2010年03月09日
[MARUGO マルゴー]③(新宿三丁目)
マルゴーの日

2年位前までは、フレンチやイタリアンの時は必ずワインをボトルで頼んでいた。よく飲む相手なら1本では足らず、そうでないなら飲み過ぎた。どのみち食前酒を飲み、食後酒、2軒目へと続いたのだから。一人で1本飲むのはしんどい。今は人数が揃わなければボトルを頼むことはない。グラスだと料理によってワインを変えることが出来るし、飲みすぎることはない。
ところがグラスで飲めるのは赤白2~3種類しか用意していない店が多い。高級ワインをグラス売りするところはないに等しい。開栓したら飲み切らなければ劣化するので、店を責めるわけにはいかない。
再びマルゴーにやってきた。マルゴーではグラスワインを約20種類から選ぶことが出来る。カウンターで久保さんに教えてもらいながらワインを飲むのが気に入っている。連れが久保さんと意見を交わすのを聞くのも楽しい。ワイン通の人が質問すると、久保さんの知識の豊富さが分かる。無知を自認している銀髪は何を尋ねても恥ずかしくない。

銀髪の役目はワインに合いそうな料理を選ぶことぐらい。マルゴーのキッチンは安アパートの炊事場みたいに粗末なものだが、出て来る料理は立派なものだ。岩中豚のソテーは美味しかった。後はチーズなど簡単なつまみを頼んでワインを飲むことにした。
グラスワインを飲める店のナンバー1は銀髪の知る限り常時約80種類の品揃えを誇る赤坂サカスのコート・ド・ルージュである。銀座マキシムの支店にもかかわらず、リーズナブルに飲めるものも多い。もちろん、ロマネ・コンティ 2004年(グラス90cc:119,700円、ボトル945,000円)、シャトー・ペトリュス 1998年(グラス:37,800円、ボトル315,000円)などの高級ワインもある。

マルゴーでも高級ワインをグラスで飲める日がある。殆ど仕入れ値で提供する感謝デーである。店名に因んで毎月5日がその日。3月5日はシャトーマルゴーが開けられた。二の足を踏むようなら、久保さんに頼めば手頃なワインを開けてくれるはずだ。
彼女にいいところを見せようと思うのなら5日に行けばいい。逆にリスクを取りたくなければ、5日は避ける方が無難だ。
MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/
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2010年03月01日
[和](新宿歌舞伎町)
たしかに和める店

「ここでいいんじゃないですか?」こちらの懐を察してくれたのか大衆的な店を指し示す。奮発して格好つけようという思いはすぐに消えた。素直に好意は受け容れた方がいい。
階段を下りて店内を覗くと思ったよりも小さな店だった。入れるか不安だったが、焼き場にいた店主がすぐに若い店員を呼んだので安心した。空いていたのがラッキーなのか、空いていて当然なのか、答えはすぐに出る。
お通し、白レバー

串焼きは1本から頼める。最初に来たのは白レバー。悪くない。続けてセセリ、もも焼き、ぼんじり、つくね。空いていたのはラッキーだった。店員はアルバイト風の若者。品が良く優しい顔をしている。チェーン店のようなオーダー端末機を持っていないのが賢く見えるから不思議だ。
それにしても最近は焼き鳥の水準が高くなったと思う。地鶏を使っている店も多い。白レバーも珍しくはなくなった。不思議に思って調べてみるとやはり鶏肉の輸入は減っている。減り始めたのが地鶏ブームの始まりと一致して思えるが定かではない。鳥インフルエンザ以降に顕著になってきたのは間違いないようだ。
約35年前、大学の学園祭で焼き鳥屋をやった。同級生が肉屋の息子で、タイ産の冷凍焼き鳥を卸してもらった。今も同じようなことをやっているのだろうか。安いからといって飛びついたらがっかりする。祭りの雰囲気の中では美味しいと思えるかもしれないけれど。
牛すじ煮込み

和で一番気に入ったのは牛すじ煮込み。大きく「名物」と書いてもいいような逸品だった。プチトマトが入っている煮込みはイタリアンやフレンチと言ってもおかしくない代物だ。フランスパンでもあればご機嫌だが、それで腹一杯になってもらったら困るのかもしれない。
なかなかいい店だった。小さいながらも居心地がいい。いや、小さい店だからこそ落ち着くのかもしれない。主人が一人、店員が一人、それに見合った数の客。身の丈を知っている店はそれほど多くはない。
和
東京都新宿区歌舞伎町1-8-4 良川ビルⅣ地下1階
03-3209-9119
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2010年02月24日
[近江源氏](新宿歌舞伎町)
凄い肉

「すき焼きが食べたい!」不思議なもので甘いというだけの理由で酒呑みが食べてはいけないような気がしていたすき焼きも、50歳を超えてから時々食べたいと思うようになってきた。ネットで検索した中で最も気を引かれたのが「関西風」を謳う近江源氏だった。
西武新宿線寄りのバッティングセンターの近く、外観は立派なホームページからは予想できなかったもの。三大和牛の一つとも言われる近江牛の一番高いすき焼き(花)が8400円ということを考えれば納得できる。源助の名前で新宿に店を開いて40年、今の地に移転して改名してから16年の老舗である。

個室に入り、すき焼きセットだけの「花」をオーダーする。鍋奉行を務めてくれる仲居さんが持って来た牛肉を見てビックリした。美しい霜降りとは言えない雪のような肉。肉のランクを落としてもらおうかと思ったが許してはもらえないだろう。

仲居さんは大分出身とのこと。銀髪は子供時代を福岡で過ごした。九州のすき焼きも割り下を使わない関西風だ。仲居さんがザラメを肉に振りかけ、酒と味醂を注ぐ。暇な銀髪は冗談を言う係を請け負った。仲居さんが笑った大口を品良く隠したところで肉が焼けた。
火を通すと全部溶けてなくなってしまうのではないかと心配したが、スーッと綺麗な肉の色に変わった。思ったほどの脂ではい。柔らかくて美味しい肉だった。12月には優秀賞受賞牛を仕入れ、テレビで梅宮辰夫が絶賛したことがあるという近江源氏である。心配は無用だった。

2個目の卵が余ったのでカルボナーラ風のうどんになった。それほどたくさん食べたとは思わなかったが、お腹は一杯になっていた。デザートのきな粉のアイスクリームもユニークで面白かった。
脂が多い肉はあまり食べられなくなった。「一番下の雪(4,200円)でも充分ですよね」と言うと仲居さんは同意してくれた。店の人たちはみんな年配者ばかり。銀髪の気持ちを分かってくれる優しい人たちだった。
近江源氏
東京都新宿区歌舞伎町2-39-8 ダーマビル1F
03-5272-2850
http://r.tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13009106/
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2010年02月17日
[マルゴー]②(新宿3丁目)
新宿で1番好きなワインバー

昨日書いたタブリエのソムリエさんからコメントを頂いた。困惑させて申し訳なかったが、さすがにソムリエだけあって姿勢が素晴らしい。是非再訪したいと思う。赤坂のコール・ド・ルージュ、四谷のサッカヴァン、新宿三丁目のマルゴーなどと並ぶお気に入りになるかもしれない。まずはマルゴーを再訪した。
「覚えてる?」前回と同じカウンターの一番奥に座って久保さんに声をかけた。「もちろんです」と期待していた通りの答。これで気分が良くなるのだから我ながら困ったものだ。左の白板にはグラスで飲めるワインが赤・白合計で約20種類書いてある。

ビールで喉の渇きを癒やしたら、さあワインだ。「お奨めは?」と聞くとリースニングの白ワインがいいと久保さんが推す。「甘くないの?」と訝ると、「フランス産ですから辛口です」と言う。騙されたつもりで飲んでみるとなるほど甘口ではない。リースニング=ドイツ産=甘いと信じていたが、フランスのアルザス産リースニングは目からうろこだった。
久保さんがワインのことをあれこれ教えてくれるので楽しい。ハムの盛合せで白ワインを飲み、野菜のフリットには赤ワインを合わせた。

メニューにないぺペロンチーノを「オリープオイル多目にね」と作ってもらった。「しょうこうしゅが効いているね」と連れがぺペロンチーノを絶賛する。「紹興酒は入ってないだろう」銀髪より味覚が敏感な人ではあるが、これには同意できない。シェフに聞いてみるとやはり銀髪の方が正しい。正そうとすると「塩、胡椒と言ったんだ!」と反論されて絶句した。昔「スープ or サラダ」を「スーパーサラダ」と聞き間違えたことを思い出した。
砂肝とレバーの煮込みも満足した。これを食べ終わってもグラスには赤ワインがたっぷり残っている。時節柄、チョコレートを食べることにした。今年はバレンタインデーが日曜だったのでホッとした人も多いだろう。マスコミも煽るようなことをしないで、もらえない人の悲哀を考えてあげるべきだ。

恨み節はともかく、マルゴーは今日も楽しかった。
MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/
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2010年02月09日
[安芸路 酔心](新宿三丁目)
造り酒屋とは無関係?

東京駅八重洲地下街の季彩膳 酔心に行ったばかりだけどなー」と思いながら店の前に置かれたメニューを見た。東京駅と違って牡蠣料理がたくさんあるのに興味を引かれた。しかし、なんだか妙な違和感がある。

お奨めに従って3,150円のかきセットを頼んだ。「お通しを持ってきますか?」と言うので「断れるの?」と聞き返した。お通しの押し売りがないなんて美人の店員が女神に見える。セットの他に生牡蠣だけ追加した。
日本酒のメニューを見ると新潟県や石川県の酒もある。「酔心だけじゃないんだ」と聞くと、「うちは酒屋さんとは関係ないんです」とのこと。謎は解けた。それでも東京駅の店主を思い出しながら、酔心の日本酒を頼んだ。

カキフライは3種類の味付けがしてあって面白い。たたきは焼いてあるのかと思ったが、竜田揚げのようだ。殻の表面を見て疑問が湧いた。「牡蠣は殻つきで来るの?それとも剥き身?」再び女神に質問する。「生牡蠣以外は瞬間冷凍して運ばれてきます」とのこと。やはり、器専門の殻だったようだ。

久し振りの土手焼である。だしで溶いた味噌が鍋の内側にぬられている。水は入ってないので焦げないか心配したが、時々女神が見回りに来てくれるので安心だ。食べ頃になったときには焦げる心配は杞憂であることが分かった。

最後の雑炊にも牡蠣が2個入っていた。生1個、フライ3個、たたき3個、土手焼に約10個、雑炊2個、合計で一人20個前後の牡蠣を食べたことになる。どの料理も美味しかった。それでも20個となるとさすがに食べ疲れた。
子供の頃、食べ盛りの頃は鍋となると奪い合って食べたものだ。最近では齢のせいか、健康やメタボを気にして野菜がよく売れる。肉が余ることもしばしばである。牡蠣の鍋なら心配はいらないと思うが、腹が一杯になって量を受け付けない。齢は取りたくないものである。
安芸路 酔心 新宿店
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館地下1階
03-3352-8721
http://www.akiji.co.jp/
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2010年02月03日
[スティモーロ Stimolo](市谷)
若く楽しいイタリアン

新宿3丁目の「オステリア・ウーゴ」のスタッフが独立してオープンしたのが昨年の10月。行かなければと思いながら時間が経ってしまった。乾さんからグルメ紀行にコメントをもらって居ても立ってもいられなくなった。
笑顔で迎えられた。乾さんと会うのは2度目なのに旧知の仲のようだ。思ったよりきれいで立派な店は居抜きで借りられたというからラッキーだ。豚、牛、羊、鹿、鴨、魚、メインにする素材の中からお奨めのSPF豚を選んで、それに合わせて他の料理は任せることにした。若き熊谷シェフの腕の見せ所である。

かんぱちのカルパッチョ、新鮮野菜のバーニャカウダソース、色んな部位のテリーヌ、トリッパが大皿に少しずつ盛られている。分厚く切ったかんぱちが斬新だ。
キッチンから可愛い女性が挨拶に来た。なんとウーゴでカウンターに座っていた女性の一人という。縁あってスティモロで働くことになったそうだ。銀髪を覚えていたとは嬉しい限りだった。

タラの白子のポワレも斬新な一品。フレンチレストランで何度か食べたことがある羊の脳の料理を思い出した。食感が似ているので、フランス料理のレシピを参考にしたのだろうか。
「評判がいいんですよ」と出された自家製パスタ・タリオリー二は納得のお味。シェフ自慢の定番料理になっているようだ。

メインは埼玉県松村さんのSPF豚。生でも食べられる無菌豚だそうだ。脂身も美味しい豚だった。連れはデザートにショコラを選んだ。銀髪はデザートを断り、グラッパを頼む。「ソムリエではなくノムリエです」と笑う男性が、3種類のグラッパを並べてくれた。同じメーカーのすべて2001年産だが味比べをすると微妙に違って面白かった。

定番の料理はどれも美味しい。独創的な料理には銀髪の意見を言わせてもらった。連れがハラハラしているが、乾さんたちは笑顔で聞いている。料理道まっしぐらの若きシェフは、多くの客たちのアドバイスを得て、熊谷スペシャルというべき逸品を完成してくれるだろう。
乾さんをはじめスティモロのスタッフたちは実に話しやすい。和気あいあいで食事ができる店である。素材、料理法、ワイン、グラッパなど様々な話をしてくれる。最後に乾さん秘蔵のグラッパをご馳走になった。滅茶苦茶楽しい夕餉であった。
スティモロ Stimolo
東京都新宿区市谷本村町2-19 BSSビル1F
03-3260-2410
http://www.stimolo.jp/
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2010年01月27日
[味楽亭](新宿歌舞伎町)
今では変わった焼肉

約10年振りの訪問だった。人間の記憶は、いや、銀髪の記憶はなんと頼りないものだろう。メニューを何度も繰った。料理だけでなく、飲み物の種類も少ない。今ではどの焼肉屋でも置いてあるマッコリもないのに驚いた。

野菜類はサンチュ、ナムル、キムチぐらいしかない。取りあえず、サンチュとナムルを頼んだ。肉の質を知るためにレバ刺し、他店と比較しやすい牛タン塩、それからロース、カルビなどの肉を選んだ。

「塩、こしょうは自分でやってください」とまだ凍って、くるまったままのタンがテーブルに置かれた。もっと驚いたのはレバ刺しのはずがタレにまみれたレバーが出てきたこと。若い不慣れな韓国人店員の間違いかと思ったら「うちは刺身は置いてないんですよ」と店主らしき人が言う。後ろの客の注文にも「クッパはありません」と答えている。メニューに書いてあるものがないとは経営が変わったのかもしれない。

どの焼肉も赤いタレで覆われている。どの写真も一緒に見えるのでパチパチは止めて食べることに専念した。何枚か食べているうちに徐々に思い出してきた。この店の特徴は赤いタレだったのだ。好みによって辛さを調節してくれる。10年前に赤坂で焼肉を食べれば、似たようなタレを使う店がたくさんあった。このタレをつけて焼いたウナギの蒲焼は面白かった。

カルビを焼いたら炎が舞い上がった。すかさず店主が氷を持って来て火を消す。七輪の窓を閉めて、火力の調節方法を教えてくれたのには苦笑するしかなかった。子供の頃は七輪は各家庭の必需品だった。七輪の構造を熟知していたはずなのに、火の勢いに慌ててしまった。
記憶が甦るにつれ、当初の失望感は和らいでいった。時代と共に焼肉屋の業界も変貌し続けている。今や醤油ダレにつけた焼肉ではなく、塩焼きの焼肉が主流である。ましてコチジャンベースの赤いタレの焼肉は殆ど見なくなった。
味楽亭を他店と比較するのは馬鹿げている。これはこれで魅力的な焼肉だと言えるかもしれない。
味楽亭
東京都新宿区歌舞伎町2-23-10
03-3200-1919
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2010年01月21日
[そして…はなまる](新宿3丁目)
焼き鳥は美味しかったけれど

靖国通りの角に立った瞬間決めた。週末の夜、予約もしていないのに躊躇してはいけない。インスピレーションに従うべきだ。階段を降りて店に入るとまだ空席が目立つ。キッチン近くに集まった店員たちは忙しそうでこちらを向いてくれない。右を見たら誰かがこちらを向いて立っていた。店員と思い、手を上げて一言発したところで鏡に映った自分だと気が付いた。そっと手を下ろし、誰にも見られなかったことを確認した。
お通し、日本酒

「大根おろしは醤油を数滴垂らして…」と食べ方をメニューで教えてくれる。ビールが来たところでカップルが1組入ってきた。予約席を除いて全て席は埋った。空席が多く見えたのも鏡のせい。銀髪の決断は正しかった。トボトボ階段を引き返す人が多い。洒落た日本酒の器を見て、ますます自分を褒めた。
白レバー、身、ネギマ、つくね、砂肝、ハツ

殆どの串焼きは1本~なので、メニューの上から順番にオーダーした。つくね以外は塩焼きにしてもらい、柚子胡椒をつけて食べた。もちろんMy唐辛子も活躍する。満足、満足。
ナンコツ、皮、ささみわさび、はつもと、ぼんじり

予約席も一杯になった頃から連れが「煙い」と目を押さえ始めた。銀髪の決断に汚点をつけたくないので「気のせい」と我慢を強いた。銀髪も目を押さえた数分後、突然火災報知器のベルがけたたましい音を立て始めた。しかし、店員も客もまったく慌てる素振りを見せない。
牛タン串、トマトサラダ

逃げようかとも思ったが、数人が階段を降りてきては満席と断られて帰っていくのを見て留まることにした。トマトサラダがまだ残っている。5分以上も鳴り響き、ベルはようやく疲れ果てたようだ。勘定を頼むと卓上のポットの鳥スープを飲むように奨められた。
「6階が原因だったらしいです」と店員が言い訳した。人気の店にうまく入れたことよりもスプリンクラーが作動してずぶ濡れにならなかったことがラッキーに思えた。連れは怒っているかと思ったら、「味は良かったよ」と慰めてくれた。
そして…はなまる
東京都新宿区新宿3-14-22 小川ビル B1F
03-3353-3028
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2010年01月12日
[MARUGO マルゴー](新宿三丁目)
気取らないでも大丈夫

「エッ!ここがマルゴーなの?」驚く銀髪に我々の相手をしてくれた久保さんが「2店目がマルゴーⅡで、3店目が一番大きなマルゴーグランデです」と続ける。確かにどのチェーン店も1店目が古くみすぼらしく、儲かるに従って大きな支店を作る。
当然のことながら1号店がマルゴーである。どの店もワインバーであるが、扱うものはマルゴーがフランス産、マルゴーⅡが新世界、マルゴーグランデがイタリア産を主に扱っているそうだ。もっとも3店は近いので、他の店のワインセラーから数分でボトルが届けられる。

キッチンは狭くて本格的な料理ができるとは思えない。その代わり、融通はきかせてくれる。バーニャカウダとチーズフォンデュを食べたいと言うと、野菜はかぶらないようにしてくれた。二つの料理の間のお奨めは牛トリッパと白インゲン豆の煮込みだった。700円とは良心的だ。

ワインバーだけにグラスでも選択肢は多く、1,000円未満のリーズナブルなワインが主流なので安心である。しかし、「シャトーマルゴーやシャトー・ぺトリュスはあるの?」なんて馬鹿にしてはいけない。久保さんに聞くと、他の店に電話をして確認し始めた。もちろん確認するのは在庫があるかなしかではなく何年産があるかである。
さすがにシャトーマルゴーやシャトー・ぺトリュスのグラス売りはないが、1本10万円程度のワインをグラス売りするかどうかは久保さんが決断できるようだ。彼女の前だからといって、ワイン通のように振る舞うべきではない。「〇〇をグラスで飲めたら頼むんだけどなー」なんて言おうものなら、久保さんが「いいですよ、開けましょうか?」と答えるのである。
本当に高級ワインを飲むつもりなら、マルゴーはいい店である。他の店より安く飲めるのは間違いない。しかし、出来ればワインに深入りしたくはない。久保さんとのワイン談義で満足すべきである。彼は決して高級ワインを無理強いすることはない。
リーズナブルな食事とワインでも充分である。「あなたと一緒なら、高級ワインなんていらないわ」と言ってくれる人が隣にいてくれたら…
MARUGO マルゴー
東京都新宿区新宿3-7-5
03-3350-4605
http://www.bar-maru5.com/pc/
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2010年01月06日
[はじめ屋](新宿歌舞伎町)
緑のちょうちん

屋台に毛がはえたような店のガラス窓の向こうで老若男女が盛り上がっている。窮屈そうなのでその店は避けようと思った。角を曲がったところに緑のちょちんがぶら下がった店を発見。国産素材を50%以上使っている安心な店のようだ。
扉を開けると満席のように見えるが店員は席に案内してくれると言う。店のどん詰まりで左折、配膳場所のような狭い通路を抜けるとカウンター中心の空間があった。なんとそこは避けたはずの屋台に毛がはえたような場所だった。

コートは壁にかけず、丸めて足元に置いた。煙がもうもうとして目が痛い。何かあったらガラス窓を蹴破ればいいやと覚悟を決めた。メニューを見て料金が安心なのに救われた気になる。道行く人を観察しながらお通しのキャベツ口に入れる。向こうにとってはこちらが動物園の檻の中かもしれない。

見事な焼き鳥に目をみはった。砂肝も一串にたくさん刺さっている。160円とは思えない。客がたくさん入っているのも分かる気がする。多少の煙は我慢する価値がある。

お奨めの特製朝挽もも串が焼き鳥の中では一番高い250円だけのことはある。立派な元祖皮串は100円とは泣けてくる。決して煙のせいだけではない。

看板の牛すじ煮込みはコラーゲンたっぷりプリプリしている。連れはこれを脂と見限った。取り皿の隅に放置されたコラーゲンが恨めしげに銀髪を見ているような気になるが、ヒンシュクを買いそうなので食べるわけにはいかない。串揚げの盛合せも衣が脱がされて可愛そうだ。まったくもって今日の連れは残酷である。
ふと気が付くと煙たくなくなっていた。二巡目の客に入れ替わる頃合いになったのかもしれない。新規の客が焼き鳥を頼み始めるまで、しばし焼き場は暇になる。名代焼き餃子を食べようか迷ったが、ホッピーで膨らんだ腹に余裕はなかった。
狭い通路を抜け、残った客たちの幸運を祈りつつ、無事に店を出た。こだわりの串焼きはなかなか良かった。角を曲がり、我々が居た部屋を覗き見た。今度はこちらが観察されている。いや、観察しているのは我々のはず。ウーン、マァ、いいか
はじめ屋
東京都新宿区歌舞伎町1-26-7
03-3200-0123
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2009年12月28日
[和味 りん]③(新宿)
直送で鮮

今年も初めて行った店が300軒ほどある。しかし自らの意思で複数回行った店は僅かしかない。銀座の座屋、三軒茶屋のどぶろく一心、そして和味りんなど。この3店に共通するキーワードは産地直送である。
クリスマス特別料金で稼ごうとするフレンチやイタリアンを避ける懸命な客たちで店は混みあっていた。「今日は暇だと思ったんですがね」と店主が苦笑いする。「俺はキリスト教じゃないからね」と銀髪も笑う。サンタクロースを待つ齢ではなく、サンタクロースになる必要もなくなった。

いつものことではあるけれど、今回はいつも以上にメニューを見る必要はなかった。目の前を通り過ぎる料理、まな板を上り下りする魚たち、それらを見れば頼むものは決まってくる。見えない素材はお奨めに従う。「いい、鮟鱇が入ってますよ。肝はどうですか?」「いいよ、それもらおうか」

「あのマグロは美味そうだね。寒ブリもまぜてもらおうか」注文どおりの刺身盛合せがやってきた。思ったとおり凄まじく美味い。一緒に乗ってきたサワラの焼き霜、肝を抱いたカワハギもいい。脂が乗った魚ばかりでわさびが足りない
この日のハイライトはキンキ。店主が丸々と太った10匹ぐらいのキンキをまな板に乗せた。見た目の良さそうなものを数匹選び、次に両手で重さを比べながら選別している。銀髪たちにいいものを食べさせようという気持ちが伝わってきて嬉しい。

身が厚いキンキは遠火で時間をかけて焼かれる。待っている間に自家製のからすみを出してくれた。「もう少し熟成した方が美味しいんですが」と控えめだ。

立派なキンキの塩焼きがやってきた。「高級魚だよね」ちょっと財布の心配をすると「根室から直送してますから他より安く出せるんですよ」と安心させてくれる。りんで出されたものは大間のマグロ、氷見のブリ、茨城のアンコウ、岡山のサワラなどブランド化したものではない。しかし懇意にしている全国の業者から高品質のものを直送してもらっているからどれも美味い。直送に加え、ブランド料が上乗せされていないのでリーズナブルに食べられる。
ブランド服飾品には無関心の銀髪だが、食べ物にはブランド志向を消せないでいた。そろそろ自分の舌を信じてもいいのかもしれない。りんが教えてくれた。
和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 地下1階
03-3205-7252
http://www.wami-rin.com
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2009年12月25日
[とん豚テジ](新宿歌舞伎町)
優しい韓国人

