「石かわ流」』と評されているとおり、アンコウの肝に黄身酢をかけたり、寒ブリと辛み大根を併せたりと、どの皿も京料理のようでも少し違っている。若竹煮ではなくて、素麺と一緒に椀物にしてしまうと違和感を覚える人もいるかもしれない。銀髪はもちろん大歓迎である。面白い。



帆立の炊き込みご飯を2杯食べた。料理は月替わりとのことだが、何か名物料理というものはないのだろうか。入れ替わりやってくる女性の一人をつかまえて尋ねると鯛茶漬けだと言う。「出せるかどうか聞いてきましょうか?」となれば断る理由はない。

何と本日3杯目のごはんも首尾よく腹に収まった。主人の石川さんが挨拶に来てくれた。友人とは食事を共にする間柄らしい。「料理はもちろんだが、店の女性たちが素晴らしい」と話したら心底嬉しそうだった。ミシュランに選ばれる前から誇りと愛情を持って店を支えているスタッフたちに感謝していると言う。従業員を見れば社長が分かる。どの世界も一緒だ。
三ツ星の真価はそんなところにあるのかもしれない。ミシュランなんかどうでもいいけれど…
連れて行ってくれた友人にも謝謝。
石かわ
東京都新宿区神楽坂5-37
03-5225-0173
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2009年03月11日
[米新](新宿歌舞伎町)
肉屋のすきやき

歌舞伎町を歩いていたら「すきやき・しゃぶしゃぶ 特上4,200円→2100円」の看板に目が止まった。「そんな馬鹿な…」と通常なら通り過ぎるところだが、入り口の横にある肉のショーケースを見て迷った。人形町の日山や今半、京都のモリタなど精肉店が営む飲食店は安くて美味い。意を決して店に飛び込んだ。
店はきれいとは言い難いが、老舗の風格と思えないこともない。中央のコンロが手動で上下するテーブルは、今では買えないような年代物である。もちろん特上4,200円(実際は半額)のすきやきを頼んだ。他の料理を頼もうとしても、すきやきの注文を受けただけで店員は消えた。大概の客は半額セールの物だけ食べて帰るのかもしれない。

可愛い店の女性が鍋に野菜を入れ始めた。一人前2100円にしては立派なサービスである。鍋の半分が野菜で埋まったところで肉を入れて、割り下を注いだとろこで後の調理法を伝えて去って行った。最後まで面倒を見てくれるわけがない。期待する方が間違いだ。

馬刺し数切れを刺し身で食べ、残りを鍋に入れた。メニューには豚肉や合鴨も載っているが、肉の追加はしないで他の料理を食べることにした。5種類のソーセージ、牛タンの塩焼きで酒を飲んだ。

店は半分ほどの入りだが、店員たちは忙しそうだ。入り口に作りかけの弁当がたくさん並んでいた。歌舞伎町にある麻雀荘やクラブからのオーダーを待っている。数千円の弁当が出ることはなく、殆どが1,000円前後。リーズナブルな店で、来店客だけでなく多くの歌舞伎町の遊び人たちに支えられている老舗だった。
すきやき 米新
東京都新宿区歌舞伎町1-16-12
03-3209-4864
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2009年02月26日
[みの家](新宿御苑前)
桜鍋は東京名物?

「すき焼きを食べに行こう!」銀髪に任せると何を食べさせられるか分からないと慎重な相手を安心させた。新宿通りから一本新宿御苑寄りの路地にみの家はある。下調べをして来なければ見つけられないし、見つけても入るには勇気がいる。静かな佇まいの前に立ち、すき焼きの名店と言われたらそれなりに期待は膨らんだようだ。
店に入り座敷に上がる。外も古いが中も古い。美しいとは言い難い。先客がつついている鍋を見ると、あんこう鍋の「伊勢源」、鳥すきやきの「ぼたん」、どぜうなべの「駒形どぜう」などの老舗江戸料理屋を思い出す。勘の鈍い人でも普通のすき焼き屋でないことに気付く。桜の花模様のメニューを見て観念したのを見て笑ってしまった。してやったりである。
たてがみ、桜肉の刺身

刺身の種類は少ない。メニューの筆頭は桜鍋、次が桜肉のロース鍋で馬刺しはあくまで鍋の脇役でしかない。生卵は好き嫌いがあるので有料。明朗会計である。

赤身とロースを1人前ずつ頼んで味比べをした。牛肉のすき焼き同様に割り下を使うものの、味噌が乗っているのがちょっと違う。これが江戸風である。

中心の脂身以外は殆ど赤身。煮たら固くなるかと思ったら、柔らかくて食べやすい。

肉以外は麩とねぎとしらたきでシンプルだ。小さな鍋の中身はすぐになくなった。馬肉と聞いて怯んだ相手も喜んで食べた証拠である。肉だけ追加して最後はうどんにした。

馬肉は熊本のイメージが強くなってしまったが、みの家のものは青森産。東北の馬食文化の方が熊本より歴史があるようだ。もっともさくら鍋は東京名物である。新宿店もなかなか風情があるが、やはり森下の本店に行かなければおさまらない。文明開化の時代にワープできるかもしれない。
みの家 新宿店
東京都新宿区新宿2-1-14
03-3354-4518
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2009年02月23日
[はなもんや](新宿)
和風個室の焼肉屋さん

「全席和モダン掘り炬燵個室の焼肉屋」というのに興味を持った。接待用の畳部屋を持つ高級焼肉料理屋は他にも知っているが、すべて和室の焼肉屋は初めてである。
JR新宿駅新南口、ユニクロの目の前、それほど大きくないビルの6階でエレベーターを降りると日本料理屋と錯覚する。靴を脱いで個室に入り、テーブルを見てようやく焼肉屋と納得する。
コースは滅多に頼まないけれど、参考のために5,400円のぐるなびクーポン限定コースを食べることにした。グラスワインもコースに含まれている。
煮込み、キムチ盛合せ、おぼろ豆腐、もも赤身刺し


店員も店の雰囲気に染まるのだろうか、みんな物腰が柔らかく品がいい。店名の「はなもんや」は京都弁かと思ったら、人間の指紋にあたる牛の鼻紋のことだというから笑わせる。
近江牛盛合せ

赤身とバラ肉の3種(バラ、上バラ、ゲタバラ)が1人一枚ずつ名札つきで出てきた。なかなか美味しい。醤油ダレ、味噌ダレもあるが、3種類の塩で食べるのが一番いい。
ホルモン盛合せ(ミノ、マル腸、ハツ)

すべて近江牛というわけではないけれど、ホルモンもなかなかの肉質だ。ぐるなびコースはこれで終わり。まだお腹も脳も満足はしていないが麺やごはんを食べる気にもならない。肉を追加することにした。
さがり、ざぶとん

肋骨に近い部位のサガリ、鞍下に近い最上級肩ロースのざぶとんを食べた。腹一杯にするにはいくらかかるか分からないのでこのぐらいでお開きに。安売りに釣られてきて、結局高いものを買うのに似ている。ぐるなびコースにごはんをつけてないのはなかなかの戦略家だ。安くあげるなら食事付きのはなもんやコース(5,800円)の方がいいだろう。
三角、くり、うわみすじ、みすじ、とうがらし、いちぼ、しんしん、とも三角。希少部位を全部食べたくなる。次回は戦略を練り直して来よう。いい店だった。
はなもんや
東京都新宿区新宿4-1-9 新宿ユースビルPAX6F
03-6457-7211
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2009年02月16日
[路地](新宿三丁目)
デートにも使えるきれいな焼きとん屋さん

「数年振りに海外勤務から戻ったら、焼きとん屋が多いのにびっくりした」と友人が言う。彼の職場の近く、新橋には昔から美味しい焼きとん屋がたくさんある。しかし、確かに新しく出来た店もあり、新橋以外でも焼きとん屋が増えている。
学生のとき、武蔵小山の焼きとん屋によく行った。焼きとんを肴に安い焼酎のホッピー割りを飲むのが好きだった。汚いイメージが強い焼きとん屋も、随分変わって来た。オヤジたちの聖域に女性が進出してきたせいかもしれない。
新宿伊勢丹裏の路地を歩いていたら、ちょっと洒落た感じの店を見つけた。まさに今風の焼きとん屋さんで、店に入ると男女比はほぼ半々。デートにも使えるような店だ。席につくと二日酔い防止のための青汁とお通しが出てきた。

さしみ湯葉、生野菜盛り

湯葉の盛り方や野菜の化粧を見れば、店の雰囲気も想像してもらえるだろう。焼き場の男性店員のユニフォーム姿も決まっている。料理を運ぶ女性も物腰が柔らかい。

てっぽう、たん、大とろバラ焼き、こぶくろ、かしら、ればー、がつ、しろ、つくねと続けた。大とろバラ焼き以外は1本ずつ頼めるのが嬉しい。1本200円~300円はちょっと高めだが、店の雰囲気も合わせて考えれば安いものである。しかもブランド豚・岩手産の白金豚と聞けば納得する。こぶくろが特にきれいだ。
勘定をして出口に向かおうとしたところで地下へ続く階段が目に入った。店員に尋ねると、地下だけではなく2階も3階もあると言う。大部屋や個室、カップルにぴったりの席もあるようだ。女性も安心して入れる店と言いたいところだが、新橋の焼きとん屋で豪快にジョッキをあおる女性たちを思い出した。元気な女性たちは怖いものなしだ。
銀髪がメンバーだったオーストラリアのゴルフ場では、土曜日は女人禁制だった。プレー終了後、ビールを飲みながらオーストラリア人がつぶやいた。「土曜日ぐらいは男だけでくつろぎたい」
路地
東京都新宿区新宿3-17-17
03-3352-0080
http://www.roji.info/
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2009年02月02日
[湖南菜館](新宿歌舞伎町)
毛沢東が愛した湖南料理

湖南料理の名店として知られる湖南菜館は、以前から気になっていた店だった。「歌舞伎町案内人」の著者李子牧(リーシャム)氏がプロデュースする店としても有名。店があるビルに近づくとかわいい中国娘に店のパンフレットを渡された。これを受け取りビルに入ろうとすると、彼女が驚いて追いかけてきた。銀髪が彼女の店を目指して来たとは思わなかったのだろう。
店内は明るく、洋風のレストランのようで、中華料理屋らしくない。中国人二人(一人は李子牧氏?)が新聞を広げて打ち合わせをしており、他に客はいない。客引きに成功した形の先ほどの中国娘が、コートを脱いだウエイトレス姿で我々の前に現れた。なかなかの美形だ。
お奨めを聞いたら、あれこれと教えてくれる。先ほど渡されたパンフレットを開き「全部これに載っているね」と言うと、恥ずかしそうに微笑んだ。本来なら細々と前菜を頼むところだが、写真の料理をオーダーした。彼女のお奨めなら量が多くたって構わない。
水煮魚(季節の鮮魚の湖南風ピリ辛仕立て)

中国八大料理の中では四川料理と湖南料理が辛口である。湖南料理は痺れるような辛さの四川料理とは異なり、酸味がある優しい辛さが特徴。水煮魚はこくもあってとても美味しかった。
蒜茸文蛤(蒸しハマグリ)

にんにくと唐辛子がぺペロンチーノを思わせる。ハマグリの下に敷かれた春雨がスープを吸って美味しい。スープも残すにはもったいないので大半を飲んでしまった。
毛家紅焼肉

カラオケルームもあるモダンな店内と壁に貼られた毛沢東の大きな写真がアンバランスで可笑しい。湖南省は広東省の北に位置し、昔は楚があったところ。毛沢東や劉少奇などの大政治家の出身地でもある。その毛沢東が愛した料理が毛家紅焼肉で、皮付きの豚角煮に近い。箸で切れるほど柔らかくコラーゲンタップリの逸品。もっとも中国料理独特の香辛料が日本人には評価を分けさせるかもしれない。
中国娘が心配してくれた通り、3品で腹が膨れてしまった。追加注文をするかどうか迷ったが、答を出すのは難しくなかった。また来ればいい。他にも気になる料理がたくさんある。
一つだけ心配事がある。今度行った時も、あのかわいい中国娘は働いているだろうか。それだけがきがかりで仕方がない。
湖南菜館
東京都新宿区歌舞伎町1-23-13 4F
03-3207-8288
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2009年01月27日
[薩摩八郎](新宿)
大阪発の九州郷土料理

新宿東口を出て区役所通りに行く途中に昨年11月、変わった店が出現した。外から見ると店内にいくつもの大きな樽が据えられている。その一つ一つが個室になっているようだ。気になっていた店にようやく入ることが出来た。
「3階へどうぞ!」苦労して急な階段を上ったにもかかわらず、細かく区切った半個室にをあてがわれた。樽の中で飲みたかったのに、まんまとしてやられた。これなら普通の居酒屋と変わらない。
薩摩地鶏備長炙り焼き、黒豚餃子

地鶏炙り焼きは東国原宮崎県知事の専売特許と思っていた。出てきた料理とメニューの写真と比べるとちょっと貧弱だ。黒豚に惹かれて頼んだ餃子もまあこんなものだろう。樽の個室に入れなかったショックがまだ尾を引いている。
たたき、さつま揚げ

薩摩の店名からして予想したとおり日本酒はないに等しい。焼酎はこの種の店としては普通の品揃え。梅酒は10種類あり、女性には喜ばれそうだ。もっとも、最近では焼酎をガンガン飲む若い女性も増えてきた。意外と梅酒を好むのは男だったりして。
肝のレア焼き、豚バラ

肝は「新鮮だからできるこの一品」と書かれたメニューにだまされた。ミディアムとウェルダンの間ぐらいでちっともレアではない。それでも1本130円なら悪くはない。
料理を持ってきても空いたグラスや皿はこちらが言わなければ持って行かない。飲食店でアルバイトしている娘が見たら怒るだろう。小さなテーブルに料理を置く場所を作るのは客の責任である。
料理やサービスに不満タラタラだった銀髪が勘定場から笑いながら戻ってくるのを見て連れが不思議がった。笑ったのは勘定をしてくれた若者が笑顔で「おおきにー」と言ったからだ。九州郷土料理屋にはそぐわない方言が可笑しかった。本店が大阪梅田と聞いて納得した。
「???」あれっ? 「おおきに」って大阪弁だっけ?
がぶ呑み居酒屋 薩摩八郎 新宿店
東京都新宿区新宿3-20-3 ニューサンパークビル別館
03-5361-8400
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2009年01月20日
[旭鮨総本店 ルミネエスト店](新宿)
リーズナブルに食べる寿司

「高いから別の店にしましょう」新宿駅東口のルミネエスト8階の寿司屋に入ろうとしたら止められた。見栄を張るつもりでいたが、遠慮されるとちょっと嬉しくホッとする。しかし、他に食べたい店が見つからず7階に下りたらもう一軒寿司屋を発見。これには連れも頷いた。
下高井戸を本店とする旭鮨はあちこちで見かけるけれど、入ったのは初めて。「何軒あるんですか?」と板さんに聞くと40軒と言われて驚いた。回転寿司を除くと最大ではないだろうか。カウンターに座っても高級寿司店でないと分かれば気が楽になる。

お通しに続いて刺身を適当に作ってもらった。お任せで出てきたのがキンメ、ブリ、イカ、追加に頼んだのがアジ、シメサバ。ブリの産地は氷見と板さんはすぐに答えたが、他の魚については曖昧になる。大チェーン店なので一括仕入れをしているのだろう。板さんが答えられないのは無理もない。

「何か焼きましょうか?」板さんが奨めてくれた魚を断り、立ち上がって席から離れたガラスケースの中まで物色してホタテに決めた。「軽く焼いてくださいね」とお願いしたが、焼き手には伝わらなかったようだ。
板さんがテーブル客のために寿司を握り出した。振り向くと女性の二人連れが多い。年長親子の今日の夕食は寿司セットかな。若い友達同士もちょっとお酒を飲みながらセットの寿司を食べる。我々もダラダラ飲むのは止めて寿司を食べることにした。
メダイ、ウニ、シラス、イクラ、ブリ

最後にブリを頼むと連れが嫌な顔をする。刺身で食べた厚切りのブリが脂っぽかったらしい。無理に食べさせると今度は美味しいと喜ぶ。薄めに切って寿司にすると味が変わるから面白い。
寿司屋と言っても色々ある。旭鮨はリーズナブルに食べられる安心な寿司屋だった。
旭鮨総本店 ルミネエスト新宿店
東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿7階
03-5369-2781
http://www.asahizushi.com
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2009年01月14日
[鈴なり]⑦(荒木町)
やっぱりここが好き

「昨年4月以来じゃないですか?」店主の村田さんの記憶は大したものだ。帰ってから半信半疑で調べてみたら確かに前回来たのは昨年の4月だった。「何度も電話したんですけどね」と言い訳したが嘘ではない。特に昨年12月は10日頃電話したにもかかわらず年内満席で予約が取れなかった。
おひたし、三重産の牡蠣

久し振りなので6,000円のコースを頼んだ。4,500円のコースもあるので若い人も気軽に来れる。予約が取れない理由の一つだろう。村田さんに「痩せましたか?」と連れが言う。「エッ?太ったんじゃないの?」と銀髪が反論する。確かに顔は精悍になったように見えるが、動きはゆったりとして無駄がなく貫禄が出てきた感じだ。奥様も笑顔の輝きが増してきたように思える。店が順調なのだろう。

単品で頼むのが好きな銀髪だけど、コース料理の楽しみはあん肝、きびなごの天ぷら、このわた、塩辛など酒肴の華麗な盛合せである。これだけでいくらでも日本酒が飲めそうだ。豊富な品揃えの純米酒がリーズナブルで危険だ。
うにの玉地蒸し、カワハギ

コースでなくても玉地蒸しは頼んだ方がいい。何度食べても感激する。鈴なりはだし汁を使った料理がとても上品で美味しい。玉ねぎや大根を煮たシンプルな料理も好きだ。
お造り、鴨・竹の子、

氷見産ぶり、壱岐産まぐろ、鹿児島産竹の子など、産地談義も楽しい。カウンター席は実に楽しい。
キンメダイのしゃぶしゃぶ、

予想外のものが出て来るのがコース料理の楽しみ。キンメダイをシジミのスープでしゃぶしゃぶするのは初めて。しゃぶしゃぶをした後、キンメダイの旨味も加わったスープを炊き込みごはんにかける。スープをかけなくても充分美味しいが、もう一品得した気分になる。
牡蠣の炊き込みごはん、汁かけごはん

「銀髪さんが何回も書いているからいい店に違いない、と来る人が多いんですよ」と村田さんが言う。来店回数だけでなく文章から銀髪の評価を読み取ってしまう読者の鋭さには頭が下がる。「自分の予約が取れなくなるので褒めちゃダメですよ!」と連れが睨む。
杏仁豆腐

アッと言う間に2時間が過ぎた。いつも以上に酒がすすんでしまった。「ドタキャンが出たら電話くださいね。予定が入ってなければ飛んできますから」と伝えた。テレビで紹介されて以来、失礼な客も増えたらしい。奥様の笑顔が曇ることがないように、みなさんよろしくお願いします。
鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178
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2009年01月07日
[Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン](新宿歌舞伎町)
リーズナブルに飲み食いできるイタリアン居酒屋

職安通りに近い焼肉の有名店に行ったが、予想通り断られた。予約なしでは難しいと思っていても、それなりのショックを受ける。トボトボ歩いていたら、すぐに炭火焼の店を見つけた。イタリアンでも構わない。今日は肉を食べたい気分だ。
左側に長いカウンター席、右にテーブル席の洋風居酒屋で、気取ったところがないのが気に入った。メニューを見ると焼肉屋より遥かに安く済みそうで嬉しくなる。グラスワインも手頃な値段でたくさんある。
前菜三種盛り

前菜を食べながらワインを飲む。ちょっとご機嫌になる。目の前が焼き場でまだ誰もオーダーしていない。躊躇していると左に座った女性3人組から三元豚のオーダーが出た。すかさず豚タンをオーダーした。
豚タン焼き

炭火と我々の間に仕切りがあるものの、モウモウと立ち上がった煙が横に広がり我々に襲ってきた。席を代われないか聞こうかと思ったところで気がついた。煙の元は我々がオーダーした肉だ。文句を言える資格はない。焼きあがって手元に来たら煙は収まった。柔らかくて美味しいタンだ。
三元豚

隣客の三元豚も美味しそうなので追加注文をした。タンよりましだが再び煙の攻撃にあった。これも我々のオーダーだからじっと我慢をする。燻されたように焼けた豚は美味しかった。でも、次回来るときは、焼き場が見える一等席は避けた方が良さそうだ。この店の場合はカウンターの両端が特等席だ。
ラクレット

店名のOlio(オリーブオイル)からの連想でアーリオ(にんにく)・オーリオ・ぺペロンチーノを最後に食べようと決めていたが、ラクレットがあると知って気が変わった。ワインに合うし、ちょっとお洒落である。フランスパンにつければ、それなりに腹も膨らむ。
Olioは新橋や渋谷にもあるらしい。韓国料理が多い歌舞伎町でも存在感がある店に育って欲しいものだ。
Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン
東京都新宿区歌舞伎町2-28-16 ウィザードセブンビル1F
02-3205-1146
http://www.k-n-p.net/olio/
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2008年12月25日
[庄助](新宿3丁目)
安心して入れる庄助

あまり楽しいニュースがない今日この頃でも、忘年会、クリスマスとなれば街は賑やかである。予約が取り辛いこの季節は頭が痛い。新宿3丁目をぶらついていたら、庄助を見つけた。7時を過ぎていたがまだ入れると分かってホッとした。おやじ御用達の庄助歌舞伎町店、十割蕎麦のしょう助など系列店に行ったことがあるので不安はない。1階のおやじ向け本店も魅力的だったが、ちょっと洒落た2階に行くことにした。
お通し、ぶり刺身

