2009年01月07日

[Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン](新宿歌舞伎町)

リーズナブルに飲み食いできるイタリアン居酒屋


職安通りに近い焼肉の有名店に行ったが、予想通り断られた。予約なしでは難しいと思っていても、それなりのショックを受ける。トボトボ歩いていたら、すぐに炭火焼の店を見つけた。イタリアンでも構わない。今日は肉を食べたい気分だ。

左側に長いカウンター席、右にテーブル席の洋風居酒屋で、気取ったところがないのが気に入った。メニューを見ると焼肉屋より遥かに安く済みそうで嬉しくなる。グラスワインも手頃な値段でたくさんある。

前菜三種盛り

前菜を食べながらワインを飲む。ちょっとご機嫌になる。目の前が焼き場でまだ誰もオーダーしていない。躊躇していると左に座った女性3人組から三元豚のオーダーが出た。すかさず豚タンをオーダーした。

豚タン焼き

炭火と我々の間に仕切りがあるものの、モウモウと立ち上がった煙が横に広がり我々に襲ってきた。席を代われないか聞こうかと思ったところで気がついた。煙の元は我々がオーダーした肉だ。文句を言える資格はない。焼きあがって手元に来たら煙は収まった。柔らかくて美味しいタンだ。

三元豚

隣客の三元豚も美味しそうなので追加注文をした。タンよりましだが再び煙の攻撃にあった。これも我々のオーダーだからじっと我慢をする。燻されたように焼けた豚は美味しかった。でも、次回来るときは、焼き場が見える一等席は避けた方が良さそうだ。この店の場合はカウンターの両端が特等席だ。

ラクレット

店名のOlio(オリーブオイル)からの連想でアーリオ(にんにく)・オーリオ・ぺペロンチーノを最後に食べようと決めていたが、ラクレットがあると知って気が変わった。ワインに合うし、ちょっとお洒落である。フランスパンにつければ、それなりに腹も膨らむ。

Olioは新橋や渋谷にもあるらしい。韓国料理が多い歌舞伎町でも存在感がある店に育って欲しいものだ。

Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン
東京都新宿区歌舞伎町2-28-16 ウィザードセブンビル1F
02-3205-1146
http://www.k-n-p.net/olio/

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2008年12月25日

[庄助](新宿3丁目)

安心して入れる庄助


あまり楽しいニュースがない今日この頃でも、忘年会、クリスマスとなれば街は賑やかである。予約が取り辛いこの季節は頭が痛い。新宿3丁目をぶらついていたら、庄助を見つけた。7時を過ぎていたがまだ入れると分かってホッとした。おやじ御用達の庄助歌舞伎町店、十割蕎麦のしょう助など系列店に行ったことがあるので不安はない。1階のおやじ向け本店も魅力的だったが、ちょっと洒落た2階に行くことにした。

お通し、ぶり刺身

2階の庄助はグループの中では真ん中ぐらいの格である。特別安いわけではないが、手頃で美味しい店だと思う。

焼鳥

ねぎま、砂肝、せせり、つくね、正肉。1階の庄助が焼鳥自慢の店なので、居酒屋としては美味しい焼鳥だった。

おでん、チャンジャ

2階はおでんが看板料理だから避けては通れない。大根、つくね、イワシつみれ、はんぺん、玉子。照明を落としたちょっとシックな雰囲気に合わせたように、おでんも上品だ。純米山廃「三谷藤夫」を呑む。

吟醸っぽい軽い味わいの「ここの酒・庄助」にはチャンジャを合わせた。他の店ほど日本酒の品揃えは多くない。若い人向けの店は何故か焼酎がメインである。若い人たちも、もっと日本酒を飲んで欲しいものだ。

おやじ御用達の店にはない洒落たデザートもある。女性も気に入るような居酒屋だ。どちらかと言うと銀髪にはおやじ御用達の店の方が合っているかも。

味も値段も安心な庄助だった。


焼鳥おでん惣菜 庄助 新宿末広通り店
東京都新宿区新宿3-6-11 庄助本店ビル2・3F
03-3226-8778

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2008年12月10日

[Violet ヴィオレット](新宿3丁目)

炭火焼きも食べられるバー


エレベーターを降りたところは寿司屋だった。事前に調べたところではバーの奥が寿司屋のはずだ。「すいませーん」と声をかけると、板さんと、客の3人が怪訝そうに振り向いた。

バーの入り口は右手にあった。カウンターに落ち着くなり「イヤー、びっくりしましたよ」とバーテンダーに声をかけた。予想と違う展開も、話のきっかけになって良かった。ショットバー風の店だが、料理のメニューはしっかりしていてカウンターの左側にある炭火での料理がお奨めだ。さっきの寿司屋から取り寄せることも出来る。

さんまとじゃがいものサラダ、えぞ鹿の炭火焼

バーには似合わない量のサラダに少し驚いた。秋刀魚は酢で軽くしめてあり、ちゃんと洋風の料理に見える。
えぞ鹿のカルパッチョを一度は頼んだものの、直ぐに撤回した。せっかく炭火があるのだから、試してみない手はない。久々のジビエ料理を楽しんだ。もも肉ということもあって固かったが、これが健康な野生の味である。

ジビエに合うワインは赤。リーズナブルなグラスの赤ワインは3種類が用意されていた。値段の高いワインが大きなグラスとの先入観は誤りで、軽めのワインは左側、フルボディが右側だった。香りが強いフルボディは背が高い大きなグラスになる。勉強になった。

スパゲッティはメニューにない辛さとオリーブオイルを多めにしたぺペロンチーノを作ってもらった。銀髪好みだけに、とても満足した。でも、赤ワインをもう少し飲みたい。定番のチーズではなく生チョコを選んだのは正解だった。

勘定を終え、寿司屋の方に歩き出そうとしたらカウンター右のドアを指し示された。本来の出入り口は階段を下りたところにあると知った。なるほど、そちらから入れば寿司屋は店の奥になる。情報は間違いではなかった。