テレビなどで美味しい肉料理の店と紹介されたことも知らないで、なんとなく良さそうに見えたので飛び込んだ。テーブル席の間を抜けて右側にある座敷席の奥に案内された。左隣で4人が盛り上がっており、座席の間に座った店員が一生懸命調理している。彼を突き飛ばすか、テーブルを跨ぐかしなければ席に辿り着けない。やっと座って他の店員を待ったが来る気配がない。諦めて立ち上がった。
靴を履くと店員が飛んできた。「足が悪いので座敷はきついんだ」と掘り炬燵式でないことを理由に店を出ることを告げると、テーブル席に移ってはどうかと言う。言い訳がきかなくなったので留まる事にした。テーブル席は快適そうだ。

「あなたは韓国の人?」と聞いたら店の経営者も含めて全員が韓国人と言う。お通しが並んだ。キムチはともかく沢庵とキンピラは美味しくない。「ここで作ったの?」と聞いたら買ってきたものとのこと。丁寧な日本語は見事なものだが、妙なところで日本人に迎合する必要はないだろう。

お奨めはカンナ三段バラ肉の鉄板焼き。肉を見てようやくカンナの意味が分かった。カンナで削ったような薄い肉を上手に盛り付けている。冷凍肉であることは明らかだが、見栄えはする。

店員が斜めになった鉄板に肉をきれいに並べて、その上にレタスを乗せた。下の方にはキムチが溶けた肉の脂を待ち構える。テーブル席の方が店員もやりやすいだろう。店員が一旦離れても呼び戻しやすい。裏返した肉も焦げ目がついたところで再び手を上げた。寄って来た店員が食べ方の説明をしてくれた。わかめのように見えたのは行者にんにくだった。

店員が三種類の食べ方を説明してくれる。いなくなれば好き勝手に食べればいい。なかなか美味しい。半分ほど食べたところで手を上げた。キッチンと客席を往復する店員がすぐつかまる。席を替わって本当に良かった。カンナの面影はなく、皿の上でくたびれ果てた格好の肉を店員が鉄板に乗せてくれる。ついでに野いちごのマッコリを頼んであげた。手ぶらで帰らせるのは申し訳ない。
「量が多いので、カンナ三段バラを食べた後で追加注文したらいいですよ」とのアドバイスは良心的だった。ビールとマッコリを数杯飲めば腹も脳もちょうどいい。甘かったけれど野いちごのマッコリも面白かった。
とん豚テジ
東京都新宿区歌舞伎町2-22-8 第八金嶋ビル 1F
03-5292-1391
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2009年12月17日
[農家の台所](新宿三丁目)
この店はなかなかいい

数週間前、飛び込みで行ったら断られたので今度は予約の電話をした。入店時間は1時間毎になっているようだ。エレベーターを降りると左の入り口に案内された。野菜売り場を通ってレストランに入るシステム。思ったとおり女性が多い。銀髪が最年長かと思ったら、奥の座敷におばさまが4人居た。

「初めてですか?」大学生と思われる女性店員が聞く。3,800円、4,800円、5,800円の3コースがあり、それぞれに野菜、魚、肉の比率が4:3:3、6:2:2、10:0:0の3種類あると説明してくれた。銀髪には5,800円の10:0:0、連れには4,800円の4:3:3を選んだ。分け合って食べれば10種類以上の料理が楽しめる。

前菜代わりに食べるのはサラダバーで。好きなものを何度でも取りに行ける。籠に入っているものを取ろうとすると、野菜を切っている女性が生食用の春菊などを盛ってくれた。お代わりを食べ終わったところでコース料理が始まった。下の写真左側が10:0:0、右が4:3:3の料理である。


野菜だけのコースには野菜の天ぷら、コロッケと揚げ物が2種類ある。以前、似たような店で生野菜ばかり食べて閉口したことがある。途中で揚げ物を食べた時の幸福感が忘れられない。農家の台所はよく考えている。我々を担当してくれた女性をつかまえて「美味しいね」と言うと、満面に笑みを浮かべる。アルバイトが料理に自信を持ち、楽しく働いている店が悪いはずがない。


「私の方が美味しいですね」野菜、魚、肉を4:3:3の割合にしたコースはバランスが良く、懐石料理に通じるものがあるので食べやすい。大きな黒い塊がデンと乗っかった銀髪のメインディッシュを見て、連れは勝利を確信したかのようだ。「勝負は下駄を履くまで分からないよ。なぜ野菜尽くしの方が高いか考えなきゃ」と銀髪は余裕である。

銀髪の料理を一口食べて連れが目を剥いた。黒色をしたキャベツは見た目は悪いが、口に含むとトリュフの濃厚な香りが広がる。一口でいいと言ったくせに、半分近く強奪された。

最後はムラサキ米で満腹になった。それでも身体は軽く感じるから不思議だ。翌朝、しっかりお腹が空いて、朝ごはんが美味しかった。しかし空腹感がおさまったのは昼にラーメンを食べた後。焼肉屋が恋しくなった。
農家の台所
東京都新宿区新宿3-5-3 高山ランド会館4F
03-3226-4831
http://www.noukanodaidokoro.com
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2009年12月08日
[でんぱち](新宿歌舞伎町)
創業40年のサービス

お通し、いわしの刺身

「どうだい、俺の鼻はよくきくだろう?」イワシの刺身を美味い、美味いと食べるB氏に対して胸を張った。歌舞伎町を約10分歩いて探し出したのは、狭い階段の上の古臭い店だった。入り口から見て左奥の部屋と12人程度が座れる大テーブルにグループ客がいたが、店内は6分程度の入り。煙たいカウンターを断ると、誰もいない大テーブルの一角を勧められた。
牛タンの塩焼き

「これは固いな」いわしと並ぶ看板料理の牛タンをB氏は気に入らない。「すいません、さんが焼はできません」女性店員が戻って来てすり身関係の料理はできないと言う。さつま揚げ、つみれ汁などの人気料理が既に売り切れでは、店の魅力は半減してしまった。竜田揚げを食べた(写真は撮り忘れました)。
塩焼きのリベンジをやってもらうつもりで牛タンのつみれ鍋を追加した。さらに里芋煮もお願いすると、煮物は時間がかかると言われた。熟慮の末、もろきゅうを頼んだ。料理を待っている間に我々の大テーブルに3人の男たちとカップルが座った。4人席に予約の客、カウンターも一杯になった。人気の店に予約なしで入れたことを喜んだ。
もろきゅう

もろきゅうをつまんでいると、3人組に里芋煮が運ばれて行く。後から来た人たちも複数の料理を手に入れた。B氏がイラついているので日本酒の追加を頼みながら牛タンつみれ鍋を催促した。「今、やっています」と言うので安心した。もろきゅうは食べ終わったが鍋はまだ来ない。縁が欠けた皿をいじくりながら酒を飲んだ。
更に10分程度待った。店員を呼ぶと「すぐ、来ます」と言い残し、去って行った。B氏が立ち上がった。目が釣り上がっている。止むを得ず、銀髪も鞄を持ち上げた。
勘定しながら調理場を覗くと、二つの鍋に素材を盛っている。「出来ている鍋はなさそうだね」と言うと、「一斉にお客様が見えましたので」と答えただけだった。
銀髪の鼻は詰まっていたようなので、次の店はサッサと前を歩くB氏に任せることにした。寒さのせいだけでなく、銀髪の身は縮こまったままだった。
でんぱち
東京都新宿区歌舞伎町1-15-8
03-3200-8003
http://www.denpachi.com/
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2009年11月27日
[とときち](新宿三丁目)
日本酒は旨い!

「ここどう?」と言われて首を傾げた。確か前に嫌だと言われたような気がする。それ以来、通り過ぎるだけだったのに…。ドアを開けると小さな店内は満席のようだ。これ幸いに踵を返すと「店の人に聞いてみたら?」と諦めない。客たちの頭の向こうに誰も居ない2人席が隠れていた。
お通し

ビールを飲みながら料理をオーダーする。お通しを食べ終わったところで日本酒のメニューを見る。27種類もあるとは立派だ。香川の悦凱陣と宮城の白楽星を頼むと「マニアックな日本酒を選びますね」と店主が笑う。「どこでも飲めるものじゃつまらないから」と答えると、「今月のメニューを見てから決めてください」と別のメニューを持って来てくれた。

「袋吊絞りは久し振りですよ」と言いながら埼玉の花陽浴、無濾過の田光(三重)の2種類を頼んだ。どちらもフレッシュな日本酒の味わいがあるはずだ。「田光は岡山の雄町という酒米を使っています」と説明してくれた。日本酒に気を取られてぶり大根を撮り忘れてしまった。下の写真は半分を取り分けたもの。
ぶり大根、かにの湯葉巻き

主人が一升瓶を抱えてやってきた。「これ飲んでみてください」と上喜元を注ぐ。「これは飲んだことがある」と言ったものの、上ランクの酒らしい。再び戻ってきた主人の手にはあるのは上亀元。「あっ!字が違うんで変だなと思ってたんですよね」と言うと「こちらの酒米は亀の尾だから、喜ではなく亀を使っている」とのこと。「亀の翁って酒がありますよね」と問えば、それも亀の尾から来ているらしい。酒談義に花が咲く。
まぐろ葱間焼

「酒が旨すぎて料理が霞んじゃいますよ」と減らず口を叩いたが、なかなかどうして酒の肴も悪くない。「上亀元を一杯」と追加した。焼酎ならともかく日持ちがしない日本酒をこれだけ揃えるのは大したものだ。
日本酒をかっくらって、上機嫌で出て行った3人のおばさんたちと入れ替わり、隣にカップルが座った。「ぼくは熱燗」「私はウーロン杯」と注文しても、主人の表情は笑顔のまま。「俺には出来ないなー」と感心した。
どうしてこんないい店に入らなかったのだろうと不思議だった。店を出て入り口の壁を見上げたら、最初に飛び込んできたのは「うどん」の文字。同じビルにあるうどん屋と勘違いしていたようだ。
粘った連れに感謝した。銀髪より鼻が利くのがしゃくではあったけれど。
魚河岸ごはん 築地とときち
東京都新宿区新宿3-6-13
03-3341-7666
http://www.totokichi.co.jp/
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2009年11月19日
[和味 りん]②(新宿)
旬の魚介類を安く美味しく

今年7月、初めて訪れた時は殆ど飛込みだった。家に戻り、りんのホームページを開いて失敗したと思ったものだ。板長が全国を歩いて信頼できる業者を探し出し、りんの食材は産地から直送されてくる。何が入荷されたのか、板長日記でチェックして行くべきだった。今回は狙いを定めて行った。
前回に比べて店は賑やかだった。天候のせいか客はまばらだが、カウンターにいるカップルの声がやけに大きい。その二人に板長の前の一等席は占拠されていた。我々は前回と同じ若手料理人の前に。2度目になると彼も親しげに接してくれて心地よかった。

割烹らしく付け出しは立派なものが出て来る。もみじだけ残して全て食べ尽くした。刺身は赤イカ、しめ鯖、鯛、金目、さわらの5種類。わさび醤油、ポン酢を用意してくれたが、塩もお願いした。さわらの焼き霜やいかは塩が美味い。松輪の鯖は脂の乗りが抜群だった。

お目当ては板長日記に下関で競り落として空輸されてきたとあった渡り蟹。昔は東京で蟹と言えば渡り蟹のことだったらしいが、今はスパゲティや中華料理以外で食べることは殆どない。ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニなどに押されてしまった感もあるが、漁獲高も減っている。スーパーなどで売られている小型の蟹は中国産の冷凍物。国内産の活き渡り蟹をシンプルに蒸すか茹でて食べさせる店は殆どなくなってしまった。
味噌汁に入れる安価な蟹と思っている人も多いだろうが、上物は一杯一万円近くもする高級品である。これを産地直送ならではの価格でりんは出してくれる。銀髪にとっても約3年前に広島のきっ川で食べて以来の渡り蟹だった。卵もいいが柔らかくて品のいい身が堪らない。

最後に鯛めしと蟹雑炊を一つずつ頼んで分け合った。冷凍技術や流通網の発達は痛し痒しである。東京では渡り蟹を食べることがなくなった。一方ではりんのように地方の市場で早朝に競り落としたものを空輸して、その日の夜に客に出すことも可能になった。文明の利器に振り回されるか、利用するかは使う人の力量次第。何も料理屋に限った話ではない。
今日も板長日記が銀髪を誘惑する。
和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 中田ビルB1
03-3205-7252
http://wami-rin.com
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2009年11月16日
[金燕酒家](新宿歌舞伎町)
四川&西安料理

麻婆豆腐があまりにも有名な四川料理はともかく、西安料理は刀削麺ぐらいしか思い浮かばない。西安が昔は長安と呼ばれていたと聞けば、学校で習ったことを思い出す。中国歴史物が好きな人は一気に親近感が増すだろう。
週半ばなので暇かと思ったらほぼ満席。席に案内されながら店の中を観察する。「オッ!美人がいる」、「アッ!あそこにも」と店をチェックするつもりが客に気をとられてしまった。圧倒的に若い女性が多い。
小龍包、コラーゲン

西安料理を食べに来たはずなのに、火鍋を食べることになった。それでも店の名物の小龍包は外せない。火傷寸前になりながらスープは口の中いっぱいに広がった。
鍋が人気の理由はコラーゲンにあるのだろう。鍋に入れては薄まってしまう。自分の器で溶かした方が無駄がない。半分だけ鍋に放り込んだ。
肉、野菜、餃子

肉は牛と羊のハーフ&ハーフにした。牛肉はしゃぶしゃぶして食べるよりも、煮込んだ方が良さそうだ。スープのエキスを吸った方が味がよくなる。焼餃子や他の点心も美味しそうだが、鍋にも入る餃子のみで我慢した。鍋を食べ終わってから追加を考えてもいいだろう。
鍋、刀削麺

最初はMy唐辛子を入れようかと思った。ところが最後の方になると充分な辛さになった。特に四川料理ならではの山椒の辛さがポイントで、食後感は麻婆豆腐の似ている。
最後は西安料理の代表格、刀削麺を選んだ。麺の太さにバラつきがあるため、初めて食べる連れは戸惑っていた。食感の違いを楽しむ麺だと説明しても麺はツルツルでなければならないと譲らない。麺という名称が誤解を生むのかもしれない。
追加を頼む必要はないぐらいにお腹一杯になった。店長らしき人に「繁昌しているね」と声をかけると、「笑いが止まりませんよ」と正直だ。美女が集まれば、店長はもっと愛嬌を振りまき笑顔になるだろう。、金燕酒家が美女を作るのか、たまたま美女が来ていたのか定かではない。
金燕酒家
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-3207-0970
http://www.kinensyuka.jp/
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2009年11月04日
[ほしくら](新宿歌舞伎町)
柔らかいチキン南蛮

東京にある郷土料理屋で一番多いのはどこだろうか。少なくともここ数年で最も増えたのは宮崎料理屋ではないか。衆院議員選挙で名を落としたとはいえ、東国原知事の影響力は絶大だ。宮崎県外にある店も、宮崎県に税金を納めてもいいのではないか。儲かっていればの話だけれど。
「鶏の唐揚げが滅茶苦茶柔らかいんですよ」と熱心に話すK氏と共に歌舞伎町に行った。カウンターの端、料理人の目の前に座る。「この店いつからあるの?」「もう5年になります」気がつかなかった。
お通し、刺三点盛1680

宮崎地頭鳥が店の自慢。まずはレバー、砂肝、炙りの三点盛を頼んだ。髭の料理人が目の前で肉を切る。わさびをたっぷり皿に持って来て驚いたが、勘違いだった。枝豆をすり潰して胡麻油と塩で味付けしたもの。レバーをこれにつけて食べるとなかなかの出来。レバーだけでなく野菜類をつけても悪くない。いいアイデアだ。
宮崎地ビールを飲んだ後に日本酒を頼んだ。宮崎料理屋の定番は焼酎なので日本酒は1種類しかない。「純米?」と聞くと店員が料理人に伝言ゲーム。料理人が「純米です」と言うのでオーダーした。出てきたのは300ml瓶の生酒。醸造酒だった。
宮崎地鶏もも炭火焼

宮崎料理屋に連れて行かれるのは分かっていたが、歯医者の予約を入れてしまった。歯茎のメインテナンスをした後の宮崎名物に不安が一杯だった。思ったとおりもも焼きは固い。この店のもも焼きは特に固い。銀髪の歯茎が丈夫で助かった。「ちゃんと歯磨きできてますね」歯医者さんに褒められちゃったもんね。
チキン南蛮

K氏の言ったとおり唐揚げは柔らかい。おだてようと思っても料理人は目の前から消えて、入り口の所で手持ち無沙汰にしている。目の前に居れば銀髪のジョークが聞けて楽しいのに。我々の話を邪魔しないように気を遣ったのだろうか。
家に帰ってぐるなびを見ると、オープンしたばかりと書いてある。更新していないのか、料理人の間違いか。ウーン……… まあ、いいか。
ほしくら
東京都新宿区歌舞伎町1-8-4 ベル新宿1F
03-3202-2700
http://www.hoshikura.jp
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2009年10月30日
[楽太朗](新宿三丁目)
おでん風のおでん

伊勢丹近くの路地、小さなビルの地下に降りる入り口は目立たない。扉を開けると思ったよりきれいな店で期待が膨らむ。座ったのはもちろんカウンター。男同士の客や恋人たちでなく、50歳前後のキャリアウーマン風が多いのは珍しい。
お通し、大根おぼろ昆布

以前、予約なしで来て入れなかった。今度は予約と下調べをしっかりした。つみれ、茄子ソーメン、白レバー、評判の料理を頼んだ。お通しが刺身なのも調査済み。すぐに出て来る料理をということで、大根を勧められた。味は期待より上でも下でもない。
地鶏と鮭のつみれ、茄子ソーメン

鮭のつみれは珍しい。崩れやすいためかオーダーを受けてから作る。箸使いに気を抜けないと、口の中でハラリと壊れるのを楽しむ前に落下して砕ける。
料理人が茄子を切るのをじっと見詰める。切っただけで麺のようになるのが不思議だ。特別な茄子かと思ったら、普通の米茄子と聞いて驚いた。桂剥きしてから元の形に成形したと種明かしをしてくれた。片栗粉をまぶして茹でたのだろうか。ところてんのような食感が面白い。
牡蠣豆腐のとろろ掛け、地鶏白レバーの瞬間燻製

我々以外は殆どの人がコース料理を頼んだようだ。牡蠣豆腐がとても美味しそうに見える。カウンターに座っているので「それ、ください」とオーダーは簡単だ。
白レバーはさっさと食べなければ火が通り過ぎてしまう。食べ終わった後もまだ熱い器を欲しくなった。色んな料理に使えそうだ。
牛すじ豆腐、チョコレートムース

「牛すじ豆腐はまだ?」鍋から器に盛るだけと思ったのになかなかやって来ない。おでんが自慢の店だが、鍋の中はカウンターから見えない。大根など限られたおでん種の他は鍋にはスープが満たされているだけのこと。濃厚味噌スープ、薄塩スープの2つの鍋におでん種がぎっしり詰まっているとの先入観は捨てた方が良さそうだ。つみれ同様、豆腐もオーダーを受けてから鍋に入れられたから時間がかかったのだ。
最初に食べた大根が他の名店のような複雑な味ではない理由が分かった。おでん種同士が味を出し、吸収する関係は楽太郎の鍋では起こり得ないのかもしれない。その代わりすぐに壊れるような作りたてのつくねがある。
煮物以外に料理の種類は多い。隣席で食べていた鶏が旨そう。次に来るときは焼き物を試してみよう。
煮炊きや 楽太朗
東京都新宿区新宿3-17-21 新三ビルB1
03-3357-4939
http://www.rakutaro.com/
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2009年10月28日
[マリカ](高田馬場)
ミャンマー料理

覚えやすい日本女性の名前を店名にしたのかと思ったら、マリカとはミャンマー北部カチン地方を流れる「マリ川(カはカチン後で川の意味)」のこと。この店に縁が深いHさんに連れられて、ミャンマー料理を食べに行った。
ミャンマービール、そば焼酎

まずはミャンマーのビールから。そしてミャンマー産そば焼酎「みんがらーば」へ。みんがらーばとはこんにちはの意味。貧困・麻薬撲滅のため日本政府の支援でケシ畑からそば畑へ転換し、玄そばを日本に輸出しているそうだ。そば焼酎は現地で製造されているという。
マリカサラダ、トーフジョー

カチンの家庭サラダはオクラを始め野菜やきのこがタップリ入っている。見た目よりやさしい味だ。揚げ豆腐は日本の豆腐を使ったのかと思ったら、ヒヨコ豆が原料とのこと。日本の納豆のようなものもあると聞くと、なんだか親近感を覚える。
さつま揚げと野菜の和え物、海老と玉ねぎの炒め物

豚肉と青梗菜炒め、さつま揚げ

お茶のサラダ、バナナの葉の魚蒸し

牛ホルモン煮込み、カチンのまぜご飯

ミャンマー風スープ麺、チャーハン

メニューにはタイ料理、中華料理、ベトナム料理などミャンマー以外の料理や店主の創作料理もある。カチンの伝統的な家庭料理も日本人向けの味付けになっているそうだ。店の奥はいつもミャンマー人たちがカラオケに興じているというから、ミャンマー料理本来の味付けを頼めば作ってくれるだろう。
開店してやっと1年が過ぎたばかり。奥さんは銀髪の知り合いによく似ている。遠い、遠い、親戚かもしれない。素朴な話し方と笑顔は昔の日本人のようだ。店主デビッドさん、その妻ロイセンさん、ミャンマーに子供を残し日本で頑張っているその姿は、希望に燃えて働いていた戦後や高度成長期の日本人のイメージに重なる。
異国でとても苦労しているはずだが、二人の笑顔はとてもきれいだ。おいしい料理と笑顔は言葉や習慣の壁を軽々と越えるに違いない。
オリエンタルキッチン マリカ Mali Hka
東京都新宿区高田馬場1-25-29 サンコール3F
03-3207-8114
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2009年10月19日
[上燗屋 富久](新宿3丁目)
これぞ正統おでん居酒屋

若者で賑わう新宿にも、おじさんたちの憩いの居酒屋がある。扉を開けるとすぐのカウンターも奥のテーブル席も赤ら顔のおじさんたちでほぼ一杯。ちょっと異質の我々に皆の目が注がれた気がしたが怯むことはない。人相風体は違ってもこちらだって堂々たるおじさんである。
入り口近くのテレビの前が空いていた。ビールを頼み、肴を頼む前に店の空気を読むことに集中した。すると連れがカウンターの上に置かれた惣菜を食べたいと言う。「何のおひたしですか?」「つゆむらさき」、「あら煮は何の魚」「お刺身に出来なくなった魚いろいろ」おばさんは一見したところ無愛想だが表情は優しい。無頓着な連れのお陰ですんなり店の空気に溶け込めた。
おひたし(つゆむらさき)、アラ煮、博多鱧の天ぷら

福岡に住んでいた頃はさつま揚げのことを天ぷらと呼んでいた。冷蔵庫から取り出したところで思い出した。熱燗にすべきと思ったが、再び連れの意向に引きづられた。純米酒を頼むと大きなペットボトルが出てきたのには驚いた。
おでん(大根、玉子、ロールキャベツ、しらたき、いわしのつみれ)

「からしはよく効くから注意して」と言うくせに、たっぷりのからしを乗っけてくれる。侮って多めにつけると本当によく効く。さすがに看板料理だけあって美味しいおでんだ。追加を頼むと皿を代えて、再びからしをたっぷり乗っけてくれた。淡白なしらたきには余計に効く。咳き込むのをこらえたら、しらたきの切れっぱしが鼻の奥に逃げ込んだ。
大根の皮、のど黒一夜干

おでんに使う大根の皮をキンピラ風に仕上げた料理。安くて量が多い。普通は廃棄するもので高い値段は取らないところが良心的。別の品を頼んでもらった方が儲かるだろうが、おばさんは意に介していないようだ。のど黒を頼むと「生じゃないよ」と注意してくれる。それは承知の上。値段を見れば大きさも想像できた。冷凍庫から取り出したものだけど、充分脂が乗って美味だった。
堂々たるおばさんと、ぼうようとしたおじ(い?)さんの絶妙のコンビ。ちょっと異質な我々一見さんにも優しく接してくれた。先客たちのように常連になり、一人カウンターに座りたくなるような店だった。
上燗屋 富久
東京都新宿区新宿3-12-4
03-3350-6729
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2009年10月15日
[オステリア ヴィンチェロ]④(新宿御苑前)
トリュフがいっぱい

大好きなオステリア・ヴィンチェロ。10月5日、「くりっぱ」さんのヴィンチェロに対するコメントが銀髪の心を揺さぶった。電話をしたら水谷さんの声。「銀髪さんですね」と言われて心が躍った。大通りから半信半疑で選んだ路地はドンピシャリにヴィンチェロの前に。待ってましたとばかりガラスの扉が開いた。
メニューを見ながら水谷さんの説明を聞いた。いつもは自分で料理を選ぶのだが何故か「お任せ」と言ってしまった。そして導かれるように白トリュフの特別コースを。キッチンにオーダーを通して戻ってきた水谷さんが笑いながら言う。「シェフが張り切っていますよ」