2階の庄助はグループの中では真ん中ぐらいの格である。特別安いわけではないが、手頃で美味しい店だと思う。
焼鳥

ねぎま、砂肝、せせり、つくね、正肉。1階の庄助が焼鳥自慢の店なので、居酒屋としては美味しい焼鳥だった。
おでん、チャンジャ

2階はおでんが看板料理だから避けては通れない。大根、つくね、イワシつみれ、はんぺん、玉子。照明を落としたちょっとシックな雰囲気に合わせたように、おでんも上品だ。純米山廃「三谷藤夫」を呑む。
吟醸っぽい軽い味わいの「ここの酒・庄助」にはチャンジャを合わせた。他の店ほど日本酒の品揃えは多くない。若い人向けの店は何故か焼酎がメインである。若い人たちも、もっと日本酒を飲んで欲しいものだ。

おやじ御用達の店にはない洒落たデザートもある。女性も気に入るような居酒屋だ。どちらかと言うと銀髪にはおやじ御用達の店の方が合っているかも。
味も値段も安心な庄助だった。
焼鳥おでん惣菜 庄助 新宿末広通り店
東京都新宿区新宿3-6-11 庄助本店ビル2・3F
03-3226-8778
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2008年12月10日
[Violet ヴィオレット](新宿3丁目)
炭火焼きも食べられるバー

エレベーターを降りたところは寿司屋だった。事前に調べたところではバーの奥が寿司屋のはずだ。「すいませーん」と声をかけると、板さんと、客の3人が怪訝そうに振り向いた。
バーの入り口は右手にあった。カウンターに落ち着くなり「イヤー、びっくりしましたよ」とバーテンダーに声をかけた。予想と違う展開も、話のきっかけになって良かった。ショットバー風の店だが、料理のメニューはしっかりしていてカウンターの左側にある炭火での料理がお奨めだ。さっきの寿司屋から取り寄せることも出来る。
さんまとじゃがいものサラダ、えぞ鹿の炭火焼

バーには似合わない量のサラダに少し驚いた。秋刀魚は酢で軽くしめてあり、ちゃんと洋風の料理に見える。
えぞ鹿のカルパッチョを一度は頼んだものの、直ぐに撤回した。せっかく炭火があるのだから、試してみない手はない。久々のジビエ料理を楽しんだ。もも肉ということもあって固かったが、これが健康な野生の味である。

ジビエに合うワインは赤。リーズナブルなグラスの赤ワインは3種類が用意されていた。値段の高いワインが大きなグラスとの先入観は誤りで、軽めのワインは左側、フルボディが右側だった。香りが強いフルボディは背が高い大きなグラスになる。勉強になった。

スパゲッティはメニューにない辛さとオリーブオイルを多めにしたぺペロンチーノを作ってもらった。銀髪好みだけに、とても満足した。でも、赤ワインをもう少し飲みたい。定番のチーズではなく生チョコを選んだのは正解だった。
勘定を終え、寿司屋の方に歩き出そうとしたらカウンター右のドアを指し示された。本来の出入り口は階段を下りたところにあると知った。なるほど、そちらから入れば寿司屋は店の奥になる。情報は間違いではなかった。
バーでの食事はいつもよりゆったりと時が流れたように感じた。食後に来る客でにぎやかになる前の時間帯は、案外狙い目かもしれない。たまにはこんな食事もいいものだ。
Bar Violet バーヴィオレット
東京都新宿区新宿3-11-11 ダイアンビルB1
03-3354-6639
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2008年12月08日
[緋色の海](新宿歌舞伎町)
漁夫の賄い料理

「いい店を見つけましたよ」と誘われた。緋色と聞いてシャーロックホームズを思い出した。確かあれは「緋色の研究」。「緋色の記憶」はトマス・クックだった。いずれも思い出せるのは題名だけで、内容はすっかり忘れてしまった。緋色の海とは随分と文学的な名前をつけたものだと思った。
Kさんから渡された店の名刺に書かれた地図は出来が悪かった。AK会館を知っていれば難なく辿り着けるが、地図に書かれた道をバッティングセンターから数えたら永遠に彷徨うことになる。約束の時間に遅れて店に飛び込んだ。

Kさんが待つテーブルにはマテ貝が置かれていた。席につくなり銀髪にもマテ貝が運ばれて来たので恐縮して再度Kさんに頭を下げた。Kさんは年下に対しても礼儀正しい。

壁にかかった料理の札には値段が書かれていない。Kさんがいるから安心だが、店の雰囲気やお客さんを見ても心配は無用のようだ。お任せした刺身の盛合せの中心は大トロではなく鯨ベーコンなのが面白い。


大きなサザエの壷焼き、茹で上がったばかりの毛蟹。漁夫の賄い料理というだけあって、豪快な料理が身上のようだ。
白子鍋

たらの白子がたっぷり入った鍋を食べるとさすがにお腹が一杯になる。雑炊か麺を食べるべきだろうが自重した。
勘定を払って店を出ると主人が見送りに出てきてくれた。店の風格から予想していたより若い。「いかがでしたか?」と聞かれて、「日本酒の品揃えがイマイチ」と余計なことを言ってしまった。5種類の冷酒のうち2つが切れていて、残る3つは純米ではなかった。「お好きなものを言ってください。今度仕入れておきますから」と謙虚な姿勢に好感が持てた。
次回はカウンターに座ってじっくり話をしながら飲みたいものだ。素朴な感じの成年料理人と文学談義ができるかもしれない。
緋色の海
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12
03-5272-2677
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2008年12月04日
[随園別館]②(新宿)
中華料理は大勢がいい

突然別々の所にいる5人が集まって食事をすることになった。店選びを任されたのはいつもの通り銀髪。大通りに面した分かり易い店、手頃な値段、中華料理。条件を満たす店の中から新宿の隋園別館を選んだ。104で電話番号を聞いても分からず、銀髪グルメ紀行で調べて電話予約をした。
茄子、前菜盛合せ、干豆腐、なまこ

最後の一人が来ないので、つまみの類で紹興酒を飲んで待つことにした。まだ早い時間なので1階には我々を含む2組だけ。料理はどんどん出て来る。
客より店員の方が多い店内は中国語が響き渡り、まるで香港にいるようだ。量が多く、大雑把に盛り付けられた皿を見ているとますます異国の感じがする。
我々が来てから30分程で店内はほぼ一杯になった。料理が出て来るのが遅くなる。最後の一人が来る前にメインを頼んでおこうとしたら、仲間の一人が携帯を手にした。「まだか?銀髪がメインを頼もうと言うけれど、お前が来るまで待った方がいいと俺が制しているんだ」といつの間にかいい子になっている。
ピータン豆腐、小龍包、水餃子

全員揃ったところで追加オーダーした。ピータン豆腐は写真を撮る猶予を与えてもらえなかった。中国娘はテーブルに置くなり混ぜ混ぜしてしまった。
随園別館の名物は小龍包と水餃子。安くて量があってお奨めである。誰もが頼むので店側はいつも準備万端。それほど待たずにテーブルに並んだ。
北京ダックセット

北京ダックは丸ごと一匹が6,000円と手頃な値段で、1,000円足すと余った肉で2品作ってくれる。男5人でも食いでがあってお得感がある。結局スープは食べ切れなかった。食べる勢いが急速に落ちるのが中高年グループの哀しいところである。やっぱり中華料理屋は人数が多い方が楽しい。隋園別館は5人でも少ないぐらいだ。
店内は日本語ばかりになった。オーダーを通す言葉以外に中国語は聞こえない。これから忘年会シーズン。2階より上の大きな円卓を予約するのは早い方がいい。
随園別館
東京都新宿区新宿2-7-4
03-3351-3511
http://www.zuienbekkan.co.jp/
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2008年11月14日
[かりふわ堂](新宿歌舞伎町)
これが本当の大阪の味・お好み焼き?

「つんく♂さんのお店に連れて行って欲しい」と銀座のママに誘われた。「新宿は遠いので麻布の店に」とのご希望だったので、情報だけありがたくいただくことにした。
新宿コマ劇場の裏通り、名前を忘れてしまっていたがお好み焼き屋は一軒のみなのですぐに分かった。階段を上がり店に入ると、駄菓子やおもちゃが並べてある。店は二つに分かれ、左側がかりふわ堂。幸い予約なしでもカウンターは空いていた。
ざっくりキャベツ、牛すじこんにゃく

目の前には野菜が置かれてあり、焼き場は店の右奥に見える。壁に書かれたかりふわ堂についての説明書きを読みながら特製味噌をつけたキャベツをかじる。
メニューの中から大阪らしいものをと探し出した牛すじこんにゃくは期待通りの味だった。
とんぺい焼き、かきの鉄板焼き

広島お好み焼きの名物とんぺい焼きはかりふわ堂流で、豚肉を薄焼き玉子でふわりと包んでいる。かきの鉄板焼きには九条ネギがたっぷりで、京都風。大阪にこだわっているわけでもなさそうだ。何でも取り入れるのが大坂流と言われれば、納得してしまう。
ホルモンミックス焼き、豚玉

メニューの後ろの方に1,000円以上するオリジナルのお好み焼きが並ぶ。「どれを食べたらいいの?」と聞くと「私的には豚玉を食べて欲しい」と言う。若い女性店員2人とも明るくて好感を持っていたが、780円の安いものを勧められて一気に最高点をあげたくなった。
「お好み焼きは焼くのに20分かかります」と言われたのでホルモンミックス焼きを食べながら待つことにした。飲むのはホッピー。再び目の前の壁の説明を読む。「お好み焼きというより蒸し野菜」という部分に興味が湧く。
「忘れてるんじゃない?」と連れが不安がる。待ち切れなくなって店の女性を呼び止めたら、彼女の手に豚玉があった。お好み焼きを分けようとヘラで切ろうとしたら、もろくも崩れた。

つなぎが少なめにして、押さえつけずにじっくり焼いている。「蒸し野菜」の意味が良く分かった。20分以上かかったのも頷ける。つんくが言うようにこれまで食べたことがないようなお好み焼きだった。強いて言えば、我が家で小麦粉を使わず山芋だけで作ったお好み焼きに近い。
大好きになった女性店員に「美味しかったよ」と言うと、「そうですかー、いろいろ試行錯誤して作っています。また来てくださいね」と可愛い。再訪したい気持ちを決定付けさせる笑顔だった。
かりふわ堂
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビル2F
03-5155-7620
http://www.karifuwa.com
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2008年11月06日
[黒豚庵](新宿3丁目)
鍋が美味しい季節になりました

新宿通りに立ちグルッと見回す。各ビルに飲食店の袖看板が光る。日が暮れるのが早くなって、看板が目立つようになった。木曽路、月の雫など見慣れた店は除外して行ったことがない店を選んだ。
黒豚=美味しいというイメージは浸透している。黒毛和牛からの連想で日本独自の豚と思っている人も多いが、イギリスのバークシャー種の豚で純粋な外来豚である。「鹿児島産黒豚」の宣伝が成功したのだろうか。お陰で黒豚に庵をつけるだけで美味しい店のように感じる。
からし蓮根、からすみ

熊本のからし蓮根、長崎のからすみ、大分の椎茸、博多の明太子、鹿児島のさつま揚げ、きびなご刺し身など九州出身者が喜ぶ料理が揃えてある。からし蓮根はしっかり辛くてなかなか良かった。高級品のからすみは上手に薄く切ってある。880円なら仕方ない。
黒じょか、さつま揚げ

鹿児島なら芋焼酎が定番。黒じょかを使うとは珍しい。あまり美味しい焼酎ではなかったが、気分は充分味わえた。鹿児島の名店から取り寄せたというさつま揚げは評判が良かった。
黒豚しゃぶしゃぶ

2人前の肉は思ったより少なく見えた。野菜で底上げされている。もっとも、肉をつまむとしゃぶしゃぶ用にしては厚い。肉質は柔らかいので厚いほうが味があっていいかもしれない。たっぷりだしが出たスープに麺を入れ、別途持って来てくれた塩ダレで食べた。これは気に入った。
テーブルのボタンを押すまで店員はやって来ない。まだ入ったばかりという韓国人店員のサービスはお粗末だが、一生懸命さで救われる。週初とはいえ客はまばら。こんなんで広い店を維持できるのかなと心配するのは無用。黒豚庵は年商300億円を越す日本レストランシステムの系列店。ドトールコーヒーもグループ企業の一つ。
繁華街の一等地のビルには大型チェーン店が殆ど。ビルのオーナーが大手を選ぶのは当然だろう。内装、料理の質は悪くない。価格とサービスはファミレス並みという店が目抜き通りに並ぶことになる。初めて入る店でもぼったくられることはない。迷ったら目抜き通りにある大きな店に入るのは、無難な選択と言えるかもしれない。
黒豚庵 新宿東口店
東京都新宿区新宿3-17-5 新宿ニユー富士ビル3F
03-3358-1331
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2008年10月31日
[葡萄酒サッカヴァン]④(四谷)
ワインを飲むならやっぱりこの店

なんとなくワインが飲みたくなった。肩肘張らず、リーズナブルにグラスワインを飲むならサッカヴァンがいい。大好きな店なのに、なんと1年半振りの訪問である。予約のために電話を手にしたが、ちょっと考えていきなり行くことにした。
店に入ると初めて見る店員が迎えてくれた。ちょっと失望して客席を見渡し、キッチンに目をやったところでようやくオーナーの杉本さんを見つけた。目が合うと、驚いた顔をしている。この瞬間のために電話をしなかったのである。あー楽しい。
自家製スモークサーモン、自家製鶏のハム

サッカヴァンのいいところはオーナーの探究心。前に食べた自家製のポークハムやソーセージには感心させられた。今回も新作に挑戦した。サーモンもハムもワインによく合う。
本日のグラスワインは白が5種類、赤が9種類。最近ではボトルではなくグラスワインを数種類飲むことにしているので、サッカヴァンは選択肢が多くて嬉しい。
自家製コンビーフ、アンチョビのスパゲッティ

コンビーフもいい出来だ。ときどきテーブルにやってきて杉本さんが説明してくれるのが楽しい。最後にスペイン産の赤ワインを頼んだら、「以前飲まれたのと同じメーカーのものです」と言われて驚いた。確かに前にもスペイン産のワインを飲んだ。こちらが忘れているのに大した記憶力である。
ワイン4杯の代金が7,300円、料理4品の値段が4,350円。ワインを飲みに来たのだから当然の結果だろう。料理に重きを置くのであれば、新鮮な肉や魚の立派な料理もある。今はキノコ類も美味しい。
いつ来ても銀髪にとっては落ち着ける店である。不思議なことに時間はゆっくり流れているように感じるのに、時計を見ると信じられないほど時を刻んでいる。チーズでもう一杯と言いたいところを我慢して勘定をした。
常連客のように振る舞い、常連客に対するようににこやかに応じてくれる。せめて半年に1回くらいは来ないと罰があたりそうだ。
葡萄酒サッカヴァン
東京都新宿区愛住町4-1
03-3358-7650
http://www.sacavin.jp/
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2008年10月22日
[ルメン](新宿歌舞伎町)
天然酵母を使った新宿で一番美味いナポリピザ

ネット上で評判がいいピザの店を探したらルメンが出てきた。住所を打ち込み、現れた地図を見て首を傾げた。いつも近くを通るけれど、イタリア料理屋があったか思い出せない。どうせ空いているだろうと思って行ったら甘かった。週末はさすがに混んでいる。週初に出直したら思惑通り席を確保できた。
ルメンがある道は、区役所通りからちょっと外れるので人通りが少ない。間口が狭く、小さな店内を外から覗いても、美味しい店とは思えずいつも素通りしていた。
生牡蠣、カプレーゼ

厚岸産の生牡蠣、ナポリ直送のモッツァレッラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ。店員のお奨めに素直に従った。いくつか料理を奨めて、最後に「当店の自慢料理はピザです」と強調した。言われるまでもなくピザを食べに来たので他の料理で腹を満たすつもりはない。
生ハム、トリッパ

生ハムは涼しくなってきたので再開したばかりというだけあって味も香りも文句なかった。脂の乗りが程よい。牡蠣、チーズとトマト、生ハムの3品を食べて厳選素材を使っていることは良く分かった。料理の腕も見たいのでトリッパを頼んだ。シンプルな料理が多い中で、トリッパはちょっと手間暇かかる。煮込み具合がちょうど良く、味も良かった。
マルゲリータ

他店と比較するならシンプルなマリゲリータに限る。天然酵母を使った生地もしっかり味わえるだろう。薄い生地とモチモチした食感の縁がナポリピザの特徴だが、ルメンの生地は他店のものより少し固く、しっかりしている。もっと大きな違いは香り。連れはハーブのような匂いがすると評していた。今まで食べたピザの中でも一番美味しいとのこと。相手が喜んでくれれば銀髪も嬉しい。
グラスワインの品揃えやサービスに注文をつけたいところだが、ピザ屋と割り切れば問題ないだろう。店員が「ピザを食べてください」と強調したのも良く理解できた。ナンバーワンは一つあれば充分といったところだろうか。
ラ・ピッツェリア ルメン
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル新宿1F
03-3205-1207
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2008年10月15日
[しょう助](新宿三丁目)
庄助グループの高級店

庄助には焼き鳥、おでん、個室ダイニングなど数種類の店がある。先日行った焼き鳥「庄助」はおやじ御用達の典型的な大衆居酒屋。今回行ったしょう助は多分グループの最高級店で、庄助とはまったく趣が異なる。
テーブル席は気の置けない相手となら接待にも使える雰囲気で、もちろんカップルにも受けそうだ。彼らにとって最適なのはゆったりとした窓際のカウンター席だが、景色は期待できない。二人の世界にひたるにはうってつけかもしれない。
お通し、日替わり三種盛合せ、豆腐

内装だけでなく店員のユニフォームもサービスの質も庄助と異なり格段にいい。その分お値段も随分違う。料理は止むを得ないとしても、日本酒は割高に感じる。
鶏のたたき、茜鶏もも唐揚げ

茨城県筑波産の茜鶏。ちょっと上の店らしいメニューも豊富だ。庄助とのコストパフォーマンス比較ばかりしてしまうが、他の同種の店と比べたら悪くない。大衆店の庄助が支えてくれるおかげだろう。
せいろそば

しょう助の一番のウリは十割蕎麦。それを食べなければいけないと思うから、腹八分目のところで他の料理を頼むのを止めてしまった。若いときならば腹一杯飲んで食べて〆にそばを食べただろうが、今は無理をしなくなった。店の戦略は客によっては裏目に出てしまうこともある。
庄助としょう助。これだけ違うと優劣を決めるのは意味がない。どちらが好きかと問われれば、答えは簡単である。どちらが生き残れるか予想するのもたやすい。
庄助としょう助。同種の競合店と比べるとどちらも悪くないと思う。
酒・魚と十割蕎麦 しょう助 sono
東京都新宿区新宿3-32-10 T&Tビル7F
03-3356-1818
http://www.shousuke.jp
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2008年10月07日
[鳥良](新宿3丁目)
手羽先唐揚げ、関東の雄

鳥良には2005年に中学の友人たちと二子玉川店に初めて行った。新宿3丁目店は2年半ほど前に来て以来2度目である。前回は鳥良の偉いさんに連れてきてもらったので、個室に案内され立派な食事をご馳走になった。久し振りの鳥良は随分と印象が違った。
隣席との間隔が狭い、小さな席に通された。若者に人気の店である。素直に与えられた境遇を受け容れた。3度目にして初めて自分でメニューを見て料理を選んだ。「手羽先が看板料理だよね」との問いに、若い店員が頷いた。
お通し、手羽先

手羽先の唐揚げは名古屋の「風来坊」「世界の山ちゃん」が有名だが、鳥良も看板料理にしている。風来坊が「元祖」、山ちゃんが「幻の」と頭につけるのに対して、鳥良は門外不出の秘伝のタレを謳っているのみで控えめである。どの店のものも驚く程美味しいものではないが、看板料理にしては値段が安いのがいい。
湯玉豆腐、鶏ごぼうサラダ

鳥良のもう一つの看板料理が豆腐。偉いさんと来たときは大きな角鍋を使って目の前で作ってくれた。それに比べて余りに小さいので拍子抜けした。そのせいか、写真を撮り忘れた。取り皿に分けた映像だけで許してもらおう。
どて大根、鶏の寿司

どて煮は名古屋の名物である。風来坊や山ちゃんと同様にどて煮をメニューに置いている。昭和59年に吉祥寺で創業、名古屋の手羽先唐揚げを東京で広めることを目標にしたというから、どて煮があっても不思議でない。もっとも、どて煮ではなく関西の呼び名「どて焼き」を使っているのがちょっと不思議。
日本橋の比内やで食べた鶏の寿司と比較したくて、〆に寿司を食べてみた。これは明らかに比内やの方が上。半額近い値段なので止むを得ないだろう。比較しなければ充分食べられる。
初めて二子玉川店に行ったときは行列が出来ていた。偉いさんと来たときは株式上場寸前だと聞いた。久し振りの鳥良は8時を過ぎても空席が目立った。リーズナブルな割に居酒屋よりワンランク上の雰囲気が受けていたと思うが、今では類似の店が増えて目立たない。商売は難しいものだ。リーズナブルに食べられるいい店だと思うが、店舗が増えすぎて勢いを失っているのかもしれない。
店員の暗さがちょっと気になった。
鳥良 新宿2号店
東京都新宿区新宿3-13-5 クリハシビルB1・B2F
03-3353-3357
http://www.samukawa.co.jp/toriyoshi/
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2008年09月19日
[庄助](新宿歌舞伎町)
何とも落ち着くベタな居酒屋