バーでの食事はいつもよりゆったりと時が流れたように感じた。食後に来る客でにぎやかになる前の時間帯は、案外狙い目かもしれない。たまにはこんな食事もいいものだ。


Bar Violet バーヴィオレット
東京都新宿区新宿3-11-11 ダイアンビルB1
03-3354-6639

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2008年12月08日

[緋色の海](新宿歌舞伎町)

漁夫の賄い料理


「いい店を見つけましたよ」と誘われた。緋色と聞いてシャーロックホームズを思い出した。確かあれは「緋色の研究」。「緋色の記憶」はトマス・クックだった。いずれも思い出せるのは題名だけで、内容はすっかり忘れてしまった。緋色の海とは随分と文学的な名前をつけたものだと思った。

Kさんから渡された店の名刺に書かれた地図は出来が悪かった。AK会館を知っていれば難なく辿り着けるが、地図に書かれた道をバッティングセンターから数えたら永遠に彷徨うことになる。約束の時間に遅れて店に飛び込んだ。

Kさんが待つテーブルにはマテ貝が置かれていた。席につくなり銀髪にもマテ貝が運ばれて来たので恐縮して再度Kさんに頭を下げた。Kさんは年下に対しても礼儀正しい。

壁にかかった料理の札には値段が書かれていない。Kさんがいるから安心だが、店の雰囲気やお客さんを見ても心配は無用のようだ。お任せした刺身の盛合せの中心は大トロではなく鯨ベーコンなのが面白い。

大きなサザエの壷焼き、茹で上がったばかりの毛蟹。漁夫の賄い料理というだけあって、豪快な料理が身上のようだ。

白子鍋

たらの白子がたっぷり入った鍋を食べるとさすがにお腹が一杯になる。雑炊か麺を食べるべきだろうが自重した。

勘定を払って店を出ると主人が見送りに出てきてくれた。店の風格から予想していたより若い。「いかがでしたか?」と聞かれて、「日本酒の品揃えがイマイチ」と余計なことを言ってしまった。5種類の冷酒のうち2つが切れていて、残る3つは純米ではなかった。「お好きなものを言ってください。今度仕入れておきますから」と謙虚な姿勢に好感が持てた。

次回はカウンターに座ってじっくり話をしながら飲みたいものだ。素朴な感じの成年料理人と文学談義ができるかもしれない。


緋色の海
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12
03-5272-2677

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2008年12月04日

[随園別館]②(新宿)

中華料理は大勢がいい


突然別々の所にいる5人が集まって食事をすることになった。店選びを任されたのはいつもの通り銀髪。大通りに面した分かり易い店、手頃な値段、中華料理。条件を満たす店の中から新宿の隋園別館を選んだ。104で電話番号を聞いても分からず、銀髪グルメ紀行で調べて電話予約をした。

茄子、前菜盛合せ、干豆腐、なまこ

最後の一人が来ないので、つまみの類で紹興酒を飲んで待つことにした。まだ早い時間なので1階には我々を含む2組だけ。料理はどんどん出て来る。
客より店員の方が多い店内は中国語が響き渡り、まるで香港にいるようだ。量が多く、大雑把に盛り付けられた皿を見ているとますます異国の感じがする。

我々が来てから30分程で店内はほぼ一杯になった。料理が出て来るのが遅くなる。最後の一人が来る前にメインを頼んでおこうとしたら、仲間の一人が携帯を手にした。「まだか?銀髪がメインを頼もうと言うけれど、お前が来るまで待った方がいいと俺が制しているんだ」といつの間にかいい子になっている。

ピータン豆腐、小龍包、水餃子

全員揃ったところで追加オーダーした。ピータン豆腐は写真を撮る猶予を与えてもらえなかった。中国娘はテーブルに置くなり混ぜ混ぜしてしまった。
随園別館の名物は小龍包と水餃子。安くて量があってお奨めである。誰もが頼むので店側はいつも準備万端。それほど待たずにテーブルに並んだ。

北京ダックセット

北京ダックは丸ごと一匹が6,000円と手頃な値段で、1,000円足すと余った肉で2品作ってくれる。男5人でも食いでがあってお得感がある。結局スープは食べ切れなかった。食べる勢いが急速に落ちるのが中高年グループの哀しいところである。やっぱり中華料理屋は人数が多い方が楽しい。隋園別館は5人でも少ないぐらいだ。

店内は日本語ばかりになった。オーダーを通す言葉以外に中国語は聞こえない。これから忘年会シーズン。2階より上の大きな円卓を予約するのは早い方がいい。


随園別館
東京都新宿区新宿2-7-4
03-3351-3511
http://www.zuienbekkan.co.jp/

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2008年11月14日

[かりふわ堂](新宿歌舞伎町)

これが本当の大阪の味・お好み焼き?


「つんく♂さんのお店に連れて行って欲しい」と銀座のママに誘われた。「新宿は遠いので麻布の店に」とのご希望だったので、情報だけありがたくいただくことにした。

新宿コマ劇場の裏通り、名前を忘れてしまっていたがお好み焼き屋は一軒のみなのですぐに分かった。階段を上がり店に入ると、駄菓子やおもちゃが並べてある。店は二つに分かれ、左側がかりふわ堂。幸い予約なしでもカウンターは空いていた。

ざっくりキャベツ、牛すじこんにゃく

目の前には野菜が置かれてあり、焼き場は店の右奥に見える。壁に書かれたかりふわ堂についての説明書きを読みながら特製味噌をつけたキャベツをかじる。
メニューの中から大阪らしいものをと探し出した牛すじこんにゃくは期待通りの味だった。

とんぺい焼き、かきの鉄板焼き

広島お好み焼きの名物とんぺい焼きはかりふわ堂流で、豚肉を薄焼き玉子でふわりと包んでいる。かきの鉄板焼きには九条ネギがたっぷりで、京都風。大阪にこだわっているわけでもなさそうだ。何でも取り入れるのが大坂流と言われれば、納得してしまう。