ワインも料理と合わせて出て来るから楽チンだ。タラバガニと蒸し鮑を食べた後に秋トリュフがたくさん乗ったサラダが出てきた。卵茸、馬肉のハムなどにかかったバルサミコ酢のドレッシングとワインの相性が抜群。料理と合わさるとワインの味が変わるのが不思議だ。

「大変なことになっています」持って来た料理のことなのか、これから出て来るものなのか、オーナーシェフの斉藤さんが作る料理に水谷さんが驚いている。特選卵と長期熟成のパルメザンチーズのスープに白トリュフがスライスされるとレストラン中に香りが広がった。卵が固まらないようにつきっきりで料理するために、滅多に作らない料理らしい。とんでもなく美味い。

しらすとからすみの塩味が効いたスパゲティにはシェリー酒のような切れ味のあるワイン。お任せでなければ絶対選べない。銀髪の頼みでイタリア地図を見せながらワインの説明してくれる。

「ちょっとシェフは張り切りすぎですよね。大丈夫かしら」水谷さんが苦笑いしている。そんなことはお構いなしに我々はリゾットに大喜び。白トリュフがスライスされる料理と分かっているからだ。絶妙に炊かれた芯が残るイタリア米とチーズ、トリュフ、至福だ。

斉藤さんの友人が獲った野生の鴨は数日経って今まさに食べ頃。首尾よく銀髪の口に入ることになった。しっかりした歯応えながらジューシーだ。珍しい茸、無花果のフライも面白い。輸入してから数年、飲み頃になったトスカーナ産の赤ワインも料理を引き立てる。

甘いものを食べて、デザートワインを飲んで、満足満足。勘定を払って席を立つと斉藤さんがキッチンカウンターに頬杖を突いてニヤリと笑った。「美味しかったですよ」こちらも笑みを返す。
フランス料理で煮込みなどに使われるのは黒トリュフでフランス産が多い。一方パスタ、リゾット、サラダなどの上にスライスする白トリュフはイタリアが主産地で、黒トリュフの3倍ぐらいの値段がする。インターネット上では1グラム当たり黒が420円、白が1,320円で売られていた。スタッフが料理を運びながら驚き、呆れ、嘆息する理由がよく分かった。
本当にラッキーな日だった。いくつかの条件が整わなければこれほどの幸福には巡り合えない。道を間違えず、料理はお任せにした。週の初めで珍しく客の入りが少なかった。そのためシェフがじっくり調理できた。スタッフも丁寧に応対する時間があった。厳選素材が整い、食べ頃だった。シェフの体調や機嫌が良かった。まあ、そんなところだろうか。そうそう、銀髪の日頃の行いが良かったことも忘れてはならない。
信じる神はいないけれど、今日たまたま銀髪を見ていた神に感謝した。どんな神様か知らないけれど、できれば女神がいいな。
オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967
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2009年09月24日
[麓屋](新宿西口)
なんでもあり。新感覚の蕎麦屋さん

京王プラザホテル正面のドアを入ったところで年配のホテルマンに声をかけた。「麓屋へはどうやって行くのですか?」彼はすぐさまベルボーイを呼んで、我々を案内するように指図した。さすが一流ホテル。エスカレーターを降り、一度ホテルを出て、店の中まで連れて行ってくれた。日本でもチップをあげるべきだったかもしれない。
テーブル上に銀髪の名を記したネームプレートが置かれていた。蕎麦屋とは思えないような雰囲気、アレンジ、なかなか洒落ている。若い店員がプロフェッショナルに見えないのがご愛嬌か。面白そうな料理を注文しようとすると「それは量が少ないからやめた方がいいですよ」とアドバイスしてくれる。
本日の燻製盛合せ、海の幸 にぎやかサラダ

燻製に合わせてワインを飲むことにした。グラスにたっぷり注いでくれるのが嬉しい。追加オーダーを店員に告げているところにサラダがやってきた。若い店員がしきりに奨めてくれた理由がよく分かった。追加オーダーをキャンセルしようとしたが、そのまま通すことにした。よく見ると野菜が海の幸を持ち上げている。
フランス産チーズと蕎麦粉パンのメルバ添え、豚のスペアリブ麓屋風

白ワインの次に純米酒を頼んだ。料理が和洋折中なので飲み物もルールを無視した。スペアリブが出てきて最後にチーズのつもりだったが意表を突かれた。幸いスペアリブもほぼ同時にやってきたのでチーズは横に置いた。ペースを乱されたため写真を撮り忘れ、スペアリブを動かしてしまった。もっときれいに盛り付けられていたのでご容赦を。柔らかくてなかなか美味しかった。
チーズの説明はしてくれなかった。銀髪も説明を求めることはしないで、赤ワインをオーダーした。ビール→白ワイン→日本酒→赤ワインと進んだのでちょっと酔った。最後にそばを食べる気持ちは萎えていた。
ホームページには「固定概念にとらわれず、和・洋・中の素材と技法を大胆に組みあわせ、麓屋流とでもいうべき新感覚の料理をお出ししてまいります。」とある。料理だけでなく酒の品揃えや高級そうでカジュアルなサービスまでも新感覚。一流ホテル直営のレストランと異なり、ちょっと抜けているのが気分を楽にさせてくれる。そこまで意図していないかもしれないが、なかなか面白い店だった。
麓屋
東京都新宿区西新宿2-2-1 京王プラザ1F
03-3344-2885
http://www.fumotoya.com/
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2009年09月11日
[マラコー](新宿歌舞伎町)
料理は美味しいけれど

丸の内のマンゴツリーのお陰で本物のタイ料理が食べたくなった。口コミで評判がいいマラコーを選んだ。しかし、あまりの落差に店の前で立ちすくんでしまった。テーブルは安っぽい場末のクラブ風で、ビニール地の椅子に男が一人寝そべってテレビを見ていた。天井にはミラーボールが回っている。店を間違ったと思って踵を返したが、思い直して店内に戻り若い女性に声をかけた。「ここはタイ料理の店ですよね?」
トムヤンクン

写真付きのメニューは立派なものだった。種類も豊富で、値段はちょっと高めに見える。店の格からして値段相応に量が多いと判断した。一品ずつ頼んだ方が無難だ。思ったとおり2,000円のトムヤンクンは4人で食べても何杯もお代わりできる。すこし控えめにしてもらったにもかかわらず、しっかり辛い。味はマンゴツリーよりずっと上だ。
タイ風さつま揚げ

だんだん事情が飲み込めてきた。12時を過ぎると歌舞伎町で働くタイ人女性たちの憩いの場になるのだろう。カラオケ代無料で歌って踊ってタイ料理を食べる。味が本場と変わらないのは当たり前だ。
なまず

店に慣れたらいたずら心が首をもたげてきた。連れに内緒でなまず料理を頼んだ。タイ産ならば大きくてただの白身にしか見えなかったかもしれないが、小さな台湾産だったので失敗した。なまずと目が合ったとか難癖をつけて食べようとしない。上手に料理されているのに、仕方なく銀髪が全部食べた。
汁ビーフン

〆は麺を食べることにした。連れは具をつまんだり、麺を引きずり出したり、入念にチェックしている。銀髪が信用できないらしい。一口食べて考えて、ようやく食べるスピードが増した。ホッとした表情を見て大いに笑った。干し海老とピーナツの風味が豊かで美味しかった。
食べ終わった9時前でも客は誰も来なかった。料理はとても美味かった。しかし、余程タイ通の日本人でなければ来たがらないだろう。女性を口説くために連れて行くのは止めた方がいい。これまでの努力が無駄になるかもしれない。
マラコー
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12 AK会館ビルB1
03-3200-1759
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2009年09月02日
[レストラン カナル](新宿)
小さなフランス家庭料理の店

狭い階段を下りると壁にびっしりとワインのラベルが貼ってある。最近見つけた店は思ったよりも歴史があるのかもしれない。店内のボードを見上げると15周年の感謝の言葉が書かれていた。週の初め&悪天候のせいか客は我々だけ。4人掛けのテーブルにゆったりと座り、メニューを開いた。
「お奨めはなんですか?」と女性店員に聞いた。「ずっとメニューにあるのは鴨の料理です。店名のカナルはフランス語で鴨のことなんですよ」と言われた。2品ある鴨料理の中から鴨のテリーヌを選んだ。これで一品決まり。もう一つは本日のシェフきまぐれサラダにした。

「メインはすずきのパイ包み焼き。もう一品頼んだ方がいいですか?」と助けを求めると、「お腹が空いているなら、3,000円のカナルディナーの方がお徳ですよ」と言う。オードブル、メイン、デザートをメニューから1品ずつ選ぶブリフィックスだが、多くの料理は割増料が必要なので5,000円程度になりそうだ。デザートを食べない銀髪にはアラカルトの方が徳だ。クスクス 仔羊とピリ辛ソーセージのソースを加えた。

「二人で分けて食べますから」と言ったにもかかわらず、料理は二品ずつ運ばれてきた。看板に「フランス人シェフの店」と書いてあったような気がしたが、日本人の若い女性が接客と料理を一人でこなしている。それでもサービスはフランス人の影響が強いのかもしれない。分け合って食べるのは日本人ぐらいのものだ。
グラスワインは赤白一種類ずつで、ハウスワインにしては800円は高そうに思えたが、なみなみと注いでくれるので文句はない。「フランス人のオーナーシェフは休みなの?」と聞いたら、今は日本人の奥様に店を任せて別の仕事をしているとのこと。その奥様も悪天候を理由に今日は休み。「休めばよかったのにと言われたんですけど、お客様が来てくれて嬉しいです」と笑った。
愛想のない女性と思っていたが、話し込んでいる我々に気を遣っていたようだ。「お店を開けていて良かったです」と笑顔を見せてくれたらこちらも嬉しくなる。食後の飲み物もサービスしてくれたのでゲストブックにしっかりと名前を書いてしまった。
目だないところにある小さなレストラン。こんなところにも頑張っている人が居る。
フランス家庭料理 レストラン カナル
東京都新宿区新宿5-17-6
03-3200-0706
http://canard.its.ac
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2009年08月26日
[やき龍](新宿三丁目)
なかなか美味しい焼き鳥屋

伊勢丹近くの人気店に予約なしで行ったが、やはり無謀だった。あっさり跳ね返されたものの、予想していたのでショックはない。近くのビルにかけられた「紀州備長炭使用」と書かれた板を見てやき龍に入ることにした。
カウンターに座ろうとしたら「奥のテーブルも空いてますよ」と親切だ。4人掛けのテーブルに二人で座れるのも客の入りが悪いおかげ。ちょっと不安な気持ちもあるが、紀州備長炭を使う店でハズレは殆どないとの持論は揺らがない。
お通し、つくね

お通しが500円、看板料理のつくねが1本400円とちょっと高いのが客の入りに影響しているのかもしれない。つくね以外は300円で、1本でもオーダー出切るから有難い。「つくねは是非1本ずつ食べて欲しい」と言われたので2本頼んだが、後は1本ずつ頼んで二人で分けた。
ぺた、すきみ、ねぎま、ぶつ、レバー

呼び名が違って戸惑った。ぺたはぼんじり、すきみはせせりのようだ。ぶつは足の付け根のところの肉で、噛み応えがある割りにジューシーで美味だった。
トマト、銀杏、砂肝、はつ、鴨アスパラ

焼き物以外の料理はそれほど多くはない。焼鳥屋だと割り切れば、野菜類も串焼きで食べれば充分ということになる。
みちほる、しいたけ

焼鳥はタレの旨さを強調する店が減って、塩焼き全盛の時代になった。そのためか、薬味に柚子胡椒を使う店が多い。やき龍では柚子胡椒ではなくかんずりを置いている。結構辛いので、My唐辛子を使わないで済んだ。
仕方なく入った店だったが、やき龍は悪くなかった。何よりの収穫は店員の応対が良かったこと。帰り際に「正社員なの?」と尋ねたら「アルバイトです」と言うので感心した。ホームページを見ると、社長の信念は「企業は人なり」とある。たまたまいいアルバイト学生に当たった気もしないではないが、社長の信念が行き渡っているとしたら大したものである。
やき龍
東京都新宿区3-17-21 川元ビル2F
03-5312-7244
http://www.yakitatsu.com/
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2009年08月21日
[しょう田](新宿歌舞伎町)
常連さんになりたいお店

狭くて急な階段を上り終え、窓ガラス越しに店内を覗きこんだ。思ったより小さな店で満席のようだ。踵を返したところで、扉が開いた。「どうぞ、テーブルを片付けますから」と招じ入れられた。そのテーブルの客はトイレにでも行っているのかと思ったが、銀髪と入れ違いに帰って行ったようだ。
部屋を見回したが居酒屋らしい料理の短冊は貼っていない。取りあえずビールを頼んだ。メニューを探すがテーブルには置いていない。店の人はお通しの枝豆ともろきゅうを置いていった後は、他の客の世話で忙しそうだ。大きな店では気にならないが、小さな店では雰囲気に溶け込むまで時間がかかる。

枝豆は香りが高くて美味しかった。もろみも悪くない。ビールがなくなりそうなところでタイミングのつかみ方が分かってきた。声をかけると他のテーブルの上で遊んでいたメニューを持って来てくれた。

「かぐらなんばんって何ですか?」南蛮はとうがらしのこと。ピーマンの形をした青唐のようなものだ。長岡野菜として栽培されているらしい。栃尾の油揚げもあるので、女将さんは新潟出身に違いない。

「辛いから気をつけてくださいね」とかぐらなんばんを置いていった娘がとても可愛い。銀髪が食べたものは何ともなかったが、連れが食べて顔をしかめる。慌てて水を持って来てもらう。楽しくなってきた。人の不幸は蜜の味。
ボクサーの後援会のメンバーたちだろうか、壁にはポスターが貼られている。客の半分以上は常連さんのようだ。新たに客が入って来ると、席を譲り合ったり、勘定を払って帰る優しい人たちだ。客たちの向こうに目を飛ばすと、調理場にもう一人可愛い娘が見える。一段落して調理場から出てきた女将さんを見ると若い頃はかなりの美人だったと想像できた。

ゴーヤチャンプルを食べて勘定を払ったところで、サービスの茄子ときゅうりの塩もみが出てきた。これがなかなかのものだった。それにしても女将はともかく、若い二人の娘たちが可愛い。むくつけき常連さんたち(失礼)が優しいのも分かるような気がする。
「気をつけてくださいね」急な階段を下りる我々を気遣いながら女将がお見送りをしてくれた。常連になったら、とても気持ちよく寛げる店だろう。美人姉妹が巣立ってしまわないことを祈るばかりだ。
酒席 しょう田
東京都新宿区歌舞伎町1-11-7 2階
03-3209-6606
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2009年08月07日
[ニューヨーク・グリル](西新宿)
良くも悪くもアメリカン

エレベーターを降りると息を飲むような夜景が広がった。10年以上も前、最初に来たときの感動が甦る。それ以来、ニューヨーク・バーでは何度も食事をしたが、グリルの方は一度しか行っていない。いつも、予約なしだったためだ。ところが今回は飛び込みでも難なく入れた。
最初のときに懲りたのでコースは絶対に頼まない。量が多すぎる。メインを決めて店員を呼んだ。アドバイスを受けて前菜はミックスリーフサラダにした。二人で一皿で充分だろう。「サイドディッシュは必要かな?」と聞いたら、「足りなければ追加されればいかがですか」と言う。いいアドバイスだ。気に入った。
パン、サラダ

大きなパンが出てきた。もちろん全部食べると他の料理に差し障りがある。店員がサラダを二つ持って来た。怪訝そうな我々を「2皿に分けて持って来ました」と安心させた。分かっていても、これが半分の量とは驚かせてくれる。鴨肉のスモークとゴートチーズ、ローストしたナッツが香ばしくて美味しい。
窓際のカップル席はほぼ埋まっているが、我々の周辺は閑散としている。オープンキッチンではシェフたちが4人集まって談笑している。週の初めとはいえ、以前にはなかった光景だ。かつて高級ホテルの主だった外国人ビジネスマンの姿が見えない。
黒ムツのグリル

牛リブアイ・豚フィレ・仔羊のプロシェット

メインも予想したより量が多い。良くも悪くもアメリカンである。しかし、これでも現地と比べればかなり控えめな量だ。量を減らして値段を下げてもらった方が有難いが、外国人客が多いニューヨーク・グリルではアメリカ的な量の多さもアピールポイントなのだろう。質よりも量が優先されるのがアメリカらしい。
オーストラリアに駐在していたときは、前菜を2品頼んで一つをメインの代わりにしたり、メイン料理を前菜サイズにしてもらうことが多かった。ニューヨーク・グリルでもそのような食べ方が日本人には適当だろう。
バーの方から生バンドの音が聞こえてくる。グリルで聞くとうるさくなく、ちょうどいい音量だ。何事も適度というものがある。空席が目立つフロアは店にとっては不満でも、我々には居心地がいい。
少食のカップルならサラダとプロシェットを一つずつ、サイドディッシュを一品、これらを分け合って食べるのが適量だ。最後にデザートを食べる余裕ができるだろう。静かなニューヨーク・グリルでゆっくり流れる時間を楽しむがいい。
ニューヨーク・グリル
東京都新宿区西新宿3-7-1 パークハイアット東京52F
03-5323-3458
http://www.parkhyatttokyo.com/Facility/Restaurant/newyorkgrill.html
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2009年08月04日
[カルミネ エドキャノ](荒木町)
オーナーはどこに行ったの?

「何がお奨めなの?」と男性店員に聞くと「何がお好みですか?」と逆に質問された。自分でルッコラと生ハムのサラダを決めた。さらに悩んでいると女性店員が来て「いろいろ入っているので前菜の盛合せはいかがですか?」と勧めてくれた。料理が決まってホッとした。

パンが3種類とピザを割ったものが出てきた。温かくはないが塩っぱくてビールに良く合う。次にワインを飲もうと思ったがグラスワインはシチリア産の白と赤の一種類ずつしかない。自家農園のワイナリーを持っているとホームページで見て期待して来たけれど、グラスで飲む客は恩恵を受けられない。
前菜盛合せ、ルッコラと生ハムのサラダ

前菜が出てきて絶句した。これにも生ハムが乗っている。サラダの生ハムとかぶってしまったではないか。奨めてくれたことを喜んだのを後悔した。店員は料理の説明もせずに立ち去った。前菜を食べ終わる前にサラダが出てきた。極めてシンプルなサラダで恐れたとおり生ハムが存在感タップリである。
本日の魚

魚は鯛が一種類のみ。味は悪くない。グラスの赤ワインは軽そうなので魚にも合うかもしれない。「ぶどうの種類は何なの?」と聞いたら店員は首を傾げた。840円のワインの素性をしつこく聞く必要もないのでこちらが笑ってごまかした。値段はそれほどでもないが、やけ酒にするほど量は多くはない。
デザート

料理はどれもボリュームがあるのでお腹はほぼ一杯になった。あらかじめパスタなどを頼まなくて良かった。
トイレに行くために階段を上った。宴会をやっている客の声が賑やかである。2階は1階よりも日本家屋の雰囲気がよく出ている。古い日本家屋でイタリアンという粋なコンセプト。オーナーのカルミネさんが気に入ったのも理解できる。
カルミネさんは有名人らしい。日本に来て多店舗展開するほど成功している。ホームページもなかなかの出来栄えである。しかし、カルミネさんの情熱はこの店からは消えてしまったようだ。彼はどの店に行ってしまったのだろうか。
カルミネ エドキャノ
東京都新宿区荒木町9-13
03-3225-6767
http://www.carmine.jp/
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2009年07月28日
[オステリア ウーゴ](新宿三丁目)
ワインを飲みに行こう

「今日はワインを飲みに行こう!」と決めてから店を探した。条件はグラス売りが10種類程度あり、それなりのレベルのワインが置いてあること。これまで行ったことがある店を除外すると、店は限られる。その中からオステリア ウーゴを選んだ。
先客は若い女性が2人だけ。店の男性(乾さん)と親しげに話している。会話が途切れたところを見計らって、オーダーする。まずビール、そして白ワインを頼む。
アサリ・ムール貝・地ハマグリの白ワイン蒸し、自家製パン

大好物の貝の白ワイン蒸し。キッチンで2つに分けて持って来てくれた。シンプルな料理だが実に美味しい。自家製のパンはそのままでもいいが、スープを吸わせるともっと美味しい。
「お好みを言っていただければメニューにないワインもお出しできます」と言われて、すかさず「安くて美味しいやつ」と応える。馬鹿の一つ覚えだ。イタリアワインの店かと思っていたが、オーストラリアワインが出てきた。ラベルを見るとメルボルンに住んでいたとき、娘が通っていた小学校の本校があるGeelong産である。「Geelong Grammar School はチャールズ皇太子が通った学校だよ」と知ったかぶりをする。乾さんが素直に感心してくれる。いい気分だ。
トリッパ・センマイ・ギアラの赤ワイントマト煮込み、キンメダイの香草焼き

「重めの赤ワインでキンメダイにも合うやつを」と最後のワインを頼んだ。ソービニオンブラン、シャルドネ、メルロー、ピノノワール、カベルネソービニオンと進んできた。タップリ注いでくれるので大分酔ってしまった。
チーズの盛合せ

「なかなかいい店だね」と褒めたら乾さんが「8月一杯で閉店になります」と言う。それにしては意外と明るく悲しそうではない。27才の若いシェフも話に入ってきた。「店長と3人で市ヶ谷の近くに店を開くんですよ」と続けるので合点がいった。「オープンしたら必ず教えてね」と銀髪の名刺を渡した。
オープンは10月頃かな。今から期待と不安が一杯に違いない。どんな店が出来るだろうか。銀髪にとっても、すごーく楽しみである。
オステリア ウーゴ
東京都新宿区新宿3-7-5 一兆ビル2F
03-3350-2335
http://www.osteriaugo.com
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2009年07月22日
[王ろじ](新宿三丁目)
とんかつの名付け親

とんかつが銀座の煉瓦亭で初めて出されたのが明治32年(1899年)。しかし名前はポークカツレツだった。王ろじは発明者ではなく名付け親だという。名付け親については元祖を名乗る店が他にもあるようだが、大正10年(1921年)創業で、商標登録までしているとあっては素直に聞いてもいいだろう。
とんかつ

王ろじのとんかつは普通のとんかつとちょっと違う。ロース肉を重ね合わせて丸く成形し、約12分かけてじっくり揚げる。ポークカツレツが世に出て30年以上経ち、特徴のあるものを作り出す必要があったのかもしれない。独自のものにはポークカツレツとは違う名称が必要だった。そこでとんかつと名付けた。銀髪の勝手な推理である。
とん丼

一番人気はとん丼だそうだ。カツカレーをとん丼と称する。カツカレーの元祖は銀座のグリルスイスで1948年に巨人軍の千葉茂があみ出したと言われる。ポークカツをとんかつにしたのと同様に、カツカレーをとん丼と名付けたのはいかにも王ろじらしい。とん汁に入っているのはベーコンのようだ。これは王ろじ風。漬物は王ろじ漬け。自己主張が立派だ。
王ろじ漬け、とん汁

煉瓦亭、グリルスイス、ヨーロッパ軒(大正2年創業、福井のソースカツ丼屋)そして王ろじ。老舗のとんかつには共通点がある。衣が薄くてカリッと揚げてあることだ。最近では生パン粉を使ったふんわりとした食感のとんかつが多くなった。油っぽくてどうも好きになれない。バターやミルクをタップリ使った生パン粉は味もカロリーも肉と競争してしまう。
ドアを開けて女子高生が入って来た。オウ!女子高生にも人気なのかと思ったら、カウンターに座る銀髪の後ろを通ってさっさと2階に上がってしまった。店のおばさんの声が女子高生を追いかける。2階は住居になっているようだ。新宿通りからちょっと入っただけなのに、なんともアットホームな店があったものだ。
カリッとした衣がいい。下町の食堂のような雰囲気も悪くない。気に入った。
王ろじ
東京都新宿区新宿3-17-21
03-3352-1037
煉瓦亭
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/05/post_560.html
グリルスイス
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/05/post_559.html
ヨーロッパ軒
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/03/post_1177.html
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2009年07月14日
[和味 りん](新宿)
繁華街の外れにある落ち着いた日本料理店

入り口に立つと、どのレベルの店かだいたい分かる。りんは店の前を通る度に気になっていた。しかし階段を下りるのはそれなりに勇気がいる。たまたま雑誌で紹介記事を見て、行く決心をした。電話をかけると女性の応対が素晴らしい。いい店であることは決まったようなものだ。
カウンターに座りメニューを見ると、目移りして何を食べたらいいか決まらない。目の前で立派な型の鮎が焼かれている。「どこの鮎ですか?」と聞くと、目の前の若い板さんが「岡山です」と答える。すぐに板長らしき人が「養殖です」と付け加えた。さすが板長、こちらの聞きたいことがよく解ってらっしゃる。
付け出し、刺身盛合せ