「ここでいい」と言われて目を疑った。そこまで遠慮してくれなくても良さそうだと思うのだが、顔を見ると冗談でもなさそうだ。「本当にここでいいんですか?」と聞くと、笑顔で頷く。相手がいいなら是も非もない。望むところだ。
最近の居酒屋は若い女性客なしでは成り立たなくなっているが、ここは違う。店内に女性は一人だけ。おじさんたちの顔は赤く、身体はだらしなく傾いている。まだ7時だというのにすっかり出来上がっているおじさん二人組みと相席することになった。8人掛けの大きなテーブルなので狭苦しいことはない。ビールで乾杯し、料理が到着すれば他の客の姿は視界から消える。
お通し、はまち、さんま

お通しのひじきを食べて「お腹が空いてるから美味い!」とのたまう。“お腹が空いてる” は余計だと文句を言いたくなるが、はまちやさんまを食べても「お腹が空いてるから美味い!」と繰り返す。店の人に聞こえそうでハラハラする。
焼き鳥、カキフライ

「お腹が空いているから美味い!」と焼き鳥を食べても同じ台詞が出て来る。ボキャブラリーが少ないのか、馬鹿にしているのか分からない。それでもいい食べっぷりを見ていると楽しくなる。
カキフライは、ジューシーで火傷しそうになった。ぼちぼち牡蠣を食べる季節になってきた。クーラーなしでも寝苦しくはなくなった。天高く馬肥ゆる秋の到来である。
シロ、山芋磯辺揚げ

シロは美味しいと言ってはくれなかった。豚の臭みは受け容れ難かったようだ。銀髪が苦もなく平らげるのを不思議そうに見ている。
磯辺揚げは気に入ったようだが、“お腹が空いてるから”という台詞は既に出なくなっていた。ぼちぼちお開きにしてもよさそうだ。
久し振りのおじさん向け大衆居酒屋は楽しかった。条件付ながら美味いを連発してくれたし、酒も安いので懐にもそれほど響かない。安い店で喜んでくれたら、もっといい店に連れて行きたくなるから不思議だ。今度はちょっと高級な店に行こう。“お腹が空いてるから”は取っ払ってくれるかもしれない。
庄助
東京都新宿区歌舞伎町1-11-6 扇園ビル1F
03-3200-6056
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2008年09月10日
[FUGA(風雅)](新宿歌舞伎町)
夜景がきれいなレストラン

「プリンスホテルの25階の店はどう?」と聞くと「あそこは古くて雰囲気が良くない」と言われた。新宿プリンスホテルの30周年に合わせて2006年12月にリニューアルオープンしたことを知らないようだ。
「プリンスホテルの25階を予約しました」とゲストに告げると、「品川?赤坂?」と聞かれた。確かにプリンスホテルと言って新宿と思う人は少ないだろう。しかも洗練されていないイメージがつきまとう。
昔来たことがある人も、ダサいイメージに囚われていた人も、席で待っている銀髪を見つけて口々に驚きの言葉を並べる。「ここはフレンチ?イタリアン?」の質問に首を振るとまた驚く。西新宿の高層ビルの夜景が美しく、ジャズの流れる店内では勘違いするのも無理はない。
お通し、白身魚のカルパッチョ

春巻、出し巻き玉子

中華料理や洋食の要素も取り入れているが、メニューは和食中心である。寿司カウンターもある。もっとも、和食なら日本酒にこだわる銀髪ですら、店の雰囲気に負けてシャンパンやワインを頼みたくなる。
鶏西京焼き、鴨の治部煮

治部煮までの5品はメニューリニューアル記念で半額だった。一皿ずつ頼もうとしたら「4人なので二皿ずつ頼んだ方がいい」と店員が言う。半額なら量も少ないかと思い素直に従ったが、しっかり量があったのでかなりお腹が一杯になってしまった。
串カツ、蟹炒飯

「正規料金のものをもっと頼むつもりだったのに、損しちゃったね」とソムリエバッジが光る店員に言ったら、「せっかく安いのですから、遠慮なく半額の料理をご利用ください」と笑顔で応える寛容さだった。
夜景が美しいレストランなのに、カップルは2組くらいしかいない。ホテルに宿泊している男同士や接待風の客の方が目に付く。それでも、席は3分の1も埋まっていない。隠れ家的というか、穴場というか、とても静かないい日、いい店だった。
メニューリニューアル記念は9月15日まで。いき損っても2~3ヶ月でメニューが入れ替わるそうだから、要チェックである。半額で楽しめる期間が年に数回あるはずだ。
勘定を払い、天空から地上に戻った。西武新宿駅に流れ込む人の群れ、きらびやかに散らばる飲食店や風俗店。一気に歌舞伎町の現実に引き戻された。一瞬戸惑うものの、すぐに溶け込んでしまう。活気に溢れた猥雑な歌舞伎町も悪くない。
和風ダイニング&バー FUGA(風雅)
東京都新宿区歌舞伎町1-30-1 新宿プリンスホテル25階
03-3205-1111
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2008年09月05日
[いのこ家](新宿3丁目)
蒸し豚と豚ヒレ寿司

目指す店はマルイシティ8階にある。予約していないので、満員のエレベーターの全員がライバルに思えてしまったが、7階で不安は一掃された。そこには映画館があった。
エレベーターは我々だけになり、「いのこ家」に入ったのは我々だけだった。それでもカウンター席以外に選択の余地はなかった。ギリギリセーフに胸をなでおろした。
傘も荷物も預かってはくれないカジュアルなお店。目的にしていた2品、「蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット」「豚ヒレ握り寿司」を頼んでから、メニューを見詰めた。枝豆のようなすぐ来そうな料理が見当たらない。店員に聞くと「混んでいるので、どれも時間がかかります」と素っ気無い。お通しがあるからいいやと思ったが、結局来なかった。席料目当てのつまらないお通しに腹が立つときもあるが、何もなければ手持ち無沙汰ではある。
豚ヒレ握り寿司

幸い、一杯目のビールを飲んでいるうちに寿司がやってきた。炙りはレアの状態で少し赤身が覗く。北海道の直営農場で育てたSPF豚は生でも大丈夫とのこと。塩味が程よく、予想したより美味しかった。
蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット

我が家でもよくやる豚肉と野菜のセイロ蒸し。違いは豚肉の質というか安心度。野菜の上に薄切りの豚肉を乗せて、再び蓋をして30秒。レアの状態でも食べられるのは握り寿司で証明済み。2種類のロース肉は美味しく、蒸し野菜を食べればヘルシーな気分になった。
雑炊

蒸し器の下の鍋には肉や野菜のエキスが滴り落ちる。その鍋に出来たスープを使って麺か雑炊を最後に食べるのが定番。ヘルシー料理にこだわって雑炊を選んだ。
雑炊を食べ終わる頃には入り口で待つ人も出て来た。映画が終わる頃にはもっと列が延びるだろう。リーズナブルなワインや、果汁タップリのジュースなど、若い女性向けの飲み物は豊富だが、オジサン向けの酒の品揃えは貧弱。長居は無用のようだ。
家に帰り、体重計に乗ったら蒸し豚野菜の効果てきめんだった。メタボに悩むオジサン向けの店も開いてみたらどうだろう。もっとも、後でこっそりラーメン屋に行くようでは逆効果。それが我慢できる人なら、最初からメタボになることはない。
いのこ家
東京都新宿区新宿3-1-26 マルイシティ新宿City-1 8F
03-5362-0158
http://www.inokoya.co.jp/
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2008年09月01日
[韓国館](新宿歌舞伎町)
家庭料理もいろいろある

「あれっ? 変わったな、この店」とKさんがちょっと驚いている。足が遠のいてしまったのはKさんだけではなかったのだろう。店は創業11年目にリニューアルオープンし、高級店から家庭料理中心の低価格店に姿を変えていた。
店の奥に架かった大型液晶テレビではスポーツ番組が流れている。どこか変だと思って眼を凝らすと、チーム名が韓国語で書かれている。左隣で鍋をつつく若者3人は韓国語を話している。ラフな格好の若い店員たちも韓国人。まるでソウルに居るみたいだ。
お通し、キムチ、ケジャン

メニューの文字は日本語と韓国語。和牛焼肉のページは一瞥しただけで飛ばし、家庭料理を探す。メインはカムジャタン(ジャガイモの鍋)に決めた。すかさずKさんがキムチとケジャンを頼む。韓国語もポンポン出て来る。大したもんだ。中国でも韓国でも食べるのに困ることはないだろう。
キムチは浅漬け。ケジャンは先日の吾照里より濃い味で辛いが、悪くない。
カムジャタン

じゃがいもの他に骨付きの豚肉が入っている。味が少し薄い気がしてケジャンのタレがたっぷりついた蟹の甲羅を鍋にぶち込んだ。それを見て韓国人の店員が肉のだしが濁るから止めた方がいいと忠告する。一度は従って甲羅を鍋から出したが、思い直して再度鍋に移した。日本式寄せ鍋では肉も魚もごちゃ混ぜにする。味が交ざって何が悪い。
Kさんは豆腐は絶対あるはずだから追加しようと言う。豆腐を分からせるのには苦労した。発音が微妙に違う。具を足すシステムはないようだが、Kさんの要求に店員も素直に応じてくれた。
思ったとおり鍋はさらに美味しくなった。Kさんと二人で日本人の知恵を自慢する。伝統や習慣という高い壁も、他国人なら軽々と超えることができるから面白い。ソウルでは練りわさびを鍋の薬味に使う店があった。アボガドの鮨・カルフォルニアロールなども日本人には考え付かない。
石焼ビビンパ

写真は撮り忘れたが、ジャガイモのチヂミも食べたので満腹。それなのにKさんがさらにビビンパを頼むからびっくりした。60歳を超えるのに、銀髪より遥かに健啖家である。尊敬してしまう。
たくさん食べる人がいると、食事は一層楽しくなる。特に鍋は2人より3人、3人より4人である。
Kさんの表情を見ていると、以前の韓国館より大衆的になった今の方が気に入っているようだ。韓国人や韓国通の日本人も、ソウルの料理屋を思い出してしまうような店である。
韓国館
東京都新宿区歌舞伎町2-41-8 植木ビル1F
03-3232-2989
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2008年08月25日
[オステリア ヴィンチェロ]③[新宿御苑)
嬉しい再会

モッシュさんこと水谷さんから「オステリア ヴィンチェロ②」にコメントをいただいた。以前勤めていた日本橋小網町のランブイユが閉店になって、今はヴィンチェロに居ると言うではないか。すぐに電話をかけた。銀髪と名を告げると素直に驚いてくれる。とても楽しい。
カウンターのある店以外はなかなかシェフと話す機会はないので、店の顔はフロアスタッフになる。会社における営業マンの役割に似ている。水谷さんはとても気持ちのいい接客をしてくれる人だ。大好きなヴィンチェロに居ると聞けば行かなければならない。
ヴィンチェロは大きなガラス窓から店内が見える。こちらが水谷さんを認めると同時に、彼女もこちらに気がついてドアを開けてくれた。席に付き、料理の説明を受ける。ゆっくりとした口調は変わらない。

大好きなムール貝の料理(ズッパディコッツェ)は身もいいがスープが頗る美味い。ズッキーニのクリーム仕立て(ズッキーニのクレマ 北海しまえびのマリネ添え)を横取りしたら、こちらの方が更に美味しかった。

麺は2種類。ポルチーニ入りクリームソースのパスタには特別にトリュフを削りかけてもらった。今の季節はポルチーニの方がトリュフの香りに勝るようだ。
水谷さんが一番に奨めたボッタルガ(カラスミ)を乗せたぺペロンチーノ。前回も食べたので一度は断ったが、考え直した。看板料理だけに何度食べても満足してもらえる。

石垣のチュラ(美ら)豚のポルケッタ風。本来の仔豚を丸ごと焼く調理法をアレンジしたものと水谷さんが説明してくれる。イタリア流に量がたっぷりあるのもヴィンチェロの特徴。丹波夏鹿のフォアグラソテー添えの殆どと、チュラ豚の半分ほどを自らの腹に納めた。
もちろんヴィンチェロの売りものであるワインも料理に合わせて、グラスワインを白赤の順に堪能した。周りのテーブルのワイングラスよりひときわ立派なだけはある美味しいワインだった。
それにしてもお腹一杯。デザートを二口食べて、食後のグラッパは遠慮した。

勘定を終えて席を立つと、カウンターにオーナーシェフの斉藤さんが頬杖をついていた。一声かけて会釈をした。外まで見送ってくれたのはもちろん水谷さん。ますますヴィンチェロが好きになった。
オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967
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2008年08月21日
[コルベーユ](早稲田・リーガロイヤル東京)
懐かしのウインナーシュニッツェル

早稲田でミーティングを終え、食事をすることになった。高校生活を送った地域ではあるが、ラーメンのえぞ菊など数店しか思い浮かばない。下調べもしないで行ける安心な所はホテルのレストランだ。暑い日なのでワンメーターでもタクシーの運転手さんには大目に見てもらった。
日本料理(懐石、寿司、鉄板焼)、中国料理も魅力的だが、気軽なカフェを選んだ。懐にも優しそうだ。サントリー協賛の飲み放題が2,500円とお得なのもいい。
オードブル4種盛り、バーニャカウダ

オードブルが950円、バーニャカウダが800円と思惑通りのお手頃値段。ビールが美味い。
ウインナーシュニッツェル

メニューを開いたとき、即決したのがウインナーシュニッツェルだった。とても懐かしい響きがある。ビーフカツと似ているが、肉は叩いて薄くしたもので、多目の油をひいたフライパンで焼くところが異なる。父がよく作ってくれたような気がするが、例によって記憶は定かではない。
オーストラリアに居たときはチキンシュニッツェルのサンドイッチをよく食べた。客の好みを聞いて目の前で作ってくれる。ホワイトブレッド、チキンシュニッツェル、レタスまでは上手く言えるのだが、ソルト&ペッパーと言うところを、ソルト&シュガーと言って笑われた。不思議なことに言わないように意識すればするほど、また言ってしまう。今でも思い出すと冷や汗をかく。
サーモン網焼き

カフェは気軽でいい。シュニッツェルもサーモンも切り刻んで酒の肴になった。銀髪が選んだシュニッツェルの方が数段美味しい。海外と同様、日本で食べても洋食の魚料理は感心しない。サーモンを選んだ相手も素直に負けを認めた。勝てるはずはない。今日のシュニッツェルは銀髪が食べた中でも最高の出来だったのだ。
思い出の味を超えてしまったウインナーシュニッツェル。写真を見るだけでよだれが出て来る。
コルベーユ リーガロイヤル東京
東京都新宿区戸塚町1-104-19
03-5285-1121
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2008年08月19日
[炉端かば](新宿3丁目)
山陰の魚料理百選。ど田舎の旬を毎日おとどけ

店の看板に「山陰」「ど田舎」「旨い!安い!楽しい!」の文字が躍る。酒呑みの気持ちを良く知っている。エレベーターに乗り込んだが、2階に止まらないと知って飛び降りた。階段を上がると想像以上に大衆的な店。「安い!」の表現は疑いない。
店内は7割位の入り。テーブルも選べたが、窓外が見えるカウンター席に座った。すぐに店員が箸とマルハの「有明煮赤貝味付」を持って来た。缶詰のお通しは記憶にない。ビールは鬼太郎ビール、日本酒は鳥取、島根の地酒が約20種類の中から石見銀山を飲むことに決めた。純米吟醸酒でも1合700円と良心的な店である。

ドジョウの唐揚げ、地物セット

メニューも豊富だ。隣の客はオムレツ、サラダを経て、今度は立派な刺身盛合せ食べている。銀髪は律儀に山陰名物にこだわる。安来のドジョウ、島根名物あご野焼き、浜田の赤天、干物。銀髪がうんちくをたれる材料満載。「楽しい!」も認めてあげよう。
焼き鳥、山芋コロッケ、板わかめ、

焼き鳥(大山?東伯?)を食べ、鳥取砂丘名物の山芋を使ったコロッケでほぼ満腹。島根名物の板わかめで残った酒を飲み干した。
店内は満席となり大分賑わってきた。メンチカツ、ハムカツなど200円台で食べられる料理もある。値段の割には「旨い!」と言っても良さそうだ。明らかにアルバイトと分かる店員たちも「ど田舎」にピッタリの子達を採用していると言ったら怒られてしまうかな。
「ど田舎」の表現に反するのは店員が打ち込むオーダー端末。箸袋を見ると安来本店、松江、鳥取、米子、出雲の山陰にある5店舗に加え、新橋、浜松町にもある。これだけの店舗展開をしていれば、ファミリーレストラン風のシステムにも納得できる。
月曜はレディースデイ、火曜はメンズデイ、お得なクーポンはぐるなびで手に入る。店名の「かば」がどこから来たか分からない。オーナーの渾名だとしたら、大した経営者だ。
炉端かば
東京都新宿区新宿3-31-2 NS中央プラザビル2F
03-3597-2003
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2008年08月12日
[ラ・タペリア](四谷三丁目)
人気のスペイン料理屋だってさ

電話で予約を入れるときさくな外国人訛りの日本語が聞ける。日本人なら無礼と感じる言い回しも外国人なら好ましいと思われるから得をしている。四谷駅を出て杉大門通りを左に曲がったらすぐに見つかった。荒木町と言ってもいい場所だ。立地も有利だ。
電話で言われたとおり、狭い空間の小さなテーブルに通された。隣にチェーンスモーカーが居る。煙草を吸いながら料理を口にする無神経さに店を出ようかと思ったが我慢することにした。メニューにある豊富な料理の写真を見て喜んでいるAさんを気遣ってしまった。
お通し、自家製ピクルスの盛合せ

お通し代わりのカリフラワーの冷製スープはなかなか良かった。ピクルスは値段の割りに量が少ない。ボトルのワインはリーズナブルだがグラスワインは不味くて割高。Aさんの顔が曇る。
生ハム、ヒコイワシの酢漬け

セラーノとイベリコの生ハム盛合せは予想通り。マドリードの伝統的なタパスであるヒコイワシの酢漬けは好みの味だった。
ムール貝

スペイン料理で一番好きなムール貝料理。ふっくらとした身が期待通りだった。「どこ産?」とスペイン人のオーナーに聞いたら「貝はパスポートを持ってないので分からない」と言う。冗談のつもりだろうが笑えない。貝が消化しそこなった蟹を話題にして勝手に楽しむことにした。店は頼りに出来ない。
自家製パテ

タパスが小皿料理、おつまみといった意味だと思い出した。店の雰囲気と値段を見て一皿の量が多いと勘違いしていた。忙しく満席のテーブル間を歩き回るオーナーと店員の両方に、近くを通る度にメニューを求めた。銀髪には自家製パテを、Aさんにはデザートを頼もうとしたが、オーナーは頑として受け付けない。デザートは料理を食べ終わってから出すのがスペインの流儀で譲れないと言う。
仕方なくパテを2人で分け合い、それから再びデザートのメニューを貰った。デザートを食べ終わった後に紅茶を持ってくるのもスペインのマナーらしい。予約なしでドアを開けて断られる多くの客のために、早く帰ってあげようと気遣ったが無駄だった。
写真の料理と生ビール1杯、小さなグラスワイン1杯、小さなシェリー酒1杯、スペイン産ミネラルウォーター2本、デザート1皿、紅茶1杯で合計13,500円。そうそう、パンも追加したかな。
足を組み、煙草を吸いながら料理を口に運ぶ人を許すのだから、店のパンフレットにあるように「居酒屋のようなスペインのフードスタイル」を守る店である。無礼をきさくと感じる人は楽しめる店だ。
ラ・タペリア
東京都新宿区四谷3-3 ストリーム四谷B1F
03-3353-8003
http://www.la-taperia.com
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2008年08月08日
[地鶏ばやし](新宿歌舞伎町)
意外と良かった宮崎料理の店

50歳を超えるとあちこちにガタが来る。歯を自慢しているうちにケアを怠った歯茎から病んでいった。今日の治療は辛かった。歯医者での苦行を乗り越えて、グルメ紀行のために夜の街に出る自分を褒めたい気分だった。
新宿歌舞伎町、宮崎料理の看板に釣られた。東国原知事による宣伝効果は既になくなってしまったようだ。ブームが去るのを待っていた銀髪のような連中は僅かしかいない。7時を過ぎているのに店は閑散としている。料理人とその奥さんと言ってもおかしくない年齢の女性と2人で切り盛りしているのを見れば、彼らが想定する客数も容易に推測できた。
白レバ刺し、鶏わさ3種盛り

メニューにある料理の種類は多くない。掲示板の本日のお奨めを足しても数は大きく増えることはない。もっとも、一人で食べられる数は限られているので数を競っても仕方がない。
美味しい白レバの刺身があるだけでかなり満足感は高い。
骨付もも焼き

店の看板料理でもある宮崎名物地鶏の網焼きを食べたが、これには参った。食べる度に歯にかかるプレッシャーを受け止めることが出来ずに治療したばかりの歯茎が悲鳴をあげる。ところがこちらの意に反して相方が「上手い!」と賞賛するのに驚いた。そう言われて味わうと確かに相方が正しい。宮崎地鶏の特徴は歯応えと黒く煤けた炭の香り。噛む場所を選びながら美味しく食べ尽くした。
冷汁