ホルモンミックス焼き、豚玉

メニューの後ろの方に1,000円以上するオリジナルのお好み焼きが並ぶ。「どれを食べたらいいの?」と聞くと「私的には豚玉を食べて欲しい」と言う。若い女性店員2人とも明るくて好感を持っていたが、780円の安いものを勧められて一気に最高点をあげたくなった。

「お好み焼きは焼くのに20分かかります」と言われたのでホルモンミックス焼きを食べながら待つことにした。飲むのはホッピー。再び目の前の壁の説明を読む。「お好み焼きというより蒸し野菜」という部分に興味が湧く。

「忘れてるんじゃない?」と連れが不安がる。待ち切れなくなって店の女性を呼び止めたら、彼女の手に豚玉があった。お好み焼きを分けようとヘラで切ろうとしたら、もろくも崩れた。

つなぎが少なめにして、押さえつけずにじっくり焼いている。「蒸し野菜」の意味が良く分かった。20分以上かかったのも頷ける。つんくが言うようにこれまで食べたことがないようなお好み焼きだった。強いて言えば、我が家で小麦粉を使わず山芋だけで作ったお好み焼きに近い。

大好きになった女性店員に「美味しかったよ」と言うと、「そうですかー、いろいろ試行錯誤して作っています。また来てくださいね」と可愛い。再訪したい気持ちを決定付けさせる笑顔だった。


かりふわ堂
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビル2F
03-5155-7620
http://www.karifuwa.com

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2008年11月06日

[黒豚庵](新宿3丁目)

鍋が美味しい季節になりました


新宿通りに立ちグルッと見回す。各ビルに飲食店の袖看板が光る。日が暮れるのが早くなって、看板が目立つようになった。木曽路、月の雫など見慣れた店は除外して行ったことがない店を選んだ。

黒豚=美味しいというイメージは浸透している。黒毛和牛からの連想で日本独自の豚と思っている人も多いが、イギリスのバークシャー種の豚で純粋な外来豚である。「鹿児島産黒豚」の宣伝が成功したのだろうか。お陰で黒豚に庵をつけるだけで美味しい店のように感じる。

からし蓮根、からすみ

熊本のからし蓮根、長崎のからすみ、大分の椎茸、博多の明太子、鹿児島のさつま揚げ、きびなご刺し身など九州出身者が喜ぶ料理が揃えてある。からし蓮根はしっかり辛くてなかなか良かった。高級品のからすみは上手に薄く切ってある。880円なら仕方ない。

黒じょか、さつま揚げ

鹿児島なら芋焼酎が定番。黒じょかを使うとは珍しい。あまり美味しい焼酎ではなかったが、気分は充分味わえた。鹿児島の名店から取り寄せたというさつま揚げは評判が良かった。

黒豚しゃぶしゃぶ

2人前の肉は思ったより少なく見えた。野菜で底上げされている。もっとも、肉をつまむとしゃぶしゃぶ用にしては厚い。肉質は柔らかいので厚いほうが味があっていいかもしれない。たっぷりだしが出たスープに麺を入れ、別途持って来てくれた塩ダレで食べた。これは気に入った。

テーブルのボタンを押すまで店員はやって来ない。まだ入ったばかりという韓国人店員のサービスはお粗末だが、一生懸命さで救われる。週初とはいえ客はまばら。こんなんで広い店を維持できるのかなと心配するのは無用。黒豚庵は年商300億円を越す日本レストランシステムの系列店。ドトールコーヒーもグループ企業の一つ。

繁華街の一等地のビルには大型チェーン店が殆ど。ビルのオーナーが大手を選ぶのは当然だろう。内装、料理の質は悪くない。価格とサービスはファミレス並みという店が目抜き通りに並ぶことになる。初めて入る店でもぼったくられることはない。迷ったら目抜き通りにある大きな店に入るのは、無難な選択と言えるかもしれない。

黒豚庵 新宿東口店
東京都新宿区新宿3-17-5 新宿ニユー富士ビル3F
03-3358-1331

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2008年10月31日

[葡萄酒サッカヴァン]④(四谷)

ワインを飲むならやっぱりこの店


なんとなくワインが飲みたくなった。肩肘張らず、リーズナブルにグラスワインを飲むならサッカヴァンがいい。大好きな店なのに、なんと1年半振りの訪問である。予約のために電話を手にしたが、ちょっと考えていきなり行くことにした。

店に入ると初めて見る店員が迎えてくれた。ちょっと失望して客席を見渡し、キッチンに目をやったところでようやくオーナーの杉本さんを見つけた。目が合うと、驚いた顔をしている。この瞬間のために電話をしなかったのである。あー楽しい。

自家製スモークサーモン、自家製鶏のハム

サッカヴァンのいいところはオーナーの探究心。前に食べた自家製のポークハムやソーセージには感心させられた。今回も新作に挑戦した。サーモンもハムもワインによく合う。
本日のグラスワインは白が5種類、赤が9種類。最近ではボトルではなくグラスワインを数種類飲むことにしているので、サッカヴァンは選択肢が多くて嬉しい。

自家製コンビーフ、アンチョビのスパゲッティ

コンビーフもいい出来だ。ときどきテーブルにやってきて杉本さんが説明してくれるのが楽しい。最後にスペイン産の赤ワインを頼んだら、「以前飲まれたのと同じメーカーのものです」と言われて驚いた。確かに前にもスペイン産のワインを飲んだ。こちらが忘れているのに大した記憶力である。

ワイン4杯の代金が7,300円、料理4品の値段が4,350円。ワインを飲みに来たのだから当然の結果だろう。料理に重きを置くのであれば、新鮮な肉や魚の立派な料理もある。今はキノコ類も美味しい。

いつ来ても銀髪にとっては落ち着ける店である。不思議なことに時間はゆっくり流れているように感じるのに、時計を見ると信じられないほど時を刻んでいる。チーズでもう一杯と言いたいところを我慢して勘定をした。