鮎は要予約で個室の客に運ばれて行った。メニューの「本日のお造り」には各魚の産地が書き添えられている。もちろん天然物でブランド魚も多い。「少しずつ盛り合わせましょうか?」と女性店員。電話の彼女に違いない。城下かれい(大分)、かつお(気仙沼)、あかいか(萩)、しめ鯖(松輪)、あおやぎ(北海道)。二人で分けやすいように4切れずつ。付け出し、刺身、どれも美味しくてとても順調だ。
はも木の芽焼き、豚角煮和風ブイヨン仕立て

シャリッ、シャリッ、シャリッ!鱧の骨切りは何度聞いてもリズミカルで美しい。この調べで不味いはずがない。和風だしの角煮もなかなかのもんだ。
料理や日本酒を頼むと後ろに立つ若い店員がきれいに動く。アルバイトのようだがよく教育されている。電話をしたときに受けた女性の印象は、全ての店員にも当てはまる。
「飲んだことがない酒ばかりですね」と言うと、板長が「酒屋さんが奨めてくれるので」と正直だ。目利きが出来る料理人も立派だが、プロ同士の信頼も重要だ。
はものにゅうめん、白玉ぜんざい

はもそうめんと勘違いしたが、料理の流れを見て気がついた。鱧でだしをとった上品な味で、吸物のように全部飲み干した。白玉ぜんざいも酒呑みでも嫌にならない甘さだった。
帰ってホームページを見たらオーナーは飲食店とはまったく違う業種で驚いた。板さんの名刺を見ると店長となっているが、ブログも書いているので実質的にはりんの経営者のようなものだろう。女性店員も雇われ従業員とのこと。銀座の「おぐ羅」「京ふじ」「バードランド」など従業員の電話応対がいい店はどれも素晴らしい店である。
新宿では貴重な落ち着いた大人の店。それでいて銀座ほど高くないので若者も行ける。贔屓にしたい店である。
和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 地下1階
03-3205-7252
http://www.wami-rin.com
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2009年07月08日
[ブラックホール]②(新宿歌舞伎町)
顧客第一の姿勢が素晴らしい

前回(→「ブラックホール」)少人数向けのハーフサイズが3切れでは2人で譲り合いして面倒だと書いたら、早速4切れに改善するとのコメントを店から頂いた。これは行かねばならない。
予約をしないで行ったので、店に入ってしばらく不安な思いで待った。本日供される和牛の識別番号が書いてある黒板に目が止まった。待たされる時間も悪くない。
「〇番テーブルへ」とマネジャーが店員に告げたのでホッとした。見える範囲のテーブルはすべて埋まっている。

野菜サラダを頼もうとしたら、「お通しにキャベツが出ますけどよろしいですか」と親切だ。代わりにナムルを頼む。前回気付かなかった識別番号や店員の態度、すべてが良く見えるから不思議だ。

レバ刺しと前回食べなかった薬味のネギを頼む。数種類の薬味もブラックホールならではのものだ。出てきた料理を片付けながら、ハーフサイズの皿が出て来るのが待ち遠しくてしょうがない。期待しながらも不安も残る。ワクワク、そわそわしている銀髪を連れが面白がる。

待ちに待ったハーフサイズがやって来た。上タンも上カルビもちゃんと4枚ある。質も落ちてないようだ。感激した。本当にやってくれたのだ。大したものだ。銀髪のせいでコストが上がったのではないかと心配になった。でも嬉しい。嬉々としている銀髪を連れが茶化す。

ホルモンの盛合せを持って来た若い女性に「上の人に銀髪が来てると伝えてくれる?」と言った。キョトンとしているので「そう言えば誰か分かると思うよ」と付け加えた。しばらくして店長がやってきた。隣席の女性3人のグループが不思議そうにこちらを見ている。最初は銀髪が何か文句を言ったので店長が来たと思ったのかもしれないが、二人の嬉しそうな顔を見て謎が深まったに違いない。
銀髪が疑問視した一皿3切れは、奇数が常識のベテラン料理人からしたら当然のことだったようだ。まして死につながる4はタブーなのだろう。随分と議論した結果、客の利便性を優先させることにしたと聞いて、ますます感心した。
ぼちぼち帰ろうかと思っているときに、再び店長がやってきた。7月1日にオープンしたばかりのブラックホール2を見に行くので、もう一度挨拶に来てくれたのだ。彼が去った後、今度はマネジャーと名刺交換した。
店を出た後も銀髪の興奮は収まらない。5月に1号店がオープンしたばかりなのに、早くも2号店をオープンした。きっと成功する。いや、成功して欲しいと心から思う。
和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com
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2009年06月30日
[サニーサイド](新宿三丁目)
気楽なカフェバー

薄暗い店内はカップル向けのカフェといったところだろうか。案内された奥の小さなテーブル席に素直に座ろうとしたら、別の店員が広い方を勧めてくれた。マニュアル通り、無理矢理詰め込もうとしないのが気に入った。まだゆったりできる時間帯だ。
レバーパテ

店員がテーブルに置くときに転げ落ちてしまったパン。彼はそれを気付かずに去っていった。やっぱりおおらかな店だ。パテがなかなか美味しい。
ロメインレタスのサラダ あつあつのブルーチーズをかけて

溶けて熱々のブルーチーズをレタスにかける。想像したとおり、なかなかのお味。サービスは行き届かないカフェだが、料理は悪くない。
トリッパのアラビアータ煮込み

ビールから白ワインに、そして赤ワインへと順調に進んでいく。グラスで飲めるワインの選択肢が限られるが、気にしない。トリッパも水準に達しているのだから。
パルマ産プロシュートと青唐辛子のぺペロンチーノ

真正面に見える席に若い女性2人が座った。大きな生ビールを飲みながら、豪快に煙草をくゆらしている。アホ面で鑑賞している白髪じじいはまったく気にならないようだ。
左横の席も、その隣の席も女性だけの二人連れ。雰囲気も料理も悪くないので若い女性が気に入るのも理解できる。
腹一杯になったので勘定を頼んだ。席を立って見回すと、やはり女性が圧倒的に多い。それが店の雰囲気を優しくしているのかもしれない。気が利かない店員たちも邪気がなさそうで怒る気にならない。緊張感なく寛げる雰囲気を作る戦略だとしたら、大したものである。
サニーサイド
東京都新宿区新宿3-28-7 キーストン1F
03-3350-6860
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2009年06月23日
[ブラックホール](新宿歌舞伎町)
焼肉激戦区の歌舞伎町に出来た新店

新宿区役所通り沿いにモダンな店が出来たのは今年の5月頃。外観と同様に名前も焼肉屋らしくない。一度はまったら抜け出せない旨さということから名付けたらしい。他にもたくさんの焼肉屋、韓国料理屋がある歌舞伎町ではそれなりの特徴がなければ生き残れない。
店内は広々としており近隣の焼肉屋とは雰囲気が異なる。お通しは山盛りのキャベツの千切りで、とんかつ屋さんみたいだ。定石どおりまずは上タンからスタートした。
キャベツ、上タン

レギュラーサイズの他に多種類の部位を食べたい少人数向けの小皿があるのが嬉しい。まずはいい肉から食べてみよう。
上ハラミ、上ロース

少量なのはいいが、三切れずつというのが解せない。小皿を頼むのは2人連れが殆どだろうから、四切れを一皿とすべきだ。毎回譲り合うのは疲れる。
切り落としタン、ゲタカルビ

切り落としはタンにも色々種類があることが分かって興味深かった。ゲタカルビも同様に面白かった。他にも色んな部位がある。盛合せを頼んだ方が賢いかもしれない。
塩焼きを楽しむためにネギなど付け合せも豊富である。しかし、そのことを知ったのは家に帰ってホームページを開いてから。食べるその場で説明してくれれば、もっと違った楽しみ方が出来ただろう。メニューを読まない方が悪いのは分かっているけれど。
新宿では元横綱若乃花・お兄ちゃんの韓国焼肉料理屋も閉店してしまった。激戦区で戦うだけの武器は取り揃えたかもしれないが、精鋭の兵隊(店員)が育つかどうかは未知数である。隊長や下士官たちの頑張りに期待したいものだ。
和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com
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2009年06月15日
[寿司清]②(新宿)
やっぱり楽しくリーズナブルな寿司屋

3年振りにやってきた。あの時はカウンターのど真ん中に座ったが、今日はコーナーの端っこ。見える魚は限られるし、目の前の板さん以外は後ろ頭しか見えない。
お通し(フカヒレ軟骨)、ウニ

「きれいなウニだねー。洗った後に並べたの?」板さんに最初に声をかけるときは、銀髪といえども少し緊張する。「いいえ、普通に洗っただけです」おそらく向こうの方が緊張しているだろう。胸の名札で大場さんとは分かったが、笑顔を引き出すタイミングは難しい。
ミズイカ、イサキ、カレイ、アジ、イワシ

取りあえず目の前にある魚の中から刺身を造ってもらった。「イワシは酢につけてあるの?」一口食べて質問する。「サッと酢にくぐらせてあります。アジも一緒ですよ」と答える。アジは身が厚いので分からなかった。なかなか話は膨らまない。
トリガイ、アカガイ、アナゴ

江戸前にこだわる高級店ではアナゴの白焼きを頼むと「うちのアナゴは全部煮てますから」とムッとされる。大衆的な寿司清は堂々と本日のお奨めに掲げているのが嬉しい。
キンメ、ホウボウ、白エビ、トロ

左隣に若い女性2人が座った。我々に背を向けていた板さんが彼女たちの前に立ち、魚の名前をスラスラと言う。名札を見たら副店長の小月さん。「あいつだ!」3年前相手をしてくれた板さんをやっと見つけた。
「あのおじいさんは最近も来ているの?」と声をかけた。「しばらく来ないですね」と言いながら、怪訝そうに銀髪を見る。若い女性たちから小月さんを奪い取ってしまった。90歳を超えてさすがに前のように来られなくなった老人の話で盛り上がる。
突然「あの日も殻つきのウニを食べた!」と連れが口を挟む。まったく蛍光灯である。老人の話が出るまでこの店に初めて来たと思っていたというから恐れ入る。いつの間にか大場さんも打ち解けて会話を盛り上げている。笑うと年齢相応に若く見えるから楽しい。たくさん笑って勘定の時間になった。「小月さん、また3年後に会おうね!」と言って最後の笑いを誘った。
寿司清
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館3F
03-5366-8830
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2009年06月08日
[MARUGO GRANDE](新宿三丁目)
立ち飲み感覚ワインバー

新宿末広亭の通りを歩いていたら大きなガラスドアの向こうにたくさんのワインが並ぶ店を見つけた。「あっ!これがMARUGOか!」こんな大きな店が以前見つからなかったのが不思議だ。この界隈は狭い路地がごちゃごちゃしている。探しているうちに他の面白そうな店に入ってしまったことを思い出した。
窓際のカウンターに座りワインメニューを見る。グラスでスパークリングワインが2、白ワインが7、赤ワインが9種類ある。どんなに見栄を張っても1000円なのが嬉しい。
マルゴ風サラダ、ピアディーナ・トリッパの煮込みソース

店の名前を冠したサラダがあれば必ず頼むことにしている。「どこがマルゴ風なの?」と聞いたが、店員はワインの知識で頭が一杯のようだ。メニューにピアディーナという聞き慣れないものがある。イタリアの薄焼きパンとのこと。上に乗せる具は5種類の中から定番のトリッパを選んだ。なかなか美味しい。
アスパラソバージュのフリット、スパゲティ

細いアスパラのようだが別種のものらしい。ヘアスタイルから想像したものと当たらずとも遠からず。ちょっとネットリして美味しい天ぷらだった。
「オリーブオイルを多めにね」と注文したのが駿河湾しらすと万願寺唐辛子のサフランを練り込んだタリオリーニ。いい感じだ。
メインを頼んでないのを思い出した。しかし、これから肉を焼くのは時間がかかりそうだ。ワインは白から赤に変わっている。たまには甘いものでも頼んでみよう。甘過ぎないチョコレート、レアチーズケーキがあったのは幸いだった。銀髪が食べられる数少ないスイーツである。
ゴルゴンゾーラのレアチーズケーキ、自家製生チョコレート

通りを歩く人たちにとって我々は格好の見世物になっているようだ。もっとも、こちらからすると人間観察ができて実に面白い。動物園の動物たちもこんな気持ちだろうかと思うと、妙に楽しくなった。
MARUGO GRANDE マルゴー グランデ
東京都新宿区新宿3-6-14
03-3350-4605
http://www.marugo-s.com/g/
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2009年05月24日
[凪](新宿ゴールデン街)
ガツンと濃厚煮干

新宿で途中下車してゴールデン街に向かった。高校に入って以来、学校や職場への経由地である新宿には何度降りたか分からない。にもかかわらず、ゴールデン街は過去1回しか行ったことがない。作家やジャーナリストが集まる店は一見では入りにくく、知らない店ではボッタクリにあいそうで怖い。友人に連れられて行ったのがいつだったかも忘れてしまった。
ゴールデン街に足を踏み入れた途端、妙な思い込みは吹っ飛んだ。若いカップルや立派な一眼レフカメラを持った外国人が何組も歩いている。区役所通りと違い悪質な呼び込みもいない。
凪の店主もゴールデン街に特別の思い入れがあるらしい。急な階段を上ったところに念願の復活を果たしたとのこ。渋谷、立川、駒込で個性豊かなラーメンを出しているが、新宿店は特濃煮干のスープがウリである。
肉餃子

券売機でビール、肉餃子とラーメンの食券を買った。これを店員に渡すと「ラーメンは後にしますか?」と気が利いている。追加のビールを買うために両替を頼むと、「こちらで支払って構いませんよ」と融通が利く。人気のラーメン屋は偉そうにしているところが多いが、凪はとても好感が持てる店だ。
味玉煮干ラーメン

想像した以上にガツンと来るラーメンである。富山のブラックラーメン以来の衝撃を受けた。チャーシューもなかなかのもの。太い麺もいいが広く薄く伸ばし麺もいいアクセントになっている。しばらくしたらまた食べたくなるようなラーメンだった。
食べている間に何人もの若者が入って来た。中にはこんな店でデートが出来る羨ましい奴もいる。ラーメンの刺身など面白いものもあり、もっと色々食べたい気持ちもあったが彼らのために席を空けることにした。
ゴールデン街の店主たちはイメージ向上に熱心なようである。旧い店と新しい店が混在する旧くて新しいゴールデン街。客も徐々に入れ替わっていく。
凪
東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-2F
03-3205-1925
http://n-nagi.com/
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2009年05月13日
[鈴なり]⑧(荒木町)
ステップアップは果たせるか

今日は珍しく一番乗り。6時をちょっと回ったところでカウンター席に座った。料理は1万円のコースを電話で予約してあるので、スムーズに食事は進行していった。
うるいと片栗菜、富山産岩牡蛎

八寸(本ミル貝、赤貝、子持ち昆布、蒸し鮑、ほたるいか、バイ貝

徐々に客が入りだす。驚いたことにカウンターの右隣と左隣に中年の男性客がずらりと並んだ。先日発売されたグルメガイドでも鈴なりが紹介されていた。すっかり予約が取れない店になってしまったが、圧倒的に女性客が多かった。男性にも支持されるようになったのは好ましい。
稚鮎とこごみの天ぷら、栗かに、玉地蒸し、白海老


青森産の栗かには初めて食べた。珍しい食材があるとすぐに取り入れるのが店主の村田さんのいいところ。珍しいもの好きの銀髪は素直に感動する。
マコカレイ、かつお、メジマグロ

変わったものがもう一つ。アシスタントの板前が違う。独立心旺盛な力のある板前は去っていく。板前を育てながら使っていくのは大変だろう。村田さんの苦労が分かる。
スッポンの焼き物、焼き竹の子(金沢産)、伊勢海老

スッポンの焼き物は気に入った。塩味がちょうどいい。ここまでで2時間が経過した。料理が出るスピードが遅くなってきた。振り向くとテーブル席は女性中心に埋まっている。左の男性客3人が料理を土産にしてもらい席を立った。
あさりごはん

銀髪もあさりごはんを少し食べて残りは握ってもらった。デザートの杏仁豆腐を食べ終わった時には既に3時間が経過しようとしていた。
我侭な客を満足させるのは大変だと思う。進歩してはじめて現状維持のイメージとなる。従業員を育てながら、料理の質を高めなければならない。もちろん利益を上げて次の展開に備えることも重要だ。
勘定をして若い板前に声をかけた。「頑張ってね。鈴なりの将来は君にかかっているからね」緊張した顔に初めて笑みが広がった。従業員たちが育ち、鈴なりが次のステージに駆け上がることを期待したい。
鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178
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2009年05月11日
[どん底](新宿三丁目)
三島由紀夫も行った店

1949年創業の新宿西口の「ぼるが」、1951年の東口の「どん底」、老舗の居酒屋2軒がロシアに関係する店名なのは創業時の世相を反映しているのだろうか。ゴーリキーの戯曲「どん底」を連想するのは銀髪の勝手な思い込みかもしれない。店もことさら店名の由来をアピールする気はなさそうだ。
ぼるがに行った記憶は鮮明なのにどん底の記憶は殆どない。地下のカウンターに座ったのは間違いなく初めて。メニューを開いて「何がお勧めなの?」と聞く体たらく。有名などん底に来たことがないはずはないと思いながらも自信が持てない。
イベリコハム、グリーンサラダ

開店以来の名物というピザの前にイベリコハムとグリーンサラダを頼んだ。イベリコハムは昔にはなかったメニューのはずだ。期待していなかったグリーンサラダがみずみずしくて意外といける。美味しさの秘密を尋ねても「キッチンのことは分からない」と店員は素っ気無い。それでも長身のハンサムガイが笑いながら言うと嫌な感じはしない。
ピザ、バジリコスパゲティ

どん底自慢の一品、たっぷりチーズのミックスピザは確かに美味い。ナポリタイプなど最近流行りのピザとは違う昔風のピザだが、チーズが溢れて焦げたところが香ばしくて銀髪には新しい味に感じる。
ハンサムガイが勧めてくれたもう一つの名物「元祖カフェめし 林さんのライス」は連れに断固拒否された。ピザを食べた後に和風のご飯ものを食べるのは変だと言う。仕方なくスパゲティを食べた。「オリーブオイル多目にしてね」と希望したものが出てきて連れは満足そうだ。マイ唐辛子をかけたのでピリリと辛くて銀髪も満足した。
ハンサムガイに「格好いいね、外国人みたいだね」と言うと「日本人ですよ」と苦笑いする。「俺も外国人に見えるだろう?ベトナム人に」と言うと「まんま日本人ですよ!」ともう一人の若い店員と一緒になって馬鹿にする。
次回は絶対「林さんのライス」を食べよう。カウンターで一人で食べれば誰にも邪魔されることはない。
どん底
東京都新宿区新宿3-10-2
03-3354-7749
http://www.donzoko.co.jp/
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2009年04月30日
[ボスボラス・ハサン](新宿三丁目)
久々のトルコ料理

チュニジア、イラン、ギリシャ料理などと似ているために何度も行った気になっていたが、トルコ料理屋は高田の馬場のDENIZに行って以来約6年振りである。強大なオスマントルコが周辺の地域から食文化を吸収したのか、洗練された宮廷料理に発展したためか、あるいは両方の理由からか、トルコ料理はフランス料理、中国料理と並んで世界三大料理の一つと言われる。
ホームページによると、ボスボラス・ハサンのオーナーは日本初のトルコ料理屋(イスタンブール?)で5年間シェフを勤めた後、1993年に独立したそうだ。真に日本におけるトルコ料理屋の草分け的存在である。内装はエスニック料理屋にしては立派な店で、宮廷料理をイメージしたののかもしれない。
エキメッキ、キュチュック・メゼ

前菜盛り合わせキュチュック・メゼを頼んだら、パン(エキメッキ)につけて食べるものだと言われた。パンを手で千切ろうとしたら熱くて皿に放り出した。これがもちもちしていてとても美味しい。冷めてしまうと味は半減するので、温かいうちに食べきった方がいい。
中東料理の代表格ドネルケバブを食べるか、他の料理にするか迷った。他の店と味比べをしたいと同時に、初めてのものに挑戦したい気持ちもある。
ボスボラス・ヨーウルト・ケバブ

店の人と相談してケバブを使ったオーブン料理を食べることにした。遊牧民を祖とするトルコ人にとってはヨーグルトも欠かせない食材である。意外と酸っぱくなくて良かった。しかし、量が多くて他の料理を追加することは断念した。
スットゥラッチ(ライス入りプリン)

デザートは銀髪には甘過ぎた。本来は甘くして飲むチャイ(トルコ紅茶)は砂糖抜きで飲んだ。
トルコワインを飲んだが、残念ながらフランスワインほど洗練されていない。中東・地中海の代表的な酒は薬草系などのスピリッツ、蒸留酒が主流。日本人からしたら洗練された料理と日本酒を持つ日本料理を世界三大料理に加えたいものだ。もっとも、世界三大料理はキリスト教、仏教、イスラム教から一つずつ選んだと解釈すれば分かりやすい。イスラム代表は間違いなくトルコである。
ボスボラス・ハサン
東京都新宿区新宿3-6-11 第一玉屋ビル2F
03-3354-7947
http://www.bosphorushasan.com/
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2009年04月20日
[ぼるが](新宿西口)
中高年の憩いの居酒屋

約10年振りにやってきた。その前が更に10年前。大学時代はしょっちゅう来た店だが、卒業後は10年に1回来ては懐かしんでいる。階段を上がってすぐのコーナーには70歳前後の6人組が同窓会でもやっているようだ。その内の一人が立派なデジタル一眼レフのカメラで同僚たちにフラッシュを浴びせている。
お通し、もつ煮込み

店内も外観も記憶の通りだけど、30年前の客層は学生や若いサラリーマンが多かった気がする。1949年に創業して、現在の場所に移転したのが1958年。かつてあったような若者たちの熱い議論は、店の隅々まで探しても見つけられない。
ばん焼き

ぼるがの看板料理は焼き鳥&焼きとんである。道路に面した炭火でおじさんが焼いている。2人前頼んで塩とタレを半々にしてもらったが、2本ずつ5種類という訳ではなく、鳥肉と豚肉をうまく混ぜてくれた。塩味もいいが甘くとろみのあるタレも捨て難い。
おから、わらび、湯豆腐

一皿の量が多いので食べ応えがある。30年前は量が少ないと思ったかもしれない。もっとも、若い頃は肉類ばかりを食べて、山菜や豆腐の類は避けたことだろう。
腹が膨れてきたところでもう一度店内を見回した。若い女性の3人組と2人組が店の雰囲気に溶け込んでいる。30年前にはなかった光景のように思える。何度見ても男子学生らしき連中はいない。この日は若き日の自分を見つけることはできなかった。
腹いっぱいになったので勘定をした。70歳前後の6人組は数分前に席を立った。また10年後、ぼるがで彼らに会えるかもしれない。6人全員が揃っているとは限らないが…
ぼるが
東京都 新宿区西新宿1-4-18
03-3342-4996
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2009年04月13日
[WAZA](新宿)
さすがサントリー

新宿駅東口を出てすぐ正面のビルの階段をずんずん下りていった。店内は照明を落とした大人の雰囲気。カウンターバーのある部屋は喫煙ルームだと言われてちょっと怯んだ。それでも意を決してカウンターの右端に座った。写真を撮るならここがベストのようだ。
季節野菜のチーズフォンデュ

「大人の空間でこだわりの野菜を食す」がコンセプトらしい。自慢料理はポトフやフォンデュとのことで、今日は後者を選んだ。「何種類のチーズを使っているの?」「一種類だけです」「へー、そうなんだ」プレミアムモルツを飲み干して白ワインに移る。グラスワインの品揃えがよくリーズナブルなのが嬉しい。
谷中しょうがの豚バラ肉巻き、キャベツのコロッケ

店長お奨めの谷中しょうが。豚肉との意外な組み合わせだ。「美味しいよ、あなたが店長?」「違います。呼んできましょうか?」「いやいや、それには及ばない」
オリジナルメニューの中から選んだキャベツのコロッケ。「これはいいねー。つなぎはホワイトソースかな?」「いいえ、キャベツだけです」「フーン…」
宮崎日向豚の炭火焼オリーブ風味とマスタード

自慢料理は炭火焼。薬味はオリーブを刻んで和えたもの、沖縄の塩、フレンチマスタードの3種。肉は箸で切れるぐらい柔らかい。何もつけなくても充分美味しいが、薬味を変えると飽きない。気前良くグラスにたっぷり注いでくれた赤ワインが豚肉に合う。
勘定を待っていると店長が挨拶に来てくれた。先ほど店員にしたのと同じ質問をする。
「チーズは何種類使っているの?」「2種類です。ワインなどは加えず、チーズ本来の味を召し上がっていただいています」
「キャベツコロッケのつなぎは何ですか?」「ベシャメルソースです。このコロッケを作るのはなかなか難しいですよ」
「ところでどこかのチェーン店ですか」「親会社はサントリーです」
謎はすべて解けた。大資本の系列店で、しかも大きな店では若い店員を教育するのは大変だろう。質問する方が悪い。酒の種類が豊富でリーズナブルな価格の理由も分かった。
店長が店の外まで見送ってくれた。とても居心地のいい店だった。また来ますよ。
東京都新宿区新宿3-27-4
新宿東海ビルB1
0120-71-7703
http://www.dynac-japan.com/waza/
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2009年04月07日
[ジャックポット](新宿三丁目)
気軽にオイスター三昧