宮崎料理のもう一つの代表格・冷汁は初挑戦。「魚だしと麦みそベースのさっぱりした汁」と謳い文句どおりのお味。これを白いご飯の上にぶっかけて食べる。夜は液体になった米以外は口にしないと決めている銀髪でも、酒の肴の感覚で食べられるのがいい。
歯医者に行った後は絶対お奨めの料理である。
思ったよりいい店だった。満席になったとき対応できるか心配ではあるが、メニューの種類を制限するなど経験を活かしている風にも思える。
繁昌するよう頑張れと応援しつつ、それなりに空いていて欲しいとも思う。我ながら客というのは勝手である。
地鶏ばやし
東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2F
03-3232-1029
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2008年08月05日
[むつ湊](新宿歌舞伎町)
歌舞伎町に出来た新しい和食の店

以前書いた「彌次朗兵衛」が姿を消した。激励したつもりだったが、命を縮めさせたのではないかと気になる。店は大きく衣替えして見違えるような店内になった。料理人が3人、給仕係の女性が2人、店長らしき人を加えると堂々の布陣だ。
お通し、枝付枝豆塩ゆで

枝豆が茹でたてで出て来たので感心した。新しい店らしくまだ何となく浮ついた印象があったが、料理はちゃんとしているようだ。不安な気持ちが少し拭えた。
さんま刺身、白ミル貝刺身

「本日のおすすめ品」のメニューにはその日仕入れた素材の産地が書いてある。根室産さんま、富津産の白ミル貝、飯岡産の天然岩牡蠣を選んだ。
岩牡蠣、自家製胡麻豆腐

大きな牡蠣は食べやすいように縦に包丁が入れてある。胡麻豆腐も海老を乗せて美しい装いで洒落ている。リーズナブルな価格を考慮するとなかなかいい水準である。
ねぎま串焼き、つくね串焼き

焼物も悪くない。雰囲気は割烹とも居酒屋とも言い難い中途半端な店だが、料理はちゃんとしているし、ぎこちない女性店員(アルバイト?)も一生懸命で好ましい。このままで行けば人気店になるかもしれない。
オーナー経営者が店に居るようには感じられなかったので「チェーン店ですか?」と聞いたら渋谷に10年以上続く店が本店と言う。オーナー自らが毎日築地で魚を仕入れているそうだから悪い店ではないだろう。
かつて彌次朗兵衛は多くの客で賑わっていた。経営が変わったのか、いい場所のはずだが潰れてしまった。むつ湊は手頃な値段といい、味といい、歌舞伎町に集まる人たちに受け容れられる要素は充分備えている。ちょっと期待してもいいかもしれない。
むつ湊
東京都新宿区歌舞伎町2-10-5 G1ビル1F
03-3207-8488
http://www.foodsystem21.com
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2008年07月28日
[小肥羊](新宿)
本場中国で700店以上展開する火鍋専門店

中国人の友人から「今度美味しい火鍋の店にご招待しますよ」と言われて数ヶ月経った。日中を忙しく駆け回っている彼に、「あの約束はどうなったの?」とは口が裂けても言えない。ずっと待つつもりでいたが、以前入ろうと思った店がその店だと気が付いた。もう止まらない。

辛いスープと普通の鶏ベースの白濁したスープのコンビネーションは他の店と同じ。但し唐辛子が表面を覆ってスープが見えないような大辛を選べるのが面白い。飲んでみると意外と辛くなくて拍子抜けした。
1999年に中国内蒙古で設立された小肥羊は今では700店舗以上展開する中国第2位の外食チェーン店になったという。昔、中国の料理店のイメージは小さく汚いものだったが、経済発展著しい今の中国らしく小肥羊も立派な造りの店だ。加えてサービスも実に中国らしい。食べ方の説明も料理の説明もない。客に笑顔を見せないで、料理を置くときの素っ気無さも見事に輸入されている。
最高級のラム肉を頼んだ。芸術的なまでに薄く切られている。しばらく鍋に泳がすと、どこに行ったか分からなくなる。練り物類は凍ったまま出て来るので、煮えたぎったスープを冷ますのには好都合だった。

箸休めに串焼きを食べた。店員に意見を求めたが要領を得ないので自分で判断した。ピリッとしてなかなかのものだった。これも冷凍なのかな?

大したことはないと思っていた辛いスープは食事の終り頃には凄く辛くなった。白湯スープと調節して何杯も飲んだ。あれこれ追加の具を頼むより健康に良く、値段も高くならない。せっかくの薬膳スープだ。具の旨みの染み出しでさらに美味くなったものを残すのはもったいない。

火鍋の店は多いが、それぞれ特徴があって面白い。どれがいいかは各人の好み。暑い夏を忌み嫌うよりも、熱い鍋で体脂肪を燃焼させよう。痔を患っている人はちょっと注意!
小肥羊
東京都新宿区歌舞伎町2-26-3 アミモトビル2F
03-3208-7727
http://www.hinabe.net/
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2008年07月17日
[すし秀](四谷三丁目)
常連さんで賑わう町の寿司屋さん

新宿から四谷方向に新宿通りを走り、四谷三丁目の交差点を越えて三菱東京UFJ銀行のある交差点を左折、1本目の信号の交差点(三栄町)を右折すると道の左側に見える。
店に入ると常連のKさんが連れと2人で我々を待っていた。「分かりにくかったでしょう?」と声をかけられたが、迷いようがない。もっとも荒木町のように料理屋が密集している地域ではないので、「こんなところに?」と思う人は多いかもしれない。
食事の前に主人の村岡さんと名刺交換した。名前の漢字が全く一緒なのを足掛かり一気に仲良くなろうとしたがどうもぎこちない。Kさんが銀髪グルメ紀行のことを事前に話していたせいか、少し緊張しているのかもしれない。

最初に出て来た豆粒のようなものがシャコの爪の身と聞いて驚いた。築地でもなかなか入荷しない貴重なもの。塩水ウニともども美味しいスタートとなった。

鰯、あわび、塩辛と酒の肴に向く料理が次々に出される。普段ならあれやこれや質問して、ちょっと知ったかぶりをして料理人を引き込むところだが、Kさんたちも無視できない。銀髪だけが目立つのも気が引けた。

座った時からカウンターにデンと鎮座している大きなサザエが気になっていた。日本橋の「あきば」寿司あきばでいつも食べるサザエと同じぐらいの大きさなので千葉産かと尋ねたら、こちらは伊豆産だという。もちろん壷焼きにしてもらって仲良く4人で分け合った。優しいKさんがスープもたっぷり注いでくれた。

手際よく出されるものを食べていて、ふと刺身を食べていないのに気が付いた。つまみに少し切ってもらうつもりで頼んだら4人分まとめて出てきた。Kさんをはじめ、みんなが譲ってくれるのでたくさん食べてしまった。

最後にコハダ、アナゴ、トロを握ってもらった。もう少し食べたかったが皆さんの協力でお腹が一杯。デザートのさくらんぼは2粒だけ味見した。シャブリを飲んでカウンターのこちら側で盛り上がった。
村岡さんはカウンターを埋めた常連さんたちの相手をしている。顔なじみに囲まれてリラックスしている様子。銀座あたりの店には見られない和やかな雰囲気である。表通りからは引っ込んだところに店を構え、宣伝もしない理由が分かる気がする。
料理が大切なのはもちろんだが、それ以上に料理人が好きで客が集まって来る。友達のように、兄弟のように和気藹々である。大都会・東京にもそんな店がある。
すし秀
東京都新宿区三栄町19
03-3351-0051
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2008年07月16日
[月の雫](新宿)
ハイテク居酒屋

先週、お腹を壊した時に豆腐屋を検索した。出てきたのは「禅家」と月の雫。第一候補にした禅家は予想通りいい店だった。これに味をしめてお腹は治ったが月の雫にも行くことにした。
銀座や渋谷、あちこちにある大きな看板に見覚えがある。それがちょっと不安ではあったが…
ビルに入るとお屋敷みたいな立派な造り。安っぽいチェーン店との先入観は吹き飛んだ。膳家と同じように個室に案内されたが、すぐに違いに気付いた。隣室とは簾で仕切られているだけで、個室とは言い難い。もっと大きな違いは液晶のタッチパネルがテーブルに置いてあることだった。
お通し、液晶メニュー

お通しが来て、飲み物をオーダーした。後は全てタッチパネルを触ってオーダーする。最初は戸惑ったが慣れてくると店員を呼ぶ必要はないし、料理はすぐにやってくるので快適ではある。
胡麻豆腐、熟成しずく豆腐、つくね豆腐、月の雫サラダ


出来立ての温かい豆腐を食べたかったが、「次は9時に出来上がります」と言われて諦めた。豆乳ドレッシングがかかったサラダは面白かった。
ハーブ鶏もも串焼き、麦富士豚バラ肉の大串

今日はお腹の調子もいいし、禅家と比較するのも飽きたので肉を食べることにした。豆腐料理ばかり食べていると、素晴らしく美味しく感じる。ベジタリアンの人たちは肉を食べたいと思うことはないのだろうか。
月の雫は東方見聞録や黄金の蔵など合わせて100店以上を展開する三光マーケティングフーズの系列店。月の雫はタッチパネルを使うことで迅速かつ正確な注文を可能にし、同時にコストダウンも出来ているようだ。しかし、すぐに料理は出て来るが言わなければ皿は片付けられないし、もちろん笑顔も軽口もない。
料理以上に店とのコミュニケーションを大事にする銀髪にしてはちょっと不満が残る店だった。彼女を口説くのが目的の人にはうってつけかもしれない。店員がかっこいいと、嫉妬する人がいるらしい。そんな人は店員が不細工でも成功するとは限らないと思うけれど…
月の雫 新宿靖国通り店
東京都新宿区新宿5-17-11 新宿白鳳ビル2F
03-5155-4920
http://www.sankofoods.com
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2008年07月07日
[禅家](新宿歌舞伎町)
豆腐尽くし

前日、起きた時から胃が重かったが、たいしたことはないとたかをくくっていた。それでも昼は蕎麦で済ませようと思った。それなのにトンカツを食べてしまった。何という意志の弱さ。お腹は許してはくれなかった。幸い夜には少しちょとお機嫌を直した。胃薬を飲んでワインを飲んだ。腹を押さえて家路に着いて長時間眠った。朝には回復。丈夫な胃に感謝した。
今度は前日の轍は踏まないようにして、豆腐料理屋を探した。
いつも内装屋の仕事ぶりに感心させられる。禅家も店に入った途端にビルの4階にあることを忘れてしまう。若い店員たちがいい動きをしている。期待してもよさそうだ。
お通し

店の造りから予想したとおり洒落たお通しが出て来た。値段はちょっと高めの800円。ゆったりした個室料込みと考えれば妥当に思える。料理は丁寧で味も悪くない。
生ものを避けて刺身を頼まなかったが、お通しで次の料理まで時間が稼げそうだ。
おぼろ豆腐、わさびあんかけ

おぼろ豆腐にはわさび、塩、みょうが、ねぎ、だし醤油が添えられる。やはり豆腐はいい。お腹にとっても優しい。
温かいおぼろ豆腐と湯葉のあんかけも店員お奨めの一品。同じおぼろ豆腐だが、味が変わって美味しい。
お腹は反乱を起こさないどころか、ちょっと油っぽいものも欲しがり始めた。大山鶏、三元豚、牛ヒレ、牛タン、目移りしたがグッとこらえた。豆腐尽くしの意志は固い。
豆腐の焼きつくね、おからのコロッケ

言われなければ豆腐やおからの料理とは分からない。分からないのは銀髪だけかな?肉が少なくても充分美味しい。
店の賑わいは部屋の中からでも分かる。内装屋がいくら頑張っても音を遮る個室をビルの中に造るのは難しい。店員たちがてんてこ舞いの雰囲気も伝わってくる。呼び出しのボタンを押すと、息を切らしてやってくるのが分かるが、扉を開けて客の前に姿を現した時には涼しい顔をしている。立派!立派!
食べた料理はどれも3桁だったので、お腹だけでなく懐にも優しかった。店からしたらもう少しお金を使って欲しかっただろうが、再訪してもよさそうな店だから、次に期待して欲しい。
禅家
東京都新宿区歌舞伎町1-6-2 T-wingビル4F
03-3200-8731
http://www.daynetfood.com/zenya/index.html
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2008年07月03日
[おちょぼ餃子](新宿)
餃子だーい好きだけど

和食、洋食、エスニック、いろんな料理屋が入るビルの前に立って、決め手になったのはやっぱり餃子だ。飛びっきり美味しくはなくても、どうしようもなく不味いことはないはずだ。何よりも料金が予想できていい。目玉が飛び出るような勘定には絶対ならない。
店はシーンとしていた。客はそれほど入っていないのに店員はなかなかやって来ない。ビールとお通しが来てからも、再びたっぷり料理を選ぶ時間を与えてくれた。
お通し、ラーメンサラダ

お通しが出てきたので、この店は居酒屋のカテゴリーに入るようだ。中華料理屋ではお通しは出てこない。お通し(タコの唐揚げ)400円はこの日の勘定の15%以上を占めた。大衆店にとっては重要な収益源だ。
まず餃子が来ると思っていたが、ラーメンサラダが先だった。ラーメンは後に持ってくるべきだと言おうとしたが、サラダということを思い出した。最初でも何ら不思議ではない。そこそこ食べられる。それでもいきなり麺類はちょっと違和感があった。
おちょぼ餃子、キムチ餃子、海老餃子、水餃子

待ちわびた餃子が3種類同じ鉄板に乗って来た。一皿ずつ出すよりも付け合せの野菜は少なくて済む。小振りの餃子にしたことは戦術的には正しい。さすが創業130年の歌行灯の系列店だけに、芸が細かい。三重県発祥の飲食店グループとしてはもっとも成功した飲食店のひとつと言うのも頷ける。
手羽先唐揚げ棒

壁に写真が貼ってあるのでこの店の名物料理だろう。くの字形の手羽先を真っ直ぐ伸ばして揚げただけのものだが、まったく違うものに見えて面白い。安い手羽先も形を変えれば付加価値が出る。またまた130年のノウハウに感服した。
値段なりの満足感は得られる店である。
おちょぼ餃子
東京都新宿区新宿3-4-8 セゾンプラザ7階
03-3341-1115
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2008年06月27日
[太子楼](新宿御苑前)
本格的な杭州料理を食べられるお店

「中国が近い将来日本を抜く」と色々な場面で中国脅威論が語られることが多くなったが、かつては遣隋使、遣唐使を送るなど日本が中国を崇めていた。もちろん文化面でも中国の方が遥かに上だった。食では中国8大料理(山東料理、四川料理、江蘇料理、浙江料理、広東料理、湖南料理、福建料理、安徽料理)を生んだ。
杭州料理は浙江料理に属し、中国を代表する詩人・蘇東坡が作ったとも言われる東坡肉(トンポーロウ=皮付き豚の角煮)が有名である。杭州料理の店があると聞いて行くことにした。新宿御苑から徒歩3分。ホームページを見ると、ちょっと怪しげな日本語が微笑ましく、本場の味が期待できる。
くらげ、海老の龍井炒め

ホームページで「モダンで落ち着いたインテリア」と言うのはご愛嬌ということにしておこう。3桁のお値段の料理が並ぶメニューを見たら豪華な店でないのが有難くなる。
杭州名物の龍井(ロンジン)茶を使った料理はさすがに高いがそれでも1,200円。内陸にあるため川や湖で獲れる素材を使い、淡白な味が特徴だ。
茄子とモンゴウイカのピリ辛炒め、オリジナル醤油焼きそば

新宿の繁華街から離れるだけに、飛び込み客は少ないだろう。客の多くは近隣の常連さんで、我々のようにわざわざ来た人はいないようだ。周りのテーブルには餃子、鳥の唐揚げ、麻婆豆腐などが乗っている。
本場から来たという料理人は忸怩たるものがあるに違いない。銀髪のように杭州料理やオリジナル料理を求める客が増えれば、メニューの構成もかなり違ったものになるはず。好奇心旺盛な若い女性たちに、料理人を喜ばせてもらいたいものだ。
杏仁豆腐

デザートの評価には自信がないけれど、この杏仁豆腐も悪くないと思った。店が賑やかになれば、もっと色々な杭州料理が食べられるようになるはずだ。もっとも街の中華料理屋的なところを愛する常連さんたちにとっては迷惑な話で、そっとしておいて欲しいかもしれない。
太子楼
東京都新宿区新宿1-30-6
03-3358-9885
http://www.taisirou.com
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2008年06月25日
[つな八 本店](新宿)
念願のつな八本店に遂に入れた

いつ行っても行列が出来ていて入れない。予約をすればいいものを、いつも飛込みでは仕方がない。目指して行くとダメなのに、他の店に行くつもりで店の前を通ったら誰も並んでいなかった。金曜日の7時に簡単に入れてしまうのだから世の中面白い。もちろん予定を変更してつな八の暖簾をくぐった。
つな八は1924年(大正13年)創業というから80年以上の歴史を持つ老舗の天婦羅屋さん。その割にカウンターで2千円位から食べられる庶民的な店。行列が出来るのも頷ける。
カウンターに座り、天婦羅膳1,995円、上天婦羅膳2,730円、特選江戸前膳3,990円のどれにしようか迷う。この上はポンと値段が跳ね上がるので、お好みにした。好きなものだけ食べよう。
産地直送盛合せ、白海老

めじな、くろむつ、やりいか、はもの4点盛りを頼んだが、なかなか来ない。お通しがない明朗会計は嬉しいけれど、ビールのつまみがないので白海老の天婦羅を頼んだ。すぐに揚げてくれるかと思ったが、銀髪の順番はかなり後。結局刺身が先に来た。
カリッではなく、衣が厚くてフンワリとしている。ものの本によれば、これが本来の江戸前天婦羅だそうだ。
海老、いか、めごち

めごちはフンワリというより、中がべチャッとしていた。尾びれとそれに続く骨は噛み砕けない。板さんがこまめに天婦羅鍋の火を点けたり消したりしているのが気になっていたが、揚げ油の温度が低かったのかもしれない。
大あさり、ほたて、小玉葱

お好みにしても、カウンターなら困らない。他人の天婦羅が揚がるのを見て、何を食べるか決断できる。隣席を覗き見て、中がレアのほたては特に美味しそうに見えた。結局、食べた中では玉葱が一番美味しかった。
ミシュランが星をつけた店の天婦羅は衣が薄く油もくどくない。グルメ本が推奨する店を好きな人がつな八の天婦羅を褒めないのはよく理解できる。もっとも、これこそ老舗が守る伝統の味なのかもしれない。「この値段なら充分美味しい」という口コミが多い。高級店なみの値段なら来ないということだろうか。
店を出る頃には行列が出来ていた。ラフな格好をした若いカップルが多い。カウンター天婦羅デビューに目を輝かしているのが窺える。「美味しいだろう?」「美味しいね!」なんて会話する恋人たちに野暮な話はするまいと思った。
つな八 本店
東京都新宿区新宿3-31-8
03-3352-1012
http://www.tunahachi.co.jp
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2008年06月09日
[アカシア]③(新宿)
アカシアはドイツレストラン?