常連客のように振る舞い、常連客に対するようににこやかに応じてくれる。せめて半年に1回くらいは来ないと罰があたりそうだ。

葡萄酒サッカヴァン
東京都新宿区愛住町4-1
03-3358-7650
http://www.sacavin.jp/

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2008年10月22日

[ルメン](新宿歌舞伎町)

天然酵母を使った新宿で一番美味いナポリピザ


ネット上で評判がいいピザの店を探したらルメンが出てきた。住所を打ち込み、現れた地図を見て首を傾げた。いつも近くを通るけれど、イタリア料理屋があったか思い出せない。どうせ空いているだろうと思って行ったら甘かった。週末はさすがに混んでいる。週初に出直したら思惑通り席を確保できた。

ルメンがある道は、区役所通りからちょっと外れるので人通りが少ない。間口が狭く、小さな店内を外から覗いても、美味しい店とは思えずいつも素通りしていた。

生牡蠣、カプレーゼ

厚岸産の生牡蠣、ナポリ直送のモッツァレッラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ。店員のお奨めに素直に従った。いくつか料理を奨めて、最後に「当店の自慢料理はピザです」と強調した。言われるまでもなくピザを食べに来たので他の料理で腹を満たすつもりはない。

生ハム、トリッパ

生ハムは涼しくなってきたので再開したばかりというだけあって味も香りも文句なかった。脂の乗りが程よい。牡蠣、チーズとトマト、生ハムの3品を食べて厳選素材を使っていることは良く分かった。料理の腕も見たいのでトリッパを頼んだ。シンプルな料理が多い中で、トリッパはちょっと手間暇かかる。煮込み具合がちょうど良く、味も良かった。

マルゲリータ

他店と比較するならシンプルなマリゲリータに限る。天然酵母を使った生地もしっかり味わえるだろう。薄い生地とモチモチした食感の縁がナポリピザの特徴だが、ルメンの生地は他店のものより少し固く、しっかりしている。もっと大きな違いは香り。連れはハーブのような匂いがすると評していた。今まで食べたピザの中でも一番美味しいとのこと。相手が喜んでくれれば銀髪も嬉しい。

グラスワインの品揃えやサービスに注文をつけたいところだが、ピザ屋と割り切れば問題ないだろう。店員が「ピザを食べてください」と強調したのも良く理解できた。ナンバーワンは一つあれば充分といったところだろうか。

ラ・ピッツェリア ルメン
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル新宿1F
03-3205-1207

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2008年10月15日

[しょう助](新宿三丁目)

庄助グループの高級店


庄助には焼き鳥、おでん、個室ダイニングなど数種類の店がある。先日行った焼き鳥「庄助」はおやじ御用達の典型的な大衆居酒屋。今回行ったしょう助は多分グループの最高級店で、庄助とはまったく趣が異なる。

テーブル席は気の置けない相手となら接待にも使える雰囲気で、もちろんカップルにも受けそうだ。彼らにとって最適なのはゆったりとした窓際のカウンター席だが、景色は期待できない。二人の世界にひたるにはうってつけかもしれない。

お通し、日替わり三種盛合せ、豆腐

内装だけでなく店員のユニフォームもサービスの質も庄助と異なり格段にいい。その分お値段も随分違う。料理は止むを得ないとしても、日本酒は割高に感じる。

鶏のたたき、茜鶏もも唐揚げ

茨城県筑波産の茜鶏。ちょっと上の店らしいメニューも豊富だ。庄助とのコストパフォーマンス比較ばかりしてしまうが、他の同種の店と比べたら悪くない。大衆店の庄助が支えてくれるおかげだろう。

せいろそば

しょう助の一番のウリは十割蕎麦。それを食べなければいけないと思うから、腹八分目のところで他の料理を頼むのを止めてしまった。若いときならば腹一杯飲んで食べて〆にそばを食べただろうが、今は無理をしなくなった。店の戦略は客によっては裏目に出てしまうこともある。

庄助としょう助。これだけ違うと優劣を決めるのは意味がない。どちらが好きかと問われれば、答えは簡単である。どちらが生き残れるか予想するのもたやすい。

庄助としょう助。同種の競合店と比べるとどちらも悪くないと思う。

酒・魚と十割蕎麦 しょう助 sono
東京都新宿区新宿3-32-10 T&Tビル7F
03-3356-1818
http://www.shousuke.jp

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2008年10月07日

[鳥良](新宿3丁目)

手羽先唐揚げ、関東の雄


鳥良には2005年に中学の友人たちと二子玉川店に初めて行った。新宿3丁目店は2年半ほど前に来て以来2度目である。前回は鳥良の偉いさんに連れてきてもらったので、個室に案内され立派な食事をご馳走になった。久し振りの鳥良は随分と印象が違った。

隣席との間隔が狭い、小さな席に通された。若者に人気の店である。素直に与えられた境遇を受け容れた。3度目にして初めて自分でメニューを見て料理を選んだ。「手羽先が看板料理だよね」との問いに、若い店員が頷いた。

お通し、手羽先

手羽先の唐揚げは名古屋の「風来坊」「世界の山ちゃん」が有名だが、鳥良も看板料理にしている。風来坊が「元祖」、山ちゃんが「幻の」と頭につけるのに対して、鳥良は門外不出の秘伝のタレを謳っているのみで控えめである。どの店のものも驚く程美味しいものではないが、看板料理にしては値段が安いのがいい。

湯玉豆腐、鶏ごぼうサラダ

鳥良のもう一つの看板料理が豆腐。偉いさんと来たときは大きな角鍋を使って目の前で作ってくれた。それに比べて余りに小さいので拍子抜けした。そのせいか、写真を撮り忘れた。取り皿に分けた映像だけで許してもらおう。

どて大根、鶏の寿司

どて煮は名古屋の名物である。風来坊や山ちゃんと同様にどて煮をメニューに置いている。昭和59年に吉祥寺で創業、名古屋の手羽先唐揚げを東京で広めることを目標にしたというから、どて煮があっても不思議でない。もっとも、どて煮ではなく関西の呼び名「どて焼き」を使っているのがちょっと不思議。