「オイスターバー」銀髪にとっては何か特別な響を持つ。大学時代、2回もあたったが嫌いになることはなかった。オーストラリアに行ってからは殻つきの牡蠣を食べる機会が増え、毎回1ダースぐらいペロリと食べたものだ。日本でもオイスターバーが増えてきた。新しい店を見つけると居ても立ってもいられなくなる。
迂闊なことに、何度も歩いた通りに3年も前からある店がオイスターバーとは知らなかった。狭い店のカウンターに座り、壁のメニューリストを見る。この日は16種類の生牡蠣が用意されていた。
お通し、ソース

お通しが自家製スモークサーモンとは泣かせる。この日は九州産がお奨めだった。お得な九州盛りに外国産を2種類加えた。薬味がまたまた泣かせる。牡蠣に定番のピリ辛カクテルソースだけでなく、ポン酢、ワインビネガーなど多彩。感激したのはアイラウイスキーのボウモアである。海に囲まれたアイラ島で熟成されるスコッチウイスキーと牡蠣は抜群の相性と言われる。これを一度やってみたかった。

恵比寿(福岡)、九十九島(長崎)、諫早(長崎)、セントへレンズ(タスマニア)、クマモト(ワシントン)の6種。壁のメニューを見れば味の濃厚さを黄色い丸の数で知ることが出来る。さわやかなものから順に食べていく。ソースを選ぶのも楽しい。

春香(島根)、ハマースレイインレッド(ワシントン)、キャッツアイ(タスマニア)の3種類を追加した。他の日本産の牡蠣は真牡蠣だが、春香は夏が旬の岩牡蠣。日本で今シーズン一番早い岩牡蠣ということだった。もちろん懐かしのオーストラリア産は外せない。
野菜サラダ、マルゲリータ

契約農家から仕入れた新鮮野菜を使ったサラダもこの店の自慢。サラダを挟んで8種類の牡蠣を食べた。食べられなかった8種類に未練が残ったが、相手を気遣って最後はピザを頼んだ。これもなかなか美味しかった。
若い店員たちの胸には名札がついていて、ヤスユキ君の名札には打点王の文字が添えられている。呼び止めて意味を聞くと、お奨め上手の意味と言うことで大いに笑った。銀髪はたくさん打点を稼がせる客である。若者と話すのは楽しいと思う今日この頃。いつの間にか歳を取ってしまった。
今まで行ったオイスターバーの中ではこの店がナンバーワンである。
ジャックポット
東京都新宿区新宿3-12-2 安室ビル1F
03-5312-0345
http://www.jack-pot.co.jp/
品川、恵比寿、丸の内などにも出店
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2009年03月24日
[悠讃](飯田橋)
うどん居酒屋

大学の同級生二人を誘った銀髪が当然のことながら幹事役になった。最後に来るSの職場に近い店を探す。リーズナブルで美味しいと評判の店の中から迷う事なく悠讃を選んだ。もう一人のMが香川県の出身で、讃岐うどんを批評してもらおうと思ったためだ。
約束の7時より少し早く到着したら、既にMが待っていた。軽いおつまみで生ビールを飲みながらSを待つ。
お通し、ごぼうチップ

ビールが残り少なくなった頃、Sがやってきた。彼の到着から10分足らずで約30年の空白の時間は埋められた。年配の女性店員を呼んでお奨めを聞く。ランチ時は混雑するうどん屋も、夜は静かな居酒屋である。酒の肴の種類は多く、味も悪くない。
大山鶏の唐揚げ、出汁巻き卵

テーブルに置かれたメニューで酒を選ぶ。多数の焼酎が書いてあるが、日本酒の品揃えが貧弱でがっかりする。店員に尋ねると日本酒のメニューは別にあった。何と浦霞のオンパレード。これだけの種類の浦霞を揃えている店は初めてで、ちょっと驚いた。
炙りしめ鯖、ハラス焼き

大学時代に酒豪の一人だったSよりも、急ピッチでMが浦霞を飲んでいく。Sの母がバッカス(酒神)と呼んでいた銀髪はお冷と交互に浦霞を飲む。大学時代とは違う酒席の風景だが、3人揃えば気持ちは30年以上前に容易に戻る。もっとも他人の目には近くの中年サラリーマンの集まりにしか映らないだろう。
ぶっかけうどん

〆に相応しい量ではないぶっかけうどんを一人一杯ずつ頼んだ。そのため日本酒も肴も追加するのは止めた。うどんを食べながら「どうだい?」とMに聞くと、専門的なコメントがさすがだった。
食べ終わって調理人(主人?)に「香川県出身ですか?」と聞いたら「違いますが、香川で修行しました。粉も香川から取り寄せています。」とのこと。「オーストラリア産の小麦ですけどね」と続けた笑顔が良かった。
腹は一杯だが少し呑み足りない。今度は周辺をよく知るSが幹事役だ。飯田橋もなかなか悪くない。
Udon Dining 悠讃
東京都千代田区飯田橋4-4-12 ワイズビル1F
03-3262-2424
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2009年03月20日
[いさ美寿司](新宿)
何でもある寿司居酒屋

別の店に行こうと思っていさ美寿司を見つけた。8年位前に先輩に連れられて来て、その後どこだったか場所が分からなくなっていた。すごく酔っ払って店を出てから数年を経て探そうというのが無理な話。潰れてしまったのかと勘違いした店が今、目の前にある。
お通し、刺し盛り(極)

大変な賑わいだった8年前と比べたら、今日はちょっと寂しい。客は半分も入っていないのに店員はなかなかやって来ない。ようやく氷頭なますとししゃものお通しが来た。頼んだ料理が来るのも遅いだろうと思っていたら刺身はすぐに出てきた。店長とアルバイト、料理人、3人のバランスが悪いようだ。
日本酒のメニューは銘柄と値段しか書いてない素っ気無さ。アルバイトを呼び止める手間を省いて、自ら冷蔵庫のところに歩いていった。八海山、田酒、銀盤、十四代、越乃寒梅、〆張鶴、黒龍、浦霞、雪中梅など銘酒が並ぶ。純米大吟醸まであるのは意外だった。お手頃値段で悪くない。
空豆、まぐろハンバーグ

しぼみかけた8年前の好印象を空豆の湯気が取り戻した。数量限定のまぐろハンバーグも悪くない。
空腹感が癒されてくると、隣席の会話が聞こえてくる。既に30分以上も若い営業マンが上司に説教をされている。上司がトイレに立った後、ため息が聞こえたような気がした。店の奥では若い会社員たちが宴会をやっている。
釜揚げしらす、寿司(大トロ、ウニ)

今日お奨めの駿河産しらすも湯気を伴ってやってきた。寿司はしゃりが大きくて食べ応えがある。
左隣のカップルが去り、可愛そうな営業マンも上司から解放される時間になったようだ。我々も純米吟醸や大吟醸を飲みすぎたのでお開きにした。8年前の記憶は少し塗り替えられた。
寿司酒場 いさ美寿司
東京都新宿区新宿3-4-9 新宿三和東洋ビルB1
03-3341-1040
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2009年03月12日
[石かわ](神楽坂)
ミシュラン三ツ星の理由

ミシュラン東京掲載の店には行かない、と心に決めている。選考者が気に入らないとか、選ばれている店に納得できないとか、確たる主義主張があるわけではなく、単にミーハーに見られたくないためだ。銀髪グルメ紀行を書くためにカメラを構える姿は、どこからどう見てもマスコミに踊らされて喜ぶ馬鹿者そのものだろう。
お互いに兄弟と呼び合う友人から久し振りにお誘いがかかった。彼の秘書からのメールには、神楽坂の「石かわ」とある。移転する前に行こうとして果たせず、ミシュランに選ばれたので縁がないと忘れることにした店である。素直に喜んだ。

普通ならカウンターに座るところだが、写真を撮るには個室が有難かった。友人が到着するまでにおしぼりやお茶を持って店の女性が2人現れては消えた。店を出るまでに4人の女性が料理や酒を運び、誰に聞いても的確かつ優雅に説明してくれた。

ミシュランに『料理は枠にはまらない「石かわ流」』と評されているとおり、アンコウの肝に黄身酢をかけたり、寒ブリと辛み大根を併せたりと、どの皿も京料理のようでも少し違っている。若竹煮ではなくて、素麺と一緒に椀物にしてしまうと違和感を覚える人もいるかもしれない。銀髪はもちろん大歓迎である。面白い。



帆立の炊き込みご飯を2杯食べた。料理は月替わりとのことだが、何か名物料理というものはないのだろうか。入れ替わりやってくる女性の一人をつかまえて尋ねると鯛茶漬けだと言う。「出せるかどうか聞いてきましょうか?」となれば断る理由はない。

何と本日3杯目のごはんも首尾よく腹に収まった。主人の石川さんが挨拶に来てくれた。友人とは食事を共にする間柄らしい。「料理はもちろんだが、店の女性たちが素晴らしい」と話したら心底嬉しそうだった。ミシュランに選ばれる前から誇りと愛情を持って店を支えているスタッフたちに感謝していると言う。従業員を見れば社長が分かる。どの世界も一緒だ。
三ツ星の真価はそんなところにあるのかもしれない。ミシュランなんかどうでもいいけれど…
連れて行ってくれた友人にも謝謝。
石かわ
東京都新宿区神楽坂5-37
03-5225-0173
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2009年03月11日
[米新](新宿歌舞伎町)
肉屋のすきやき

歌舞伎町を歩いていたら「すきやき・しゃぶしゃぶ 特上4,200円→2100円」の看板に目が止まった。「そんな馬鹿な…」と通常なら通り過ぎるところだが、入り口の横にある肉のショーケースを見て迷った。人形町の日山や今半、京都のモリタなど精肉店が営む飲食店は安くて美味い。意を決して店に飛び込んだ。
店はきれいとは言い難いが、老舗の風格と思えないこともない。中央のコンロが手動で上下するテーブルは、今では買えないような年代物である。もちろん特上4,200円(実際は半額)のすきやきを頼んだ。他の料理を頼もうとしても、すきやきの注文を受けただけで店員は消えた。大概の客は半額セールの物だけ食べて帰るのかもしれない。

可愛い店の女性が鍋に野菜を入れ始めた。一人前2100円にしては立派なサービスである。鍋の半分が野菜で埋まったところで肉を入れて、割り下を注いだとろこで後の調理法を伝えて去って行った。最後まで面倒を見てくれるわけがない。期待する方が間違いだ。

馬刺し数切れを刺し身で食べ、残りを鍋に入れた。メニューには豚肉や合鴨も載っているが、肉の追加はしないで他の料理を食べることにした。5種類のソーセージ、牛タンの塩焼きで酒を飲んだ。

店は半分ほどの入りだが、店員たちは忙しそうだ。入り口に作りかけの弁当がたくさん並んでいた。歌舞伎町にある麻雀荘やクラブからのオーダーを待っている。数千円の弁当が出ることはなく、殆どが1,000円前後。リーズナブルな店で、来店客だけでなく多くの歌舞伎町の遊び人たちに支えられている老舗だった。
すきやき 米新
東京都新宿区歌舞伎町1-16-12
03-3209-4864
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2009年02月26日
[みの家](新宿御苑前)
桜鍋は東京名物?

「すき焼きを食べに行こう!」銀髪に任せると何を食べさせられるか分からないと慎重な相手を安心させた。新宿通りから一本新宿御苑寄りの路地にみの家はある。下調べをして来なければ見つけられないし、見つけても入るには勇気がいる。静かな佇まいの前に立ち、すき焼きの名店と言われたらそれなりに期待は膨らんだようだ。
店に入り座敷に上がる。外も古いが中も古い。美しいとは言い難い。先客がつついている鍋を見ると、あんこう鍋の「伊勢源」、鳥すきやきの「ぼたん」、どぜうなべの「駒形どぜう」などの老舗江戸料理屋を思い出す。勘の鈍い人でも普通のすき焼き屋でないことに気付く。桜の花模様のメニューを見て観念したのを見て笑ってしまった。してやったりである。
たてがみ、桜肉の刺身

刺身の種類は少ない。メニューの筆頭は桜鍋、次が桜肉のロース鍋で馬刺しはあくまで鍋の脇役でしかない。生卵は好き嫌いがあるので有料。明朗会計である。

赤身とロースを1人前ずつ頼んで味比べをした。牛肉のすき焼き同様に割り下を使うものの、味噌が乗っているのがちょっと違う。これが江戸風である。

中心の脂身以外は殆ど赤身。煮たら固くなるかと思ったら、柔らかくて食べやすい。

肉以外は麩とねぎとしらたきでシンプルだ。小さな鍋の中身はすぐになくなった。馬肉と聞いて怯んだ相手も喜んで食べた証拠である。肉だけ追加して最後はうどんにした。

馬肉は熊本のイメージが強くなってしまったが、みの家のものは青森産。東北の馬食文化の方が熊本より歴史があるようだ。もっともさくら鍋は東京名物である。新宿店もなかなか風情があるが、やはり森下の本店に行かなければおさまらない。文明開化の時代にワープできるかもしれない。
みの家 新宿店
東京都新宿区新宿2-1-14
03-3354-4518
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2009年02月23日
[はなもんや](新宿)
和風個室の焼肉屋さん

「全席和モダン掘り炬燵個室の焼肉屋」というのに興味を持った。接待用の畳部屋を持つ高級焼肉料理屋は他にも知っているが、すべて和室の焼肉屋は初めてである。
JR新宿駅新南口、ユニクロの目の前、それほど大きくないビルの6階でエレベーターを降りると日本料理屋と錯覚する。靴を脱いで個室に入り、テーブルを見てようやく焼肉屋と納得する。
コースは滅多に頼まないけれど、参考のために5,400円のぐるなびクーポン限定コースを食べることにした。グラスワインもコースに含まれている。
煮込み、キムチ盛合せ、おぼろ豆腐、もも赤身刺し


店員も店の雰囲気に染まるのだろうか、みんな物腰が柔らかく品がいい。店名の「はなもんや」は京都弁かと思ったら、人間の指紋にあたる牛の鼻紋のことだというから笑わせる。
近江牛盛合せ

赤身とバラ肉の3種(バラ、上バラ、ゲタバラ)が1人一枚ずつ名札つきで出てきた。なかなか美味しい。醤油ダレ、味噌ダレもあるが、3種類の塩で食べるのが一番いい。
ホルモン盛合せ(ミノ、マル腸、ハツ)

すべて近江牛というわけではないけれど、ホルモンもなかなかの肉質だ。ぐるなびコースはこれで終わり。まだお腹も脳も満足はしていないが麺やごはんを食べる気にもならない。肉を追加することにした。
さがり、ざぶとん

肋骨に近い部位のサガリ、鞍下に近い最上級肩ロースのざぶとんを食べた。腹一杯にするにはいくらかかるか分からないのでこのぐらいでお開きに。安売りに釣られてきて、結局高いものを買うのに似ている。ぐるなびコースにごはんをつけてないのはなかなかの戦略家だ。安くあげるなら食事付きのはなもんやコース(5,800円)の方がいいだろう。
三角、くり、うわみすじ、みすじ、とうがらし、いちぼ、しんしん、とも三角。希少部位を全部食べたくなる。次回は戦略を練り直して来よう。いい店だった。
はなもんや
東京都新宿区新宿4-1-9 新宿ユースビルPAX6F
03-6457-7211
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2009年02月16日
[路地](新宿三丁目)
デートにも使えるきれいな焼きとん屋さん

「数年振りに海外勤務から戻ったら、焼きとん屋が多いのにびっくりした」と友人が言う。彼の職場の近く、新橋には昔から美味しい焼きとん屋がたくさんある。しかし、確かに新しく出来た店もあり、新橋以外でも焼きとん屋が増えている。
学生のとき、武蔵小山の焼きとん屋によく行った。焼きとんを肴に安い焼酎のホッピー割りを飲むのが好きだった。汚いイメージが強い焼きとん屋も、随分変わって来た。オヤジたちの聖域に女性が進出してきたせいかもしれない。
新宿伊勢丹裏の路地を歩いていたら、ちょっと洒落た感じの店を見つけた。まさに今風の焼きとん屋さんで、店に入ると男女比はほぼ半々。デートにも使えるような店だ。席につくと二日酔い防止のための青汁とお通しが出てきた。

さしみ湯葉、生野菜盛り

湯葉の盛り方や野菜の化粧を見れば、店の雰囲気も想像してもらえるだろう。焼き場の男性店員のユニフォーム姿も決まっている。料理を運ぶ女性も物腰が柔らかい。

てっぽう、たん、大とろバラ焼き、こぶくろ、かしら、ればー、がつ、しろ、つくねと続けた。大とろバラ焼き以外は1本ずつ頼めるのが嬉しい。1本200円~300円はちょっと高めだが、店の雰囲気も合わせて考えれば安いものである。しかもブランド豚・岩手産の白金豚と聞けば納得する。こぶくろが特にきれいだ。
勘定をして出口に向かおうとしたところで地下へ続く階段が目に入った。店員に尋ねると、地下だけではなく2階も3階もあると言う。大部屋や個室、カップルにぴったりの席もあるようだ。女性も安心して入れる店と言いたいところだが、新橋の焼きとん屋で豪快にジョッキをあおる女性たちを思い出した。元気な女性たちは怖いものなしだ。
銀髪がメンバーだったオーストラリアのゴルフ場では、土曜日は女人禁制だった。プレー終了後、ビールを飲みながらオーストラリア人がつぶやいた。「土曜日ぐらいは男だけでくつろぎたい」
路地
東京都新宿区新宿3-17-17
03-3352-0080
http://www.roji.info/
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2009年02月02日
[湖南菜館](新宿歌舞伎町)
毛沢東が愛した湖南料理

湖南料理の名店として知られる湖南菜館は、以前から気になっていた店だった。「歌舞伎町案内人」の著者李子牧(リーシャム)氏がプロデュースする店としても有名。店があるビルに近づくとかわいい中国娘に店のパンフレットを渡された。これを受け取りビルに入ろうとすると、彼女が驚いて追いかけてきた。銀髪が彼女の店を目指して来たとは思わなかったのだろう。
店内は明るく、洋風のレストランのようで、中華料理屋らしくない。中国人二人(一人は李子牧氏?)が新聞を広げて打ち合わせをしており、他に客はいない。客引きに成功した形の先ほどの中国娘が、コートを脱いだウエイトレス姿で我々の前に現れた。なかなかの美形だ。
お奨めを聞いたら、あれこれと教えてくれる。先ほど渡されたパンフレットを開き「全部これに載っているね」と言うと、恥ずかしそうに微笑んだ。本来なら細々と前菜を頼むところだが、写真の料理をオーダーした。彼女のお奨めなら量が多くたって構わない。
水煮魚(季節の鮮魚の湖南風ピリ辛仕立て)

中国八大料理の中では四川料理と湖南料理が辛口である。湖南料理は痺れるような辛さの四川料理とは異なり、酸味がある優しい辛さが特徴。水煮魚はこくもあってとても美味しかった。
蒜茸文蛤(蒸しハマグリ)

にんにくと唐辛子がぺペロンチーノを思わせる。ハマグリの下に敷かれた春雨がスープを吸って美味しい。スープも残すにはもったいないので大半を飲んでしまった。
毛家紅焼肉

カラオケルームもあるモダンな店内と壁に貼られた毛沢東の大きな写真がアンバランスで可笑しい。湖南省は広東省の北に位置し、昔は楚があったところ。毛沢東や劉少奇などの大政治家の出身地でもある。その毛沢東が愛した料理が毛家紅焼肉で、皮付きの豚角煮に近い。箸で切れるほど柔らかくコラーゲンタップリの逸品。もっとも中国料理独特の香辛料が日本人には評価を分けさせるかもしれない。
中国娘が心配してくれた通り、3品で腹が膨れてしまった。追加注文をするかどうか迷ったが、答を出すのは難しくなかった。また来ればいい。他にも気になる料理がたくさんある。
一つだけ心配事がある。今度行った時も、あのかわいい中国娘は働いているだろうか。それだけがきがかりで仕方がない。
湖南菜館
東京都新宿区歌舞伎町1-23-13 4F
03-3207-8288
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2009年01月27日
[薩摩八郎](新宿)
大阪発の九州郷土料理

新宿東口を出て区役所通りに行く途中に昨年11月、変わった店が出現した。外から見ると店内にいくつもの大きな樽が据えられている。その一つ一つが個室になっているようだ。気になっていた店にようやく入ることが出来た。
「3階へどうぞ!」苦労して急な階段を上ったにもかかわらず、細かく区切った半個室にをあてがわれた。樽の中で飲みたかったのに、まんまとしてやられた。これなら普通の居酒屋と変わらない。
薩摩地鶏備長炙り焼き、黒豚餃子

地鶏炙り焼きは東国原宮崎県知事の専売特許と思っていた。出てきた料理とメニューの写真と比べるとちょっと貧弱だ。黒豚に惹かれて頼んだ餃子もまあこんなものだろう。樽の個室に入れなかったショックがまだ尾を引いている。
たたき、さつま揚げ

薩摩の店名からして予想したとおり日本酒はないに等しい。焼酎はこの種の店としては普通の品揃え。梅酒は10種類あり、女性には喜ばれそうだ。もっとも、最近では焼酎をガンガン飲む若い女性も増えてきた。意外と梅酒を好むのは男だったりして。
肝のレア焼き、豚バラ

肝は「新鮮だからできるこの一品」と書かれたメニューにだまされた。ミディアムとウェルダンの間ぐらいでちっともレアではない。それでも1本130円なら悪くはない。
料理を持ってきても空いたグラスや皿はこちらが言わなければ持って行かない。飲食店でアルバイトしている娘が見たら怒るだろう。小さなテーブルに料理を置く場所を作るのは客の責任である。
料理やサービスに不満タラタラだった銀髪が勘定場から笑いながら戻ってくるのを見て連れが不思議がった。笑ったのは勘定をしてくれた若者が笑顔で「おおきにー」と言ったからだ。九州郷土料理屋にはそぐわない方言が可笑しかった。本店が大阪梅田と聞いて納得した。
「???」あれっ? 「おおきに」って大阪弁だっけ?
がぶ呑み居酒屋 薩摩八郎 新宿店
東京都新宿区新宿3-20-3 ニューサンパークビル別館
03-5361-8400
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2009年01月20日
[旭鮨総本店 ルミネエスト店](新宿)
リーズナブルに食べる寿司

「高いから別の店にしましょう」新宿駅東口のルミネエスト8階の寿司屋に入ろうとしたら止められた。見栄を張るつもりでいたが、遠慮されるとちょっと嬉しくホッとする。しかし、他に食べたい店が見つからず7階に下りたらもう一軒寿司屋を発見。これには連れも頷いた。
下高井戸を本店とする旭鮨はあちこちで見かけるけれど、入ったのは初めて。「何軒あるんですか?」と板さんに聞くと40軒と言われて驚いた。回転寿司を除くと最大ではないだろうか。カウンターに座っても高級寿司店でないと分かれば気が楽になる。

お通しに続いて刺身を適当に作ってもらった。お任せで出てきたのがキンメ、ブリ、イカ、追加に頼んだのがアジ、シメサバ。ブリの産地は氷見と板さんはすぐに答えたが、他の魚については曖昧になる。大チェーン店なので一括仕入れをしているのだろう。板さんが答えられないのは無理もない。

「何か焼きましょうか?」板さんが奨めてくれた魚を断り、立ち上がって席から離れたガラスケースの中まで物色してホタテに決めた。「軽く焼いてくださいね」とお願いしたが、焼き手には伝わらなかったようだ。
板さんがテーブル客のために寿司を握り出した。振り向くと女性の二人連れが多い。年長親子の今日の夕食は寿司セットかな。若い友達同士もちょっとお酒を飲みながらセットの寿司を食べる。我々もダラダラ飲むのは止めて寿司を食べることにした。
メダイ、ウニ、シラス、イクラ、ブリ

最後にブリを頼むと連れが嫌な顔をする。刺身で食べた厚切りのブリが脂っぽかったらしい。無理に食べさせると今度は美味しいと喜ぶ。薄めに切って寿司にすると味が変わるから面白い。
寿司屋と言っても色々ある。旭鮨はリーズナブルに食べられる安心な寿司屋だった。
旭鮨総本店 ルミネエスト新宿店
東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿7階
03-5369-2781
http://www.asahizushi.com
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2009年01月14日
[鈴なり]⑦(荒木町)
やっぱりここが好き

「昨年4月以来じゃないですか?」店主の村田さんの記憶は大したものだ。帰ってから半信半疑で調べてみたら確かに前回来たのは昨年の4月だった。「何度も電話したんですけどね」と言い訳したが嘘ではない。特に昨年12月は10日頃電話したにもかかわらず年内満席で予約が取れなかった。
おひたし、三重産の牡蠣