もちろん、あのロールキャベツの「アカシア」である。先日いつものようにロールキャベツを頼んだ後に、壁に貼られたメニューに目が釘付けになった。アカシアは定食屋とばかり思っていたが、どうやら認識不足だったようだ。
日を替えて再びやってきた。2階の禁煙席に相席を強いられた。混んでる時間帯で文句は言えない。大テーブルなので他の客もそれほど気にならないのが幸いだ。ほぼ同時に同じテーブルに座った若いカップルが定食を頼んだ。我々は君たちとは違うよ!
冷製ソーセージ、レバーパテ、燻製若鶏

前回、目を奪われた各550円のおつまみ類だ。もちろん飲むのはドイツビール。カッカッカッ! とてもご機嫌である。
グリーンサラダ、ポークソテー

サラダも量が多い。大テーブルのこちら半分が皿で埋まった。ポークソテーも来てさらに我が方の陣地が大きくなる。向かいのカップルが目を白黒していて愉快だ。ビールをお代わりしてご機嫌で笑い声を上げているうちに、いつの間にか前のカップルは食べ終えて消えていた。
観客がいなくなって失望していたら、若い女性が2人、奥の大テーブルに座った。「混みあうかもしれませんので並んで座ってください」と店員に促されたものの、一つ席を空けて仲が悪そうだ。しばらくしても会話をしないので、我々も店員も状況を把握した。たまたま一緒に店に入っただけらしい。
赤の他人が並んで座らされた不機嫌な気持ちも、定食を口に運ぶ頃にはおさまった様だ。居酒屋で女だけで盛り上がるテーブルを見ることは珍しくなくなったが、女性の一人メシは珍しい。しかも2人が一つ席を空けて、並んで黙々と食べている光景はちょっと奇妙に見える。
連れの話では珍しくないらしい。料理をすることなく定食屋や弁当で夕食を済ませる女性も多いそうだ。今や企業戦士は男だけではない。女性の地位向上や自立が当たり前になってきた。若い男性の女性化、女性のオヤジ化が言われ始めて久しい。
彼女たちもすぐに消えた。我々の向かいには3組目が座った。
ロールキャベツ、ビーフシチュー

定番のロールキャベツ、そしてちょっと気張ってビーフシチュー。もちろんご飯をもらうと日本的だ。
ソーセージなどでビールを飲んでいるとアカシアはドイツレストランだと思えてくる。定食屋のイメージに異を唱えることはしないが、商売とは別に秘めた誇りがあるように思える。
もっとも銀髪も定食屋扱いしていたのだから偉そうなことは言えない。ドイツレストランのようだと思ったのも、銀髪の勝手な思い込みに過ぎないかもしれない。
アカシア
東京都新宿区新宿3-22-10
03-3354-7511
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2008年06月02日
[丸港水産](新宿3丁目)
安くて煙たい店

キャッチバーだけでなく、飲食店の呼び込みにも乗ってはいけない。過去2年半で約700軒に行った銀髪が得た教訓である。禁を破ったのは声をかけてくれたのが若い女の子で、しかも外から店内が丸見えだったためである。
外から見た1階の店内はほぼ満員だった。案の定、通されたのは2階の座敷席。空席は僅かしかなかった。海の家で炭火焼を食べるのがこの店のコンセプトのようだ。窓を閉め切った2階は1階から昇ってくる煙も加わって、客が燻製になりそうである。
「瓶ビールはありますか?」「はい、大瓶ですがよろしいですか?」
いいスタートだ。プレミアムモルツの大瓶が580円。料理が多少不味くても許してあげる。
あの頃のハムカツ(380円)、刺身5種盛り(1,980円)

炭火焼の他に、懐かしい味もこの店のコンセプトの一つ。年配の人にとって懐かしい味も若い人にとっては新しい味かもしれない。
刺し身も悪くない。余ったら焼けばいいと思って大きめの刺身を頼んだが、殆どそのまま食べてしまった。
活帆立殻焼き(480円)、イカ漁師焼き(480円)

焼くのはセルフサービス。銀髪はもちろん上手に焼いて捌いてあげた。隣の若者は彼女の前でいいところを見せようとするが四苦八苦。ポトンと音がしたので横を向くと、帆立が畳の上を転がっていた。

ウインナーも懐かしの味。空豆もさやのまま焼いた方が美味しい。
赤いウインナー(280円)、しいたけ(280円)、空豆(580円)

ワンカップの純米酒(450円)を飲み、ホッピー(セット400円)を飲んだ。ワンカップの種類をもっと増やしてくれれば有難いが、贅沢は言えない。
多摩川の河川敷を走ると、バーベキュー花盛りである。オーストラリアに居たときは数家族集まって、よく公園でバーベキューをやったものだった。気軽に盛り場でのバーベキューも悪くはない。
そこそこお腹を満たして店を出た。銀髪の燻製が出来る一歩手前だった。
丸港水産
東京都新宿区新宿3-12-12 吉田ビル1・2F
03-5367-2377
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2008年05月19日
[博多もつ次郎](新宿3丁目)
行列が出来る店の隣の店

新宿で人気の串揚げ屋に行った。予約を取らないので直接出向くしかないが、心配したとおり店の前で何組も待っていた。銀髪の喉は一刻も早くビールで潤おされることを望んでいる。決断は早く、隣の店に飛び込んだ。
にこやかに迎えられて気分がいい。正社員かアルバイトか分からないけれど、きびきびとした接客が心地よい。
お通し、博多餃子

お通しは定番のキャベツ。キャベツをつける味噌ベースのものに工夫が見られる。博多で色んな店で餃子を食べたが、これといって共通するものはない。もつ次郎の餃子は博多で食べたどれにも似ていない。
銀髪の後に入った2組で満席になったようで、予約していない客が入り口で断られているのが見える。行列が出来る店の隣で得していると思ったのは間違いだったかもしれない。
醤助

メニューの最初に載っているのが看板料理と考えて、もつ鍋は醤油味を食べることにした。餃子の皮が乗っているのがもつ次郎風かな。それなりに美味い。期待しないで入ったものの、予想外にちゃんとした料理屋のようだ。
お奨めだと言う肉の刺し身を一度は断ったが、食べてみる気になった。試すとしたらレバー刺しである。
レバー3種盛り

鶏(上)、牛(左)、豚(右)の3種類のレバー。豚のレバーを食べさせるのは鮮度に自信があるからだろう。馬刺しも食べるべきだったかもしれない。
ちゃんぽん

もつも脂が乗ったいいものらしく、素晴らしいだしが出た。〆にちゃんぽん麺を食べた。
隣の店ほど行列が出来るわけではないけれど、なかなか悪くない店だった。いつの日か、隣並に人気になっても、予約は受け付けてくれる店であって欲しいものだ。
博多もつ次郎
東京都新宿区新宿3-34-16 池田プラザビル4F
03-5363-6340
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2008年05月16日
[すしまみれ](新宿歌舞伎町)
明朗会計、安くて美味しい店、なのかな

4月23日、新宿区役所通りに寿し屋がオープンした。明るくきれいな24時間営業の店である。
お通し、刺身盛合わせ(お任せ)

210円と良心的なお値段のお通しが白木(プラスチック?)のカウンターに置かれた。刺身はお任せにしてちょっと後悔した。金目はともかくたこ、数の子、あおやぎは意外な組み合わせ。これで2,310円。
かに玉子焼き、刺身盛合わせ(指定した魚で)

「焼き立て」と一生懸命奨めるので断り切れず、「ちょっとだけ」と言ったら4個もくれた。2番目のの刺し盛りはお任せにしないでひらめ、たい、しめさば、あじを自分で選んだ。こちらが2,270円。満足感が違う。
寿司

大トロ、うに、しまあじ、かんぱち、えんがわ、こはだ
インドマグロの大トロとうにが378円、しまあじ252円、かんぱちとえんがわが210円、こはだが126円。
「脂が乗って柔らかい不思議なえんがわですね」と言ったら、「カレイのえんがわです。若い人に人気がありますよ」と返ってきた。ヒラメのえんがわが210円とは、随分安いと思ったがカレイなら頷ける。
インドマグロとはいえ大トロ378円はお値打ち。寿司の値段が壁に印刷してあるので、仕入れ値が上がっても客から取れる値段は不変。「大変でしょう?」と同情したら、「他のネタで調整しますから」と笑う。エッ?
お任せで作ってもらった刺身の盛合わせを思い出してドキッとした。同時に明朗会計の意味を考え直した。仕入れ値に適正な利潤を上乗せした価格のことではない。食べたものの値段が自分で計算できるかどうかが明朗会計の意味。「時価」の料理がないすしまみれはまさしく明朗会計の店である。
食べるものによって損得が生じるのはいたしかたないのかもしれない。
すしまみれ 新宿店
東京都新宿区歌舞伎町1-2-3
03-5155-7065
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2008年05月12日
[蔵] (新宿)
近江牛をリーズナブルに食べる

近くを通る度に安っぽいビル(失礼)と「近江牛一頭買い」の文字のアンバランスさが気になっていた。ビルの外装を見ればリーズナブルな店なのは間違いない。近江牛は高級牛肉の代表格でお財布が心配になる。
高級な牛肉を安く食べられるなら予約も取り辛いに違いないと思ったが、当日予約が意外なほど呆気なく受容れられた。期待が不安に変わったまま店に入った。内装、雰囲気、メニューの値段、すべて予想どおり。残されたのは「近江牛」の質である。
レバ刺し

焼肉、焼きとん、焼き鳥、店のレベルを計る物差しとしているのがレバー。これが良ければ味は約束されたようなものだ。恐る恐る一口食べてみる。問題ない!
2人用セット

大皿に骨付きカルビ、タン、ハラミなどが盛られてきた。2人で行けば仲良く1枚づつ、色んな部位が食べられて嬉しい。肉質もまずまずで、これで3,800円なら文句はない。期待から不安へ、不安から安堵へ、心はジェットコースターに乗っているような感じだ。
ナムル、サンチュ

肉だけでなく、他の食べ物もいい感じだ。何より割安感があっていい。
ホルモンセット

内臓類も980円で4種類が食べられる。肉の善し悪しが他の部位よりはっきりするのがホルモンである。叙々苑游玄亭の方が美味いのは間違いないが、5分の1程度の値段を考えれば納得である。
ネットで調べたら、蔵は池袋店が食べ放題で名を馳せた。チェーン店であれば近江牛一頭買いも理解できる。家族や仲間内で行くには充分美味しいお店。若いカップルでも安心価格である。
白髪頭の銀髪も、ニコニコだった。
炭火焼肉蔵新宿五丁目店
東京都新宿区新宿5-11-13 フジビル2F
03-3356-2988
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2008年05月08日
[カンパニョーラ](新宿)
ゆったりと食事を楽しむ気持ちが必要だ

「オステリア ヴィンチェロ」その2でコメントしていただいた、吉田さんご推薦のお店に行ってきた。厚生年金会館の裏道にあり、新宿三丁目、新宿御苑前駅のどちらからも少し歩く。早く行こうと思っていたが、雨の日を避けていたら時間が経ってしまった。
店はすぐに分かった。階段の下から見ると大きな店に見えたがカウンター8席とテーブル一つとこじんまりとしている。

頼んだ4品の前にアミューズが出てきた。丁寧な仕事振りをカウンター越しに見ているとお互い緊張してしまいそうなので「一人でやっているんですか?」と声をかける。他に客は誰もいないので、オーナーシェフの山根さんを和ませようとした。美味しいものを食べるためには客でも偉そうにしないで努力するのが銀髪の主義。
前菜盛合せ

乾燥トマトが2種類乗っている。カリカリの方が特に美味しい。これだけでいくらでもワインが飲めそうだ。山根さんは以前住んでいたシチリア料理を得意とする。シチリア料理にトマトは欠かせない素材だそうだ。
シチリア風カチョカヴァロチーズのソテー

初めて聞く名前のチーズ。焼いたチーズは本当に香ばしくて好きだ。
ウニのスパゲッティ アーリオオーリオ

ウニのスパゲティはクリームタイプが多いが、ぺペロンチーノ風もなかなかいい。トマトが入っていてもトマトソースとは違う。なかなかいいアイデアだ。今度家で作ってみよう。
バークシャー種黒豚肩ロース肉のグリル バジルのペーストを添えて

黒毛和牛と言うが、黒毛和豚と言わないのは何故か。答えは簡単、黒豚は実はイギリスのバークシャー種が元になっていて日本原産ではない。山根さんに聞いて初めて知った。アメリカ産の100%純粋バークシャー種黒豚は確かに美味かった。
途中からカウンターは満席になった。山根さんが一人で料理をし、ワインを注ぎ、話に付き合う。忙しくても手抜きしないし、そもそも手のかかる料理が多い。
早食いの人、我がままな人には向かない。ゆったりとした時間を堪能したい人にはいい。
吉田さんが言うアットホームな雰囲気を作りたいなら、客も協力しなくてはならない。山根さんとの距離感が近くなれば成る程、料理の完成度は高くなり、客も満足する。そんな店にするために、忙しくても一人の方がいいというのが山根さん流のこだわりなのだろう。
カンパニョーラ
東京都新宿区新宿6-4-2 コスモ新宿1F
03-3358-3409
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2008年05月04日
[ヴェトナム・アリス](新宿)
品のいい東京のベトナム料理屋

外国で父がベトナム人に間違えられたと聞いて大笑いしたことがある。銀髪がオーストラリアに住んでいた頃、ベトナム人にベトナム語で話しかけられた。同胞と思われたらしい。子供の頃、「橋の下で拾ってきた」と父母にからかわれたが、30年の時を経て親子の証明がなされた。
オーストラリアに居たときはよくベトナム料理屋に行った。戦火を逃れ、亡命してオーストラリアに住みついたベトナム人がたくさんいる。手っ取り早い商売は食べ物屋ということになる。みすぼらしい店ばかりだったが、どこも美味しくて安かった。
贅沢ベトナムカレーセット

名物春巻バスケット

ヴェトナム・アリスには夜も含めて何度か来たことがある。女性客が多くて品のいいお店だ。東京のベトナム料理屋には何軒も行ったけれど、オーストラリアのベトナム料理屋とはまったく雰囲気が違う。もっとも、オーストラリアに居たのは20年近く前だから、同じように比較してはいけないのかもしれない。
ベトナム本国自体、経済発展が著しい。人件費が安いので、日本企業も中国からベトナムに工場を移す動きもある。
それでも銀髪はなかなかベトナムのイメージを変えることが出来ない。上品なベトナム料理屋に入ると違和感がある。ランチの1,500円がとても高く思えてしまうから不思議だ。
タイ料理屋は池袋にあるブリックのように、タイにありそうな猥雑で怪しげな雰囲気の店が結構ある。味も本場に近いものではないだろうか。ベトナム料理はどうもよく分からない。
銀髪ののルーツを探しに、いつかベトナムに検証に行かなければならない。
ヴェトナム・アリス ルミネ新宿店
東京都新宿区西新宿1-1-5 新宿ルミネⅠ 7F
03-5339-2033
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2008年04月25日
[彌次朗兵衛](新宿歌舞伎町)
おでん、炉ばた焼、酒処

10年以上前、お客様にご馳走になった店に行った。何を食べたかまったく記憶に残っていないが印象は悪くなかった。
風林会館前の交差点近くで場所は悪くない。ところがもっとも繁昌する時間帯なのに客はまばらである。選び放題の席の中から奥のカウンターに座ったためか、お通しと生ビールが運ばれた後は誰も注文を取りに来てくれない。女将は忙しく他の客と調理場を行き交い、料理人はノンビリと女将の指図を待っている。
このままでは餓死してしまいそうなので、女将の持ち場(おでんが湯気を立てる入り口近くのカウンター内)の前に移動した。女将も心なしかホッとしているようだ。即座におでんを注文した。

思惑通りに飢えはしのげた。おでん用にしょうが醤油が入った出汁を渡された。おでんの有名店なら怒りそうな食べ方ではあるが、意外と悪くない。
もつ煮込み、塩辛

メニューにあると何故か必ず頼んでしまうのがもつ煮込み。記憶にないくらい久し振りに外れだった。不味くはないが、もつ煮込みとは違うような気がする。肉豆腐とも違うし、オリジナルと言われればそうかもしれないが、何か違う。
記憶にないほど久し振りにうろたえてしまった。孤軍奮闘汗をかいている女将を何とか褒めなければならない。壁のお品書きを何度も見て塩辛を注文した。
こちらは大正解だった。「自家製」の文字が光る唯一の品は美味しかった。口うるさい相方もようやく微笑んでくれた。
たまたまメインの料理人がインフルエンザで寝込んでいたかもしれない。注文を取りに走り回る可愛い店員が強制送還されたのかもしれない。すべてのスタッフが揃っていたら、メニューにあるたくさん過ぎる料理もこなせたかもしれない。多くの客へのサービスも行き届いたかもしれない。
一生懸命の女将を見ていたら悪口なんか書けない。今日はたまたま運が悪かったのだと思って店を出た。そう、滅多にない日だったのだ。絶対あり得ない日だったに違いない。
女将さん、頑張ってね!
彌次朗兵衛
東京都新宿区歌舞伎町2-10-5 ギンレイビルパートⅠ 1F
03-3207-3040
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2008年04月21日
[虎之介](新宿三丁目)
個室風の居酒屋

紀伊国屋書店と丸井の間にいい雰囲気の店がある。週末に何度か入ろうとしたが一杯で入れなかった。縁がないと思っていたが、週初めに予約もしないで行ったらあっけないほど簡単に入れた。
入り口に敷かれている強化プラスチックの透明板の上をこわごわと歩き、少し薄暗い店内を突き進んだ。靴を脱いで半個室に上がり料理の注文まで終えると、店員はすだれをスルスルと下ろして消えた。通路を通る他の客や店員が気にならなくなる。
お通し、もぎたて田園トマト、ホタテと胡麻豆腐、

お通しの素材を当てっこしたが外れた。舌にざらつく豆腐の中身はすり潰した竹の子だった。完熟トマトは沖縄産の塩をつけてシンプルにいただく。無農薬・有機野菜にこだわるというのも嘘ではないようだ。トマトも塩も甘い。
帆立のコラーゲンと胡麻豆腐の春野菜添え。コラーゲンと聞けば女性は黙っていない。
湯葉3種

汲み上げ湯葉3ステンシノワは3層のタワーで出てきた。プレゼンテーションも上手だ。湯葉にわさびを乗せただけのシンプルなものと、ウニ、トビッコを乗せたものの3種。
春野菜のセイロ蒸しジャイアントBOO、津軽鶏の唐揚げ

トマトの時に出てきた沖縄塩を置いておくべきだったと後悔したが、味噌、バルサミコマヨネーズ、バルサミコバターの3種をつけて飽きずに食べることが出来た。特にバルサミコバターはそれだけで酒の肴にもなった。
鶏の唐揚げはパリッと揚がった皮が美味しい。添えられた柚子胡椒で食べるのも悪くないが、やはり塩が欲しかった。
4桁の料理は佐賀牛などわずかしかなくリーズナブル。雰囲気もサービスも悪くない。惜しむらくは日本酒の品揃えが悪いこと。メニューにある1合単位で頼める日本酒は6種類。そのうち3種類が品切れだった。残るは本醸造が2種、純米大吟醸が1種。
料理がリーズナブルな割に日本酒の値段はかなり高め。若者向けに安い焼酎の品揃えは良く、女性向けにワインも置いてある。日本酒好きのグンと大人の客は想定外のようだ。
純米や吟醸、大吟醸のワンカップが多数市販されている。これを10種類ぐらい揃えたら評価はもっと上がるだろう。「日本酒を飲むと肌がきれいになります」とメニューに添えれば、女性客も頼みやすい。
デザート

銀髪が頼んだ3種の日本酒がことごとく品切れだったせいかどうか分からないが、デザートをサービスしてくれた。アルバイトと思われる店員たちにも好感が持てる店である。
虎之介
東京都新宿区新宿3-17-11
03-5368-8530
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2008年04月17日
[すし処 N](四谷)
夫唱婦随の小さな寿司屋

「ブログに書かないでください」と帰り際に釘を刺された。八重洲仲通りの「あきば」と同じように電話帳にも載せていないと言う。女将に店名も電話番号も出さない約束をしてエレベーターに乗り込んだ。
「ブラディドール」に連れて行ってくれたMさんが紹介してくれた店は、飛び込み客はまず来ないところにある。ちょっと迷って携帯電話を鳴らし始めたとき、ビルの中に通りからは目立たない看板を見つけた。
お通し、刺身

毎日更新するおしながきがいい。それぞれの素材に産地が書かれており、素材へのこだわりが感じられる。自己流と謙遜するが、女将自筆の筆文字がいい味を出している。
鯵は産地の違うものが3種類あり味比べが出来る。しめさばを頼むと炙ったものを添えてくれるので、生と焼きの味の違いが分かる。芸が細かい。
寿司

こはだ、あなごを頼んで他はお任せにした。信頼できる店はお任せにした方が美味いものが食べられる。
うに

うにを箸でつまんでしっかりした身に驚き、食べてまた驚いた。鮪で有名な大間産のむらさきうにが入った容器を見せてもらった。うにをそのまま詰めただけで混ぜ物は一切なし。築地でも滅多に手に入らないそうで、実に美味。Nではうには旬の春~夏しか使わないとこだわる。軍艦巻きの海苔も特級品と誰でも分かるものだ。

席に着いたときから気になっていた大きなしじみを味噌汁にしてもらった。青森県小川原湖のしじみは巨大でしじみ特有の泥臭さがない。しじみとは別物と思える。
無口な若い主人も自慢の素材のことになると饒舌になる。日本酒も純米酒と生原酒しかない。酒も結構好きだと言うとおり飲み物も本物志向。しかも良心的な値段。これで儲かるのだろうか?
少し打ち解けたと思ったところで冒頭の会話になった。宣伝したくて仕方がないと思う銀髪の心情を読み取って機先を制された。
「会社の仲間に紹介してあげる」と言われても「お客様がまた来ていただくだけでいいです」と断ると言う。客を怒鳴りつけるような有名店とは違う。常連さんだけが偉そうにしている店でなく、たまに来る客でもいつも心地よく過ごせる店を作りたいそうだ。確かに銀髪以外は静かに飲み食いしている客が多い。
偉ぶらず偉そうにさせず、双方が自然体で客はゆったりと美味しい食べ物、酒を楽しむといったところだろうか。
毎日変わるおしながきや女将ノートなどをホームページで見ることができるけれど、これも紹介することができないのが残念だ。
主人と女将の思いが分かる方は、なんとか探し当てて行ってください。
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2008年04月08日
[鈴なり]⑥(荒木町)
少し変わったがやっぱり好きな鈴なり

「前に来られたのは10月でしたよね?」店主・村田さんはよく覚えていた。「何度も電話したんだけれど、いつも一杯でね」と言い訳した。嘘ではない。初めて来たのは飛込みだった。しばらくは当日でも予約が取れることがあったが、やがて数日前に電話を入れなければ難しくなり、アド街ック天国で紹介されてからは1週間前でも危ない。事実、この日の予約は2週間前に入れた。
菜の花

日替わりの手書きメニューは相変わらず見事である。このメニューから食べるものを選び出すのは難しい。あれも食べたいこれも食べたいと悩みは深く、とうとう村田さんの助けを借りることになった。コースを頼んだ方が無難で、プレゼンテーションも楽しめていいが、今日はアラカルトでいくことにした。
めといか