日本橋の比内やで食べた鶏の寿司と比較したくて、〆に寿司を食べてみた。これは明らかに比内やの方が上。半額近い値段なので止むを得ないだろう。比較しなければ充分食べられる。

初めて二子玉川店に行ったときは行列が出来ていた。偉いさんと来たときは株式上場寸前だと聞いた。久し振りの鳥良は8時を過ぎても空席が目立った。リーズナブルな割に居酒屋よりワンランク上の雰囲気が受けていたと思うが、今では類似の店が増えて目立たない。商売は難しいものだ。リーズナブルに食べられるいい店だと思うが、店舗が増えすぎて勢いを失っているのかもしれない。
店員の暗さがちょっと気になった。


鳥良 新宿2号店
東京都新宿区新宿3-13-5 クリハシビルB1・B2F
03-3353-3357
http://www.samukawa.co.jp/toriyoshi/

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2008年09月19日

[庄助](新宿歌舞伎町)

何とも落ち着くベタな居酒屋


「ここでいい」と言われて目を疑った。そこまで遠慮してくれなくても良さそうだと思うのだが、顔を見ると冗談でもなさそうだ。「本当にここでいいんですか?」と聞くと、笑顔で頷く。相手がいいなら是も非もない。望むところだ。

最近の居酒屋は若い女性客なしでは成り立たなくなっているが、ここは違う。店内に女性は一人だけ。おじさんたちの顔は赤く、身体はだらしなく傾いている。まだ7時だというのにすっかり出来上がっているおじさん二人組みと相席することになった。8人掛けの大きなテーブルなので狭苦しいことはない。ビールで乾杯し、料理が到着すれば他の客の姿は視界から消える。

お通し、はまち、さんま

お通しのひじきを食べて「お腹が空いてるから美味い!」とのたまう。“お腹が空いてる” は余計だと文句を言いたくなるが、はまちやさんまを食べても「お腹が空いてるから美味い!」と繰り返す。店の人に聞こえそうでハラハラする。

焼き鳥、カキフライ

「お腹が空いているから美味い!」と焼き鳥を食べても同じ台詞が出て来る。ボキャブラリーが少ないのか、馬鹿にしているのか分からない。それでもいい食べっぷりを見ていると楽しくなる。
カキフライは、ジューシーで火傷しそうになった。ぼちぼち牡蠣を食べる季節になってきた。クーラーなしでも寝苦しくはなくなった。天高く馬肥ゆる秋の到来である。

シロ、山芋磯辺揚げ

シロは美味しいと言ってはくれなかった。豚の臭みは受け容れ難かったようだ。銀髪が苦もなく平らげるのを不思議そうに見ている。
磯辺揚げは気に入ったようだが、“お腹が空いてるから”という台詞は既に出なくなっていた。ぼちぼちお開きにしてもよさそうだ。

久し振りのおじさん向け大衆居酒屋は楽しかった。条件付ながら美味いを連発してくれたし、酒も安いので懐にもそれほど響かない。安い店で喜んでくれたら、もっといい店に連れて行きたくなるから不思議だ。今度はちょっと高級な店に行こう。“お腹が空いてるから”は取っ払ってくれるかもしれない。

庄助
東京都新宿区歌舞伎町1-11-6 扇園ビル1F
03-3200-6056

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2008年09月10日

[FUGA(風雅)](新宿歌舞伎町)

夜景がきれいなレストラン


「プリンスホテルの25階の店はどう?」と聞くと「あそこは古くて雰囲気が良くない」と言われた。新宿プリンスホテルの30周年に合わせて2006年12月にリニューアルオープンしたことを知らないようだ。

「プリンスホテルの25階を予約しました」とゲストに告げると、「品川?赤坂?」と聞かれた。確かにプリンスホテルと言って新宿と思う人は少ないだろう。しかも洗練されていないイメージがつきまとう。

昔来たことがある人も、ダサいイメージに囚われていた人も、席で待っている銀髪を見つけて口々に驚きの言葉を並べる。「ここはフレンチ?イタリアン?」の質問に首を振るとまた驚く。西新宿の高層ビルの夜景が美しく、ジャズの流れる店内では勘違いするのも無理はない。

お通し、白身魚のカルパッチョ

春巻、出し巻き玉子

中華料理や洋食の要素も取り入れているが、メニューは和食中心である。寿司カウンターもある。もっとも、和食なら日本酒にこだわる銀髪ですら、店の雰囲気に負けてシャンパンやワインを頼みたくなる。

鶏西京焼き、鴨の治部煮

治部煮までの5品はメニューリニューアル記念で半額だった。一皿ずつ頼もうとしたら「4人なので二皿ずつ頼んだ方がいい」と店員が言う。半額なら量も少ないかと思い素直に従ったが、しっかり量があったのでかなりお腹が一杯になってしまった。

串カツ、蟹炒飯

「正規料金のものをもっと頼むつもりだったのに、損しちゃったね」とソムリエバッジが光る店員に言ったら、「せっかく安いのですから、遠慮なく半額の料理をご利用ください」と笑顔で応える寛容さだった。

夜景が美しいレストランなのに、カップルは2組くらいしかいない。ホテルに宿泊している男同士や接待風の客の方が目に付く。それでも、席は3分の1も埋まっていない。隠れ家的というか、穴場というか、とても静かないい日、いい店だった。
メニューリニューアル記念は9月15日まで。いき損っても2~3ヶ月でメニューが入れ替わるそうだから、要チェックである。半額で楽しめる期間が年に数回あるはずだ。

勘定を払い、天空から地上に戻った。西武新宿駅に流れ込む人の群れ、きらびやかに散らばる飲食店や風俗店。一気に歌舞伎町の現実に引き戻された。一瞬戸惑うものの、すぐに溶け込んでしまう。活気に溢れた猥雑な歌舞伎町も悪くない。


和風ダイニング&バー FUGA(風雅)
東京都新宿区歌舞伎町1-30-1 新宿プリンスホテル25階
03-3205-1111

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2008年09月05日

[いのこ家](新宿3丁目)