久し振りなので6,000円のコースを頼んだ。4,500円のコースもあるので若い人も気軽に来れる。予約が取れない理由の一つだろう。村田さんに「痩せましたか?」と連れが言う。「エッ?太ったんじゃないの?」と銀髪が反論する。確かに顔は精悍になったように見えるが、動きはゆったりとして無駄がなく貫禄が出てきた感じだ。奥様も笑顔の輝きが増してきたように思える。店が順調なのだろう。

単品で頼むのが好きな銀髪だけど、コース料理の楽しみはあん肝、きびなごの天ぷら、このわた、塩辛など酒肴の華麗な盛合せである。これだけでいくらでも日本酒が飲めそうだ。豊富な品揃えの純米酒がリーズナブルで危険だ。
うにの玉地蒸し、カワハギ

コースでなくても玉地蒸しは頼んだ方がいい。何度食べても感激する。鈴なりはだし汁を使った料理がとても上品で美味しい。玉ねぎや大根を煮たシンプルな料理も好きだ。
お造り、鴨・竹の子、

氷見産ぶり、壱岐産まぐろ、鹿児島産竹の子など、産地談義も楽しい。カウンター席は実に楽しい。
キンメダイのしゃぶしゃぶ、

予想外のものが出て来るのがコース料理の楽しみ。キンメダイをシジミのスープでしゃぶしゃぶするのは初めて。しゃぶしゃぶをした後、キンメダイの旨味も加わったスープを炊き込みごはんにかける。スープをかけなくても充分美味しいが、もう一品得した気分になる。
牡蠣の炊き込みごはん、汁かけごはん

「銀髪さんが何回も書いているからいい店に違いない、と来る人が多いんですよ」と村田さんが言う。来店回数だけでなく文章から銀髪の評価を読み取ってしまう読者の鋭さには頭が下がる。「自分の予約が取れなくなるので褒めちゃダメですよ!」と連れが睨む。
杏仁豆腐

アッと言う間に2時間が過ぎた。いつも以上に酒がすすんでしまった。「ドタキャンが出たら電話くださいね。予定が入ってなければ飛んできますから」と伝えた。テレビで紹介されて以来、失礼な客も増えたらしい。奥様の笑顔が曇ることがないように、みなさんよろしくお願いします。
鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178
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2009年01月07日
[Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン](新宿歌舞伎町)
リーズナブルに飲み食いできるイタリアン居酒屋

職安通りに近い焼肉の有名店に行ったが、予想通り断られた。予約なしでは難しいと思っていても、それなりのショックを受ける。トボトボ歩いていたら、すぐに炭火焼の店を見つけた。イタリアンでも構わない。今日は肉を食べたい気分だ。
左側に長いカウンター席、右にテーブル席の洋風居酒屋で、気取ったところがないのが気に入った。メニューを見ると焼肉屋より遥かに安く済みそうで嬉しくなる。グラスワインも手頃な値段でたくさんある。
前菜三種盛り

前菜を食べながらワインを飲む。ちょっとご機嫌になる。目の前が焼き場でまだ誰もオーダーしていない。躊躇していると左に座った女性3人組から三元豚のオーダーが出た。すかさず豚タンをオーダーした。
豚タン焼き

炭火と我々の間に仕切りがあるものの、モウモウと立ち上がった煙が横に広がり我々に襲ってきた。席を代われないか聞こうかと思ったところで気がついた。煙の元は我々がオーダーした肉だ。文句を言える資格はない。焼きあがって手元に来たら煙は収まった。柔らかくて美味しいタンだ。
三元豚

隣客の三元豚も美味しそうなので追加注文をした。タンよりましだが再び煙の攻撃にあった。これも我々のオーダーだからじっと我慢をする。燻されたように焼けた豚は美味しかった。でも、次回来るときは、焼き場が見える一等席は避けた方が良さそうだ。この店の場合はカウンターの両端が特等席だ。
ラクレット

店名のOlio(オリーブオイル)からの連想でアーリオ(にんにく)・オーリオ・ぺペロンチーノを最後に食べようと決めていたが、ラクレットがあると知って気が変わった。ワインに合うし、ちょっとお洒落である。フランスパンにつければ、それなりに腹も膨らむ。
Olioは新橋や渋谷にもあるらしい。韓国料理が多い歌舞伎町でも存在感がある店に育って欲しいものだ。
Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン
東京都新宿区歌舞伎町2-28-16 ウィザードセブンビル1F
02-3205-1146
http://www.k-n-p.net/olio/
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2008年12月25日
[庄助](新宿3丁目)
安心して入れる庄助

あまり楽しいニュースがない今日この頃でも、忘年会、クリスマスとなれば街は賑やかである。予約が取り辛いこの季節は頭が痛い。新宿3丁目をぶらついていたら、庄助を見つけた。7時を過ぎていたがまだ入れると分かってホッとした。おやじ御用達の庄助歌舞伎町店、十割蕎麦のしょう助など系列店に行ったことがあるので不安はない。1階のおやじ向け本店も魅力的だったが、ちょっと洒落た2階に行くことにした。
お通し、ぶり刺身

2階の庄助はグループの中では真ん中ぐらいの格である。特別安いわけではないが、手頃で美味しい店だと思う。
焼鳥

ねぎま、砂肝、せせり、つくね、正肉。1階の庄助が焼鳥自慢の店なので、居酒屋としては美味しい焼鳥だった。
おでん、チャンジャ

2階はおでんが看板料理だから避けては通れない。大根、つくね、イワシつみれ、はんぺん、玉子。照明を落としたちょっとシックな雰囲気に合わせたように、おでんも上品だ。純米山廃「三谷藤夫」を呑む。
吟醸っぽい軽い味わいの「ここの酒・庄助」にはチャンジャを合わせた。他の店ほど日本酒の品揃えは多くない。若い人向けの店は何故か焼酎がメインである。若い人たちも、もっと日本酒を飲んで欲しいものだ。

おやじ御用達の店にはない洒落たデザートもある。女性も気に入るような居酒屋だ。どちらかと言うと銀髪にはおやじ御用達の店の方が合っているかも。
味も値段も安心な庄助だった。
焼鳥おでん惣菜 庄助 新宿末広通り店
東京都新宿区新宿3-6-11 庄助本店ビル2・3F
03-3226-8778
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2008年12月10日
[Violet ヴィオレット](新宿3丁目)
炭火焼きも食べられるバー

エレベーターを降りたところは寿司屋だった。事前に調べたところではバーの奥が寿司屋のはずだ。「すいませーん」と声をかけると、板さんと、客の3人が怪訝そうに振り向いた。
バーの入り口は右手にあった。カウンターに落ち着くなり「イヤー、びっくりしましたよ」とバーテンダーに声をかけた。予想と違う展開も、話のきっかけになって良かった。ショットバー風の店だが、料理のメニューはしっかりしていてカウンターの左側にある炭火での料理がお奨めだ。さっきの寿司屋から取り寄せることも出来る。
さんまとじゃがいものサラダ、えぞ鹿の炭火焼

バーには似合わない量のサラダに少し驚いた。秋刀魚は酢で軽くしめてあり、ちゃんと洋風の料理に見える。
えぞ鹿のカルパッチョを一度は頼んだものの、直ぐに撤回した。せっかく炭火があるのだから、試してみない手はない。久々のジビエ料理を楽しんだ。もも肉ということもあって固かったが、これが健康な野生の味である。

ジビエに合うワインは赤。リーズナブルなグラスの赤ワインは3種類が用意されていた。値段の高いワインが大きなグラスとの先入観は誤りで、軽めのワインは左側、フルボディが右側だった。香りが強いフルボディは背が高い大きなグラスになる。勉強になった。

スパゲッティはメニューにない辛さとオリーブオイルを多めにしたぺペロンチーノを作ってもらった。銀髪好みだけに、とても満足した。でも、赤ワインをもう少し飲みたい。定番のチーズではなく生チョコを選んだのは正解だった。
勘定を終え、寿司屋の方に歩き出そうとしたらカウンター右のドアを指し示された。本来の出入り口は階段を下りたところにあると知った。なるほど、そちらから入れば寿司屋は店の奥になる。情報は間違いではなかった。
バーでの食事はいつもよりゆったりと時が流れたように感じた。食後に来る客でにぎやかになる前の時間帯は、案外狙い目かもしれない。たまにはこんな食事もいいものだ。
Bar Violet バーヴィオレット
東京都新宿区新宿3-11-11 ダイアンビルB1
03-3354-6639
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2008年12月08日
[緋色の海](新宿歌舞伎町)
漁夫の賄い料理

「いい店を見つけましたよ」と誘われた。緋色と聞いてシャーロックホームズを思い出した。確かあれは「緋色の研究」。「緋色の記憶」はトマス・クックだった。いずれも思い出せるのは題名だけで、内容はすっかり忘れてしまった。緋色の海とは随分と文学的な名前をつけたものだと思った。
Kさんから渡された店の名刺に書かれた地図は出来が悪かった。AK会館を知っていれば難なく辿り着けるが、地図に書かれた道をバッティングセンターから数えたら永遠に彷徨うことになる。約束の時間に遅れて店に飛び込んだ。

Kさんが待つテーブルにはマテ貝が置かれていた。席につくなり銀髪にもマテ貝が運ばれて来たので恐縮して再度Kさんに頭を下げた。Kさんは年下に対しても礼儀正しい。

壁にかかった料理の札には値段が書かれていない。Kさんがいるから安心だが、店の雰囲気やお客さんを見ても心配は無用のようだ。お任せした刺身の盛合せの中心は大トロではなく鯨ベーコンなのが面白い。


大きなサザエの壷焼き、茹で上がったばかりの毛蟹。漁夫の賄い料理というだけあって、豪快な料理が身上のようだ。
白子鍋

たらの白子がたっぷり入った鍋を食べるとさすがにお腹が一杯になる。雑炊か麺を食べるべきだろうが自重した。
勘定を払って店を出ると主人が見送りに出てきてくれた。店の風格から予想していたより若い。「いかがでしたか?」と聞かれて、「日本酒の品揃えがイマイチ」と余計なことを言ってしまった。5種類の冷酒のうち2つが切れていて、残る3つは純米ではなかった。「お好きなものを言ってください。今度仕入れておきますから」と謙虚な姿勢に好感が持てた。
次回はカウンターに座ってじっくり話をしながら飲みたいものだ。素朴な感じの成年料理人と文学談義ができるかもしれない。
緋色の海
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12
03-5272-2677
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2008年12月04日
[随園別館]②(新宿)
中華料理は大勢がいい

突然別々の所にいる5人が集まって食事をすることになった。店選びを任されたのはいつもの通り銀髪。大通りに面した分かり易い店、手頃な値段、中華料理。条件を満たす店の中から新宿の隋園別館を選んだ。104で電話番号を聞いても分からず、銀髪グルメ紀行で調べて電話予約をした。
茄子、前菜盛合せ、干豆腐、なまこ

最後の一人が来ないので、つまみの類で紹興酒を飲んで待つことにした。まだ早い時間なので1階には我々を含む2組だけ。料理はどんどん出て来る。
客より店員の方が多い店内は中国語が響き渡り、まるで香港にいるようだ。量が多く、大雑把に盛り付けられた皿を見ているとますます異国の感じがする。
我々が来てから30分程で店内はほぼ一杯になった。料理が出て来るのが遅くなる。最後の一人が来る前にメインを頼んでおこうとしたら、仲間の一人が携帯を手にした。「まだか?銀髪がメインを頼もうと言うけれど、お前が来るまで待った方がいいと俺が制しているんだ」といつの間にかいい子になっている。
ピータン豆腐、小龍包、水餃子

全員揃ったところで追加オーダーした。ピータン豆腐は写真を撮る猶予を与えてもらえなかった。中国娘はテーブルに置くなり混ぜ混ぜしてしまった。
随園別館の名物は小龍包と水餃子。安くて量があってお奨めである。誰もが頼むので店側はいつも準備万端。それほど待たずにテーブルに並んだ。
北京ダックセット

北京ダックは丸ごと一匹が6,000円と手頃な値段で、1,000円足すと余った肉で2品作ってくれる。男5人でも食いでがあってお得感がある。結局スープは食べ切れなかった。食べる勢いが急速に落ちるのが中高年グループの哀しいところである。やっぱり中華料理屋は人数が多い方が楽しい。隋園別館は5人でも少ないぐらいだ。
店内は日本語ばかりになった。オーダーを通す言葉以外に中国語は聞こえない。これから忘年会シーズン。2階より上の大きな円卓を予約するのは早い方がいい。
随園別館
東京都新宿区新宿2-7-4
03-3351-3511
http://www.zuienbekkan.co.jp/
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2008年11月14日
[かりふわ堂](新宿歌舞伎町)
これが本当の大阪の味・お好み焼き?

「つんく♂さんのお店に連れて行って欲しい」と銀座のママに誘われた。「新宿は遠いので麻布の店に」とのご希望だったので、情報だけありがたくいただくことにした。
新宿コマ劇場の裏通り、名前を忘れてしまっていたがお好み焼き屋は一軒のみなのですぐに分かった。階段を上がり店に入ると、駄菓子やおもちゃが並べてある。店は二つに分かれ、左側がかりふわ堂。幸い予約なしでもカウンターは空いていた。
ざっくりキャベツ、牛すじこんにゃく

目の前には野菜が置かれてあり、焼き場は店の右奥に見える。壁に書かれたかりふわ堂についての説明書きを読みながら特製味噌をつけたキャベツをかじる。
メニューの中から大阪らしいものをと探し出した牛すじこんにゃくは期待通りの味だった。
とんぺい焼き、かきの鉄板焼き

広島お好み焼きの名物とんぺい焼きはかりふわ堂流で、豚肉を薄焼き玉子でふわりと包んでいる。かきの鉄板焼きには九条ネギがたっぷりで、京都風。大阪にこだわっているわけでもなさそうだ。何でも取り入れるのが大坂流と言われれば、納得してしまう。
ホルモンミックス焼き、豚玉

メニューの後ろの方に1,000円以上するオリジナルのお好み焼きが並ぶ。「どれを食べたらいいの?」と聞くと「私的には豚玉を食べて欲しい」と言う。若い女性店員2人とも明るくて好感を持っていたが、780円の安いものを勧められて一気に最高点をあげたくなった。
「お好み焼きは焼くのに20分かかります」と言われたのでホルモンミックス焼きを食べながら待つことにした。飲むのはホッピー。再び目の前の壁の説明を読む。「お好み焼きというより蒸し野菜」という部分に興味が湧く。
「忘れてるんじゃない?」と連れが不安がる。待ち切れなくなって店の女性を呼び止めたら、彼女の手に豚玉があった。お好み焼きを分けようとヘラで切ろうとしたら、もろくも崩れた。

つなぎが少なめにして、押さえつけずにじっくり焼いている。「蒸し野菜」の意味が良く分かった。20分以上かかったのも頷ける。つんくが言うようにこれまで食べたことがないようなお好み焼きだった。強いて言えば、我が家で小麦粉を使わず山芋だけで作ったお好み焼きに近い。
大好きになった女性店員に「美味しかったよ」と言うと、「そうですかー、いろいろ試行錯誤して作っています。また来てくださいね」と可愛い。再訪したい気持ちを決定付けさせる笑顔だった。
かりふわ堂
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビル2F
03-5155-7620
http://www.karifuwa.com
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2008年11月06日
[黒豚庵](新宿3丁目)
鍋が美味しい季節になりました

新宿通りに立ちグルッと見回す。各ビルに飲食店の袖看板が光る。日が暮れるのが早くなって、看板が目立つようになった。木曽路、月の雫など見慣れた店は除外して行ったことがない店を選んだ。
黒豚=美味しいというイメージは浸透している。黒毛和牛からの連想で日本独自の豚と思っている人も多いが、イギリスのバークシャー種の豚で純粋な外来豚である。「鹿児島産黒豚」の宣伝が成功したのだろうか。お陰で黒豚に庵をつけるだけで美味しい店のように感じる。
からし蓮根、からすみ

熊本のからし蓮根、長崎のからすみ、大分の椎茸、博多の明太子、鹿児島のさつま揚げ、きびなご刺し身など九州出身者が喜ぶ料理が揃えてある。からし蓮根はしっかり辛くてなかなか良かった。高級品のからすみは上手に薄く切ってある。880円なら仕方ない。
黒じょか、さつま揚げ

鹿児島なら芋焼酎が定番。黒じょかを使うとは珍しい。あまり美味しい焼酎ではなかったが、気分は充分味わえた。鹿児島の名店から取り寄せたというさつま揚げは評判が良かった。
黒豚しゃぶしゃぶ

2人前の肉は思ったより少なく見えた。野菜で底上げされている。もっとも、肉をつまむとしゃぶしゃぶ用にしては厚い。肉質は柔らかいので厚いほうが味があっていいかもしれない。たっぷりだしが出たスープに麺を入れ、別途持って来てくれた塩ダレで食べた。これは気に入った。
テーブルのボタンを押すまで店員はやって来ない。まだ入ったばかりという韓国人店員のサービスはお粗末だが、一生懸命さで救われる。週初とはいえ客はまばら。こんなんで広い店を維持できるのかなと心配するのは無用。黒豚庵は年商300億円を越す日本レストランシステムの系列店。ドトールコーヒーもグループ企業の一つ。
繁華街の一等地のビルには大型チェーン店が殆ど。ビルのオーナーが大手を選ぶのは当然だろう。内装、料理の質は悪くない。価格とサービスはファミレス並みという店が目抜き通りに並ぶことになる。初めて入る店でもぼったくられることはない。迷ったら目抜き通りにある大きな店に入るのは、無難な選択と言えるかもしれない。
黒豚庵 新宿東口店
東京都新宿区新宿3-17-5 新宿ニユー富士ビル3F
03-3358-1331
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2008年10月31日
[葡萄酒サッカヴァン]④(四谷)
ワインを飲むならやっぱりこの店

なんとなくワインが飲みたくなった。肩肘張らず、リーズナブルにグラスワインを飲むならサッカヴァンがいい。大好きな店なのに、なんと1年半振りの訪問である。予約のために電話を手にしたが、ちょっと考えていきなり行くことにした。
店に入ると初めて見る店員が迎えてくれた。ちょっと失望して客席を見渡し、キッチンに目をやったところでようやくオーナーの杉本さんを見つけた。目が合うと、驚いた顔をしている。この瞬間のために電話をしなかったのである。あー楽しい。
自家製スモークサーモン、自家製鶏のハム

サッカヴァンのいいところはオーナーの探究心。前に食べた自家製のポークハムやソーセージには感心させられた。今回も新作に挑戦した。サーモンもハムもワインによく合う。
本日のグラスワインは白が5種類、赤が9種類。最近ではボトルではなくグラスワインを数種類飲むことにしているので、サッカヴァンは選択肢が多くて嬉しい。
自家製コンビーフ、アンチョビのスパゲッティ

コンビーフもいい出来だ。ときどきテーブルにやってきて杉本さんが説明してくれるのが楽しい。最後にスペイン産の赤ワインを頼んだら、「以前飲まれたのと同じメーカーのものです」と言われて驚いた。確かに前にもスペイン産のワインを飲んだ。こちらが忘れているのに大した記憶力である。
ワイン4杯の代金が7,300円、料理4品の値段が4,350円。ワインを飲みに来たのだから当然の結果だろう。料理に重きを置くのであれば、新鮮な肉や魚の立派な料理もある。今はキノコ類も美味しい。
いつ来ても銀髪にとっては落ち着ける店である。不思議なことに時間はゆっくり流れているように感じるのに、時計を見ると信じられないほど時を刻んでいる。チーズでもう一杯と言いたいところを我慢して勘定をした。
常連客のように振る舞い、常連客に対するようににこやかに応じてくれる。せめて半年に1回くらいは来ないと罰があたりそうだ。
葡萄酒サッカヴァン
東京都新宿区愛住町4-1
03-3358-7650
http://www.sacavin.jp/
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2008年10月22日
[ルメン](新宿歌舞伎町)
天然酵母を使った新宿で一番美味いナポリピザ

ネット上で評判がいいピザの店を探したらルメンが出てきた。住所を打ち込み、現れた地図を見て首を傾げた。いつも近くを通るけれど、イタリア料理屋があったか思い出せない。どうせ空いているだろうと思って行ったら甘かった。週末はさすがに混んでいる。週初に出直したら思惑通り席を確保できた。
ルメンがある道は、区役所通りからちょっと外れるので人通りが少ない。間口が狭く、小さな店内を外から覗いても、美味しい店とは思えずいつも素通りしていた。
生牡蠣、カプレーゼ

厚岸産の生牡蠣、ナポリ直送のモッツァレッラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ。店員のお奨めに素直に従った。いくつか料理を奨めて、最後に「当店の自慢料理はピザです」と強調した。言われるまでもなくピザを食べに来たので他の料理で腹を満たすつもりはない。
生ハム、トリッパ

生ハムは涼しくなってきたので再開したばかりというだけあって味も香りも文句なかった。脂の乗りが程よい。牡蠣、チーズとトマト、生ハムの3品を食べて厳選素材を使っていることは良く分かった。料理の腕も見たいのでトリッパを頼んだ。シンプルな料理が多い中で、トリッパはちょっと手間暇かかる。煮込み具合がちょうど良く、味も良かった。
マルゲリータ

他店と比較するならシンプルなマリゲリータに限る。天然酵母を使った生地もしっかり味わえるだろう。薄い生地とモチモチした食感の縁がナポリピザの特徴だが、ルメンの生地は他店のものより少し固く、しっかりしている。もっと大きな違いは香り。連れはハーブのような匂いがすると評していた。今まで食べたピザの中でも一番美味しいとのこと。相手が喜んでくれれば銀髪も嬉しい。
グラスワインの品揃えやサービスに注文をつけたいところだが、ピザ屋と割り切れば問題ないだろう。店員が「ピザを食べてください」と強調したのも良く理解できた。ナンバーワンは一つあれば充分といったところだろうか。
ラ・ピッツェリア ルメン
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル新宿1F
03-3205-1207
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2008年10月15日
[しょう助](新宿三丁目)
庄助グループの高級店

庄助には焼き鳥、おでん、個室ダイニングなど数種類の店がある。先日行った焼き鳥「庄助」はおやじ御用達の典型的な大衆居酒屋。今回行ったしょう助は多分グループの最高級店で、庄助とはまったく趣が異なる。
テーブル席は気の置けない相手となら接待にも使える雰囲気で、もちろんカップルにも受けそうだ。彼らにとって最適なのはゆったりとした窓際のカウンター席だが、景色は期待できない。二人の世界にひたるにはうってつけかもしれない。
お通し、日替わり三種盛合せ、豆腐

内装だけでなく店員のユニフォームもサービスの質も庄助と異なり格段にいい。その分お値段も随分違う。料理は止むを得ないとしても、日本酒は割高に感じる。
鶏のたたき、茜鶏もも唐揚げ

茨城県筑波産の茜鶏。ちょっと上の店らしいメニューも豊富だ。庄助とのコストパフォーマンス比較ばかりしてしまうが、他の同種の店と比べたら悪くない。大衆店の庄助が支えてくれるおかげだろう。
せいろそば

しょう助の一番のウリは十割蕎麦。それを食べなければいけないと思うから、腹八分目のところで他の料理を頼むのを止めてしまった。若いときならば腹一杯飲んで食べて〆にそばを食べただろうが、今は無理をしなくなった。店の戦略は客によっては裏目に出てしまうこともある。
庄助としょう助。これだけ違うと優劣を決めるのは意味がない。どちらが好きかと問われれば、答えは簡単である。どちらが生き残れるか予想するのもたやすい。
庄助としょう助。同種の競合店と比べるとどちらも悪くないと思う。
酒・魚と十割蕎麦 しょう助 sono
東京都新宿区新宿3-32-10 T&Tビル7F
03-3356-1818
http://www.shousuke.jp
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2008年10月07日
[鳥良](新宿3丁目)
手羽先唐揚げ、関東の雄

鳥良には2005年に中学の友人たちと二子玉川店に初めて行った。新宿3丁目店は2年半ほど前に来て以来2度目である。前回は鳥良の偉いさんに連れてきてもらったので、個室に案内され立派な食事をご馳走になった。久し振りの鳥良は随分と印象が違った。
隣席との間隔が狭い、小さな席に通された。若者に人気の店である。素直に与えられた境遇を受け容れた。3度目にして初めて自分でメニューを見て料理を選んだ。「手羽先が看板料理だよね」との問いに、若い店員が頷いた。
お通し、手羽先

手羽先の唐揚げは名古屋の「風来坊」「世界の山ちゃん」が有名だが、鳥良も看板料理にしている。風来坊が「元祖」、山ちゃんが「幻の」と頭につけるのに対して、鳥良は門外不出の秘伝のタレを謳っているのみで控えめである。どの店のものも驚く程美味しいものではないが、看板料理にしては値段が安いのがいい。
湯玉豆腐、鶏ごぼうサラダ

鳥良のもう一つの看板料理が豆腐。偉いさんと来たときは大きな角鍋を使って目の前で作ってくれた。それに比べて余りに小さいので拍子抜けした。そのせいか、写真を撮り忘れた。取り皿に分けた映像だけで許してもらおう。
どて大根、鶏の寿司