するめいかを小さくしたようないかとのこと。刺身と火を通したものの2品を作ってくれた。身が柔らかく刺身もいいが、ちょっと火が通ると甘味が増す。
鯵、メジマグロ

回遊しないで同じところに留まるので瀬付き鯵と呼ばれ、脂が乗っている。メジマグロも赤身から大トロ気味のところまで色んな味が楽しめた。
桜ます、若竹煮

鰹か、ますか迷ったが、季節感のある桜の文字が決定打になった。相方が皮を残そうとするので注意した。隣の客が「皮が美味いんだよ」、村田さんがさらに「皮を残す人がいるんですよね」と続ける。残すことが出来なくなった相方も、食べてから「美味い!」と喜んだ。
今年初めての京都産竹の子だったので焼いてもらおうかと悩んだが、桜ますと同じ木の芽焼きになる。鈴なりはだしを使った料理が出色なのでやはり煮てもらうことにした。期待通りで裏切られない。
食べている間に何度も店の電話が鳴った。予約が取れなくなったはずだ。客層は前より若くなった。テレビで紹介されてから大忙しだが、ドタキャンも増えたと言う。銀髪が大好きな店を荒さないで欲しいものだ。客の愛情が店を育てる。
当日でも諦めずに電話したら、ドタキャンを埋めることが出来るかもしれない。客もラッキーだし、お店も助かる。
一番変わった景色は可愛い寺本さんが2月に辞めた板場である。もうすぐやってくる誕生日をどこで迎えるのだろうか。あの笑顔を毎日拝め、料理を堪能できるのは一人だけなのかもしれないけれど、どこかの店で再会できたら嬉しい。
いつものように奥さんにお見送りしてもらって外に出た。今日も鈴なりは美味しかった。
鈴なり
東京都新宿区荒木町七番地
03-3350-1178
http://www10.ocn.ne.jp/~y-hiko/suzunari/
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2008年04月03日
[茶々](新宿歌舞伎町)
ネットでは見つからないお店

開業して26年の老舗と言える店なのに、ネット上に殆ど情報が載っていない。前々から気になっていたが、何となく敷居が高くて入りにくい。意を決して入ろうとして足が止まる。優柔不断を客に悟られる前に再び歩を進めたら、にこやな女将に迎えられた。
右の小上がり席はほぼ満席、左のカウンターには誰も居ない。荷物を隣の席に置き、ゆったりと使うように言われた。女将はとても優しい。壁に貼られ、白板に書かれたメニューには料金が入っていない。小上がり席のテレビからは野球放送が聞こえる。高級なのか大衆的なのか判断が出来ない。
お通し

いかの沖漬け、鶏肉と筍のお吸物。沖漬けは板さんが味を付け直したそうで、汁物と共に期待させてくれるスタートとなった。
菜の花胡麻和え、空豆

春を感じさせる2品。菜の花が特にいい。空豆はもちろん茹で立てで、食べやすいように包丁を入れてある。
お造り

さより、かつお、桜鯛を盛り合わせてもらった。期待したとおりで、入ってよかったと思った。
のれそれ、うるか、ふぐ卵巣の粕漬け

のれそれ、うるかを頼んだところから板さんが銀髪に興味を持ち始めた。のれそれが穴子の稚魚であるのは良く知られているが、うるかを鮎の塩辛と知っている人は数少ない。「内臓で作る塩辛は何度も食べたが、卵巣(真子)だけのうるかは初めて食べた」と感心したら、板さんは我々の前から動かなくなった。
ふぐ卵巣の粕漬けがメニューにあることを褒めた。「くちこもあれば完璧だね」と言うと、メニューには載せてなかったが冷蔵庫にはちゃんと入っていた。「炙りますか?」と言われたが財布の中身が心配になって遠慮した。危ないところでやぶへびになるところだった。
すると、ふぐ卵巣の粕漬けを少しだけ切ってくれた。
鯨、しまらっきょう、いちご

「鯨はミンク?生なら食べたいけど調査捕鯨の冷凍物ではねー」と言うと、冷蔵庫から取り出してきた。覆っていた紙を開くとピンク色の身が美しい。「生ですよ!」と自慢気な顔に今度は断れない。少しだけ切ってもらったが、久し振りに美味い鯨を食べることが出来た。
さらにしまらっきょうが出てきた。頼まないものがどんどん出てくる。勘定に入っていたかどうかは料金表がないので分からない。
小さな店なのにメニューは豊富で、板さん一人では大変だろうと思った。26年の間に助手たちは次々に独立し、今は一人でも大丈夫と胸を張る。偉ぶらずよく動く女将も素晴らしい。
銀座のカウンター割烹ほど洗練されてないけれど、歌舞伎町にもなかなかいい店があることが分かって嬉しかった。今度は珍味ばかりではなく、火を加えた料理を食べてみよう!
味処 茶々
東京都新宿区歌舞伎町2-22-1
03-3209-3109
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2008年03月28日
[雪園](新宿)
湖南料理の老舗レストラン

湖南料理は中国8大料理の一つだそうだ。湖南料理の他は四川、広東、山東、江蘇、浙江、福建、安徽で、北京料理は山東料理、上海料理は浙江料理に含まれるらしい。
湖南は毛沢東の出身地で、昔の楚があったところと言われると、何となく分かった気分になる。史記、項羽と劉邦、四面楚歌、さらに虞美人が出てくれば親しみさえ湧いてくるから不思議だ。
鶏肉の湖南風辛子ソース、自家製ハムのハチミツ漬け

最初の赤いものを食べて相方が悲鳴を上げた。赤ピーマンと思ってパクリとやってしまったが、幅広の唐辛子だった。山椒を使う四川料理は痺れるような辛さだが、湖南料理は辛くて酸っぱいのが特徴だという。最初から見事に洗礼を受けてしまった。
ゆばのサンドイッチ、柔らかバラ肉と豆腐の黒豆煮込み

配膳室に料理が到着したブザーが聞こえるが、フロアを担当するベテラン中国店員は向こうのテーブルの客と話し込んでいる。耐えかねて「到着しましたよー!」と彼を呼んだ。「何年もフロアを仕切っているから大丈夫。ちゃんと聞こえてますよ」と言うが、冷めた料理は食べたくない。案の定サンドイッチの上のアメは固くなって歯にこびりついた。
京橋の雪園はよくランチで行った。必ず海鮮焼きそばを頼み、豆板醤をタップリ乗せて食べた。懐かしくなって、最後はメニューにはなかったけれど、焼きそばを作ってもらった。
海鮮焼きそば

店員もお腹が空いたのだろう。配膳室からズルズルとソバを食べる音が聞こえてくる。彼の食事が終わったところで、我々の焼きそばが到着したとブザーが知らせてくれた。
豆板醤で食べたかったが、置いていないと断られたので仕方なくマスタードで食べた。
「昔、京橋の雪園で焼きそばをよく食べた」と言うと、店員は「ウンロウには行ったか?」と聞く。「行ったことがない」と応えると、メモ用紙に雲楼と書いて渡してくれた。ライバル店を奨めるとは変な奴だ。
固くなったアメ以外は、どの料理も美味しかった。ベテラン店員はとっても愛想が良くて、話も上手だった。ブザーに機敏に反応してくれていたら文句はない。
そうそう、彼がお腹を空かせていなかったらもっと良かったかもしれない。
雪園 本店
東京都新宿区新宿3-8-9
03-3354-4028
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2008年03月26日
[ラ・ヴィータ](四谷三丁目)
裏通りにある小さなトラットリア

ホームページを見ると「開店のコンセプトはフィレンツェの裏通りにある小さなトラットリア(食堂)」というオーナーのコメントが目に入った。
ラ・ヴィータは新宿通りと並行する裏通りにあり、ちょっと迷いながら辿り着いた。
リストランテでもピッツェリアでもない、紛れもないトラットリアという感じの心地よい店である。メニューを開いてすぐに2品が決まった。旬の素材、ホワイトアスパラ、ホタルイカ、菜の花を食べることにして、店の人に声をかけた。お奨めを聞いたら銀髪の意見とほぼ一致。本日の献立は一分足らずで決定した。
パン

パンは3種類出てきた。ワインを飲みながら次を待つ。
ホワイトアスパラ

てっきり北海道産かと思っていたが、ペルー産だった。ラ・ヴィータは炭火焼料理が自慢だが、国産だと細すぎて炭火焼きには向かないらしい。こんがりと焼けたアスパラを口にして、納得した。
プラチナポークの炭火焼

岩手県花巻産のプラチナポークの炭火焼が、メインのお奨めを聞いたとき店の人が即答した料理だ。「脂身もくどくないので美味しいですよ」「赤くても問題ありません」と言われたとおり、実に美味だった。噛み応えのあるぶ厚い肉をガブリとやると幸せになる。
スパゲッティ

メニューにはトマトベースと書いてあったが、ぺペロンチーノ風に仕上げてもらった。小さな店は我侭がきくのが嬉しい。ホタルイカと菜の花が春の彩を添えている。
満足したときの恒例儀式、名刺交換をした。我々の世話をしてくれた店員が店主の須田さんだった。四谷三丁目の裏通りに店を構えて14年、苦労もあったろうが若々しい、いい顔をしている。また来よう!
ラ・ヴィータ
東京都新宿区四谷3-4-9
03-3359-0456
http://homepage3.nifty.com/lavita
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2008年03月18日
[ガンボ&オイスターバー](新宿)
年中食べられる生牡蠣

近年、オイスターバーが増えたような気がする。昔は生食で食べるのは的矢の牡蠣ぐらいで、高級レストランにしか置いてなかった。Rの月にしか食べられないと言われる真牡蠣と違い、岩牡蠣は夏も食べることが出来、最近では産地も多様化してきた。
生牡蠣の盛合せ

写真左から順に国内6種(北海道厚岸、岩手県大槌産、三重県桃取産、兵庫県相生産、広島県袋ノ内湾磯牡蛎、長崎県九十九島産)、海外2種(ニュージーランド産パシフィックオイスター、南オーストラリア州産キャビアオイスター)の盛り合わせ。
大き目の国内産と小振りな外国産、微妙に味が異なり面白い。日によって出される牡蠣は変わるようで、この日は上記の8種類。他のオイスターバーに比べると国内産が多い。もっと種類があってもいいと思う一方、種類を限定した方が安価に提供できていいかもしれない。牡蠣好きであれば8個くらいペロリだろうが、普通は4個食べる人も珍しいだろう。
サラダ、タコ

写真は牡蠣のエスカベッシュと海藻のサラダの後は、真蛸のアンチョビガーリック風味。最後のスパゲッティも牡蠣の入ったぺペロンチーノを頼んだので、タコの一品だけ違うものを挟むことにした。
オイスターバーと言っても、他の魚介類や肉もある。周りを見渡すと、圧倒的に女性客が多い。牡蠣の盛り合わせを食べている人は少ない。平均は一人2個ずつだろうか。
スパゲティ

半熟ポーチドエッグがユニークなぺペロンチーノ。しかし、生牡蠣の圧倒的な存在感の前ではどの料理も平均的に思える。
他より生牡蠣が安く食べられるといっても、居酒屋並みとはいかないのがちょっと残念ではある。
ガンボ&オイスターバーは東京駅八重洲地下にもあり、各地のデパートなどにも出店している。カウンターで生牡蠣を食べ、軽く白ワインを飲んで家路につく。そんな粋なオジサンがいるかもしれない。
ガンボ&オイスターバー 新宿ルミネエスト店
東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿8F
03-5369-5017
http://www.oysterbar.co.jp
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2008年03月07日
[ヴァンデリス](新宿御苑前)
ビストロで気軽にワインとフランス料理

金曜日の夜に歌舞伎町、新宿三丁目近辺で安くて美味しいと評判の店に予約なしで入るのは難しい。四谷三丁目、荒木町でも状況は変わらない。中間点の新宿御苑前には人気のある店が意外にたくさんあるが、忘れられてしまったような店もある。
1階のオープンカフェにはそれなりの人が居たが、外の螺旋階段を上って様子を見に行った2階に客は一組しかいなかった。ラッキー!と思う反面、大丈夫かな?と不安になった。他を探すのも面倒なので観念して席についた。
メニューの値段を見て一つ安心した。面白そうな素材、料理に興味がそそられた。本日のおすすめを書いた黒板を見て期待した。
豚足のテリーヌ、自家製ソーセージのオーブン焼き

テリーヌも美味いし、ソーセージも悪くない。イベリコ豚を使った自家製ソーセージはミートローフかと見まがうような代物だが、充分美味しい。
ブルーチーズ風味のニョッキ、群馬産鹿肉のソテー

ブルーチーズが嫌いと言う相手を説き伏せて頼んだニョッキは、期待通りの味だった。恐る恐る一口食べて、さらに二口、三口と食べる様を見るのは何より楽しい。
黒板の中から選んだ鹿肉。蝦夷鹿は食べる機会が多いが、群馬産もあるとは知らなかった。個人的には塩、胡椒だけの味付けで、レアで焼いて欲しかったが、いかにもフランス料理らしくブルーベリーと赤ワインのソースがかかってきた。これはこれで赤ワインを美味しく飲むには適当だった。
結局、食事が終わるまで、先客と我々の2組だけしかいなくて、とても静かだった。店員も品のようさそうな女性が一人のみで、出しゃばってあれこれ奨めることもしない。
もう少し客が居ても良さそうだが、暗闇に沈む新宿御苑の向かいという場所が悪いのかもしれない。
桜の季節が到来すれば、花見客で店は賑わうようになるだろう。その後は日が高くなりレストラン周辺の雰囲気も一変するに違いない。
値段、味、雰囲気など満足できるレストランである。満席にならない程度に繁盛して欲しいと、身勝手な応援をしたくなった。
ヴァンデリス
東京都新宿区新宿1-1-1ワコー御苑ビル1F~2F
03-3356-6637
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2008年03月04日
[東京純豆腐](新宿三丁目)
色んな韓国料理があるもんだ

新宿三丁目を歩いていたら豆腐の文字が飛び込んできた。毎日飲み歩いていると胃に優しくて健康イメージが強い豆腐は魅力的である。純がつけばもっといいと思うのは当然である。
階段を下りて狭い店内に入って驚いた。女性しかいないではないか。空席がカウンター席のみなのは好都合だが、各テーブルを覗き見してらアルコールの類がまったく乗ってない。慌てて店員を呼んだ。「俺みたいなおじさんが居てもいいのかな?」と言うと、「年配の方も結構来られますよ」と優しい。「アルコールはあるの?」と聞いたら、酒のメニューを見せてくれた。
ナムル、オイキムチ

料理のメニューを見て韓国料理の店と気が付いた。酒のメニューにはマッコリがある。キムチなどを肴に酒を飲めると分かって心底安心した。
あらためて店内を見回すと、若い男を二人発見した。原色の洋服を着て、茶色がかった長髪なので女性だと勘違いしていた。客の平均年齢は銀髪の半分以下のようだ。
韓国冷奴

国産大豆を使って毎日店舗で作るというフワフワの豆腐がなかなかいい。辛さ抑えめのタレも悪くない。
目の前で忙しく働く料理人も若者ばかりだ。それほど複雑な料理はなさそうなので、チェーン展開にも向くと思った。実際、若者が集まる街に合計5店舗展開しているそうだ。
フカヒレ入りスンドゥブ

純豆腐と書いてスンドゥブ。これが鍋の名前のようだ。最年長者の見栄を張って一番高いフカヒレ入りを頼んだが、竹の子と間違うようなフカヒレが出てきて苦笑した。
フカヒレ(?)

塩味、みそ味の2種類があり、辛さは4段階から選べる。見栄を張らずにオーソドックスな豚入りぐらいが適当かもしれない。
スンドゥブはロスアンゼルス生まれの韓国料理だという。店の外で待つ客もいるが、客の滞在時間は平均30分程度と回転はいい。
ゆっくり酒盛りをする雰囲気ではないので、マッコリを飲み干したところで帰ることにした。店員は優しかったが、他の客が銀髪を見る目が気になった。
東京純豆腐
東京都新宿区新宿3-3-3 恩田セントラルビルB1
03-5367-3830
http://www.tokyo-sundubu.net/top.html
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2008年03月01日
[美苑寿司]②(新宿御苑前)
丁寧なのか、ノンビリしているのか

いつもはどこで食べるか銀髪が決めるのだが、今日は客が探すと言う。新宿御苑に事務所を持つ客なので、素直に従うことにした。ミーティングが終り、彼が明かした店の場所を聞いてショックを受けた。「近所で一番の寿司屋」と言われたら断る訳にはいかない。
歩きながら「御苑寿司ですね」と言っても、客の反応は鈍い。彼も行ったことがなさそうだ。奨めた誰かの顔を潰すのも悪い気がした。。
お通し、刺身

前回来た時は、2時間近くの殆どを料理が出てくるまでの待ち時間に費やした。料理人は主人一人しかいないので、刺身、寿司以外のものを頼んでも、間を埋めることは出来ない。順番に出てくる料理を待つしかない。一番早く出来るのが刺身ということは前回学んだ。
「さわらはあるの?」と聞いたら「岡山の人ですか?」と聞き返された。長時間待たされてもニコニコしていたカウンターの銀髪を覚えていないようだ。「今度はばら寿司を食べてくださいよ」と帰り際に声をかけられたことを銀髪は忘れていない。ばら寿司も早めに頼んだ。少しは時間が短縮されるかもしれない。
いいだこ、玉子焼き

ばら寿司が出てくるまで長時間を要した。前回は満席近い多くの客がいたせいかと諦めたが、今回は我々の他はカウンターに4人居るだけなのに状況は変わらなかった。いいだこはとっくに食べ終り、客がイライライし始めた。握りなら早いだろうとオーダーしようとするのを制止した。店主がばら寿司を作り終わるまでは、何を頼んでも無駄である。唯一の早く出る料理が玉子焼きだった。
ばら寿司

2人前を頼んだのに4皿出てきた。ちゃんと分けてくれた丁寧な仕事に感心したが、その分出来上がりが遅い。刺身のときは一人一皿に感激していた面々も、今度は首を傾げている。「2人前を一盛りにしてくれ」との銀髪の頼みを店員が執拗に拒んだのは、料亭・割烹風を貫きたい意欲の表れだろう。しかし、それを許すには我々は腹が空きすぎていた。
寿司

アッと言う間に食べ終えた客の一人が、握りを注文した。永遠と思える時が過ぎた。今度は立派な寿司の盛合せが出てきた。出来次第一品ずつ出てくることを予想したが、またしても予想は裏切られた。時間がかかるはずだ。
味は悪くない。丁寧な仕事をする。場所も地下鉄の出口と悪くない。店主も店員も親切で人が良い。誰か気の利いた料理人を一人増やせば最大の欠点は解消されるはずだ。今のままでは再訪する客は稀だろう。
前回と同様に、今回も人の良さそうな店主が憎めないのが辛い。
美苑寿司
東京都新宿区新宿2-1-13 フーバー新宿御苑ビルB1
03-3352-2840
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2008年02月29日
[野武士](荒木町)
珍しい雑炊専門店

東京12チャンネルの出没アド街ック天国で荒木町の特集をしていることを気付いたのは午後9時10分頃(2月9日土曜)。大好きな 「鈴なり」が出るかもしれないと思ってチャンネルを変えた。
既にランキングは途中まで進んでおり、番組が終わってから鈴なりが27位にランキングされていたの知ったが後の祭り。
通常、この番組でランキング入りする飲食店は限られているが、荒木町となれば殆どが飲食関係。気になっていた店もいくつかあり、初めて知った店はメモを取った。テレビ放映の余韻が醒めかかった頃に荒木町に向かった。
7時過ぎに桃太郎の扉を開けた。いくつか空席はあるものの、「一杯です」と言われた。有名な寿司金はやり過ごした。お財布が泣く姿は見たくない。与太呂には二の足を踏んでドアを開けられなかった。野武士の前に来た。ガラス窓から店内を窺えるのがいい。番組の影響もなく、客は女性一人のみ。迷いは微塵もなかった。
もろきゅう、鳥の唐揚げ、サラダ

一番奥のテーブルに座ろうと思ったが、真上にあるテレビがうるさい。1つ手前のテーブルに陣取りビールと料理を注文したところで、トイレの前だと気付いた。小さな店だ。仕方がない。
新鮮なきゅうりとジューシーな唐揚げを食べ始めたらテレビもトイレも気にならなくなった。
雑炊

もちろんお目当ては雑炊。具によって種類はたくさんあるので迷ったが、店の女性(主人の奥さん?)の助けを借りて季節物のかき雑炊にした。
ふぐ、すっぽん、あら、あんこうなど、鍋物の後の雑炊にはかなわないがもちろん美味しい。
食べ終わる頃には、いつの間にかカウンターも含めて満席になっていた。入り口で断られている客を見て、慌てて勘定を頼んだ。安い店で長居をしては申し訳ない。
再び店内を見渡したところで、入り口近くの客が食べている器が飯ごうだと気付いた。出没アド街ック天国で取り上げられた理由が、この飯ごうめしだったことを思い出したが後の祭り。
後の祭りばかりで情けない。あー残念!
野武士
東京都渋谷区幡ヶ谷1-9-5 リッツ幡ヶ谷1F
03-3374-9180
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2008年02月18日
[やさいや](新宿歌舞伎町)
野菜がメインの鉄板焼き

実にいいネーミングだ。鉄板焼きと言えば肉のイメージが強いが、店名が「やさいや」であればダイエット中の女性も素直についてくる。
階段を下りてカウンターの鉄板を見たら、上手く乗せられたことに気付く。焼かれているのは海老、鮑などの魚介類や和牛などの肉類だった。
カウンターに座ってメニューを開くと、あながち騙されたわけではなさそうだと思う。焼き野菜は20種類以上あり、普通の鉄板焼き屋さんより野菜が豊富で値段もリーズナブル。店の売上高には貢献できないが、当初の予定通り野菜中心に食べることにした。
お通し、すくい豆腐