蒸し豚と豚ヒレ寿司


目指す店はマルイシティ8階にある。予約していないので、満員のエレベーターの全員がライバルに思えてしまったが、7階で不安は一掃された。そこには映画館があった。
エレベーターは我々だけになり、「いのこ家」に入ったのは我々だけだった。それでもカウンター席以外に選択の余地はなかった。ギリギリセーフに胸をなでおろした。

傘も荷物も預かってはくれないカジュアルなお店。目的にしていた2品、「蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット」「豚ヒレ握り寿司」を頼んでから、メニューを見詰めた。枝豆のようなすぐ来そうな料理が見当たらない。店員に聞くと「混んでいるので、どれも時間がかかります」と素っ気無い。お通しがあるからいいやと思ったが、結局来なかった。席料目当てのつまらないお通しに腹が立つときもあるが、何もなければ手持ち無沙汰ではある。

豚ヒレ握り寿司

幸い、一杯目のビールを飲んでいるうちに寿司がやってきた。炙りはレアの状態で少し赤身が覗く。北海道の直営農場で育てたSPF豚は生でも大丈夫とのこと。塩味が程よく、予想したより美味しかった。

蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット

我が家でもよくやる豚肉と野菜のセイロ蒸し。違いは豚肉の質というか安心度。野菜の上に薄切りの豚肉を乗せて、再び蓋をして30秒。レアの状態でも食べられるのは握り寿司で証明済み。2種類のロース肉は美味しく、蒸し野菜を食べればヘルシーな気分になった。

雑炊

蒸し器の下の鍋には肉や野菜のエキスが滴り落ちる。その鍋に出来たスープを使って麺か雑炊を最後に食べるのが定番。ヘルシー料理にこだわって雑炊を選んだ。

雑炊を食べ終わる頃には入り口で待つ人も出て来た。映画が終わる頃にはもっと列が延びるだろう。リーズナブルなワインや、果汁タップリのジュースなど、若い女性向けの飲み物は豊富だが、オジサン向けの酒の品揃えは貧弱。長居は無用のようだ。

家に帰り、体重計に乗ったら蒸し豚野菜の効果てきめんだった。メタボに悩むオジサン向けの店も開いてみたらどうだろう。もっとも、後でこっそりラーメン屋に行くようでは逆効果。それが我慢できる人なら、最初からメタボになることはない。


いのこ家
東京都新宿区新宿3-1-26 マルイシティ新宿City-1 8F
03-5362-0158
http://www.inokoya.co.jp/

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2008年09月01日

[韓国館](新宿歌舞伎町)

家庭料理もいろいろある


「あれっ? 変わったな、この店」とKさんがちょっと驚いている。足が遠のいてしまったのはKさんだけではなかったのだろう。店は創業11年目にリニューアルオープンし、高級店から家庭料理中心の低価格店に姿を変えていた。

店の奥に架かった大型液晶テレビではスポーツ番組が流れている。どこか変だと思って眼を凝らすと、チーム名が韓国語で書かれている。左隣で鍋をつつく若者3人は韓国語を話している。ラフな格好の若い店員たちも韓国人。まるでソウルに居るみたいだ。

お通し、キムチ、ケジャン

メニューの文字は日本語と韓国語。和牛焼肉のページは一瞥しただけで飛ばし、家庭料理を探す。メインはカムジャタン(ジャガイモの鍋)に決めた。すかさずKさんがキムチとケジャンを頼む。韓国語もポンポン出て来る。大したもんだ。中国でも韓国でも食べるのに困ることはないだろう。
キムチは浅漬け。ケジャンは先日の吾照里より濃い味で辛いが、悪くない。

カムジャタン

じゃがいもの他に骨付きの豚肉が入っている。味が少し薄い気がしてケジャンのタレがたっぷりついた蟹の甲羅を鍋にぶち込んだ。それを見て韓国人の店員が肉のだしが濁るから止めた方がいいと忠告する。一度は従って甲羅を鍋から出したが、思い直して再度鍋に移した。日本式寄せ鍋では肉も魚もごちゃ混ぜにする。味が交ざって何が悪い。

Kさんは豆腐は絶対あるはずだから追加しようと言う。豆腐を分からせるのには苦労した。発音が微妙に違う。具を足すシステムはないようだが、Kさんの要求に店員も素直に応じてくれた。

思ったとおり鍋はさらに美味しくなった。Kさんと二人で日本人の知恵を自慢する。伝統や習慣という高い壁も、他国人なら軽々と超えることができるから面白い。ソウルでは練りわさびを鍋の薬味に使う店があった。アボガドの鮨・カルフォルニアロールなども日本人には考え付かない。

石焼ビビンパ

写真は撮り忘れたが、ジャガイモのチヂミも食べたので満腹。それなのにKさんがさらにビビンパを頼むからびっくりした。60歳を超えるのに、銀髪より遥かに健啖家である。尊敬してしまう。
たくさん食べる人がいると、食事は一層楽しくなる。特に鍋は2人より3人、3人より4人である。

Kさんの表情を見ていると、以前の韓国館より大衆的になった今の方が気に入っているようだ。韓国人や韓国通の日本人も、ソウルの料理屋を思い出してしまうような店である。

韓国館
東京都新宿区歌舞伎町2-41-8 植木ビル1F
03-3232-2989

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2008年08月25日

[オステリア ヴィンチェロ]③[新宿御苑)

嬉しい再会


モッシュさんこと水谷さんから「オステリア ヴィンチェロ②」にコメントをいただいた。以前勤めていた日本橋小網町のランブイユが閉店になって、今はヴィンチェロに居ると言うではないか。すぐに電話をかけた。銀髪と名を告げると素直に驚いてくれる。とても楽しい。

カウンターのある店以外はなかなかシェフと話す機会はないので、店の顔はフロアスタッフになる。会社における営業マンの役割に似ている。水谷さんはとても気持ちのいい接客をしてくれる人だ。大好きなヴィンチェロに居ると聞けば行かなければならない。