どて煮は名古屋の名物である。風来坊や山ちゃんと同様にどて煮をメニューに置いている。昭和59年に吉祥寺で創業、名古屋の手羽先唐揚げを東京で広めることを目標にしたというから、どて煮があっても不思議でない。もっとも、どて煮ではなく関西の呼び名「どて焼き」を使っているのがちょっと不思議。
日本橋の比内やで食べた鶏の寿司と比較したくて、〆に寿司を食べてみた。これは明らかに比内やの方が上。半額近い値段なので止むを得ないだろう。比較しなければ充分食べられる。
初めて二子玉川店に行ったときは行列が出来ていた。偉いさんと来たときは株式上場寸前だと聞いた。久し振りの鳥良は8時を過ぎても空席が目立った。リーズナブルな割に居酒屋よりワンランク上の雰囲気が受けていたと思うが、今では類似の店が増えて目立たない。商売は難しいものだ。リーズナブルに食べられるいい店だと思うが、店舗が増えすぎて勢いを失っているのかもしれない。
店員の暗さがちょっと気になった。
鳥良 新宿2号店
東京都新宿区新宿3-13-5 クリハシビルB1・B2F
03-3353-3357
http://www.samukawa.co.jp/toriyoshi/
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2008年09月19日
[庄助](新宿歌舞伎町)
何とも落ち着くベタな居酒屋

「ここでいい」と言われて目を疑った。そこまで遠慮してくれなくても良さそうだと思うのだが、顔を見ると冗談でもなさそうだ。「本当にここでいいんですか?」と聞くと、笑顔で頷く。相手がいいなら是も非もない。望むところだ。
最近の居酒屋は若い女性客なしでは成り立たなくなっているが、ここは違う。店内に女性は一人だけ。おじさんたちの顔は赤く、身体はだらしなく傾いている。まだ7時だというのにすっかり出来上がっているおじさん二人組みと相席することになった。8人掛けの大きなテーブルなので狭苦しいことはない。ビールで乾杯し、料理が到着すれば他の客の姿は視界から消える。
お通し、はまち、さんま

お通しのひじきを食べて「お腹が空いてるから美味い!」とのたまう。“お腹が空いてる” は余計だと文句を言いたくなるが、はまちやさんまを食べても「お腹が空いてるから美味い!」と繰り返す。店の人に聞こえそうでハラハラする。
焼き鳥、カキフライ

「お腹が空いているから美味い!」と焼き鳥を食べても同じ台詞が出て来る。ボキャブラリーが少ないのか、馬鹿にしているのか分からない。それでもいい食べっぷりを見ていると楽しくなる。
カキフライは、ジューシーで火傷しそうになった。ぼちぼち牡蠣を食べる季節になってきた。クーラーなしでも寝苦しくはなくなった。天高く馬肥ゆる秋の到来である。
シロ、山芋磯辺揚げ

シロは美味しいと言ってはくれなかった。豚の臭みは受け容れ難かったようだ。銀髪が苦もなく平らげるのを不思議そうに見ている。
磯辺揚げは気に入ったようだが、“お腹が空いてるから”という台詞は既に出なくなっていた。ぼちぼちお開きにしてもよさそうだ。
久し振りのおじさん向け大衆居酒屋は楽しかった。条件付ながら美味いを連発してくれたし、酒も安いので懐にもそれほど響かない。安い店で喜んでくれたら、もっといい店に連れて行きたくなるから不思議だ。今度はちょっと高級な店に行こう。“お腹が空いてるから”は取っ払ってくれるかもしれない。
庄助
東京都新宿区歌舞伎町1-11-6 扇園ビル1F
03-3200-6056
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2008年09月10日
[FUGA(風雅)](新宿歌舞伎町)
夜景がきれいなレストラン

「プリンスホテルの25階の店はどう?」と聞くと「あそこは古くて雰囲気が良くない」と言われた。新宿プリンスホテルの30周年に合わせて2006年12月にリニューアルオープンしたことを知らないようだ。
「プリンスホテルの25階を予約しました」とゲストに告げると、「品川?赤坂?」と聞かれた。確かにプリンスホテルと言って新宿と思う人は少ないだろう。しかも洗練されていないイメージがつきまとう。
昔来たことがある人も、ダサいイメージに囚われていた人も、席で待っている銀髪を見つけて口々に驚きの言葉を並べる。「ここはフレンチ?イタリアン?」の質問に首を振るとまた驚く。西新宿の高層ビルの夜景が美しく、ジャズの流れる店内では勘違いするのも無理はない。
お通し、白身魚のカルパッチョ

春巻、出し巻き玉子

中華料理や洋食の要素も取り入れているが、メニューは和食中心である。寿司カウンターもある。もっとも、和食なら日本酒にこだわる銀髪ですら、店の雰囲気に負けてシャンパンやワインを頼みたくなる。
鶏西京焼き、鴨の治部煮

治部煮までの5品はメニューリニューアル記念で半額だった。一皿ずつ頼もうとしたら「4人なので二皿ずつ頼んだ方がいい」と店員が言う。半額なら量も少ないかと思い素直に従ったが、しっかり量があったのでかなりお腹が一杯になってしまった。
串カツ、蟹炒飯

「正規料金のものをもっと頼むつもりだったのに、損しちゃったね」とソムリエバッジが光る店員に言ったら、「せっかく安いのですから、遠慮なく半額の料理をご利用ください」と笑顔で応える寛容さだった。
夜景が美しいレストランなのに、カップルは2組くらいしかいない。ホテルに宿泊している男同士や接待風の客の方が目に付く。それでも、席は3分の1も埋まっていない。隠れ家的というか、穴場というか、とても静かないい日、いい店だった。
メニューリニューアル記念は9月15日まで。いき損っても2~3ヶ月でメニューが入れ替わるそうだから、要チェックである。半額で楽しめる期間が年に数回あるはずだ。
勘定を払い、天空から地上に戻った。西武新宿駅に流れ込む人の群れ、きらびやかに散らばる飲食店や風俗店。一気に歌舞伎町の現実に引き戻された。一瞬戸惑うものの、すぐに溶け込んでしまう。活気に溢れた猥雑な歌舞伎町も悪くない。
和風ダイニング&バー FUGA(風雅)
東京都新宿区歌舞伎町1-30-1 新宿プリンスホテル25階
03-3205-1111
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2008年09月05日
[いのこ家](新宿3丁目)
蒸し豚と豚ヒレ寿司

目指す店はマルイシティ8階にある。予約していないので、満員のエレベーターの全員がライバルに思えてしまったが、7階で不安は一掃された。そこには映画館があった。
エレベーターは我々だけになり、「いのこ家」に入ったのは我々だけだった。それでもカウンター席以外に選択の余地はなかった。ギリギリセーフに胸をなでおろした。
傘も荷物も預かってはくれないカジュアルなお店。目的にしていた2品、「蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット」「豚ヒレ握り寿司」を頼んでから、メニューを見詰めた。枝豆のようなすぐ来そうな料理が見当たらない。店員に聞くと「混んでいるので、どれも時間がかかります」と素っ気無い。お通しがあるからいいやと思ったが、結局来なかった。席料目当てのつまらないお通しに腹が立つときもあるが、何もなければ手持ち無沙汰ではある。
豚ヒレ握り寿司

幸い、一杯目のビールを飲んでいるうちに寿司がやってきた。炙りはレアの状態で少し赤身が覗く。北海道の直営農場で育てたSPF豚は生でも大丈夫とのこと。塩味が程よく、予想したより美味しかった。
蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット

我が家でもよくやる豚肉と野菜のセイロ蒸し。違いは豚肉の質というか安心度。野菜の上に薄切りの豚肉を乗せて、再び蓋をして30秒。レアの状態でも食べられるのは握り寿司で証明済み。2種類のロース肉は美味しく、蒸し野菜を食べればヘルシーな気分になった。
雑炊

蒸し器の下の鍋には肉や野菜のエキスが滴り落ちる。その鍋に出来たスープを使って麺か雑炊を最後に食べるのが定番。ヘルシー料理にこだわって雑炊を選んだ。
雑炊を食べ終わる頃には入り口で待つ人も出て来た。映画が終わる頃にはもっと列が延びるだろう。リーズナブルなワインや、果汁タップリのジュースなど、若い女性向けの飲み物は豊富だが、オジサン向けの酒の品揃えは貧弱。長居は無用のようだ。
家に帰り、体重計に乗ったら蒸し豚野菜の効果てきめんだった。メタボに悩むオジサン向けの店も開いてみたらどうだろう。もっとも、後でこっそりラーメン屋に行くようでは逆効果。それが我慢できる人なら、最初からメタボになることはない。
いのこ家
東京都新宿区新宿3-1-26 マルイシティ新宿City-1 8F
03-5362-0158
http://www.inokoya.co.jp/
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2008年09月01日
[韓国館](新宿歌舞伎町)
家庭料理もいろいろある

「あれっ? 変わったな、この店」とKさんがちょっと驚いている。足が遠のいてしまったのはKさんだけではなかったのだろう。店は創業11年目にリニューアルオープンし、高級店から家庭料理中心の低価格店に姿を変えていた。
店の奥に架かった大型液晶テレビではスポーツ番組が流れている。どこか変だと思って眼を凝らすと、チーム名が韓国語で書かれている。左隣で鍋をつつく若者3人は韓国語を話している。ラフな格好の若い店員たちも韓国人。まるでソウルに居るみたいだ。
お通し、キムチ、ケジャン

メニューの文字は日本語と韓国語。和牛焼肉のページは一瞥しただけで飛ばし、家庭料理を探す。メインはカムジャタン(ジャガイモの鍋)に決めた。すかさずKさんがキムチとケジャンを頼む。韓国語もポンポン出て来る。大したもんだ。中国でも韓国でも食べるのに困ることはないだろう。
キムチは浅漬け。ケジャンは先日の吾照里より濃い味で辛いが、悪くない。
カムジャタン

じゃがいもの他に骨付きの豚肉が入っている。味が少し薄い気がしてケジャンのタレがたっぷりついた蟹の甲羅を鍋にぶち込んだ。それを見て韓国人の店員が肉のだしが濁るから止めた方がいいと忠告する。一度は従って甲羅を鍋から出したが、思い直して再度鍋に移した。日本式寄せ鍋では肉も魚もごちゃ混ぜにする。味が交ざって何が悪い。
Kさんは豆腐は絶対あるはずだから追加しようと言う。豆腐を分からせるのには苦労した。発音が微妙に違う。具を足すシステムはないようだが、Kさんの要求に店員も素直に応じてくれた。
思ったとおり鍋はさらに美味しくなった。Kさんと二人で日本人の知恵を自慢する。伝統や習慣という高い壁も、他国人なら軽々と超えることができるから面白い。ソウルでは練りわさびを鍋の薬味に使う店があった。アボガドの鮨・カルフォルニアロールなども日本人には考え付かない。
石焼ビビンパ

写真は撮り忘れたが、ジャガイモのチヂミも食べたので満腹。それなのにKさんがさらにビビンパを頼むからびっくりした。60歳を超えるのに、銀髪より遥かに健啖家である。尊敬してしまう。
たくさん食べる人がいると、食事は一層楽しくなる。特に鍋は2人より3人、3人より4人である。
Kさんの表情を見ていると、以前の韓国館より大衆的になった今の方が気に入っているようだ。韓国人や韓国通の日本人も、ソウルの料理屋を思い出してしまうような店である。
韓国館
東京都新宿区歌舞伎町2-41-8 植木ビル1F
03-3232-2989
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2008年08月25日
[オステリア ヴィンチェロ]③[新宿御苑)
嬉しい再会

モッシュさんこと水谷さんから「オステリア ヴィンチェロ②」にコメントをいただいた。以前勤めていた日本橋小網町のランブイユが閉店になって、今はヴィンチェロに居ると言うではないか。すぐに電話をかけた。銀髪と名を告げると素直に驚いてくれる。とても楽しい。
カウンターのある店以外はなかなかシェフと話す機会はないので、店の顔はフロアスタッフになる。会社における営業マンの役割に似ている。水谷さんはとても気持ちのいい接客をしてくれる人だ。大好きなヴィンチェロに居ると聞けば行かなければならない。
ヴィンチェロは大きなガラス窓から店内が見える。こちらが水谷さんを認めると同時に、彼女もこちらに気がついてドアを開けてくれた。席に付き、料理の説明を受ける。ゆっくりとした口調は変わらない。

大好きなムール貝の料理(ズッパディコッツェ)は身もいいがスープが頗る美味い。ズッキーニのクリーム仕立て(ズッキーニのクレマ 北海しまえびのマリネ添え)を横取りしたら、こちらの方が更に美味しかった。

麺は2種類。ポルチーニ入りクリームソースのパスタには特別にトリュフを削りかけてもらった。今の季節はポルチーニの方がトリュフの香りに勝るようだ。
水谷さんが一番に奨めたボッタルガ(カラスミ)を乗せたぺペロンチーノ。前回も食べたので一度は断ったが、考え直した。看板料理だけに何度食べても満足してもらえる。

石垣のチュラ(美ら)豚のポルケッタ風。本来の仔豚を丸ごと焼く調理法をアレンジしたものと水谷さんが説明してくれる。イタリア流に量がたっぷりあるのもヴィンチェロの特徴。丹波夏鹿のフォアグラソテー添えの殆どと、チュラ豚の半分ほどを自らの腹に納めた。
もちろんヴィンチェロの売りものであるワインも料理に合わせて、グラスワインを白赤の順に堪能した。周りのテーブルのワイングラスよりひときわ立派なだけはある美味しいワインだった。
それにしてもお腹一杯。デザートを二口食べて、食後のグラッパは遠慮した。

勘定を終えて席を立つと、カウンターにオーナーシェフの斉藤さんが頬杖をついていた。一声かけて会釈をした。外まで見送ってくれたのはもちろん水谷さん。ますますヴィンチェロが好きになった。
オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967
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2008年08月21日
[コルベーユ](早稲田・リーガロイヤル東京)
懐かしのウインナーシュニッツェル

早稲田でミーティングを終え、食事をすることになった。高校生活を送った地域ではあるが、ラーメンのえぞ菊など数店しか思い浮かばない。下調べもしないで行ける安心な所はホテルのレストランだ。暑い日なのでワンメーターでもタクシーの運転手さんには大目に見てもらった。
日本料理(懐石、寿司、鉄板焼)、中国料理も魅力的だが、気軽なカフェを選んだ。懐にも優しそうだ。サントリー協賛の飲み放題が2,500円とお得なのもいい。
オードブル4種盛り、バーニャカウダ

オードブルが950円、バーニャカウダが800円と思惑通りのお手頃値段。ビールが美味い。
ウインナーシュニッツェル

メニューを開いたとき、即決したのがウインナーシュニッツェルだった。とても懐かしい響きがある。ビーフカツと似ているが、肉は叩いて薄くしたもので、多目の油をひいたフライパンで焼くところが異なる。父がよく作ってくれたような気がするが、例によって記憶は定かではない。
オーストラリアに居たときはチキンシュニッツェルのサンドイッチをよく食べた。客の好みを聞いて目の前で作ってくれる。ホワイトブレッド、チキンシュニッツェル、レタスまでは上手く言えるのだが、ソルト&ペッパーと言うところを、ソルト&シュガーと言って笑われた。不思議なことに言わないように意識すればするほど、また言ってしまう。今でも思い出すと冷や汗をかく。
サーモン網焼き

カフェは気軽でいい。シュニッツェルもサーモンも切り刻んで酒の肴になった。銀髪が選んだシュニッツェルの方が数段美味しい。海外と同様、日本で食べても洋食の魚料理は感心しない。サーモンを選んだ相手も素直に負けを認めた。勝てるはずはない。今日のシュニッツェルは銀髪が食べた中でも最高の出来だったのだ。
思い出の味を超えてしまったウインナーシュニッツェル。写真を見るだけでよだれが出て来る。
コルベーユ リーガロイヤル東京
東京都新宿区戸塚町1-104-19
03-5285-1121
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2008年08月19日
[炉端かば](新宿3丁目)
山陰の魚料理百選。ど田舎の旬を毎日おとどけ

店の看板に「山陰」「ど田舎」「旨い!安い!楽しい!」の文字が躍る。酒呑みの気持ちを良く知っている。エレベーターに乗り込んだが、2階に止まらないと知って飛び降りた。階段を上がると想像以上に大衆的な店。「安い!」の表現は疑いない。
店内は7割位の入り。テーブルも選べたが、窓外が見えるカウンター席に座った。すぐに店員が箸とマルハの「有明煮赤貝味付」を持って来た。缶詰のお通しは記憶にない。ビールは鬼太郎ビール、日本酒は鳥取、島根の地酒が約20種類の中から石見銀山を飲むことに決めた。純米吟醸酒でも1合700円と良心的な店である。

ドジョウの唐揚げ、地物セット

メニューも豊富だ。隣の客はオムレツ、サラダを経て、今度は立派な刺身盛合せ食べている。銀髪は律儀に山陰名物にこだわる。安来のドジョウ、島根名物あご野焼き、浜田の赤天、干物。銀髪がうんちくをたれる材料満載。「楽しい!」も認めてあげよう。
焼き鳥、山芋コロッケ、板わかめ、

焼き鳥(大山?東伯?)を食べ、鳥取砂丘名物の山芋を使ったコロッケでほぼ満腹。島根名物の板わかめで残った酒を飲み干した。
店内は満席となり大分賑わってきた。メンチカツ、ハムカツなど200円台で食べられる料理もある。値段の割には「旨い!」と言っても良さそうだ。明らかにアルバイトと分かる店員たちも「ど田舎」にピッタリの子達を採用していると言ったら怒られてしまうかな。
「ど田舎」の表現に反するのは店員が打ち込むオーダー端末。箸袋を見ると安来本店、松江、鳥取、米子、出雲の山陰にある5店舗に加え、新橋、浜松町にもある。これだけの店舗展開をしていれば、ファミリーレストラン風のシステムにも納得できる。
月曜はレディースデイ、火曜はメンズデイ、お得なクーポンはぐるなびで手に入る。店名の「かば」がどこから来たか分からない。オーナーの渾名だとしたら、大した経営者だ。
炉端かば
東京都新宿区新宿3-31-2 NS中央プラザビル2F
03-3597-2003
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2008年08月12日
[ラ・タペリア](四谷三丁目)
人気のスペイン料理屋だってさ

電話で予約を入れるときさくな外国人訛りの日本語が聞ける。日本人なら無礼と感じる言い回しも外国人なら好ましいと思われるから得をしている。四谷駅を出て杉大門通りを左に曲がったらすぐに見つかった。荒木町と言ってもいい場所だ。立地も有利だ。
電話で言われたとおり、狭い空間の小さなテーブルに通された。隣にチェーンスモーカーが居る。煙草を吸いながら料理を口にする無神経さに店を出ようかと思ったが我慢することにした。メニューにある豊富な料理の写真を見て喜んでいるAさんを気遣ってしまった。
お通し、自家製ピクルスの盛合せ

お通し代わりのカリフラワーの冷製スープはなかなか良かった。ピクルスは値段の割りに量が少ない。ボトルのワインはリーズナブルだがグラスワインは不味くて割高。Aさんの顔が曇る。
生ハム、ヒコイワシの酢漬け

セラーノとイベリコの生ハム盛合せは予想通り。マドリードの伝統的なタパスであるヒコイワシの酢漬けは好みの味だった。
ムール貝

スペイン料理で一番好きなムール貝料理。ふっくらとした身が期待通りだった。「どこ産?」とスペイン人のオーナーに聞いたら「貝はパスポートを持ってないので分からない」と言う。冗談のつもりだろうが笑えない。貝が消化しそこなった蟹を話題にして勝手に楽しむことにした。店は頼りに出来ない。
自家製パテ

タパスが小皿料理、おつまみといった意味だと思い出した。店の雰囲気と値段を見て一皿の量が多いと勘違いしていた。忙しく満席のテーブル間を歩き回るオーナーと店員の両方に、近くを通る度にメニューを求めた。銀髪には自家製パテを、Aさんにはデザートを頼もうとしたが、オーナーは頑として受け付けない。デザートは料理を食べ終わってから出すのがスペインの流儀で譲れないと言う。
仕方なくパテを2人で分け合い、それから再びデザートのメニューを貰った。デザートを食べ終わった後に紅茶を持ってくるのもスペインのマナーらしい。予約なしでドアを開けて断られる多くの客のために、早く帰ってあげようと気遣ったが無駄だった。
写真の料理と生ビール1杯、小さなグラスワイン1杯、小さなシェリー酒1杯、スペイン産ミネラルウォーター2本、デザート1皿、紅茶1杯で合計13,500円。そうそう、パンも追加したかな。
足を組み、煙草を吸いながら料理を口に運ぶ人を許すのだから、店のパンフレットにあるように「居酒屋のようなスペインのフードスタイル」を守る店である。無礼をきさくと感じる人は楽しめる店だ。
ラ・タペリア
東京都新宿区四谷3-3 ストリーム四谷B1F
03-3353-8003
http://www.la-taperia.com
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2008年08月08日
[地鶏ばやし](新宿歌舞伎町)
意外と良かった宮崎料理の店

50歳を超えるとあちこちにガタが来る。歯を自慢しているうちにケアを怠った歯茎から病んでいった。今日の治療は辛かった。歯医者での苦行を乗り越えて、グルメ紀行のために夜の街に出る自分を褒めたい気分だった。
新宿歌舞伎町、宮崎料理の看板に釣られた。東国原知事による宣伝効果は既になくなってしまったようだ。ブームが去るのを待っていた銀髪のような連中は僅かしかいない。7時を過ぎているのに店は閑散としている。料理人とその奥さんと言ってもおかしくない年齢の女性と2人で切り盛りしているのを見れば、彼らが想定する客数も容易に推測できた。
白レバ刺し、鶏わさ3種盛り

メニューにある料理の種類は多くない。掲示板の本日のお奨めを足しても数は大きく増えることはない。もっとも、一人で食べられる数は限られているので数を競っても仕方がない。
美味しい白レバの刺身があるだけでかなり満足感は高い。
骨付もも焼き

店の看板料理でもある宮崎名物地鶏の網焼きを食べたが、これには参った。食べる度に歯にかかるプレッシャーを受け止めることが出来ずに治療したばかりの歯茎が悲鳴をあげる。ところがこちらの意に反して相方が「上手い!」と賞賛するのに驚いた。そう言われて味わうと確かに相方が正しい。宮崎地鶏の特徴は歯応えと黒く煤けた炭の香り。噛む場所を選びながら美味しく食べ尽くした。
冷汁

宮崎料理のもう一つの代表格・冷汁は初挑戦。「魚だしと麦みそベースのさっぱりした汁」と謳い文句どおりのお味。これを白いご飯の上にぶっかけて食べる。夜は液体になった米以外は口にしないと決めている銀髪でも、酒の肴の感覚で食べられるのがいい。
歯医者に行った後は絶対お奨めの料理である。
思ったよりいい店だった。満席になったとき対応できるか心配ではあるが、メニューの種類を制限するなど経験を活かしている風にも思える。
繁昌するよう頑張れと応援しつつ、それなりに空いていて欲しいとも思う。我ながら客というのは勝手である。
地鶏ばやし
東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2F
03-3232-1029
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2008年08月05日
[むつ湊](新宿歌舞伎町)
歌舞伎町に出来た新しい和食の店

以前書いた「彌次朗兵衛」が姿を消した。激励したつもりだったが、命を縮めさせたのではないかと気になる。店は大きく衣替えして見違えるような店内になった。料理人が3人、給仕係の女性が2人、店長らしき人を加えると堂々の布陣だ。
お通し、枝付枝豆塩ゆで

枝豆が茹でたてで出て来たので感心した。新しい店らしくまだ何となく浮ついた印象があったが、料理はちゃんとしているようだ。不安な気持ちが少し拭えた。
さんま刺身、白ミル貝刺身

「本日のおすすめ品」のメニューにはその日仕入れた素材の産地が書いてある。根室産さんま、富津産の白ミル貝、飯岡産の天然岩牡蠣を選んだ。
岩牡蠣、自家製胡麻豆腐

大きな牡蠣は食べやすいように縦に包丁が入れてある。胡麻豆腐も海老を乗せて美しい装いで洒落ている。リーズナブルな価格を考慮するとなかなかいい水準である。
ねぎま串焼き、つくね串焼き

焼物も悪くない。雰囲気は割烹とも居酒屋とも言い難い中途半端な店だが、料理はちゃんとしているし、ぎこちない女性店員(アルバイト?)も一生懸命で好ましい。このままで行けば人気店になるかもしれない。
オーナー経営者が店に居るようには感じられなかったので「チェーン店ですか?」と聞いたら渋谷に10年以上続く店が本店と言う。オーナー自らが毎日築地で魚を仕入れているそうだから悪い店ではないだろう。
かつて彌次朗兵衛は多くの客で賑わっていた。経営が変わったのか、いい場所のはずだが潰れてしまった。むつ湊は手頃な値段といい、味といい、歌舞伎町に集まる人たちに受け容れられる要素は充分備えている。ちょっと期待してもいいかもしれない。
むつ湊
東京都新宿区歌舞伎町2-10-5 G1ビル1F
03-3207-8488
http://www.foodsystem21.com
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2008年07月28日
[小肥羊](新宿)
本場中国で700店以上展開する火鍋専門店

中国人の友人から「今度美味しい火鍋の店にご招待しますよ」と言われて数ヶ月経った。日中を忙しく駆け回っている彼に、「あの約束はどうなったの?」とは口が裂けても言えない。ずっと待つつもりでいたが、以前入ろうと思った店がその店だと気が付いた。もう止まらない。

辛いスープと普通の鶏ベースの白濁したスープのコンビネーションは他の店と同じ。但し唐辛子が表面を覆ってスープが見えないような大辛を選べるのが面白い。飲んでみると意外と辛くなくて拍子抜けした。
1999年に中国内蒙古で設立された小肥羊は今では700店舗以上展開する中国第2位の外食チェーン店になったという。昔、中国の料理店のイメージは小さく汚いものだったが、経済発展著しい今の中国らしく小肥羊も立派な造りの店だ。加えてサービスも実に中国らしい。食べ方の説明も料理の説明もない。客に笑顔を見せないで、料理を置くときの素っ気無さも見事に輸入されている。
最高級のラム肉を頼んだ。芸術的なまでに薄く切られている。しばらく鍋に泳がすと、どこに行ったか分からなくなる。練り物類は凍ったまま出て来るので、煮えたぎったスープを冷ますのには好都合だった。

箸休めに串焼きを食べた。店員に意見を求めたが要領を得ないので自分で判断した。ピリッとしてなかなかのものだった。これも冷凍なのかな?