頼んだ野菜が焼きあがる前に豆腐が来た。だし醤油をかけて食べるように言われたが、そのまま食べた方が豆腐本来の味が楽しめる。
野菜おまかせ8品

蓮根、大根、玉ねぎ、椎茸、パプリカ、茄子、白菜、芽キャベツの8品。どれも甘味があって美味しい。野菜中心にしたのは正解だった。
竹の子グリル、ゆきれい茸

カウンターに座ると料理人の手さばきを見る楽しみがある。美味しそうに見えたものはすかさず追加注文する。外れがなくていい。
雪うるい

初めて食べた雪うるいはネギに似ている。沖縄産の塩、マヨネーズ、もろみと3種類の味があるので食べ終わるまで飽きない。
福豚のステーキ

野菜ばかり食べていると肉が頗る美味い。もっと食べたくなるが、今日はこれでお終い。お腹が重たくなくて快調である。
家に戻りホームページを開いてみたら、以前行った京橋の「時代おくれ」と同じ系列だと分かった。鉄板焼きは六本木や赤坂にもある。
野菜中心にしたのでお酒も控えめにして健康に留意した。お腹だけでなく、財布にも優しい夕餉だった。
鉄板焼野菜 やさいや ベジダイニング 未 (歌舞伎町店)
東京都新宿区歌舞伎町1-15-13 B1F
03-5292-1130
http://www.vegedinning.com/
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2008年02月04日
[得](新宿)
可愛らしい居酒屋にかわいい店員

新宿東口を出て、裏道を歩いた。マクドナルドなどがある路地と言うには大きい道だが、道の両側のビルに飲食店がたくさん入っている。飛び込みで店を選ぶには適当なところだ。看板に惹かれて入った店は満席でも、その上の店にはすんなり入れた。予想の範囲内である。
最上階のはずなのに店内に階段がある。荷物とコートを預けて屋根裏部屋のようなフロアの席に案内された。ゆったりしてはいないが、狭いなりに寛げる居酒屋だ。
お通し(おでん)

定番の料理で満足できる人には安心して飲める店だ。メニューに奇をてらったものはあまりないので、銀髪にとってはかえって選びにくい。クリームチーズDE冷奴はすぐに決めた。豆腐にチーズが乗っているだけかと思ったが、全体的にトロリとしていて気に入った。
クリームチーズDE冷奴

女性店員を呼んでお奨めを聞いた。奨めてくれるのは他の店でも食べられると思えるものばかり。珍しく悩んだ末に、お奨めに従うことにした。決め手はこの店員。アルバイトと思われる若い女の子だが笑顔が可愛くて、いかにも性格が良さそう。店と客の双方に優しく気遣っているのが分かる。
じゃがいもベーコン

彼女が熱心に奨めるだけあって思ったより上出来だった。居酒屋としては充分満足できる。
鮪のカマ香り焼き

彼女は「裏の方に身がたくさんついてますよ」と、にこやかに説明して去っていった。たくさん身があるのは分かっている。他の料理が食べられなくなるので一度は断ったが、再度奨める笑顔に負けた。
美味しかった。しかし、予想通りお腹が一杯になってしまった。それにしても彼女の笑顔は良かった。得は新宿に2店、銀座、代々木上原、下北沢にも店を持つ。子供を見たら親が分かると言うが、社員を見たら社長が分かる。他の店にもいい娘がいるようだったら、オーナーの実力とも言える。
気持ちがいい店だった。
得
東京都新宿区新宿3-28-15 008BLDG. 7F
03-5366-2565
http://www.toku-toku.net
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2008年01月29日
[匠](四谷三丁目)
新潟名物と、いい日本酒

地下鉄丸の内線、四谷三丁目駅1番出口を出て新宿方面に歩くと左側に匠がある。階段を下りドアを開けて指を2本立てると、カウンターの一番奥に案内された。
へぎそばを最後に食べると決めているので、軽めの酒の肴を頼むことにした。
のっぺ、氷頭なます

のっぺい汁のことかと思ったら、新潟郷土料理は汁がない。材料は角切りなのでお箸の使い方が下手な人も安心。ただし、なめこにだけは苦労させられるだろう。
氷頭は鮭の鼻先の軟骨のこと。北海道や東北の名物かと思ったら、新潟県の郷土料理でもあるそうだ。
栃尾のジャンボ油揚げ(ネギ味噌入り)

250年ほど前から新潟市栃尾に伝わる大きな油揚げ。ネギ、ネギ味噌、納豆、全部入りの4種がある。ボリュームがありそうだがお腹に溜まらずにいい。
いかのトンビ揚げ、冷奴

トンビはいかの口のこと。カラスとも言われるものだが、口がどれかみんな分かるかな?足の付け根のところにあり、いつも捨ててしまう。コリコリとしてなかなかの珍味。
へぎそば

新潟県魚沼地方発祥、つなぎに布海苔(ふのり)を使ったそばのこと。へぎ(片木)という器に盛り付けて出す。
ふのりは海苔というより糊として使われることが主だったが、偶然そばに混ざったら美味かったということらしい。山芋や小麦粉などのつなぎより、しっかりしてコシがある。
この店では若布も混ぜているとのこと。
写真は1.5人前。それでも多いとつぶやいたら店の女性に「ペロリと入っちゃいますよ」と言われた。実際そのとおり。
新潟は銘酒も多い。久保田、八海山、越乃影虎、〆張鶴など名の通ったものはもちろん、地酒も揃えてある。初めての雪譜(純米)、次に巻機(純米吟醸)を飲んだ。
落ち着いたいい感じの店だった。店員は男も女も品がよく快適だった。匠は15年ほど前に中目黒で開店、現在は四谷、六本木、渋谷道玄坂を加えて4店舗あるそうだ。
素朴な料理に美味い酒。なかなか良かった。
匠
東京都新宿区四谷3-13 ミズキビルB1
03-3226-9205
http://www.takumi-hegisoba.net
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2008年01月21日
[伊勢藤](神楽坂)
酒飲み憧れのお店

伊勢藤に来るのは4回目だが、前回来たのが7年位前でその前が15年程前、1回目はいつだったか思い出せない。昭和12年創業当時の店は戦災で消えたといっても、現在の店は昭和23年に建造されたというから銀髪より年長である。最初に来たときも今の3代目店主だったか分からないが、雰囲気はいつ来ても同じだ。
店に入ると薄暗くシーンとしている。カウンター席が一等席だが、満席なので靴を脱いで右奥の座敷に上がった。一汁四菜は自動的に出てくる。酒は白鷹のみで、冷か熱燗かを聞かれるので熱燗を選ぶ。連れは銀髪がビールを頼まないことを不思議がる。ビールは置いてないことを教えた。

座敷の障子は開かれており、連れはカウンターの客を盗み見て無言の理由を銀髪に尋ねる。この店のルールだと答えようとしたら、客の1人が何事かを店主に話しかけてちょっと場が和んだ。さらに観察していると、中央に居た男が席を立った。謎は解けた!カウンターの面々は他人同士だったのだ。
頼んだ熱燗は記憶どおりのぬる燗である。一汁四菜の他にいなごを追加した。座敷の先客がくさやを頼むと、カウンターの1人が呼応するかのようにくさやを注文した。来る度に必ずくさやを食べる客がいて、前回も店はくさやの臭いで一杯になったことを思い出した。そう、前回は銀髪自身が頼んだのだった。
超有名店だが雰囲気に気圧されて入りづらいのか、これまで満員で断られたことはない。たまたま運が良かったのかもしれない。長居するほど酒の肴が多いわけではなく、酔っ払いを許してくれるほど寛容ではなさそうだ。節度をもって飲むべしということだろう。

雰囲気だけを味わい、我々も早々に引き上げた。外に出て店の外観を写真に収めている間にも、何組か店に入ることを逡巡して去って行った。誰でも優しく迎えてくれる店だから、怖気づくことはない。しばし時代を超越する世界に身を置くがいい。
さて、次回は7年後ということにならないようにしよう。たとえ10年後でも、店は変わることはないだろうけれど…
伊勢藤
東京都新宿区神楽坂4-2
03-3260-6363
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2008年01月17日
[馬ってん](新宿歌舞伎町)
新宿で食べる熊本郷土料理

明治通り、日清食品のある新宿6丁目の交差点でタクシーを降りた。いつもの道をいつになくゆっくり歩くと、足の動きに反比例していつもは固定されている首の筋肉が動く。左横、左上、正面、右横、右上と顔が向いたところで目が止まった。バッテンにひっかけてあることがすぐ分かる店名に惹かれた。
靴を脱いで好きなところに座ることを許された。聞けば開店してから1年以上経っているらしい。2階以上の店は飛び込みの客を得るのが難しい。早足で歩けば今日も見逃すところだった。熊本郷土料理といえばもちろん馬肉がメインとなる。
お通し、さくらソーセージ

明太子、馬タンの燻製、高菜が少量ずつ乗ったお通しでビールを飲む。馬肉のソーセージは珍しいが、昔は安物のソーセージは馬肉が中心だったことを忘れていた。
馬刺5種盛合せ、レバー刺し

たてがみ、フタエゴ、赤身、鞍下、大オビ(特選霜降)の盛合せと別にレバーを頼んだ。可愛い馬の絵を見ながら食べる。東京に馬刺しを出す店は多いが、レバーをはじめ色んな部位を食べさせる店は少ない。なかなか悪くない。
ビールの後は球磨焼酎。熊本にある28酒蔵の焼酎が勢揃いしている。27が熊本らしく米焼酎。芋焼酎全盛で米焼酎のことは忘れていた。久し振りに飲んだけれど、米焼酎の品質も確実に向上しているのが分かる。
馬焼5種類盛合せと火山焼き

ロース上ひも、上ばらヒモ、ヒレさがり、はらみ、特上フィレの5種類の馬肉や冷めてしまったソーセージを焼く。テーブルに組み込まれたガス台で焼くのかと思ったら、分厚い石のプレートが出てきた。阿蘇の溶岩を削って作ったもので実に面白い。油をひかずに肉を焼くので女性にも受けるだろう。
食べ終わって店主・杉本さんと話し込んだ。熊本出身、九州男児のイメージと異なり優しい感じの人だ。店の立地は良いとは言えず、しかも空中店ということで商売は難しいに違いない。知名度さえ上がれば人気店になる要素はたくさんある。次回は食べ損なった辛子蓮根や一文字のぐるぐるなどの郷土料理も試してみたいものだ。
火の国だいにんぐ 馬ってん
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル2F
03-3202-0829
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2008年01月09日
[いけす](新宿歌舞伎町)
文字通り生簀のお店

行ったのは先月の25日。そう、クリスマスで街は幸せそうなカップルが溢れていた。当然のことながら、あぶれた連中は外国の風習を呪うばかりである。クリスマスさえなければ淋しい思いをしなくて済む。もう一つ、バレンタインデーさえなければ…
恋や愛に関係ないおじさんは迷わず居酒屋へ行く。特別料理・料金のフレンチやイタリアンの店はもともと縁が薄い。7時を過ぎていたが、難なく「いけす」に空席を見つけた。
博多にある生簀の店に比べると見劣りするが、東京でも有数の生簀料理屋だろう。
お通し(ふぐ皮)、あん肝、白子

仲居さんはアラを奨める。先日、西中洲の「春駒」で食べたばかりなので気が乗らない。アラを断ると今度はイカの活き作りを奨めるが、これも春駒で食べたばかり。あん肝と白子を頼んで見上げたら、失望した仲居さんの顔があった。
刺身三点盛り+ウニ

かんぱち、まぐろ、ひらめの刺身三種盛りに海水ウニを頼んだ。オーダーを調理場に告げに行った仲居さんがすぐに戻ってきて、海水ウニがないと言う。奨めたものは頼まない、ないものを頼む、困った客だと思っているだろう。素直に違うウニでも承諾したらホッとしたようだった。
後から入ってきて隣に座った同伴と思われる客がイカを頼んだ。仲居さんが足取り軽く去った向こうで、イカをすくう網が生簀に入る。パニックに陥り逃げ惑い、水を噴き上げる多数のイカが遠くからもよく見える。イカにはストレスを与えすぎかな?運ばれてきたイカはまだ動いており、隣から黄色い歓声が上がる。良かったねっ!
ぶり大根、おにぎり、伊勢えびの味噌汁

我々は大きなおにぎりを頼んで腹を満たすことにした。500円の伊勢えびの味噌汁は量も多く、良いだしが出ていた。殻をひっくり返したら、淡い期待はすぐに消し飛んだ。見事に身は剥ぎ取られており、料理人の技術の高さに感嘆した。
イカなど生簀の魚や、クエ(アラ)、大サザエ、キンキなどを頼んだら高額になるが、グッと我慢すればそれなりに美味しい物が食べられる。鍋で安上がりに済ませている客も多い。
おじさんたちにとっては、見栄を張る相手がいないクリスマスは最高なのである。(やせ我慢?)
いけす
東京都新宿区歌舞伎町2-26-1 永和第1ビル1F
03-3209-3231
http://www.daibizen.jp/ikesu
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2008年01月04日
[オステリア ヴィンチェロ]②(新宿)
今年最初のレストランの記事は再びオステリア ヴィンチェロ

「近いうちにまた来よう!」と誓ってほどなく予約の電話を入れた。恋人たちのために譲ったクリスマス・ディナーの一大イベントが終り、店は静かである。前回と異なり入り口からすぐの席に案内された。一列に並んだ右側の席に比べると、隣が気にならず落ち着ける。
前回はフロアに居たオーナーシェフの斉藤さんにこちらの希望に沿ってお任せにしたが、今日はキッチンに籠もっている。年長の女性スタッフを除いてフロアの2人は初めて見る顔なので、今日は素直にメニューから選んだ。
ポルチーニ、アワビ

前菜はポルチーニを使った一皿とアワビのソテー。「分かりにくいように書いてありますから」と斉藤さんが冗談交じりに言ったように、メニューを見て料理をイメージするのは難しい。食べたい素材を選んで、出来上がりを楽しみにするしかない。
ジッリ 海の幸ラグー、ボッタルガを乗せたぺペロンチーノ

ジッリはパスタ、ラグーは煮込み料理ということまで聞き出した。ボッタルガは何か分からないままにした。一口食べてからすみのことだと分かった。どれも美味しいので謎を残してオーダーするのも結構楽しい。ワインも料理に合わせてここまで白が4種類出てきている。相方のワインを奪って味見するのも愉快である。
丹波仔猪、丹波鹿

ジビエ料理を二つ。大阪で熊を食べたとき、ジビエ=野生動物を扱う市場が丹波にあると聞いた。丹波産ならジビエということで、冬の狩猟期でなければ食べられない。有無を言わせず二品選んだ。相手が嫌がれば全部食べるつもりだったが、両方ともなかなかの美味。心配は杞憂に終わった。更に2種類の赤ワインがご機嫌だ。
デザート、グラッパ

銀髪はグラッパ入りのデザートを頼もうかと悩んだが、やっぱり生で飲むことにした。琥珀色のグラッパは珍しいが、グラッパはグラッパだ。「やっぱり不味いね」と顔をしかめて女性スタッフを笑わせた。
挨拶のためにキッチンを出てきた斉藤さんは、突然の雨を見てワインセラーノのある地下に消えた。時間をかけて探し出した2本の不揃いのビニール傘をひとつだけもらい、「また来ますよ」と声をかけた。昨年行った中では、和食では「鈴なり」、洋食では「オステリア ヴィンチェロ」がとても気に入った。美味しくて、無理をしなければリーズナブルで懐にも優しい。アットホームな雰囲気もいい。
ミシュランに載らないご機嫌な店を今年も探していきたい。
オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967
メニュー

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2007年12月28日
[風雲](新宿歌舞伎町)
きれいなショットバーのような焼き鳥屋さん

歌舞伎町で店を探して彷徨った。年末の暴飲暴食がたたって、焼肉などは食べたくない。そんなときは不思議なことにやたらと韓国焼肉屋が目につく。タイ料理などのエスニックも気が乗らない。暴飲暴食の原因となった海鮮料理屋を今日は避けたい。妥協の結果、焼き鳥屋に行くことにした。気になっていたきれいな店は、焼き鳥屋を感じさせない。
ショットバーを思わせるカウンターに座ったが、清潔過ぎて焼き鳥の味にイメージが湧かない。いろいろ食べたいが2本が最低単位、盛合せも2人前以上となっているので頼みにくい。同行者に好き嫌いがあると、2本ずつ食べる羽目になる。レバーは自分1人で食べる覚悟で頼んだ。

目の前に焼き鳥が出てきてタレ焼きか塩焼きか聞かれなかったことに気付いた。レバーはサイズが不揃いのためにレア気味のところと、焼けすぎのところがある。
地鶏サラダ、コーチンたたき

名古屋コーチンがお奨めと言うが、1本4百円でも2人前が最低単位。小さな串で割高と思われたので、たたきを食べることにした。添えられたポン酢ではなく、塩胡椒で食べてみたくなった。塩には特にこだわっていないようだ。胡椒挽きとテーブル塩が一体となったものが出てきた。塩胡椒をして醤油を一滴垂らしたコーチンは、予想通り美味だった。
砂肝、ぼんちり

今度ははっきりとタレでなく塩でとお願いした。脂が乗った美味しいぼんちりは1本だけ、少し火が通りすぎだがそこそこ美味しい砂肝はほぼ2本を食べた。最低単位の2本は違うものを1本ずつでも許して欲しいものだ。
アスパラ巻き、シソ巻き

女性が喜びそうな店なのに、不思議なことに入ってくる客は男ばかり。焼き場を担当している料理人はベテラン。炭を使った本格派で、料理は一定の水準に達している。池袋に2店あり、新宿店も7月に移転したとはいえ10年以上歌舞伎町で営業しているという。
繁盛店への改善箇所は随所に見られるが、たまたまこの日が空いていただけかも知れない。店長の中島さんに一つ指摘したが、嫌がられただけのようで余計なお世話だったと反省した。
食事の途中で銀髪自身が立て掛けたメニューが倒れ、水のグラスがひっくり返ってコートやズボンが水を浴びた。1人で店内を取り仕切っている中島さんに余計な仕事を作って迷惑をかけてしまった。それにもかかわらず、店を出るまで丁寧に応対してくれた。
以前、日本橋で雇われ店長にアドバイスして不快な顔をされたことを思い出した。どうせ店長の思い通りにはならない。中島さんが店長ではなくオーナーだったら、アドバイスを感謝してくれたかもしれない。
新宿 風雲
東京都新宿区歌舞伎町2-21-5
03-3208-0718
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2007年12月23日
[オステリア ヴィンチェロ](新宿)
ワインと共に素敵にイタリアン

松茸が高いといっても知れている、と言わせるのがトリュフだろう。先月イタリアで発見された重さ1.5キロのトリュフが、33万ドル(約3,700万円)で落札された。お金持ちの道楽でついた値段だが、高価な食材であることに変わりはない。テレビで辰巳 琢郎が絶賛していたオステリア ヴィンチェロに行く気になった。彼が食べたのがトリュフだった。
最寄駅の丸の内線新宿御苑駅からでもかなり歩く。看板など人目につくようなきらびやかな灯りがないので、思わず通り過ぎそうになる。7時を過ぎているが先客は3組のみ。20人程度で満席になってしまう小さな店である。
前菜・パスタ・メインの3品で構成されるプリフィクスコース(3,990円)が基本。客が自由に組み合わせるが、料理によって割り増し料金がかかる。ウニのスパゲッティとフォアグラはすぐに決まったが、他は店主と相談することにした。
魚介類の前菜盛合せ

きんめ鯛のカルパッチョだけを指定して後はお任せで盛ってもらった。ムール貝、帆立などどれも美味しいが、特にタコが気に入った。1杯目は軽めの白ワインで。
生ハムとルッコラ

グランテロ(?)という生ハムは初めて聞いた。シャキッとして鮮烈なルッコラとよく合う。
ウニのスパゲッティ

他店でも何度か食べたことがある料理だが、とてもまろやかに仕上がって美味しい。皿を舐め尽くしたい気持ちになる。
隣に30歳前後の若いカップルが座った。「当店はワインを飲むための料理ですから」と注文をつけられても、女性はワインはいらないと頑なだ。オステリア ヴィンチェロはワインにこだわっており、料理に合うワインをグラスで提供してくれるのに…
トリュフのリゾット(?)

トリュフの料理はメニューに載っていなかった。「今年はとても高価なので」と言われたが、お任せで作ってもらった。ファロット(?)という穀物で作ったリゾット風の料理はとっても美味。これにトリュフを削り乗せる。とてもご機嫌な一皿である。
2杯目のワインははチーズとトリュフの香りでリッチな料理に合わせてコクのあるシャルドネ種を奨められた。
フォアグラと鴨の肉

一番に決めたメニューだけに大満足。これまでの料理から予想されたとおり、上出来だった。フォアグラ、トリュフにキャビアが加われば世界三大珍味を食べ尽くせることになるが、今日のところは2つで我慢。ワインはフルボディの重めの赤ワインに替わっている。
隣席の女性が手を上げた。「禁酒しているのだけれど我慢できなくなった」と言ってワインを頼んだ。銀髪の方をチラチラ見ていたが、気があるわけではなかった。基本コースを頼んでご満悦な若い彼氏の懐を気遣っていたが、我慢の限界を超えたように見える。美味しい料理,、そして美女を目の前に彼氏の方は既に2杯目の美味しいワインを飲んでいる。遠慮をすることはない。
8時を過ぎる頃には、店は幸福な笑顔で満席になった。
よしっ!また近いうちに来よう。でも、クリスマスの特別コース・ディナーは恋人たちに譲ろう。おじさんはクリスマスも居酒屋が似合う。
オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967
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2007年12月20日
[妻家房](四谷三丁目)
代表的な韓国家庭料理家のお味は?