ヴィンチェロは大きなガラス窓から店内が見える。こちらが水谷さんを認めると同時に、彼女もこちらに気がついてドアを開けてくれた。席に付き、料理の説明を受ける。ゆっくりとした口調は変わらない。

大好きなムール貝の料理(ズッパディコッツェ)は身もいいがスープが頗る美味い。ズッキーニのクリーム仕立て(ズッキーニのクレマ 北海しまえびのマリネ添え)を横取りしたら、こちらの方が更に美味しかった。

麺は2種類。ポルチーニ入りクリームソースのパスタには特別にトリュフを削りかけてもらった。今の季節はポルチーニの方がトリュフの香りに勝るようだ。
水谷さんが一番に奨めたボッタルガ(カラスミ)を乗せたぺペロンチーノ。前回も食べたので一度は断ったが、考え直した。看板料理だけに何度食べても満足してもらえる。

石垣のチュラ(美ら)豚のポルケッタ風。本来の仔豚を丸ごと焼く調理法をアレンジしたものと水谷さんが説明してくれる。イタリア流に量がたっぷりあるのもヴィンチェロの特徴。丹波夏鹿のフォアグラソテー添えの殆どと、チュラ豚の半分ほどを自らの腹に納めた。

もちろんヴィンチェロの売りものであるワインも料理に合わせて、グラスワインを白赤の順に堪能した。周りのテーブルのワイングラスよりひときわ立派なだけはある美味しいワインだった。
それにしてもお腹一杯。デザートを二口食べて、食後のグラッパは遠慮した。

勘定を終えて席を立つと、カウンターにオーナーシェフの斉藤さんが頬杖をついていた。一声かけて会釈をした。外まで見送ってくれたのはもちろん水谷さん。ますますヴィンチェロが好きになった。


オステリア ヴィンチェロ
東京都新宿区新宿5-1-13
03-5367-1967

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2008年08月21日

[コルベーユ](早稲田・リーガロイヤル東京)

懐かしのウインナーシュニッツェル


早稲田でミーティングを終え、食事をすることになった。高校生活を送った地域ではあるが、ラーメンのえぞ菊など数店しか思い浮かばない。下調べもしないで行ける安心な所はホテルのレストランだ。暑い日なのでワンメーターでもタクシーの運転手さんには大目に見てもらった。

日本料理(懐石、寿司、鉄板焼)、中国料理も魅力的だが、気軽なカフェを選んだ。懐にも優しそうだ。サントリー協賛の飲み放題が2,500円とお得なのもいい。

オードブル4種盛り、バーニャカウダ

オードブルが950円、バーニャカウダが800円と思惑通りのお手頃値段。ビールが美味い。

ウインナーシュニッツェル

メニューを開いたとき、即決したのがウインナーシュニッツェルだった。とても懐かしい響きがある。ビーフカツと似ているが、肉は叩いて薄くしたもので、多目の油をひいたフライパンで焼くところが異なる。父がよく作ってくれたような気がするが、例によって記憶は定かではない。

オーストラリアに居たときはチキンシュニッツェルのサンドイッチをよく食べた。客の好みを聞いて目の前で作ってくれる。ホワイトブレッド、チキンシュニッツェル、レタスまでは上手く言えるのだが、ソルト&ペッパーと言うところを、ソルト&シュガーと言って笑われた。不思議なことに言わないように意識すればするほど、また言ってしまう。今でも思い出すと冷や汗をかく。

サーモン網焼き

カフェは気軽でいい。シュニッツェルもサーモンも切り刻んで酒の肴になった。銀髪が選んだシュニッツェルの方が数段美味しい。海外と同様、日本で食べても洋食の魚料理は感心しない。サーモンを選んだ相手も素直に負けを認めた。勝てるはずはない。今日のシュニッツェルは銀髪が食べた中でも最高の出来だったのだ。

思い出の味を超えてしまったウインナーシュニッツェル。写真を見るだけでよだれが出て来る。


コルベーユ リーガロイヤル東京
東京都新宿区戸塚町1-104-19
03-5285-1121

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2008年08月19日

[炉端かば](新宿3丁目)

山陰の魚料理百選。ど田舎の旬を毎日おとどけ


店の看板に「山陰」「ど田舎」「旨い!安い!楽しい!」の文字が躍る。酒呑みの気持ちを良く知っている。エレベーターに乗り込んだが、2階に止まらないと知って飛び降りた。階段を上がると想像以上に大衆的な店。「安い!」の表現は疑いない。

店内は7割位の入り。テーブルも選べたが、窓外が見えるカウンター席に座った。すぐに店員が箸とマルハの「有明煮赤貝味付」を持って来た。缶詰のお通しは記憶にない。ビールは鬼太郎ビール、日本酒は鳥取、島根の地酒が約20種類の中から石見銀山を飲むことに決めた。純米吟醸酒でも1合700円と良心的な店である。

ドジョウの唐揚げ、地物セット

メニューも豊富だ。隣の客はオムレツ、サラダを経て、今度は立派な刺身盛合せ食べている。銀髪は律儀に山陰名物にこだわる。安来のドジョウ、島根名物あご野焼き、浜田の赤天、干物。銀髪がうんちくをたれる材料満載。「楽しい!」も認めてあげよう。

焼き鳥、山芋コロッケ、板わかめ、

焼き鳥(大山?東伯?)を食べ、鳥取砂丘名物の山芋を使ったコロッケでほぼ満腹。島根名物の板わかめで残った酒を飲み干した。

店内は満席となり大分賑わってきた。メンチカツ、ハムカツなど200円台で食べられる料理もある。値段の割には「旨い!」と言っても良さそうだ。明らかにアルバイトと分かる店員たちも「ど田舎」にピッタリの子達を採用していると言ったら怒られてしまうかな。

「ど田舎」の表現に反するのは店員が打ち込むオーダー端末。箸袋を見ると安来本店、松江、鳥取、米子、出雲の山陰にある5店舗に加え、新橋、浜松町にもある。これだけの店舗展開をしていれば、ファミリーレストラン風のシステムにも納得できる。