大したことはないと思っていた辛いスープは食事の終り頃には凄く辛くなった。白湯スープと調節して何杯も飲んだ。あれこれ追加の具を頼むより健康に良く、値段も高くならない。せっかくの薬膳スープだ。具の旨みの染み出しでさらに美味くなったものを残すのはもったいない。

火鍋の店は多いが、それぞれ特徴があって面白い。どれがいいかは各人の好み。暑い夏を忌み嫌うよりも、熱い鍋で体脂肪を燃焼させよう。痔を患っている人はちょっと注意!
小肥羊
東京都新宿区歌舞伎町2-26-3 アミモトビル2F
03-3208-7727
http://www.hinabe.net/
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2008年07月17日
[すし秀](四谷三丁目)
常連さんで賑わう町の寿司屋さん

新宿から四谷方向に新宿通りを走り、四谷三丁目の交差点を越えて三菱東京UFJ銀行のある交差点を左折、1本目の信号の交差点(三栄町)を右折すると道の左側に見える。
店に入ると常連のKさんが連れと2人で我々を待っていた。「分かりにくかったでしょう?」と声をかけられたが、迷いようがない。もっとも荒木町のように料理屋が密集している地域ではないので、「こんなところに?」と思う人は多いかもしれない。
食事の前に主人の村岡さんと名刺交換した。名前の漢字が全く一緒なのを足掛かり一気に仲良くなろうとしたがどうもぎこちない。Kさんが銀髪グルメ紀行のことを事前に話していたせいか、少し緊張しているのかもしれない。

最初に出て来た豆粒のようなものがシャコの爪の身と聞いて驚いた。築地でもなかなか入荷しない貴重なもの。塩水ウニともども美味しいスタートとなった。

鰯、あわび、塩辛と酒の肴に向く料理が次々に出される。普段ならあれやこれや質問して、ちょっと知ったかぶりをして料理人を引き込むところだが、Kさんたちも無視できない。銀髪だけが目立つのも気が引けた。

座った時からカウンターにデンと鎮座している大きなサザエが気になっていた。日本橋の「あきば」寿司あきばでいつも食べるサザエと同じぐらいの大きさなので千葉産かと尋ねたら、こちらは伊豆産だという。もちろん壷焼きにしてもらって仲良く4人で分け合った。優しいKさんがスープもたっぷり注いでくれた。

手際よく出されるものを食べていて、ふと刺身を食べていないのに気が付いた。つまみに少し切ってもらうつもりで頼んだら4人分まとめて出てきた。Kさんをはじめ、みんなが譲ってくれるのでたくさん食べてしまった。

最後にコハダ、アナゴ、トロを握ってもらった。もう少し食べたかったが皆さんの協力でお腹が一杯。デザートのさくらんぼは2粒だけ味見した。シャブリを飲んでカウンターのこちら側で盛り上がった。
村岡さんはカウンターを埋めた常連さんたちの相手をしている。顔なじみに囲まれてリラックスしている様子。銀座あたりの店には見られない和やかな雰囲気である。表通りからは引っ込んだところに店を構え、宣伝もしない理由が分かる気がする。
料理が大切なのはもちろんだが、それ以上に料理人が好きで客が集まって来る。友達のように、兄弟のように和気藹々である。大都会・東京にもそんな店がある。
すし秀
東京都新宿区三栄町19
03-3351-0051
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2008年07月16日
[月の雫](新宿)
ハイテク居酒屋

先週、お腹を壊した時に豆腐屋を検索した。出てきたのは「禅家」と月の雫。第一候補にした禅家は予想通りいい店だった。これに味をしめてお腹は治ったが月の雫にも行くことにした。
銀座や渋谷、あちこちにある大きな看板に見覚えがある。それがちょっと不安ではあったが…
ビルに入るとお屋敷みたいな立派な造り。安っぽいチェーン店との先入観は吹き飛んだ。膳家と同じように個室に案内されたが、すぐに違いに気付いた。隣室とは簾で仕切られているだけで、個室とは言い難い。もっと大きな違いは液晶のタッチパネルがテーブルに置いてあることだった。
お通し、液晶メニュー

お通しが来て、飲み物をオーダーした。後は全てタッチパネルを触ってオーダーする。最初は戸惑ったが慣れてくると店員を呼ぶ必要はないし、料理はすぐにやってくるので快適ではある。
胡麻豆腐、熟成しずく豆腐、つくね豆腐、月の雫サラダ


出来立ての温かい豆腐を食べたかったが、「次は9時に出来上がります」と言われて諦めた。豆乳ドレッシングがかかったサラダは面白かった。
ハーブ鶏もも串焼き、麦富士豚バラ肉の大串

今日はお腹の調子もいいし、禅家と比較するのも飽きたので肉を食べることにした。豆腐料理ばかり食べていると、素晴らしく美味しく感じる。ベジタリアンの人たちは肉を食べたいと思うことはないのだろうか。
月の雫は東方見聞録や黄金の蔵など合わせて100店以上を展開する三光マーケティングフーズの系列店。月の雫はタッチパネルを使うことで迅速かつ正確な注文を可能にし、同時にコストダウンも出来ているようだ。しかし、すぐに料理は出て来るが言わなければ皿は片付けられないし、もちろん笑顔も軽口もない。
料理以上に店とのコミュニケーションを大事にする銀髪にしてはちょっと不満が残る店だった。彼女を口説くのが目的の人にはうってつけかもしれない。店員がかっこいいと、嫉妬する人がいるらしい。そんな人は店員が不細工でも成功するとは限らないと思うけれど…
月の雫 新宿靖国通り店
東京都新宿区新宿5-17-11 新宿白鳳ビル2F
03-5155-4920
http://www.sankofoods.com
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2008年07月07日
[禅家](新宿歌舞伎町)
豆腐尽くし

前日、起きた時から胃が重かったが、たいしたことはないとたかをくくっていた。それでも昼は蕎麦で済ませようと思った。それなのにトンカツを食べてしまった。何という意志の弱さ。お腹は許してはくれなかった。幸い夜には少しちょとお機嫌を直した。胃薬を飲んでワインを飲んだ。腹を押さえて家路に着いて長時間眠った。朝には回復。丈夫な胃に感謝した。
今度は前日の轍は踏まないようにして、豆腐料理屋を探した。
いつも内装屋の仕事ぶりに感心させられる。禅家も店に入った途端にビルの4階にあることを忘れてしまう。若い店員たちがいい動きをしている。期待してもよさそうだ。
お通し

店の造りから予想したとおり洒落たお通しが出て来た。値段はちょっと高めの800円。ゆったりした個室料込みと考えれば妥当に思える。料理は丁寧で味も悪くない。
生ものを避けて刺身を頼まなかったが、お通しで次の料理まで時間が稼げそうだ。
おぼろ豆腐、わさびあんかけ

おぼろ豆腐にはわさび、塩、みょうが、ねぎ、だし醤油が添えられる。やはり豆腐はいい。お腹にとっても優しい。
温かいおぼろ豆腐と湯葉のあんかけも店員お奨めの一品。同じおぼろ豆腐だが、味が変わって美味しい。
お腹は反乱を起こさないどころか、ちょっと油っぽいものも欲しがり始めた。大山鶏、三元豚、牛ヒレ、牛タン、目移りしたがグッとこらえた。豆腐尽くしの意志は固い。
豆腐の焼きつくね、おからのコロッケ

言われなければ豆腐やおからの料理とは分からない。分からないのは銀髪だけかな?肉が少なくても充分美味しい。
店の賑わいは部屋の中からでも分かる。内装屋がいくら頑張っても音を遮る個室をビルの中に造るのは難しい。店員たちがてんてこ舞いの雰囲気も伝わってくる。呼び出しのボタンを押すと、息を切らしてやってくるのが分かるが、扉を開けて客の前に姿を現した時には涼しい顔をしている。立派!立派!
食べた料理はどれも3桁だったので、お腹だけでなく懐にも優しかった。店からしたらもう少しお金を使って欲しかっただろうが、再訪してもよさそうな店だから、次に期待して欲しい。
禅家
東京都新宿区歌舞伎町1-6-2 T-wingビル4F
03-3200-8731
http://www.daynetfood.com/zenya/index.html
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2008年07月03日
[おちょぼ餃子](新宿)
餃子だーい好きだけど

和食、洋食、エスニック、いろんな料理屋が入るビルの前に立って、決め手になったのはやっぱり餃子だ。飛びっきり美味しくはなくても、どうしようもなく不味いことはないはずだ。何よりも料金が予想できていい。目玉が飛び出るような勘定には絶対ならない。
店はシーンとしていた。客はそれほど入っていないのに店員はなかなかやって来ない。ビールとお通しが来てからも、再びたっぷり料理を選ぶ時間を与えてくれた。
お通し、ラーメンサラダ

お通しが出てきたので、この店は居酒屋のカテゴリーに入るようだ。中華料理屋ではお通しは出てこない。お通し(タコの唐揚げ)400円はこの日の勘定の15%以上を占めた。大衆店にとっては重要な収益源だ。
まず餃子が来ると思っていたが、ラーメンサラダが先だった。ラーメンは後に持ってくるべきだと言おうとしたが、サラダということを思い出した。最初でも何ら不思議ではない。そこそこ食べられる。それでもいきなり麺類はちょっと違和感があった。
おちょぼ餃子、キムチ餃子、海老餃子、水餃子

待ちわびた餃子が3種類同じ鉄板に乗って来た。一皿ずつ出すよりも付け合せの野菜は少なくて済む。小振りの餃子にしたことは戦術的には正しい。さすが創業130年の歌行灯の系列店だけに、芸が細かい。三重県発祥の飲食店グループとしてはもっとも成功した飲食店のひとつと言うのも頷ける。
手羽先唐揚げ棒

壁に写真が貼ってあるのでこの店の名物料理だろう。くの字形の手羽先を真っ直ぐ伸ばして揚げただけのものだが、まったく違うものに見えて面白い。安い手羽先も形を変えれば付加価値が出る。またまた130年のノウハウに感服した。
値段なりの満足感は得られる店である。
おちょぼ餃子
東京都新宿区新宿3-4-8 セゾンプラザ7階
03-3341-1115
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2008年06月27日
[太子楼](新宿御苑前)
本格的な杭州料理を食べられるお店

「中国が近い将来日本を抜く」と色々な場面で中国脅威論が語られることが多くなったが、かつては遣隋使、遣唐使を送るなど日本が中国を崇めていた。もちろん文化面でも中国の方が遥かに上だった。食では中国8大料理(山東料理、四川料理、江蘇料理、浙江料理、広東料理、湖南料理、福建料理、安徽料理)を生んだ。
杭州料理は浙江料理に属し、中国を代表する詩人・蘇東坡が作ったとも言われる東坡肉(トンポーロウ=皮付き豚の角煮)が有名である。杭州料理の店があると聞いて行くことにした。新宿御苑から徒歩3分。ホームページを見ると、ちょっと怪しげな日本語が微笑ましく、本場の味が期待できる。
くらげ、海老の龍井炒め

ホームページで「モダンで落ち着いたインテリア」と言うのはご愛嬌ということにしておこう。3桁のお値段の料理が並ぶメニューを見たら豪華な店でないのが有難くなる。
杭州名物の龍井(ロンジン)茶を使った料理はさすがに高いがそれでも1,200円。内陸にあるため川や湖で獲れる素材を使い、淡白な味が特徴だ。
茄子とモンゴウイカのピリ辛炒め、オリジナル醤油焼きそば

新宿の繁華街から離れるだけに、飛び込み客は少ないだろう。客の多くは近隣の常連さんで、我々のようにわざわざ来た人はいないようだ。周りのテーブルには餃子、鳥の唐揚げ、麻婆豆腐などが乗っている。
本場から来たという料理人は忸怩たるものがあるに違いない。銀髪のように杭州料理やオリジナル料理を求める客が増えれば、メニューの構成もかなり違ったものになるはず。好奇心旺盛な若い女性たちに、料理人を喜ばせてもらいたいものだ。
杏仁豆腐

デザートの評価には自信がないけれど、この杏仁豆腐も悪くないと思った。店が賑やかになれば、もっと色々な杭州料理が食べられるようになるはずだ。もっとも街の中華料理屋的なところを愛する常連さんたちにとっては迷惑な話で、そっとしておいて欲しいかもしれない。
太子楼
東京都新宿区新宿1-30-6
03-3358-9885
http://www.taisirou.com
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2008年06月25日
[つな八 本店](新宿)
念願のつな八本店に遂に入れた

いつ行っても行列が出来ていて入れない。予約をすればいいものを、いつも飛込みでは仕方がない。目指して行くとダメなのに、他の店に行くつもりで店の前を通ったら誰も並んでいなかった。金曜日の7時に簡単に入れてしまうのだから世の中面白い。もちろん予定を変更してつな八の暖簾をくぐった。
つな八は1924年(大正13年)創業というから80年以上の歴史を持つ老舗の天婦羅屋さん。その割にカウンターで2千円位から食べられる庶民的な店。行列が出来るのも頷ける。
カウンターに座り、天婦羅膳1,995円、上天婦羅膳2,730円、特選江戸前膳3,990円のどれにしようか迷う。この上はポンと値段が跳ね上がるので、お好みにした。好きなものだけ食べよう。
産地直送盛合せ、白海老

めじな、くろむつ、やりいか、はもの4点盛りを頼んだが、なかなか来ない。お通しがない明朗会計は嬉しいけれど、ビールのつまみがないので白海老の天婦羅を頼んだ。すぐに揚げてくれるかと思ったが、銀髪の順番はかなり後。結局刺身が先に来た。
カリッではなく、衣が厚くてフンワリとしている。ものの本によれば、これが本来の江戸前天婦羅だそうだ。
海老、いか、めごち

めごちはフンワリというより、中がべチャッとしていた。尾びれとそれに続く骨は噛み砕けない。板さんがこまめに天婦羅鍋の火を点けたり消したりしているのが気になっていたが、揚げ油の温度が低かったのかもしれない。
大あさり、ほたて、小玉葱

お好みにしても、カウンターなら困らない。他人の天婦羅が揚がるのを見て、何を食べるか決断できる。隣席を覗き見て、中がレアのほたては特に美味しそうに見えた。結局、食べた中では玉葱が一番美味しかった。
ミシュランが星をつけた店の天婦羅は衣が薄く油もくどくない。グルメ本が推奨する店を好きな人がつな八の天婦羅を褒めないのはよく理解できる。もっとも、これこそ老舗が守る伝統の味なのかもしれない。「この値段なら充分美味しい」という口コミが多い。高級店なみの値段なら来ないということだろうか。
店を出る頃には行列が出来ていた。ラフな格好をした若いカップルが多い。カウンター天婦羅デビューに目を輝かしているのが窺える。「美味しいだろう?」「美味しいね!」なんて会話する恋人たちに野暮な話はするまいと思った。
つな八 本店
東京都新宿区新宿3-31-8
03-3352-1012
http://www.tunahachi.co.jp
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2008年06月09日
[アカシア]③(新宿)
アカシアはドイツレストラン?

もちろん、あのロールキャベツの「アカシア」である。先日いつものようにロールキャベツを頼んだ後に、壁に貼られたメニューに目が釘付けになった。アカシアは定食屋とばかり思っていたが、どうやら認識不足だったようだ。
日を替えて再びやってきた。2階の禁煙席に相席を強いられた。混んでる時間帯で文句は言えない。大テーブルなので他の客もそれほど気にならないのが幸いだ。ほぼ同時に同じテーブルに座った若いカップルが定食を頼んだ。我々は君たちとは違うよ!
冷製ソーセージ、レバーパテ、燻製若鶏

前回、目を奪われた各550円のおつまみ類だ。もちろん飲むのはドイツビール。カッカッカッ! とてもご機嫌である。
グリーンサラダ、ポークソテー

サラダも量が多い。大テーブルのこちら半分が皿で埋まった。ポークソテーも来てさらに我が方の陣地が大きくなる。向かいのカップルが目を白黒していて愉快だ。ビールをお代わりしてご機嫌で笑い声を上げているうちに、いつの間にか前のカップルは食べ終えて消えていた。
観客がいなくなって失望していたら、若い女性が2人、奥の大テーブルに座った。「混みあうかもしれませんので並んで座ってください」と店員に促されたものの、一つ席を空けて仲が悪そうだ。しばらくしても会話をしないので、我々も店員も状況を把握した。たまたま一緒に店に入っただけらしい。
赤の他人が並んで座らされた不機嫌な気持ちも、定食を口に運ぶ頃にはおさまった様だ。居酒屋で女だけで盛り上がるテーブルを見ることは珍しくなくなったが、女性の一人メシは珍しい。しかも2人が一つ席を空けて、並んで黙々と食べている光景はちょっと奇妙に見える。
連れの話では珍しくないらしい。料理をすることなく定食屋や弁当で夕食を済ませる女性も多いそうだ。今や企業戦士は男だけではない。女性の地位向上や自立が当たり前になってきた。若い男性の女性化、女性のオヤジ化が言われ始めて久しい。
彼女たちもすぐに消えた。我々の向かいには3組目が座った。
ロールキャベツ、ビーフシチュー

定番のロールキャベツ、そしてちょっと気張ってビーフシチュー。もちろんご飯をもらうと日本的だ。
ソーセージなどでビールを飲んでいるとアカシアはドイツレストランだと思えてくる。定食屋のイメージに異を唱えることはしないが、商売とは別に秘めた誇りがあるように思える。
もっとも銀髪も定食屋扱いしていたのだから偉そうなことは言えない。ドイツレストランのようだと思ったのも、銀髪の勝手な思い込みに過ぎないかもしれない。
アカシア
東京都新宿区新宿3-22-10
03-3354-7511
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2008年06月02日
[丸港水産](新宿3丁目)
安くて煙たい店

キャッチバーだけでなく、飲食店の呼び込みにも乗ってはいけない。過去2年半で約700軒に行った銀髪が得た教訓である。禁を破ったのは声をかけてくれたのが若い女の子で、しかも外から店内が丸見えだったためである。
外から見た1階の店内はほぼ満員だった。案の定、通されたのは2階の座敷席。空席は僅かしかなかった。海の家で炭火焼を食べるのがこの店のコンセプトのようだ。窓を閉め切った2階は1階から昇ってくる煙も加わって、客が燻製になりそうである。
「瓶ビールはありますか?」「はい、大瓶ですがよろしいですか?」
いいスタートだ。プレミアムモルツの大瓶が580円。料理が多少不味くても許してあげる。
あの頃のハムカツ(380円)、刺身5種盛り(1,980円)

炭火焼の他に、懐かしい味もこの店のコンセプトの一つ。年配の人にとって懐かしい味も若い人にとっては新しい味かもしれない。
刺し身も悪くない。余ったら焼けばいいと思って大きめの刺身を頼んだが、殆どそのまま食べてしまった。
活帆立殻焼き(480円)、イカ漁師焼き(480円)

焼くのはセルフサービス。銀髪はもちろん上手に焼いて捌いてあげた。隣の若者は彼女の前でいいところを見せようとするが四苦八苦。ポトンと音がしたので横を向くと、帆立が畳の上を転がっていた。

ウインナーも懐かしの味。空豆もさやのまま焼いた方が美味しい。
赤いウインナー(280円)、しいたけ(280円)、空豆(580円)

ワンカップの純米酒(450円)を飲み、ホッピー(セット400円)を飲んだ。ワンカップの種類をもっと増やしてくれれば有難いが、贅沢は言えない。
多摩川の河川敷を走ると、バーベキュー花盛りである。オーストラリアに居たときは数家族集まって、よく公園でバーベキューをやったものだった。気軽に盛り場でのバーベキューも悪くはない。
そこそこお腹を満たして店を出た。銀髪の燻製が出来る一歩手前だった。
丸港水産
東京都新宿区新宿3-12-12 吉田ビル1・2F
03-5367-2377
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2008年05月19日
[博多もつ次郎](新宿3丁目)
行列が出来る店の隣の店

新宿で人気の串揚げ屋に行った。予約を取らないので直接出向くしかないが、心配したとおり店の前で何組も待っていた。銀髪の喉は一刻も早くビールで潤おされることを望んでいる。決断は早く、隣の店に飛び込んだ。
にこやかに迎えられて気分がいい。正社員かアルバイトか分からないけれど、きびきびとした接客が心地よい。
お通し、博多餃子

お通しは定番のキャベツ。キャベツをつける味噌ベースのものに工夫が見られる。博多で色んな店で餃子を食べたが、これといって共通するものはない。もつ次郎の餃子は博多で食べたどれにも似ていない。
銀髪の後に入った2組で満席になったようで、予約していない客が入り口で断られているのが見える。行列が出来る店の隣で得していると思ったのは間違いだったかもしれない。
醤助

メニューの最初に載っているのが看板料理と考えて、もつ鍋は醤油味を食べることにした。餃子の皮が乗っているのがもつ次郎風かな。それなりに美味い。期待しないで入ったものの、予想外にちゃんとした料理屋のようだ。
お奨めだと言う肉の刺し身を一度は断ったが、食べてみる気になった。試すとしたらレバー刺しである。
レバー3種盛り

鶏(上)、牛(左)、豚(右)の3種類のレバー。豚のレバーを食べさせるのは鮮度に自信があるからだろう。馬刺しも食べるべきだったかもしれない。
ちゃんぽん

もつも脂が乗ったいいものらしく、素晴らしいだしが出た。〆にちゃんぽん麺を食べた。
隣の店ほど行列が出来るわけではないけれど、なかなか悪くない店だった。いつの日か、隣並に人気になっても、予約は受け付けてくれる店であって欲しいものだ。
博多もつ次郎
東京都新宿区新宿3-34-16 池田プラザビル4F
03-5363-6340
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2008年05月16日
[すしまみれ](新宿歌舞伎町)
明朗会計、安くて美味しい店、なのかな

4月23日、新宿区役所通りに寿し屋がオープンした。明るくきれいな24時間営業の店である。
お通し、刺身盛合わせ(お任せ)

210円と良心的なお値段のお通しが白木(プラスチック?)のカウンターに置かれた。刺身はお任せにしてちょっと後悔した。金目はともかくたこ、数の子、あおやぎは意外な組み合わせ。これで2,310円。
かに玉子焼き、刺身盛合わせ(指定した魚で)

「焼き立て」と一生懸命奨めるので断り切れず、「ちょっとだけ」と言ったら4個もくれた。2番目のの刺し盛りはお任せにしないでひらめ、たい、しめさば、あじを自分で選んだ。こちらが2,270円。満足感が違う。
寿司

大トロ、うに、しまあじ、かんぱち、えんがわ、こはだ
インドマグロの大トロとうにが378円、しまあじ252円、かんぱちとえんがわが210円、こはだが126円。
「脂が乗って柔らかい不思議なえんがわですね」と言ったら、「カレイのえんがわです。若い人に人気がありますよ」と返ってきた。ヒラメのえんがわが210円とは、随分安いと思ったがカレイなら頷ける。
インドマグロとはいえ大トロ378円はお値打ち。寿司の値段が壁に印刷してあるので、仕入れ値が上がっても客から取れる値段は不変。「大変でしょう?」と同情したら、「他のネタで調整しますから」と笑う。エッ?
お任せで作ってもらった刺身の盛合わせを思い出してドキッとした。同時に明朗会計の意味を考え直した。仕入れ値に適正な利潤を上乗せした価格のことではない。食べたものの値段が自分で計算できるかどうかが明朗会計の意味。「時価」の料理がないすしまみれはまさしく明朗会計の店である。
食べるものによって損得が生じるのはいたしかたないのかもしれない。
すしまみれ 新宿店
東京都新宿区歌舞伎町1-2-3
03-5155-7065
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2008年05月12日
[蔵] (新宿)