東京を中心に全国にレストランが18店、大手デパートでキムチなどを販売しているので誰でも一度は目にしたことがあるに違いない。日本橋コレドにもきれいな店があるが、どうせ行くならやっぱり本店へと思った。
随分前に有名な店とは知らずチャンジャを買ったことがあるが、食べるところがあることは気付かなかった。入り口のレジで2階に上がるよう言われた。先客は3組で、我々で一杯になってしまった。もっとも一組は3世代の家族連れで、幼児が机をバンバン叩いている。妻家房は家庭料理が自慢と聞くが、幼児のお陰で雰囲気まで家庭的になった。
キムチ盛合せ

料金は家庭的ではないと思われたが、量を見て納得した。
ジュクポッサム

蒸した豚の辛いみそ(ヤンニョン)と野菜を白菜に包んで食べる。あんまり辛くないのでコチジャンをもらった。韓国料理店に行くと、必ずたどたどしい日本語を話す可愛い韓国娘がいる。日本で何をしているのか根掘り葉掘り聞きたくなるが、ここは赤坂の韓国クラブではないと自制する。こんな初々しい娘も、やがてクラブで勤めるようになり、客のボトルをがぶ飲みしては高額な料金を請求するようになるのだろうか。
じゃがいものジョン

じゃがいもをすりおろして作った韓国風お好み焼き。素朴で家庭料理らしい。今度、家で挑戦しようと心に誓う。
水冷麺

先ほどの娘に「麺はそば粉? 小麦粉? ドングリ?」と質問した。言葉が通じないのか、質問の意味が分からないのか困った顔をしている。ドングリの粉で作るトトリ麺なら楽しいと思って聞いただけで、困らせて喜ぶ気持ちはまったくない。いや、少しあるかな。
彼女は素直に厨房の料理人に聞いて、返答してくれた。
客席に比べると、はるかに大きな厨房にたくさんの人が働いているのが見える。1階売店の奥の客席は明かりが消えていた。もしかすると、他店で販売する商品を作っているのかもしれない。
他の店でもよくあることだが、1店舗目は小さく始まり、繁盛して多店舗展開するうちに高級店が加わるようになる。本店に行くと拍子抜けするというより何故かホッとする。
幼児がテーブルを叩いている風景が、似合う店であり続けるのは難しいことなのかもしれない。
妻家房
東京都新宿区四谷3-10-25
03-3353-0200
http://www.saikabo.comは
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2007年12月19日
[青葉](新宿歌舞伎町)
台湾出身者たちも好きなお店

創業から31年、新宿で働く台湾出身者たちの郷愁を慰めて来た店が青葉という。今は韓国料理店が幅を効かし、中国本土出身者が多く働く歌舞伎町界隈だが、チャイナ・クラブのママの多くは台湾出身者。歌舞伎町を切り開いた人たちの面目躍如である。
古ぼけた歌舞伎町ビルの階段を下りると少し緊張する。日本橋・銀座界隈を根城とする人にとっては、古い新宿に足を踏み入れるとドキドキする。不夜城・新宿のイメージが膨れ上がる。店内に入ると新宿を飛び越えて、台湾の古い歓楽街にワープした気分になる。
在日10年以上に違いないが、未だにたどたどしい日本語の中年女性が応対してくれた。台湾料理店に来たら必ず食べるしじみの醤油漬けを頼んだ。

しじみの貝殻は日本の物とは思えない色をしている。生ニンニクが辛い。しじみの身はトロリとしている。台湾本場の味そのままなら、台湾の人が評価するのも分かる。

青菜は店員と散々相談した末に、定番の空芯菜の炒め物に落ち着いた。料理が来てからこれもニンニクをたっぷり使った料理であることに気付いた。先日、にんにくを食べてタクシーに乗り、寝込んでいるうちに窓を開けられて左半身が凍える思いをした。2品も続けてにんにく料理を頼んだことを後悔したが後の祭り。食べ始めると美味くて開き直った。

メインは上海蟹などを奨められたが、メニューを見ているうちに蘇った思い出に賭ける事にした。蒸した魚にネギなどの香味野菜を乗せて、熱いごま油をかける。オーストラリアの中華料理店で食べて気に入り、我が家で客を迎えたときに何度も主役を張った。丸ごとの魚が豪華に見えて、味も文句なしでとても好評だった。しかも料理は簡単ときている。
入り口の水槽で泳いでいた鯛がこの日の蒸し魚。本来使う魚とは違うが、何とか代役の任に堪えていた。台湾では、頭と尾びれはホストのところに行く。台湾出張の際、宴席で主賓の自分に来ないことが不満だったが、ホストが食べる気配がないので分捕ったことが懐かしく思い出された。今日はホストだから、台湾式に銀髪が貪る権利があって満足した。
タクシーに乗るときに、にんにくを食べたことを告白した。「韓国焼肉の店が多い赤坂からしょっちゅう客を乗せますが、冬にお客さん側の窓を開けるなんてとんでもありません」と、今日の運転手さんは銀髪を擁護しただけでなく、運転手仲間を非難してくれた。酒やにんにくの臭いが嫌なら運転手失格だとも。
よしっ! これからも遠慮なくにんにくを食べるぞ! 運転手さん、ごめんね。
台湾料理 青葉
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビルB1
03-3200-5585
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2007年12月12日
[新宿・のみや 呑](新宿三丁目)
若者が集う牛もつが自慢のお店

もつ焼きの立て看板に惹かれてドアを開けたら、まるでショットバー。ギョッとして立ち尽くしたら、「地下にどうぞ」と言われてホッとした。地下のテーブル席には男女3人ずつの若者グループがいた。女性3人は階段に背を向けているので後姿しか分からないが、男たちは元気一杯で目は輝いている。
我々は壁で仕切られた奥のテーブルに案内された。
メニュー

「お奨めは全部、かな?」と若い店員に尋ねたら、「いいえ、うちはモツの店ですから」ともつ料理を奨める。全部ですと言う店主や、分かりませんと言うアルバイトをよく見かけるが、この店は優秀だ。素直に従って、もつ料理ばかりを頼んだ。
刺身盛合せ(はらみ、レバー、タン)

毎日、芝浦食肉市場より新鮮な和牛を仕入れていると自慢するだけある。薬味はにんにくとしょうが、つけだれは醤油&ポン酢と丁寧だ。
他に客が入って来ないので、嫌でも若者たちの話し声が耳に入る。明らかな間違いを得意気に話している男の声が特に大きい。
串焼き盛合せ

左からギアラ、ミノ、シロ、ほっぺ、ハツ、しびれ。盛合せは個別に6本頼むより150円安い。
もつ鍋

値段相応にかわいい鍋。2人で食べるのにちょうどいいサイズだ。野菜の下にたっぷりもつが入っている。煮詰まるとちょっと塩っぱいので、ときどき水を足して食べきった。個人的にはみそ味が好きかな。
勘定を払って階段を上がる前に、女性3人の顔を盗み見た。男たちが必死にアピールする理由をその中の1人に見つけた。声が大きくなるのも頷けるが、一番大きな声を出している太った彼は、多分目的を達成できないだろう。
1階のカウンターは数組のカップルでほぼ一杯になっていた。恋人同士は地下に降りないで正解だったかもしれない。
店名を確認しないまま店を後にした。家に帰り、割り箸の袋に書かれた「呑」で検索しても出てこない。意外なことに「新宿・のみや」が店名のようだ。HPのアドレスを見ると「飲み屋のおやじクール」と洒落ている。店主の心意気が若い店員にも伝わっているような気がした。
新宿・のみや 呑
東京都新宿区新宿3-8-4
03-3353-2101
http://nomiyanooyaji.cool.ne.jp
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2007年11月29日
[茶茶 花](新宿歌舞伎町)
客層が見えない不思議なお店だが、気に入った。

靖国通りから小道に入り、ゴールデン街を右に見ながらを歩くと、出口付近右手にこじんまりした料亭風の門が見える。予約なしだったので恐る恐る入ったら、若い男性が気軽に応じてくれた。階段を上がると椅子席、カウンター、座敷と異なる空間が配されている。古い民家の良さをそのままに、壁を塗り替えて今風の雰囲気に仕上げた。
この雰囲気のお陰か、場所柄のせいか、客層はバラバラだ。恋人同士、擬似恋愛の同伴組、女性のみ・男性のみ・混合の各グループ。若者、中年。銀髪より上のオヤジも数人いる豪華絢爛の布陣である。小さな店と思ったが100人以上も入れるというから凄い。
お通し

お通しは4品の中から選べる。この時点で半分合格みたいなものだ。
京の出汁巻き玉子、茶茶のサラダ

通常メニューの中からお奨めの二品。玉子は600円。巨大なサラダは850円。右隣の若いカップルはこのサラダと巨大なあんかけ焼きそば(840円)だけで粘っていた。格安のデートができて嬉しいだろう。
ほう葉焼き、白子の天婦羅

840円のほう葉焼きまでは我々も3桁で安く済ませたが、白子は1,260円と破格の値段だ。牛ヒレステーキ(1,575円)に次いで高額な料理である。
日本酒

純米吟醸酒を飲まなければ、隣のカップルとどっこいどっこいだったかもしれないが、それでも2人合わせて1万円からたくさんお釣りが戻ってきた。
雰囲気がいいし、このお値段なら料理に文句を言う人は殆どいないだろう。若い店員が不慣れなアルバイトであっても、それほど気にはならなかった。
ミシュランには見向きもされない歌舞伎町だけれど、どっこい捨てたものではない。
茶茶 花
東京都新宿区歌舞伎町1-1-1
03-5292-2933
メニュー

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2007年11月19日
[イル・バーカロ](新宿三丁目)
ガイドブックがイチオシのトラットリア

明治通りを挟んで伊勢丹新宿店の向かい側・セゾンプラザの地下にある大衆イタリアン。立ち飲み・食いのバーで小皿料理とワインを楽しむ人たちがいる。我々は誰もいないテーブル席の部屋に入った。
メニューにはたくさんの料理が並ぶ。店の男性にお奨めを聞くが、こちらの好みを聞き返されるだけで埒が明かない。ヴェネツィア風という料理がいくつかあるので意味を聞いたら、ポレンタを添えるのが特徴と言う。ポレンタ添えという料理もあるが同じものらしい。
結局、店員の力は借りず自分で料理を決めることにした。
おまかせ前菜盛り合わせ

少量多品種食べるなら盛り合わせがいい。店員との応答で醒めかかった気持ちが持ち直してきた。気を許したところで、膝に乗せた紙ナプキンが床に滑り落ちた。拾おうとして隣席のテーブルの角におでこを打ち付けた。テーブル間が狭いことを忘れていた。激突の音は店内に響き、驚いた店員が慌ててやってきた。
自分で拾わず店員を呼ぶべきだと相方に諭されたが、紙ナプキンを使うような店でそんな傲慢はできない。代わりのナプキンを持って来てくれた店員には感謝したが、できればおでこを冷やすタオルが欲しかった。
四季のサラダ

630円とは思えないほどの、予想外に大きなサラダが出てきた。おでこは痛いがサラダには大満足。
ふすま入りアンチョビオニオンソースのスパゲッティ

麺が太いのに驚いた。アルデンテで食べるにはちょっと太すぎる気もする。アンチョビに惹かれて頼んだのは銀髪ではなかったが、結局大半を食べる破目に陥った。
仔牛の薄切りソテー マルサラソース

マッシュポテトみたいなものが添えられていた。料理を置いて何も言わずに立ち去った店員を呼び戻して尋ねたら、これがポレンタでとうもろこしの粉を練ったものとのこと。メニューにはポレンタ添えともヴェネツィア風とも書いてなかったが、結局ポレンタがついてきたわけだ。
帰って調べてみたらポレンタは主に北イタリアで食べられるとのこと。もしかしたらイル・バーカロのヴェネツィア風とポレンタとは関係ないのではないかと疑問に思った。別の店員に確かめれば良かったかも知れない。
悪い店ではないが、ガイドブックの評価はあてにならない。1週間続いたおでこの痛みが、お店の評価に影を落としたわけではないけれど。
イル・バーカロ
東京都新宿区3-4-8 新宿セゾンプラザ B2F
03-5269-8528
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2007年10月30日
[66亭](新宿歌舞伎町)
最近お騒がせの若の花、お兄ちゃんのプロデュースのお店

以前、若乃花の店=ちゃんこ屋さんと思って入ろうとしたが、焼肉屋と知って敬遠していた店である。スキャンダル報道は好きではないが、最近話題の名前を聞いて66亭のことを思い出した。店の前を通るといつも空いていたので、予約なしで行くと予想通り。昨日も焼肉だったが、ちゃんこ屋が人気だから韓国式の鍋でもあるに違いない、と思って入った。
ビールを頼んでメニューを見た。全ページを隅々まで見て壁の張り紙を見る。再びメニューに戻ったが、何度見ても鍋はない。出ようかと思ったがビールを頼んでしまっている。他に2人しか客はいないので、我々が帰ると店員が可愛そうだ。仕方なくまたメニューを見た。
お通し

キムチを食べながら観念して、焼肉以外の料理を頼むことにした。
チョレギサラダ、海鮮おつまみチヂミ

焼肉屋のサラダはごま油が香ばしくて美味しい。洋風ドレッシングよりずっといい。
チヂミも美味しい。表面がカリカリに焼かれて焦げ目が香ばしい。
若のつくね焼き卵タレ、ソーセージ盛り合わせ

つくねは焼いて持って来るのかと思ったら、炭焼きの準備をするので嬉しくなった。圧縮成形したオガ炭なのが笑えるが、いいサービスだ。炭火のおかげでチヂミも温めなおして食べることができた。
せっかく仰々しくやってくれたのに、つくねだけでは申し訳ないと思ってソーセージを頼んだ。「焼肉は食べないのか?」という無言の圧力に耐えながら。
たっぷり蒸し鶏冷麺

最後まで焼肉は食べないで通した。何とかなるもんだ。大したものは食べていないが、味もそこそこだったし、料金は2人合わせて酒込み7,000円で済んだ。
それにしても客が来ない店だ。店を出るまで先客2人と我々2人しか客はいなかった。場所柄、深夜が込み合うのかもしれない。店は5時までやっている。
いずれにしても韓国料理屋は周辺に山ほどあるので競争は厳しいだろう。「若」の顔がいつまで客寄せになるのかわからない。皮肉なことに、スキャンダルが我々を呼んだのは間違いないけれど…
Korean Dining 66亭 新宿歌舞伎町店
東京都新宿区歌舞伎町2-9-3 丸源51ビル
03-5272-4527
http://www.66tei.jp
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2007年10月24日
[はまぐり](新宿)
珍しい貝の専門店

四谷、荒木町などには気に入った店があるのに新宿駅近辺はイマイチと思っていた。ようやく面白い店を見つけた。厳密には新宿三丁目で、新宿駅からはちょっと離れる。末広亭近辺は酒飲みが好みそうな店が密集するが「はまぐり」もそんな店の一つ。
凄くいい店と教えられて高級店と思って来たが、看板を見て、入り口を見て、店に入って拍子抜けした。カウンターか2階の座敷か聞かれて、迷わずカウンターを選ぶ。「暇だから隣の席に荷物を置いて広く使っていいよ」と店主は実にきさくだ。
お通し

お通しは小鉢といきなりはまぐりのお吸物。店名にしているだけに、当然と言えば当然かもしれない。
亀の手、牡蠣

白板のお奨めですぐ目に付いたのが島根産亀の手。本当に爬虫類の手・爪に見えるが岩にへばりつく貝の一種。割れ目が入れてあるので爪先を引っ張ると、身が顔を出す。磯の香りが濃厚な逸品。
岩手産牡蠣は1個105円と格安。この値段で出せるのが不思議だと褒め上げると、他の店が儲けすぎと主人は謙遜する。
はまぐり昆布焼き

秀逸だったのはやはりはまぐり。昆布の上に小振りの中国産と大き目の鹿島灘産の2種類のはまぐりが乗る。これを店主が目の前で料理する。煮汁が染み出してきたら別の器に取り、湯で薄めて飲ませてくれる。貝が固くならないうちに口に入れるとほのかに昆布の香りがする。国産の方が味に深みがあるのが分かる。
オオミゾ貝、ホッキ貝ウニ焼き

オオミゾ貝は初めて食べた。貝大好きの銀髪でも食べたことがない貝が数種類ある。
自慢料理には姫さざえエスカルゴ風、豆腐と貝四川風などの変わり種が並ぶ。その中から小柱揚げ餃子を頼んだ。貝の汁が餃子の中に閉じ込められてなかなか良かった。

今日は暇だと言われたが、いつの間にかほぼ満席になった。食べる速度が遅くなった我々を見捨てて、店主は隣の客を乗せるのに忙しい。乗せられた客の目の前には高額の「おいろけ鍋」がある。松茸とはまぐりの鍋をおいろけ鍋と称して笑わせる。
貝好きには堪らない店だろう。店主と遊びたい人にも嬉しい店だ。もう数回は来たい店だと思った。
はまぐり
東京都新宿区新宿3-8-4
03-3354-9018
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2007年10月19日
[野郎寿司本店](新宿歌舞伎町)
新宿で食べる安心価格の寿司屋

区役所通り、風林会館近くにはリーズナブルに食べられる大型寿司店が集まる。野郎寿司本店もそんな店の一つ。同伴族や接待風の客も居れば、上司の悪口で盛り上がっているサラリーマン達もいる。雑多な雰囲気が歌舞伎町らしい。
銀髪も今日は安く済ませようとたくらんでやってきた。まずはお任せで刺し身の盛り合わせ。

中トロ、赤身、タコ、とり貝、赤貝、かんぱち、いか、甘海老など予想以上に賑やかな盛り合わせが出てきた。一番奥に玉子焼きまで乗ってきたのには驚いた。
これだけでお腹一杯になりそうだ。
高級店ではかならず産地を聞くけれど、野郎寿司で聞くのは野暮に思われる。どれもそれなりに美味しいのだから余計なことは聞かない。
ナンダカンダと楽しんで飲んでいると、いつの間にか刺身はなくなった。今度はお任せではなく、立ち上がって冷蔵ケースの中を覗き込んで魚を指定した。

鮭の厚切りを見てちょっとげんなりした。梅丘美登利寿司などもネタの大きさで行列が絶えない人気店となったが、銀髪はどうにも好きになれない。鮭は脂が乗っているだけに辛かった。それに比べればウニやもイワシは上出来だった。
大トロ、穴子

刺身だけでお腹が膨らんだので、寿司は1かんずつ食べたかったが、許してもらえなかった。「手間がかかるんでねー」と言われたら仕方がない。安い店で我侭は言えない。
大トロは連れに手伝ってもらったが、穴子は拒否された。
下の写真は別の機会に行った時の写真。アジとしめ鯖を1かんずつ握ってくれた。大型店のサービスは担当する板さんで当たり外れがあるらしい。
あじ、しめさば、とり貝、すずき、うに

高級店並の繊細さを求めなければ野郎寿司で問題ないし、繊細さなど邪魔だと思う客も多いだろう。値段の割には美味しいと思った。名札を見ると「宮城水産」と書いてある。
領収書にも株式会社宮城水産と書いてあり、野郎寿司の名はない。住所も大久保だ。魚屋がやっているので安く出来るのかと思ったが、未だ確認できていない。
野郎寿司本店
東京都新宿区歌舞伎町2-10-4
03-3208-9496
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2007年10月17日
[鈴なり]⑤(荒木町)
やっぱり鈴なりはいい

基本的にコース料理は好きではない。数量合わせでお茶を濁す店も少なくないし、食べたくない料理が混ざっていて失望した経験も多いからだ。しかし、何度か鈴なりで食べて、コース料理を試したいと思った。親方・村田さんなら銀座の名店なみのコース料理を考えてくれるはずだ。

スタートは軽くお浸しから。みぶな、ひらたけの上に乗るのはとんぶりと思ったらキャビアだった。キャビアのきつめの塩味がうまく調和している。

根室産の毛蟹。食べてみないと分からない蟹だが、鈴なりなら安心だ。

美しい盛り合わせが出てきた。左上に鱈の白子、串に刺さるのはタコと山もも、右の小さな器の中は白海老にこのわた、中央の籠は白魚、その右にはぜの天ぷら、白ばい貝、レモンの両脇に山芋の子・むかご、笹に包まれているのは柚子団子。
鱈の白子はさっと湯通ししただけで鮮度の良さが勝負。白海老は築地でも滅多に手に入らない掘り出し物とのこと。はぜは松島産かと思ったら江戸前だという。今年は例年より早い。上品な白身の魚だ。

生うにの玉地蒸し。玉地蒸しは茶碗蒸しの一種のようだが、タップリの出汁が入った汁物に思える。蟹の内子とフカヒレを模したものが入り本当に美味い。華やかな盛り合わせの皿に比べると地味に見えるが、出汁の美味さが光る逸品だった。
玉地蒸しの感動に浸ってしまい、お造りの写真を撮り忘れてしまった。大間の対岸・北海道戸井産の本マグロ、しめ鯖、シマ海老、小紋はた、赤むつ。銚子産の赤むつが特に良かった。焼いたらとんでもなく美味かったろう。

バターと肝の相性が抜群の鮑の肝焼きを挟んで秋の味覚満載の一皿に移る。

岩手産の松茸が香ばしい。かますや牛肉が松茸の存在感に圧倒されている。

かぶのスープ煮あん肝添え。玉地蒸しと同様に鈴なりは出汁の料理が素晴らしい。この店に最初に来たとき、新たまねぎのスープ煮に感動したことを思い出した。素材の良さを活かし、盛り合わせが美しい料理もいいが、シンプルなスープ煮にはいつも感激する。