月曜はレディースデイ、火曜はメンズデイ、お得なクーポンはぐるなびで手に入る。店名の「かば」がどこから来たか分からない。オーナーの渾名だとしたら、大した経営者だ。


炉端かば
東京都新宿区新宿3-31-2 NS中央プラザビル2F
03-3597-2003

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2008年08月12日

[ラ・タペリア](四谷三丁目)

人気のスペイン料理屋だってさ


電話で予約を入れるときさくな外国人訛りの日本語が聞ける。日本人なら無礼と感じる言い回しも外国人なら好ましいと思われるから得をしている。四谷駅を出て杉大門通りを左に曲がったらすぐに見つかった。荒木町と言ってもいい場所だ。立地も有利だ。

電話で言われたとおり、狭い空間の小さなテーブルに通された。隣にチェーンスモーカーが居る。煙草を吸いながら料理を口にする無神経さに店を出ようかと思ったが我慢することにした。メニューにある豊富な料理の写真を見て喜んでいるAさんを気遣ってしまった。

お通し、自家製ピクルスの盛合せ

お通し代わりのカリフラワーの冷製スープはなかなか良かった。ピクルスは値段の割りに量が少ない。ボトルのワインはリーズナブルだがグラスワインは不味くて割高。Aさんの顔が曇る。

生ハム、ヒコイワシの酢漬け

セラーノとイベリコの生ハム盛合せは予想通り。マドリードの伝統的なタパスであるヒコイワシの酢漬けは好みの味だった。

ムール貝

スペイン料理で一番好きなムール貝料理。ふっくらとした身が期待通りだった。「どこ産?」とスペイン人のオーナーに聞いたら「貝はパスポートを持ってないので分からない」と言う。冗談のつもりだろうが笑えない。貝が消化しそこなった蟹を話題にして勝手に楽しむことにした。店は頼りに出来ない。

自家製パテ

タパスが小皿料理、おつまみといった意味だと思い出した。店の雰囲気と値段を見て一皿の量が多いと勘違いしていた。忙しく満席のテーブル間を歩き回るオーナーと店員の両方に、近くを通る度にメニューを求めた。銀髪には自家製パテを、Aさんにはデザートを頼もうとしたが、オーナーは頑として受け付けない。デザートは料理を食べ終わってから出すのがスペインの流儀で譲れないと言う。

仕方なくパテを2人で分け合い、それから再びデザートのメニューを貰った。デザートを食べ終わった後に紅茶を持ってくるのもスペインのマナーらしい。予約なしでドアを開けて断られる多くの客のために、早く帰ってあげようと気遣ったが無駄だった。

写真の料理と生ビール1杯、小さなグラスワイン1杯、小さなシェリー酒1杯、スペイン産ミネラルウォーター2本、デザート1皿、紅茶1杯で合計13,500円。そうそう、パンも追加したかな。

足を組み、煙草を吸いながら料理を口に運ぶ人を許すのだから、店のパンフレットにあるように「居酒屋のようなスペインのフードスタイル」を守る店である。無礼をきさくと感じる人は楽しめる店だ。

ラ・タペリア
東京都新宿区四谷3-3 ストリーム四谷B1F
03-3353-8003
http://www.la-taperia.com

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2008年08月08日

[地鶏ばやし](新宿歌舞伎町)

意外と良かった宮崎料理の店


50歳を超えるとあちこちにガタが来る。歯を自慢しているうちにケアを怠った歯茎から病んでいった。今日の治療は辛かった。歯医者での苦行を乗り越えて、グルメ紀行のために夜の街に出る自分を褒めたい気分だった。

新宿歌舞伎町、宮崎料理の看板に釣られた。東国原知事による宣伝効果は既になくなってしまったようだ。ブームが去るのを待っていた銀髪のような連中は僅かしかいない。7時を過ぎているのに店は閑散としている。料理人とその奥さんと言ってもおかしくない年齢の女性と2人で切り盛りしているのを見れば、彼らが想定する客数も容易に推測できた。

白レバ刺し、鶏わさ3種盛り

メニューにある料理の種類は多くない。掲示板の本日のお奨めを足しても数は大きく増えることはない。もっとも、一人で食べられる数は限られているので数を競っても仕方がない。
美味しい白レバの刺身があるだけでかなり満足感は高い。

骨付もも焼き

店の看板料理でもある宮崎名物地鶏の網焼きを食べたが、これには参った。食べる度に歯にかかるプレッシャーを受け止めることが出来ずに治療したばかりの歯茎が悲鳴をあげる。ところがこちらの意に反して相方が「上手い!」と賞賛するのに驚いた。そう言われて味わうと確かに相方が正しい。宮崎地鶏の特徴は歯応えと黒く煤けた炭の香り。噛む場所を選びながら美味しく食べ尽くした。

冷汁

宮崎料理のもう一つの代表格・冷汁は初挑戦。「魚だしと麦みそベースのさっぱりした汁」と謳い文句どおりのお味。これを白いご飯の上にぶっかけて食べる。夜は液体になった米以外は口にしないと決めている銀髪でも、酒の肴の感覚で食べられるのがいい。
歯医者に行った後は絶対お奨めの料理である。

思ったよりいい店だった。満席になったとき対応できるか心配ではあるが、メニューの種類を制限するなど経験を活かしている風にも思える。
繁昌するよう頑張れと応援しつつ、それなりに空いていて欲しいとも思う。我ながら客というのは勝手である。


地鶏ばやし
東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2F
03-3232-1029

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2008年08月05日

[むつ湊](新宿歌舞伎町)

歌舞伎町に出来た新しい和食の店


以前書いた「彌次朗兵衛」が姿を消した。激励したつもりだったが、命を縮めさせたのではないかと気になる。店は大きく衣替えして見違えるような店内になった。料理人が3人、給仕係の女性が2人、店長らしき人を加えると堂々の布陣だ。

お通し、枝付枝豆塩ゆで